シナリオ詳細
LifeColorDiary
オープニング
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すべてが色褪せてしまわないように、閉じ込めていたいの――
花瓶に活けた赤い花は直ぐに枯れて仕舞ったけれど、落ちた花弁二枚は栞にしておいた。
カンテラの明かりを揺らして紙飛行機をひとつ、ふたつと書いたあの日。
灯りに照らされて笑ったあなたの顔を思い出せば可笑しくなる。
浴衣が可愛いと褒めてくれたあの日、からりころり。
鳴った下駄の音を聞きながら、妖怪赤い鼻長いマンだなんて笑った彼を思い出す。
水風船は帰り道でぱんと音を立てて破裂してしまった。
空を飛びたいと願ったあの日に見た景色の鮮やかさは、忘れないようにクレパスで日記帳を塗り潰した。
ラピスラズリみたいにキラキラした海が眼窩で笑っていた。
そんなしあわせを詰め込んだ毎日がタイム (p3p007854)にとっての宝物。
スケジュール帳の7/22にはほんの少しだけ小さな花のマーク。
練達で購入したぷくぷくとしたシールを貼って触れるだけで指先にその日を教えてくれる。
タイムの薄い唇が、優しい笑みを湛えて少しだけの困惑の吐息に変わる。
コラバポス 夏子 (p3p000808)の言葉が、心をほんの少しざわめかせて。
――僕の誕生日 タイムちゃんと過ごしたいんだけど
特に遊びに行きたいトコとか無いんだよねぇ~
タイムちゃんの行きたいトコとかあるなら
一緒に連れて行ってほしーんだけど~ どっかあるかなぁ?
そんな丸投げすぎるお誘いに「デートならエスコート位してよ」と唇を尖らせて。
それでも誘ってくれたことが、過ごしたいとそんな甘い言ノ葉がひらひらと落ちてきたことだけでも嬉しくて。
何処へ行こうかな、なんて混沌のガイドブックばかりを眺めて頬杖を付いて嘆息して。
「そこ?」「うーん」「そっかあ」なんて、言わないだろうか。
「楽しそうじゃん」「いーね」「タイムちゃんセンスある」とか、言ってくれるだろうか。
どんな服を着ていこうかな。髪飾りは、アクセサリーは。
ああ、乙女っていそがしいのだもの。
鮮やかすぎる火輪に、炎天の空だって愛おしくなるような一日にしなくっちゃ。
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「へえ、ラサの遺跡群ツアーか いいね」
「ふふ、そうでしょ。興味あるかな、とおもったの」
少しだけ、内緒の内緒。夏子に渡したパンフレットはラサの砂漠地帯をパカダクラの背に乗ってのんびりと進むコース。
サンドバザールにも立ち寄って昼食はエスニック料理を。夜の砂漠は少し冷えるけれど、天蓋煌めく星々を眺めることが出来るらしい。
舞風に攫われないようにとヴェールを抑えるタイムに盛暑の砂漠を見回して夏子は揶揄い笑う。
「このあたりなら『熱砂の恋心』とか有名なんじゃ? そう言う場所もまわる?」
「ん、ん。行きたいなら」
――なんて、嘘。恋愛成就にご利益のあるパワースポットだってきちんとチョイスにいれてある。
恋する女の子は少しの嘘だってご愛敬。へえ、と垂れた目尻に浮かんだ意地悪な笑顔にバレてやしないかと胸を押さえてすう、と息を吐く。
「オアシスで休憩しながらのんびりと行きましょう? ほらほら、一日が勿体ないもの」
「そうだね タイムちゃんの『エスコート』楽しみましょか」
- LifeColorDiary完了
- GM名日下部あやめ
- 種別リクエスト
- 難易度-
- 冒険終了日時2022年07月22日 22時05分
- 参加人数2/2人
- 相談9日
- 参加費---RC
参加者 : 2 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(2人)
リプレイ
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――ってワケで僕の事が好きなタイムちゃんと僕の誕生日を一緒に過ごしたら喜ぶかな……と思って誘ったら思ったより良い感じ。
髪に飾られたのは安物の星形の髪飾り。何時の日か、似合うんじゃないなんて適当な文言を添えて渡したそれは彼女のミルクティブラウンの髪を優しく纏め上げている。ほら、やっぱり似合うじゃんなんて『八百屋の息子』コラバポス 夏子(p3p000808)の甘言を聞いただけで『揺れずの聖域』タイム(p3p007854)はぱちりと瞬いて笑う。
薔薇色の頬が、何よりも『僕を好き』だと伝えてくれるのが何ともいじらしい。
別に理由なんて何でも良かったけれど、折角の誕生日。エスコートをしてよと揶揄えば彼女は随分と一生懸命にプランニングしてくれたらしい。
「よろしくぱかー」とパカダクラと視線を合わせてその頬を撫でてから史跡を回るパカダクラと戯れるタイムを眺めながら夏子は「さ、いきましょか」と手を差し伸べた。
ワイバーンに跨がったときは背にしがみ付くばかりだった彼女を前に乗せてその背を抱き込んで。そうしてみればその体の華奢さが良く分かる。
パカダクラの背に跨がって、のんびりと移動するふたりだけの小旅行。差し入れた日色は眩いばかりでじりじりと肌を焼く。
前方に跨がって少しバランスを取るように身を固くした彼女の背中側から手を回して。手綱を握った夏子の無骨なてのひらをまじまじと眺めてからタイムは緊張に少しだけ体を揺らして。
「二人で旅行とか全然してないよね ローレット関連は常に誰か居るモンでさ」
「……たまにはいいでしょ?」
さりげない問い掛け。甘えるわけでもなく、まるでそれも普段通りでしょうと言いたげに言葉の端で沈みきれない甘いマシュマロみたいな思いがぷかりと浮かんだ気がした。
心が躍っちゃうのはわたしだけ? 嬉しいなあなんて口許が緩んで、声も弾んで、少し浮ついて。
ついつい触れた体越しから伝わった体温も、声も、振動も愛おしくなるのはひとりだけ?
そんなことはないわよね、と問い掛けることも出来なくて見上げるようにちらりと見詰めれば「怖い?」といつものにやけ顔が揶揄うように問い掛けた。
「なんでもないっ」
あなたの体温が心地よかっただなんて意地でも言わないんだからと唇を尖らせた。頬が赤いのだってうだるような暑さのせいだもの。きっと。
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賑わうサンドバザールを行き交う人々は、誰も彼もが異国の気配を纏わせて。活気ある夏の通路に逃げ水が浮かんでは遠離る。
笑みを絶やさぬ商人の声音は齷齪動く人々の爪先にくいと引っかける紐のように少し悪戯めいていて。
「装飾品も多いのね。食事も沢山有るけど……摘まみ食いになっちゃうかしら?」
「どーだろね。弁当買って移動するのも楽しそうだけど、まあ、気になるのは~」
ふらりと進む夏子の背中。大きな歩幅に待って待ってと駆け寄って。手を繋ぐなんて自然な仕草は甘やかな恋人めいたものだから。彼の服の裾をつん、と抓んで駆け足気味に着いていく。
「夏子さん何探してるの?」
「んー」
心ここに非ずか。それとも余程の品なのか。屋台の棚を飾った大判柄の織物に丁寧に並べられた銀細工が差し込む外光を返すように光を帯びた。
「イイね、この銀細工」
「わあ、それとっても綺麗ね。イヤーカフかしら。繊細だし……派手だけれど、素敵っ」
結構派手なのが好きなのさ、と手に取って光に透かしてから夏子は店主に一度視線を送る。したり顔、男女が二人で銀細工を見てその次の仕草なんて百戦錬磨の店主はよくよく識っているのだと口蓋に乗せやしない笑いが少しだけ滲む。
「うん、ホラ。タイムちゃんの長いお耳にちょうど良いイヤカフ。あげちゃう。たまに付けたげてね」
「ふぇ!? わたしに?」
結い上げた髪、少し垂れた横髪を掻き上げて長い耳の先につん、と触れて宛がって。縦向きの長い耳には繊細で華奢な細工よりも派手な方が良く似合う。
変な声が出ちゃったと慌てるように口を抑えて「んんッ」と気を取り直してみたけれど。素直に喜ぶ簡単な女じゃなくて余裕綽々、駆け引き上手――は難しい。
「むり~! 嬉しい~~~! いま! 付けてもいい?」
「モチ」
付けたげよっか、なんて笑う彼がゴールドを店主に投げて寄越した姿を見詰めて。体全体が歓喜に打ち震えている。
指先が少しだけ耳朶に触れる感覚に、程良い熱が分け与えられた気がして少し重たくなった飾りの分量だけ恋心がつもりつのって。
見上げれば、何時ものに焼け顔。細められた月の色、綺麗な彼の瞳に「ありがと」とそっぽを向いて返した声に心が揺れた。
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水中遺跡『レースフェーベル』の美しさ。水没したその場所はオアシスより湧いた恵みを讃えた砂漠の憩い。
ゆっくりと脱いだ靴の中に入り込んだ砂塵少し、払除けてからタイムは少し緊張したように身を固くして。
サーファーズパンツにアロハシャツ。転んだりしないように気をつけようよと振り向いて夏子の瞳は丸い色を帯びた。
長い耳には銀細工。きらり、と陽を返したそれは髪を束ねた星飾りより存在感を感じさせて。似合っているね、と口にするより先に夏子の唇は三日月に象られて。
「いや~タイムちゃんキワキワ水着サイコ~。そんなビキニのイメージなかったから新鮮ぅうわーお! 危ないのは僕だった~!」
「違うの、夏子さんが一緒だから……って言わせないでよう! もー!」
あなたの為なの、なんて『おとこなら』言われてみたい台詞にそりゃあ、『夏もアゲアゲ』ですよと言いたげに灼熱の空を仰いだ夏子の体を川へと突き飛ばす。
「ブッ」
予想外の衝撃に、川に飛び込んだ彼に「泳ぐの、得意でしょ? サメとよく遊んでるもの」と揶揄う言葉を添えてみれば「サ、サメ……」と夏子の表情に少しばかりの蒼い色。
「ふふ。あれぇ、おかしいな。サメと仲良しでしょ?」
「良く分かんないな、分かんないや……」
「あれぇ? ……ほら、行きましょ。花畑にも進んで、それから遺跡の奥も行かなくっちゃ」
尻餅をついた彼へと手を伸ばして。次に揶揄うのは自分の方なのだと声を弾ませるタイムに夏子は「へいへい」と重たくなったアロハシャツの裾を絞って立ち上がる。
炎天の空の下、心地よい水の気配が膚を張り付いて伝って行く。じりじりと燃えた気配を拭うように足先が水を蹴り飛ばす。指の合間に食い込んだ砂をも攫う恵水を感じ取りながらぺたり、ぺたりと足音を立てて歩き行く遺跡の内部は少しだけ肌寒い。
時折指した斜光と混ざり合えば心地よさをも感じさせた夏を避けた天色の気配を感じ取りながらタイムは「見て」と夏子の手を引いた。夢中になるように、逸る心が千重波のように声を弾ませて。
「この花を『姫王の棺』に捧げるらしいの。とっても綺麗よね? ね? はい、これは夏子さんの分のお花。一緒にお供えするのよ?」
「お供え物? 僕も?」
「そう。夏子さんも! いいの、そういう決まりなのっ。ね?」
「そーなんだ。願いが叶う系だったっけ。フゥン……多分、きっと叶うよ」
こんなにも彼女が楽しげに笑うから。何となく察しは付くけれどと夏子は何も云わないままタイムに手を引かれて花を一輪握り込む。
どうせなら、棺に供えずミルクティブラウンの髪に差し込めば映えるだろうか。小振りな白い花。雪のような淡い色、差し込めばどんな顔をするのかと揶揄いたくはなるけれど『おんなのこのおねがいごと』を邪魔するほど無粋じゃあない。
「で、どんな願いが叶うんだっけ?」
「んー?」
誤魔化すように微笑んできらりきらりと天輪の光を帯びて七色に表情を変える姫王の棺に花をそっと添えた。
――あなたとの恋が実りますようになんて言ったらきっと笑うわ。だから内緒。
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食事にしようと木陰に腰掛ければ、吹いた風が少し心地よい。
サンドバザールで見て回った食事を眺めて「あまり食べ慣れない飯多そうでいいね~」と見回った夏子にタイムは家庭料理みたいな素朴な味が恋しいわよね、とグルメ紀行の頁を捲った事を思い出す。
ガイドブックを指先なぞって眺めれば、豆やモロヘイヤのスープや具材を混ぜ込むコシャリが目に付いた。ピリッと辛いカレーとナンも捨てがたいけれど、米やショートマカロニ、バーミセリや豆をベースにスパイスの利いたダッアと辛みソースのシャッタを混ぜて食べるのも食べ慣れなくて心惹かれる。
フライドオニオンの香ばしさ、少しばかり食べやすそうな者を選ぼうとホットソースで暑さに熱さを倍増しにしようと夏子は揶揄うように提案した。別添えのソースの分量はお好みで。お口が火を噴いてしまう時のために壺で買った贅沢なラッシーは喉を潤し心地よさを与えてくれるはずだから。
「さてお味は……」
スプーンで掬い上げて美味しいや少し辛いと感想を呟くタイムはふと、彼を見上げて瞬いて。
「アレ? まだかな、僕の口開いてますよ?」
「……夏子さんったらしょうがないなぁ」
まるで餌を待つ小鳥のようにあーんと口を開いた彼へとスプーンで運んだコシャリはオーソドックスに。それ程辛くは感じないものを口へと運べば「美味ですなあ」と彼はうんうんと頷いた。
そんな仕草と、揶揄うような彼の様子が好き。恋するおとめにとっては可愛く見えた彼の様子に胸がとくとく鳴った気がして。
「じゃ、ソースを足してみますか」
「辛くってお腹が痛くなるかも知れないけど?」
「そりゃ、その時だ。暑い時には激辛に限るもん」
ラッシーもたっぷりありますから、と夢の様な『贅沢』に触れてみた彼の笑顔にタイムはつられて微笑んだ。
今日は戦う事なんて忘れてふたりきり。イレギュラーズの責務なんて明後日の方向に置いてきて、おいしいとうれしいを沢山に詰め込んでのんびりとした時間を過ごそう。
太陽の動きが良く分かる砂漠の景色を眺めてからこれからどうしようかと二人揃ってああだこうだと言い合った。ガイドブックの丸印、土壇場で少し増えたって、忙しいばっかりのイレギュラーズの『おやすみ』の時間は一分一秒足とも無駄には出来ないのだから。
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影が伸ばされ、太陽も欠伸を漏して。眠気眼を擦るように砂漠の向こうに沈み行く。追い縋ることもなく。
まだまだ長い夜は少し冷えてしまうから、ヴェールを膚に巻き付けた。水浴びで濡れた髪もすっかりと乾いてしまったけれど、少しだけごわついた。
少し開けた場所で夜営をしようと夏子は慣れた様子で準備を整えた。テントを立てて、カンテラ明かりが仄明かりを照らして行く。
太陽が姿を隠せば月が二人に微笑む頃がやってくる。レジャーシートを引いて入り口の布を捲り上げれば空を見るには丁度良い。
寝床はふかふかにして置いたよ、と中から声を掛ける夏子がクッションをもふりと撫でた。心地良さそうなそれに手を伸ばしてぎゅうと抱き寄せれば夏の砂漠に吹いた夜風よりも心地よい。
膝の上には星座盤。星を見る用意を調えたタイムの傍にそっと腰掛けて「星見える?」と夏子は問い掛けた。
「んー……あれって」
「ああ、あれは」
星座盤の見方も教えましょうかお嬢様、そんな揶揄う言葉に「分かるわよ」と唇を尖らせながらそっとその肩へと頭を乗せた。
無骨な肩、細く見えて、それでいて確りとしてごつごつとした骨の気配。体温と、呼吸の度に少し揺れた肩の感覚が心地よい。
身を寄せて、星座盤に視線を下ろしてからはあ、とタイムは息を吐いた。ゆっくりと顔を上げれば此方を見ている月色のひとみ。猫のように、細められた悪戯っ子のような甘い色。蜜を溶かした様に、優しくって、鼈甲飴のようにきらりと光って捉えどころのない色彩。
今度は逸らさないからと顔を寄せれば吐息が擽ったい。彼の呼気が睫を擽って、ゆるくひとつ落ちて行く。星なんか見えないほどの距離でタイムの唇が「ねえ」と綿菓子のような声音を編んだ。
「お誕生日おめでとう。……あのお祭りから丁度1年経ったのよ」
そっと腕を首に回せば、真っ正面に彼のかんばせ。夜空の星が照らす明かりも、今は少し邪魔をしないで。
タイムの蜜色の髪を撫でてそっと手を下ろす夏子は赤く色づいた薄い唇の紡ぐ言葉を待っていた。
凪ぐ湖畔のような瞳が細められて、何時もより蠱惑的な色を帯びた。その眸はいつだって、色々ないろを帯びているから。
つい、目を離すことが出来ない。星空よりも尚、瞳の中に映り込んだ自分の色彩が真っ正面から彼女が己だけを見ていることを気付かせる。
―――そろそろわたしのこと、わたしと同じ『好き』になってくれた?
「え」
思わず唇から零れた言葉に、白魚のゆびさきが唇をそっと突いた。乙女の意地は逃れることをゆるさない。
「うーん、どだろう」
また、そうやって。意地の悪い言葉を紡ぐ。タイムの眸は夜空の星よりも尚、光を帯びて。きらり、夜が落ちるような美しさ。
夏子の大きなてのひらが彼女の耳朶を擽って、頬を撫でる。ごわついた髪を梳いた指先が少しだけ引っかかり其の儘、髪を引き寄せた。
爪先から金がはらはら落ちて行く。少しだけ唇を寄せて誤魔化した髪先はそれだけでは黙っていないのと告げるように宙を踊って。
「ねえ」
甘えたような声の端。白い首筋を照らしたカンテラは甘い蜂蜜のような彼女ばかりを夏子に示す。
「好きには違いない……かな? 間違いなく」
「信じてるからね」
ふわり、と落ちて行く金の髪。テントの奥へと誘うように少しだけ姿勢を倒した夏子の指先を追掛けてタイムはくすりと笑う。
彼を見下ろすような視線になって、頬に被った金の髪を指先で持ち上げて。
ほらほら、とふかふかとした寝床へと後退して言ってから座った彼の傍へとゆっくりと近寄った。
「ソレはソレとてお嬢様 僕の誕生日を一緒に彩って下さいね」
「……じゃ、改めて」
カンテラ灯りが揺れている。タイムの頬に、彼の掌が触れた。
無骨な、いつだって女性のためだと戦って槍を握り慣れて硬くなった皮膚。傷だらけの腕が少し覗いて痛ましい。
けれど、それを含めてあなただから。
「ええ、今夜はあなたと共に」
ふたりきり。あなたとわたし、星さえ素知らぬ顔をしたテントから漏れた薄明かり。
――影が、重なった。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
お誕生日おめでとうございます。
素敵な一年になりますように。
おふたりにとって、これからが素敵な毎日でありますことをお祈りしております。
GMコメント
リクエストありがとうございます。
お誕生日おめでとうございます。お二人にとって、素敵な一日になりますように。
●ラサの遺跡群ツアー(パンフレット)
パカダクラの背中に乗ってのんびりと遺跡群を回るツアーです。
午前中はエジプトをモチーフにした古代遺跡で旧き建築物を見て回りましょう。
昼休憩はラサの都『ネフェルスト』に立ち寄って、サンドバザールを見て回る&エスニック料理を楽しむことが出来ます。
午後はのんびりと点在するオアシスに立ち寄りながら、交易路に沿って移動し広々とした砂漠の中のオアシスに沈んでいる水中遺跡の見学に行きます。
そして夜には美しい星空を眺めるという行程です。
・午前中の建築物は葬祭殿や壁画などが存在した由緒正しい遺跡です。パカダクラが案内してくれます。
・ネフェルストのサンドバザールではお土産購入や食べ歩きも楽しめます。エスニック料理はランチのコース、ラッシーで喉を潤しましょう。
・水中遺跡『レースフェーベル』はオアシスに沈んでしまったとされる遺跡ですが、水没していない部分の見学が可能です。
見学コース最奥にある『姫王の棺』には白い花を供えると恋が叶うと言われています。
沢山の花に埋もれるようにして水晶で模された姫王が眠っており、とても美しい光景を見ることが出来ます。
・オアシスの周囲には河川が流れていたりします。水浴びスポットとしても人気ですので是非ご利用下さい。
・少しだけ道を逸れると悪い野犬などが飛び出してくる可能性があるので注意して下さいね。
・星空を眺めるのは少しばかり小高くなった砂漠の丘陵です。テントを立てて少しのんびりして行きませんか。カンテラの灯りがなくとも星々が眩いほどに照らしてくれます。
●姫王の棺
恋が叶うと噂されるスポットです。愛しい人と共に白い花を供え捧げれば、姫王と呼ばれていた嘗てこの地の豪族であったおんなが祝福を与えてくれるのだそうです。
この周囲までは滝のように水が流れ落ちて行く美しい古代建築を見ながら進むことが出来ます。
途中に花畑が存在し、姫王が愛したと言われる真白の花が咲き誇っています。その花こそ、恋の花と呼ばれているレースリリーです。
それではお二人の素敵な思い出となりますように。いってらっしゃいませ。
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