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シナリオ詳細

<チェチェロの夢へ>初夏のパン(ガシウス)(を餌にする)祭り

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●思ってたんと違う……
 カイト・シャルラハ(p3p000684)は大海原に出て(主にアクエリア海域で)釣り糸を垂らしたいと思っていた。
 思っていたのだが、今、彼はアーカーシュ内部に新たに見つかった湖で釣り糸を垂らしている。
「なんで俺は氷の張った湖に糸を垂らしてあまつさえパンガシウスを餌にして釣りを……?」
「釣りがしたいという話を聞いて、この湖をたまたまおまえが見つけたので、生態調査の名目で依頼として形にしてやったんゆ」
 パパス・デ・エンサルーダ (p3n000172)はドヤ顔でしてやったり感の強い感じのアレだった。カイトは解せぬと思った。
「なんでも、ここは常時凍ってるらしいゆ。たまたまお前が見た時だけじゃなくて。常に。そんで『エリザベスアンガス正純』とか『スーパーゼシュテルヴェルスフィッシュ』みたいな奴も釣れるらしいゆが、それ以外にも冷たい水に生息する系の新種が居る可能性があるから釣って釣って釣りまくってガンガン新種見つけろってお達しゆ。ただし」
「ただし?」
 パパスが意味ありげに言葉を切ると、カイトは怪訝な顔をした。そりゃあまあ、いきなり連れてこられて釣りの趣旨が違う状態でまだなんか隠し事があるのかって思うじゃない。
「どうやらここには凶暴な奴もいるらしいんゆ。カメ? とか。ワニ? みたいなやつとか。そういうのが氷割って襲ってきたらまあ……うん……頑張るしかねえゆ」
「凄いざっくりとした話だけど大丈夫だよな? いきなり氷張った湖に落ちたりしないよな?」
「多分?」
「怖ー!?」

●ところで
 この湖は、見つかったばかりで名前がなく。
 そして、ここには近付く人が余りにも少ない。だから新発見なのだが。
 ……ところで、ここは『人が近付かなかった』のか?
 それとも、『近付いた人が尽く居なくなっていた』のか?
 周囲にそよぐ草花は、その事実を知っているのだろうか。
 それとも、周囲の草花こそが下手人であろうか……その事実は誰も知らな
『ギャアアアアアアアアアアアアアア?!』
「あっなんか魚を焼いて食べてみようと思って燃やした草が悲鳴を上げてんゆ。こいつら生きてんゆ……」
「怖すぎねえか!?」

GMコメント

 ホラーじみた導入を書いてから「前半部との温度差が酷いのでギャグにしよう」と思いました。
 多分これ一番の被害者はアフターアクション書いて1年ごしに採用された結果がこれなカイト君だよ。

●成功条件
・「氷の湖(仮称)」から釣れる魚を釣って食ってレポートにまとめる
・湖から出現する敵性生物もなんかブッ倒して食べる
・ついでに周辺に危険植物が生えてるから調査がてら倒し(略

●氷の湖(仮称)
 カイト君が見つけた湖で、全面常に氷が張っています。水温はかなり低く、湖の上のみちょっと寒いかもしれません。原理は解明されていません(ちょっと重要)。
 氷はかなり分厚いので戦闘で割れることはあまり考えにくいのですが、害生物の出現時に割れる可能性は十分あります。
 パンガシウスの切り身がめっちゃ入れ食いです。肉食性ばっかりじゃねえか!

●敵性生物たち
・カミツキガメ+ゾウガメみたいなやつ。近接が強い。噛みつくとブロック+【必中】みたいになる状態をなんかする。
・ワニが小型化したようなやつ。群体。咬筋がエグい。体格差なんてそっちのけで襲いかかる凶暴性がある。あと神秘に通じている。ワニのくせに。
・他、肉食系魚類に類似したやべーのがちょいちょい釣れるので倒して食べよう。

●危険植物
 かなりビュッて蔓を伸ばしてくるとか、魅了ありの香気を振りまき誘い込むウツボカズラみたいなやつとか、多分列挙すると色々居るんじゃないかと思います。
 燃やすと良い悲鳴が聞こえるね!

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • <チェチェロの夢へ>初夏のパン(ガシウス)(を餌にする)祭り完了
  • GM名ふみの
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年06月14日 22時21分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

志屍 瑠璃(p3p000416)
遺言代行業
カイト・シャルラハ(p3p000684)
風読禽
イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)
黒撃
トスト・クェント(p3p009132)
星灯る水面へ
ジョシュア・セス・セルウィン(p3p009462)
ひとさじの勇気
佐藤 美咲(p3p009818)
無職
アンリ・マレー(p3p010423)
亜竜祓い
エリカ・フェレライ(p3p010645)
名無しの暴食

リプレイ

●おめでとうございます(先行投資)
「……釣りはこう、ぼーっと流れる時間を楽しむもの、もしくは魚そのものとの勝負を楽しむものであってだな? なんで環境と戦ってるんだ?」
「この季節なのに寒い……でも、クシーに新しい魚を見つけてくるって言った手前頑張らないと……」
 『太陽の翼』カイト・シャルラハ(p3p000684)と『微睡む水底』トスト・クェント(p3p009132)は掘り進めた氷に釣り糸を垂らし、じっくりと獲物がかかるのを待っていた。いたのだが、まあ寒い。かなり寒い。飛行種のカイトはまだいいとして、トストは変化していないとこの環境に耐えるのは厳しそうだ。夏も近いというのにこの寒さ。高高度のアーカーシュとはいえ環境が地上のそれと変わりない以上、この寒さがいきなり来るのはそこそこキツいものがあった。
「未知の生物がいっぱい……それはつまりまだ見ぬ食材の宝庫という事。……どんな味なのか……楽しみなのです」
「よくわからない物は、本来あまり口にしない方がいいですよ」
 『名無しの暴食』エリカ・フェレライ(p3p010645)は己も知らぬうちにカイトに視線を向けながら舌なめずりをしていた。釣り上げるべきものに期待があるのは確かだが、それ以上にカイトの存在感が大きいというのも……ないとはいえない。それに釘を刺すのが『千紫万考』ジョシュア・セス・セルウィン(p3p009462)であるあたりは、すごく説得力を感じられた。
「氷の上での釣りといえばワカサギが有名ですね。過去に経験者の記憶を読んだ事はありますが、今回は環境があまりにも違いますからどの程度参考にできるやら。……ところでパンガシウスも釣れるのでしたっけ?」
「パンガシウスを餌にして、吊り上げた獲物を新しい餌にして……どんどん釣ってくんだよね?」
「湖のヌシを釣り上げたヒトが優勝ってことだよね! 分かってる!」
「全員揃ってもうちょっと人の話を聞くことを覚えたほうがいいゆ。パンガシウスは餌。釣った魚を新しい餌にする前に生態調査と毒、じゃなかった味見ゆ」
 『遺言代行業』志屍 瑠璃(p3p000416)、『亜竜祓い』アンリ・マレー(p3p010423)、『業壊掌』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)の三人は何処となくわかっているようで微妙にずれていたり、そもそもなんにも分かってない状態だった。そりゃ『ポテサラハーモニア』パパス・デ・エンサルーダ (p3n000172)だって呆れた顔をしたくなるというもので。
「っていうか瑠璃おまえどうやって船を乗り入れんゆ? 一面氷ゆ」
「有事の際には人力で氷を砕いてその中を進むことは出来そうですし、敵性生物から身を守りながら救助に調査に役立ちます。魚も分けておけば」
「……だってゆアンリ。先輩の振る舞いを見ておくがいいゆ」
「なんでオイラに?」
「一番怪我しそうだからゆな」
 パパスは瑠璃が持ち込んだ船が役に立つのだろうか、と割とガチ目に心配したが、取越苦労であったことに胸をなでおろした。絶対脳筋って言おうとしてたけど今。そこで水を向けられたアンリは目を白黒させているが、多分きっと大なり小なり図星っぽいところがあったんだと思う。
「私、佐藤! こっちは人に食材適性を付与するタイプのワイバーン、バーベ!」
「…………(じゅる)」
 『合理的じゃない』佐藤 美咲(p3p009818)は飼いならした飛龍の背に乗った直後、背後からの視線に肝を冷やした。明らかにエリカの飢えた獣の視線そのものなのである。
「バーベ、頼みまスから大人しくして下さいね」
 美咲はバーベにそう言い聞かせたが、どの程度理解できているかわかったものではなかった。悲しいかな、飛龍の知力はそんなもんなのである。
「釣り餌つったらルアーだよな。俺の羽根を使えば余計釣れたりして……ってかかるの早っ?!」
「毟っていいんですか?」
「毟るなよ!」
 カイトは早々にヒットした己の毛鈎の威力に空恐ろしいものを覚えた。いくら鳥として食いつきがいいからってこれは……エリカはそんな彼に熱い視線を送っている。怖い。
「ところで、イグナートくんの釣り糸……糸? 太いね?」
「工業用のワイヤーロープだからね!」
(何を釣る気なんでスかね……)
 トストは反応があった釣り竿を引き絞りつつ、イグナートの方を見た。極太のワイヤーロープに両手でやっと握れる太さのロッド。鮪、いや鯨でも釣り上げるつもりなのだろうか? 美咲も流石にこれには閉口している。後ろからバーベが食いつこうとじゃれついてるが。
「皆がいないあたりに一発打ち込めば、臆病な魚を散らせるかな……?」
 広い湖だ。もしかしたら、仲間がいる位置より別のところに密集しているかもしれない。アンリの考えは、ある種的を射たものであったといえよう。
 だが、敢えて間違いがあるとするなら……「魚は臆病である」という固定観念。アーカーシュの猛者がそこまで御しやすいかという疑念を、最初に覚えるべきだったのかもしれない。
 かくして。
「ギャアアアアアアア……」
「やべーぞ蹂躙だ!」
 そんなことされて怒り狂った湖の不愉快な仲間達の反撃がアンリを襲うのだった。


「わぁ……美味しそうなのです。いっぱい食べたいのです」
「あの場面を見てそれを言うのかゆ!?」
 エリカは襲いかかられたアンリへと間合いを詰め、食への興味を以て相手の敵意を引き出しに行く。アンリを襲った個体――拳2つ分程度のサイズのワニの群れは一気に彼女に食らいつく。一体あたりの噛筋力は大したことないが、数が多いと話は別だ。パパスが治療しつつ払い落としているからなんとかなるが、早晩倒しきれない可能性も「これ食べられそうですよパパスさん」「っしゃ佐々木ィ! 調理すゆ!」「佐藤でス!」
「……あっちは大丈夫か?」
「美咲くんが動き止めてる間に決着つくじゃないかな。でもこっちものんびりしてる場合じゃないかも! ほらイグナートくん竿! すごくしなってる!」
「コレはオオモノっぽいね! 気合入れるよ!」
 で、少し離れた位置にいたカイト、トスト、イグナートの三人もなかなかどうして危険な相手と対峙していた。
 カイトはやや大きめのガーっぽい魚を釣り上げ、食いつかれぬよう飛び上がって宙吊りにして放置している。地上ではトストが巻き貝なのにずらりと歯を並べたやべーやつを釣り上げまとめて氷漬けにしているうちに、イグナートの超強靭な釣り糸(ワイヤー)がまさかの張りをみせている。
 二人がかりで釣り上げた個体は鮪のような姿をしているが、あろうことか腹ビレで氷上に自立してみせたではないか。
 明らかに強敵の気配がするのに、こうも末路が決まってるようにみえるのは一体なんなのか。
「釣りすぎて手に余るなどはありませんか? こちらで回収しますよ」
「助かるぜ瑠璃! 俺達の釣果を頼む! あっちに美咲がベース作ってたはずだから!」
 文字通りの助け舟で現れた瑠璃は、本当に氷をぶち割りながらカイト達まで進んできていた。このひとマジでやるんだな……ってトストはちょっと驚いた顔をしている。砕氷船(物理)なんすよ。

 ところで、その頃の湖岸ですが。
「これは、気付かないと餌食になりそうな植物ばかりですね。ここの棘に触れたら反応して閉じたり蓋が開いたりして……なるほど」
 ジョシュアは、周囲の植物類が危険なのはパパスの行動で把握していたが、具体的にどこが、何が、どれがどのように危険なのかを調べていた。魚達と戯れる(意味深)より、こちらのほうが性に合っていたのだ。
 結果、居並ぶ植物達のかなりの割合が肉食性を持ちつつ、積極的に攻撃してこない「待ち」の姿勢でいることを理解した。おそらくだが、これらには積極的に動けるだけのエネルギー供給がないのだ。肥沃に見えるこの土地も、湖の生物たちとのパイの奪い合いになっている……のかもしれない。
「匂いはやや観葉植物のような匂いというか……砂漠にありそうな構造をしているんですね。花粉の匂いに『それらしい』成分があるみたいですが、僕たちに効くほどではないような。念のために根から切り離してから観察しましょう」
『ギィィィィェエエエエエエ!!』
「やっぱり悲鳴は上げるんですね……」
 割とこの子もいい感じで突き抜けてる感があるな……。
「ワニを捕まえてきましたよ」
「こいつら口を開く力がないまでワニと一緒ゆ。ちょっとアンリが結構ギリギリだけどそれ以外万事問題なしゆ。な、佐々……じゃなかった佐藤」
「そこで言い直すんでスか。まあいいでス、エリカさんも調理手伝ってもらえますか」
 そんなところに戻ってきたのは、ワニ型の生物と乱闘していたエリカ達。パパスの表情に疲れの色が濃いのは、エリカの負傷具合からなんとなく察せよう。魔力がほぼからっけつなのだ。美咲はエリカに釣果の一部を渡し、互いに用意した調理スペースへ引っ込んでいく。
「こちらにも調理済みのものがありますよ。イグナートさんが血抜きしてくれていたのでくさみもなく食べやすいはずです」
「料理ができる人がいると助かるよね……」
「生で食いたいところだけど、火を通しておこうぜ! 寄生虫とか怖いし!」
 瑠璃、そしてカイトら男三人組も湖から戻ってくる。あのあともかなり色々捕らえたらしく、新しい餌用から食事用やら量と質には事欠かない。
「せっかくならカイト様のご結婚祝いに美味しい物を作りたいですね。僕は洋風スープなどを作らせていただければ」
「えっ、ああ……ありがとうな!」
「調理できる人頼みだけど、この際だから盛大にお祝いしたいね!」
 ジョシュアからの(というか仲間一同の)不意打ちに目を白黒させたカイトであったが、祝われているとなれば素直に喜べるのは彼の美点である。ひとり事情を知らなかったパパスはしばし呆然としてから、ワニ肉を『やわらかく』して肉団子をこね始めるなどしていた。
「さて、宴席が終わりましたら調査ですね。まだ水中には多くの魚類がいると思いますが……」
 瑠璃は仲間達の動向をひとしきり確認してから、ついでとばかりに後回しになっていた件にふれる。美咲はそのあたり準備していたらしく、かなり冷静な様子だ。
「私、よそで『気温を操作する遺物』を発見してるんスよね……ここにもそんなん沈んでるんじゃないスかね? 潜水艇は用意してまスけど、あとは誰があの肉食魚まみれの湖に潜るかですね……はい、さーいしょはグー」
 だからキラーパスにも余念がない。

●顛末として
「オイラは無理だぞ! ぐ、グー!」
「不意打ちはヒキョウだって! グー!」
「主賓……賓じゃないけどここで上げて落とすのかよ! グー!」
「潜水艇の中からは食べられないしカイトさんがいっしょだと大変そうですね、グー」
「敵が見えさえすれば諦めまで時間がとれるかもしれません、グー」
「いきなりの巻き込まれ方だよね! グー!」
「……諦めゆ。ぐー」
 というわけで、美咲の潜水艇に入るひとりを決めるじゃんけんが始まるのだった。特に指定はないけど定員一名だと思う。

「まあわかってたんでスけどね、言い出しっぺの法則っていうやつで」
「大丈夫です、こちらで餌をばらまいて怪しい敵は引き付けておきますので」
「骨は拾うからさ!」
 人は呪ってないけど穴は二つあったらしい。美咲は潜水艇に乗り込み、湖の中へと沈んでいく。見守る瑠璃は船上から明後日の方向に餌をばらまき、イグナートは見よう見まねの鉄帝軍式の敬礼で見送った。
 正直、これから危険に晒されるのは湖上の面々だったりするのだがそれはそれとして、果たして湖中にいるのはなんなのだろうか?
「植生が歪んでることを考えると、効果は凍らせるだけじゃないのかもしれませんが……もしかして……」
 ジョシュアは湖岸の敵性植物のことも考え、しばし首をひねる。原因と結果は常にワンセットだ。植生が周りが凍ってるだけ、で歪むとは思えない。つまり……。
「土壌に変な生物が多いのも、凍ってるのも、土壌から栄養を奪ってる『なにか』のせい?」
 トストは何かを思いつくように言葉を引き継いだ。ジョシュアは黙って頷く。
 ほどなくして美咲が何かを引き上げるだろう。まずは、それを調べてから……ということになる。
「ところで、あの潜水艇の潜水時間ってどのくらいなんゆ? 無理のない範囲で戻ってくると思うけど……」
「まあ美咲は無理しないし大丈夫だろ!」

 ※しました

成否

成功

MVP

佐藤 美咲(p3p009818)
無職

状態異常

佐藤 美咲(p3p009818)[重傷]
無職
アンリ・マレー(p3p010423)[重傷]
亜竜祓い

あとがき

 結婚おめでとうございます。

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