PandoraPartyProject

シナリオ詳細

巫女さんの暇つぶし

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●夏の神社
ここは神社だけがある小さな世界。
石段を上り、鳥居をくぐればそこには境内がある。
境内には巫女がひとり、神社のすべてを取り仕切っている。
巨大な神木、参拝客を睨む狛犬、手を清める手水舎や賽銭箱のある拝殿、おみくじやお守り、絵馬を授かることが出来る社務所など、現代日本の神社と大きく変わった点はない。

じーわじーわとセミが鳴いている。
ギラギラと夏の太陽が照りつけ、神木や他の木々がそれを遮って地面に木漏れ日を作っている。
風は涼しく、木々の葉を揺らしながら神社の中を吹き抜けていく。
ひとり、箒で境内を掃いていた巫女は、あくびをしながら大きく伸びをする。
――誰も来なくて暇だ。
それはそうだ。この世界には神社しか存在しない。
参拝客は、誰も来るはずがないのだ。
外の世界からの客人(まれびと)――イレギュラーズを除いては。

●境界図書館にて
「……来たか」
境界案内人・水鏡透はあなたを目視すると本を手に取る。
「今回の世界は神社だけが存在する小さな世界だ。別に何か問題が起こっているわけでもない、平和な世界ではあるが、ここの主である巫女が参拝客もいなくて退屈だとうるさくてな」
水鏡はよほど巫女に口うるさく要求されたのか、うんざりしたようなげんなりしたような顔をしていた。
「お前にはちょっとこの神社に行って適当に過ごしてほしい。巫女と立ち話するも良し、賽銭を投げて願い事をするも良し、おみくじを引いたりお守りを授かったり絵馬を書いたりも出来るらしい。巫女の仕事を手伝ってやっても構わない。あいつは喜んでこき使ってくるだろうが、義理堅いやつだからきちんと報酬もはずむだろう」
水鏡は無表情ではあったが、本の中の巫女に対して呆れているような、それでいて放っておけないような、どこか優しいまなざしを向けていた。
「ああ、巫女や神社の施設、神木なんかに悪戯をするのはやめておけよ。バチが当たるかもしれないからな」
境界案内人は最後にそう付け加えて、イレギュラーズを送り出す準備を始めたのであった。

NMコメント

こんにちは、NMの永久保セツナと申します。
暑くなってきたので日本の夏らしいライブノベルをしたいと思い、作りました。
お手柔らかに、どうぞよろしくお願いいたします。

●世界説明
今回の世界は神社がぽつんとあるだけの至って平和な世界です。
神社の主である巫女さんが退屈しているのであなたに参拝してほしいそうです。
現代日本の神社と大きく変わった点はありません。小さめの神社にもあるような施設はだいたい揃っています。

●目標
今回はこの神社で自由に一日を過ごしていただきます。
巫女さんとお話してもいいですし、参拝客としてお願い事をしてみたり、おみくじやお守り、絵馬などを授かってみても良いでしょう。
注意点としては、この世界は神社だけの世界なので神社の外に出ることは出来ません。境内の中で出来ることをプレイングとしてお書きください。
なお、神社の外の世界からアイテムを持ち込むのはOKです。プレイングに記載してください。

●サンプルプレイング
夏の神社、セミが鳴いていて風情があるねぇ。
まずはお参りをしよう。願い事は、うーん、やっぱ金運かな!
おみくじを引きながら、巫女さんと話がしてみたいな。
アイス持ってきたから、一緒にどう?

  • 巫女さんの暇つぶし完了
  • NM名永久保セツナ
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2022年06月21日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

回言 世界(p3p007315)
陰性
フロイント ハイン(p3p010570)
友人/死神
アザレア・ラビエル(p3p010678)
讃良・まるか(p3p010680)
期待の新人

リプレイ

●金運の神様

境界案内人の導きにより、『貧乏籤』回言 世界(p3p007315)は小さな神社に降り立った。

「さて、と……」

回言は境内を見回す。
神社しかない、あまりにも小さな世界。ここの住人――巫女さんしかいないらしいが――はさぞかし退屈しているだろうと容易に想像がついた。
しかし、やることも行動範囲も限られた場所で何をしたものか。

「まずは、お参りかねえ……」

神社に来た人間がやることといえば、やはりお参りだろう。神社の主に挨拶をしておくのは大事だ。
回言のいた世界では神は所詮人が生み出した偶像である(少なくとも回言はそう思っている)が、どうもこの神社の世界にはそれらしきものがいるらしい、と案内人がほのめかしていた。ならば、願い事をしておいて損はない。はずだ。

賽銭を投げ込んで、二礼二拍手一礼。
――金が欲しい金が欲しい金が欲しい。
三回、強く頭の中で願う。

「……」

……流石に何も起こらないか。
いや、即効性があるとは限らないし、次にこの世界に来たときに時間差で金が降ってくる――なんてことは、ないか。

「ようこそ、おいでくださいました」

不意に声をかけられ、振り向くと、件の巫女が微笑んでいた。

「アンタがイレギュラーズを呼んだのかい?」

「はい。この通り、私しか居ない世界で話し相手もおらず……」

巫女は静かに微笑むばかり。
ならばと、回言は巫女の話し相手になるついでに、この神社について尋ねてみることにした。

「この神社は、いったい何を祀ってるんだ?」

「弁財天、という女神の名を、お聞きになったことはございますか?」

弁財天。
回言のいた世界でもかなり名の知れた神の一柱。

「たしか、七福神だったよな。宝船に乗ってる、唯一の女神だ」

「ええ、音楽、弁舌、そして――財産を司る神でございます」

「財産、ねえ……」

先ほどの自分の願い事を思い出す。

「回言様のお願い事、叶うといいですね」

――見透かされている。
やはりこの巫女、只者ではない。いや、こんな世界にひとりで暮らしている時点で、既に普通ではないのだが。

他にも色々と質問してみたが、「ひとりで暮らしてて、食事はどうしてるんだ?」と尋ねれば「食事の必要はありません」と返され、「この世界はどうやって発生したのか、どんな歴史を辿ってきたのか」と尋ねれば「私が生まれたのと同時に、この世界が生まれたのだと思います」ときた。

……この巫女、もしかして……と思ったが、敢えて訊かないことにした。

「このおみくじ、大凶入ってる?」

「入ってますよ」

「じゃあ引かないほうがいいな……俺、こういうの引き当てちまう質なんだ」

神社でやるべきことは一通り終わったかな、と回言は判断した。
あとは、一日が終わるまで昼寝でもするか、と神木にもたれかかって目を閉じる。
蝉の鳴き声、木々のさざめき、吹き抜けるそよ風、神木の葉に遮られて出来る木漏れ日。
心地よさに、ついつい夕方まで寝入ってしまい、夜風の冷たさに目を覚ますのだった。

●神とは

「巫女さんは、神とはなんなのか、考えたことはありますか?」

『友人/死神』フロイント ハイン(p3p010570)は、巫女の話し相手になっていた。
ただ、巫女について何も情報がなかったので、自分が話を聞かせることにした。

「神社に祀られる神は、いわゆる唯一神の類ではなく、万物に宿る霊的存在の一つと聞きます。この地が隔絶された神社であるならば、恐らくこの地はその神が治める、言わば世界の中の治外法権の場、と例えられるでしょうか。そして巫女であるアナタは、その神の代行者とでも言うべき存在です」

巫女は、黙って話を聞く。

「神、霊的存在、魂。これらは一体なんなのでしょうか。フレッド・ホイルという物理学者は言いました。『この自然界で確率的にも生命が偶然誕生したと考えるのは間違っている』と。『この宇宙には「知性」という「力」がすでに存在していて「生命のもと」を形づくった』と」

「知性、ですか」巫女は相槌を打つ。

「はい。この「知性」こそ、ボク達が魂や神、運命と呼ぶ力なのではないでしょうか。それは確かに存在していて、全てに宿り、共鳴し、世界を緩やかに、しかし着実に、望む方向へと導いているのではないでしょうか」

ハインは、一呼吸おいた。

「そして、ボクはそれらの導きは、小説における脚本のようなモノだと考えています。
公演はこれからです。演者すら決まっていないかもしれません。運命というモノがあったとしても、ボク達はその奴隷ではありません。運命を目覚めさせ、世に放つことができるのは、選ばれたスターだけです」

「――ボクの話はこんなところです。お粗末様でした」ハインはペコリと頭を下げる。

「お話をお聞かせくださいましてありがとうございます」巫女もペコリと頭を下げた。

「ハイン様は色々と難しいことを考えていらっしゃるのですね」

「ボクの話は難しかったですか?」

「正直なところ、私の理解力ではお話の内容を呑み込むのに時間がかかりそうですが……」巫女は恥ずかしいというように照れ笑いをした。

「興味深いお話を拝聴できたと、感じております。これでまたひとりになっても、今日のお話の内容を反芻して、何日も過ごせそうです」

「それなら良かったのです。ボクたちの目的は、アナタの暇つぶしになること。ボクの話でアナタの退屈がしのげるのなら、ここに来た意味もあったのでしょう」

巫女とハインの間を、涼やかな風が吹き抜けた。

●愛と癒しの堕天使巫女

「成程! 異世界の神社なるものはこういう場所なのですね?」

アザレア・ラビエル(p3p010678)は目を輝かせている。

「神様の社ですから何やら神聖な感じがするのです!」

「ふふ、お褒めいただき光栄です」

巫女はアザレアに対して好意の微笑みを向ける。

「今日は『愛』と『癒し』の堕天使として、お勉強させていただくのです!」

「はい、よろしくお願いいたします。本日は巫女の体験をしたいとのことで、お伺いしております」

案内人が前もって話をつけておいたらしく、巫女服が用意されていた。
巫女に着方を教わり、巫女服に身を包んだアザレアを、巫女は「とても可愛らしいですね」と褒めてくれる。

「さあ、僕は何をするのがいいのですか? 遠慮なく申し付けて欲しいのです、先輩♡」

「あら、先輩なんて初めて言われてしまいました」

巫女さんは嬉しそうに笑う。今までこの世界にひとりで生きていたのだから、後輩なんてものも当然居なかったのである。

「それでは、一緒に境内のお掃除をしましょうか」

「僕にお任せなのです!」

そうして、アザレアと巫女は神社の大掃除を始めた。境内を箒で掃き、賽銭箱を拭き、社務所に雑巾がけをする。アザレアはその翼で屋根の掃除もした。ついでに信仰蒐集と性的魅力を屋根から振りまいた。

「アザレア様がおいでくださって助かりました。普段は屋根の上など掃除の手が行き届かないものですから」

「えへへ~♪」

巫女に褒められて、アザレアは満更でもない笑みを浮かべる。

「少し休憩にしましょうか。かき氷でもご馳走しましょう」

「やったー♪」

シロップのかかった細かい氷の粒子の塊を、アザレアと巫女はスプーンですくって味わう。

「それにしても、巫女さんって意外と体力勝負なんですね。尊敬しちゃいます、先輩♡」

「本当はお守りを授けたりなども体験していただきたかったのですが……参拝者がいらっしゃらないものですから」

巫女は少し寂しそうに笑う。

「じゃあ、巫女さんに僕からお守りを授けるのです!」

「え?」

アザレアは社務所のお守りを手に取り、両手で巫女に渡す。

「僕の『愛』と『癒し』のパワーがたっぷり詰まっているのですよ♪」

「……ふふ。ありがとうございます。宝物にしますね」

それは巫女の心からの笑みだった。

「また必要となったらいつでも呼んでいただければお手伝いするのです!」

神社での一日が暮れていく。

「あっ、どうせなら最後に……」

「っ?」

アザレアは巫女に穢サレシ天使ノ口ヅケをした。
巫女が掃除で使った体力が回復していく。

「楽しかったのです♪」

頬を赤く染めた巫女を見ながら、アザレアは小悪魔の笑みを浮かべるのであった。

●夏の風情

「ああ……夏はいい……」

『特異運命座標』讃良・まるか(p3p010680)は、境内で大きく伸びをする。

神社の御手水には紫陽花が咲いていて、風情を感じる。
社務所に下げられた風鈴が、風に吹かれて綺麗な音を奏でていた。

せっかく神社に来たんだし、とおみくじを引いてみる。

「おっ、大吉!」

「あら、おめでとうございます」

おみくじを持ってきた巫女が祝福する。

「アタシ、大吉しか出たことがないんだよねぇ。凶なんて見たこともねえや」

「それは素晴らしい幸運の持ち主ですね」

まるかは、微笑む巫女の隣に座り、空を見上げる。
神社の周りの木々によって切り取られた空はどこまでも青く、大きな入道雲が通り過ぎていくのが見える。

「あー。こうしていると現実に帰りたくなくなるなー」

頭の後ろで腕を組み、そのままゴロンと寝転がる。
蝉の鳴き声。木漏れ日。爽やかな風。この世界のすべてが、まるかを優しく迎えてくれる。
縁側で寝る猫のように、まるかはリラックスしていた。

「ここは、いい世界だね」

「ふふ、ありがとうございます」

まるかは、一日が終わるまで、巫女と隣り合って、何を話すでもなく、入道雲を眺めていた。

●別れの挨拶

「皆様、本日は私の暇つぶしにお付き合いいただき、誠にありがとうございました」

一日の終わり、巫女はこの世界に来てくれたイレギュラーズたちに、感謝を伝えた。

「私の我が儘な呼び出しに応じてくださり、本当に感謝しております。皆様からいただいたお言葉や贈り物のおかげで、しばらくは寂しい思いをせずに済みそうです。案内人にも、よろしくお伝えください。皆様に、神の祝福がありますように」

巫女は深々とお辞儀をして、帰っていく客人たちを見送るのであった。

成否

成功

状態異常

なし

PAGETOPPAGEBOTTOM