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シナリオ詳細

【黄昏幻影奇譚】かごめかごめ編

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●かごめかごめ
 かごめかごめ
 籠の中の鳥は
 いついつ出やる

 丑三つ時にどこからか聞こえてくる声。
 幼さの残る若い男女の声が入り混じる。

 夜明けの晩に
 鶴と亀が滑った
 後ろの正面だあれ

 廃墟と化した監獄に響き渡る怨みのこもった声。
 それはどこまでも重圧的で悪寒を感じさせるものだった。

●書斎
「籠の中の鳥はいついつ出やる」
 境界案内人ミヤコの待つ書斎にやってきたイレギュラーズ。
 そして怪異の蔓延るライブノベル『黄昏幻影奇譚』。
「今回、再び童謡に纏わる怪異が現れた」
ーーそれが童謡『かごめかごめ』。
 以前、『とおりゃんせ』に関する怪異と相対した事がある。
 そして今回。
 『かごめかごめ』は世に出てから200年以上経つとされるが、その作詞者は不明とされている。
 また、その歌詞に込められた意味も諸説あるとされている。
 そして『籠の中の鳥はいついつ出やる』はその童謡に出てくる一節だ。
 とある刑務所の廃墟。そこで夜間に『かごめかごめ』が聞こえてくるという。
「ここは元々心霊スポットとして有名でね」
 元が元ゆえ、負の感情が溜まりやすい場所だ。
 ここで死んだ受刑者の地縛霊が出るとか。
 あるいは受刑者を虐待死させたゾンビの看守がいるとか。
 そんな噂を聞きつけた心霊マニアがここにやって来てはそのまま失踪している。
 そしてそれが更なる噂を呼び、そしてまた失踪する。
「無事に帰って来た人もいるけど、残念ながら精神的にやられちゃっていてね」
 苦虫を潰したような顔をするミヤコ。
 本来、常人が踏み込むべきでない領域に踏み込んでしまった以上、それは仕方のない事やもしれないが……。
「だからと言ってこのまま放置する訳にもいかない」
 放っておけば更に被害者が出るのは目に見えている。
「今回も怪異の討伐、よろしくね」
 そう言いつつイレギュラーズを送り出すミヤコ。
「随分と物騒な刑務所だけど、過去に何かあったかな?」
 その独り言を聞く者は誰一人いなかった。

NMコメント

廃墟と化した刑務所。
なぜ『かごめかごめ』が刑務所から聞こえてくるのでしょう。

●黄昏幻影奇譚
怪異の蔓延る世界です。

●目標
怪異『かごめかごめ』の対応。
怪異の現れる刑務所の場所は
ミヤコから教えてもらってます。

●敵
生者を優先的に攻撃します。

受刑者×無数
受刑者である少年少女達の地縛霊です。
攻撃力や防御力、耐久力は大した事はありません。
が、戦闘が一度始まれば
だるま式にその数が増えていきます。
1Tにつき5体。
刑務所ならどこにでも現れます
ばらけて現れたり、一ヶ所にまとまって現れたり。
殴ったり蹴ったりしてきます。

看守×3体
制服に身を包んだ看守です。
手に持つ大型の懲罰棍棒により生者・受刑者に懲罰をくだし、相手を撲殺します。
懲罰の優先度は生者の方が高い。
攻撃する際は範囲攻撃となる為
他の仲間諸共攻撃してきます。
攻撃力と耐久力は高め。

シェパード×2体
ゾンビのシェパードです。
その優れた嗅覚と知能で標的を追い詰め
その喉笛に食らいついてきます。

罪縛×1体
ざいばく。首と胴体が分離しています。
ここのボスです。
罪の意識に苛まされたまま
死刑が執行された者です。
血の涙を流しながら地を這いずり回り
己の苦痛を他者にも味合わせようとしてきます。
肉体的にも精神的にも。
刑務所の一番奥にいます。

●調査
いつ、どのタイミングで敵が現れるか不明な為
調査するのであれば敵を殲滅した後が良いでしょう。

●歌詞
かごめかごめ
籠の中の鳥は
いついつ出やる

丑三つ時にどこからか聞こえてくる声。
幼さの残る若い男女の声が入り混じる。

夜明けの晩に
鶴と亀が滑った
後ろの正面だあれ

  • 【黄昏幻影奇譚】かごめかごめ編完了
  • NM名アルク
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2022年05月15日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談3日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

亘理 義弘(p3p000398)
侠骨の拳
黎明院・ゼフィラ(p3p002101)
夜明け前の風
セス・サーム(p3p010326)
星読み
玉ノ緒月虹 桜花(p3p010588)
神ではない誰か

リプレイ

●???
 かごめかごめ
 籠の中の鳥は
 いついつ出やる

●刑務所
 刑務所。刑罰を服する事になった者を収監する場所。
 そんな場所に『いわく』がつくのはある意味、必然とも言えるやもしれぬ。
 ならばなぜこの刑務所に怪異などというものがーーもっと言えば『かごめかごめ』などというものが発生したのか。
「かごめかごめ、か……」
 旅人(ウォーカー)である『夜明け前の風』黎明院・ゼフィラ(p3p002101)が元々住んでいた国、日本では割と知られた童謡であり、その歌詞の意味は諸説あるとされる。
 一節には、『かごめ』とは籠目、竹籠の網目の事であり、転じて竹垣に囲まれた処刑場や刑務所の事であるとされている。
「こちら世界はお世話になっている希望ヶ浜と似ていて縁を感じますね」
 『星読み』セス・サーム(p3p010326)はそう呟く。
 希望ヶ浜。練達の一角に所在するそこは夜妖(ヨル)と呼ばれる悪性怪異に悩まされている場所だ。
 夜妖に限らず動向が気になる組織もあるが、それは別のお話として。
 まずは調査をするにしても怪異の対応が先だろう。
 だが、そも怪異『かごめかごめ』への対応とは?
 消滅、封印、“出る”ものの阻止、囚われたものの解放……。
 ミヤコからは対応、としか言われていない以上は手段は一任されている、という事だろうか。
 刑務所の出入り口に御神酒と御神水を少し撒いたうえで盛塩も忘れずにしたうえで
「祓え給へ、清め給へ」
 略祓詞を唱え玉串を置くという一連の流れを桜花が終えてから中に入る一同だった。

●かごめかごめ
 刑務所の中に入ったイレギュラーズ。
 まとわりつくような嫌な空気。
 重圧。
 いつ、奴らが現れるのか。
 むき出しになったコンクリート。
 ずっと遠くまで伸びる廊下。その両側にある無数の牢屋。
 空気が重く淀んでいる。その空気が鼻に酷くつく。
 その牢屋の一つ。黒い靄が収束し、人の形になる。
 その数にして5つ。そのフォルムからして少年少女であると見て取れる。
 受刑者だ。
 そして廊下の突き当り。ひと際大きい靄が一つとその足元にも一つ。
 看守だ。その手には大きい棍棒と鎖のリードにつながれたシェパード。
「……っ、後ろにも看守が」
 イレギュラーズが通ってきた後方の通路。そこを塞ぐように看守が現れていた。挟み撃ちだ。
 ゼフィラの弾幕。単体特化のスキルだが、それを高反応のゼフィラが使えばより威力を持つ弾丸となる。
 それを後方の看守に放つ。挟撃されるのは非常によろしくない。
 その攻撃と同じくして動き出していた受刑者達。
 ゾンビなら動きが緩慢になっているかもしれないが、肉体のない霊になっているが故に動きが早い。
 繰り出される拳に蹴り、体当たり。元々我の強い連中ばかりだったのだろう、連携が取れていない。
 中には連携を取れている者もいるがいなせないものではない。
 が、それも織り込み済みだたのだろう。
 受刑者の陰からシェパードがセスの喉に食らいつこうとする!
「あ、危ないですねえ」
 あわやというところで手にしていた武器を噛ませる。それでも食らいついたまま離さないシェパード。
「はあ!」
 裂帛の気合と共に放たれたのは義弘の雷撃の一閃。シェパードが一刀両断され、そのまま崩れ落ちた。
「ありがとうございます」
「まあいいって事よ」
 残るは看守と受刑者。優先すべきは看守とシェパードである、というのが意見として一致していた。
 無尽蔵に現れる受刑者の数を減らさないといけないのはまさにその通りなのだが、あまり相手をしているとジリ貧になるという見解だ。
「数多かろうと距離さえ有れば問題ない」
 桜花のスナイパーアイからの迅速な抜き打ちで看守に狙いをつける。本当であればシェパードを優先したいところだが、いないのであれば仕方ない。そもそも受刑者に接敵されている為に武器とスキルのレンジの都合上、看守を狙うしかない。
 が、その弾丸も命中こそすれど倒すに至らない。やはり見た目通り耐久力は高いという事か。
 看守の攻撃。懲罰棍棒を大きく振りかぶったまま突進し、そのまま横薙ぎに受刑者ごと振りぬく。
 セスと桜花は吹き飛ばされ、ゼフィラは後ろに跳躍してかわす。義弘は防御の構えを取ったがやはり負傷は免れない。
「ならばこれでどうです?」
 追撃として放たれた魔光。必中の効果を乗せたそれは看守に直撃し、焼死体が残るばかりだった。
 戦闘はとりあえず区切りがついた。が、やはり手こずる。まだ看守達は残っている。どこで戦闘が発生するかわからない。
 手早く負傷者に回復を施し、罪縛の元へ急いだ。

●???
 夜明けの晩に
 鶴と亀が滑った
 後ろの正面だあれ

●刑場
 都市伝説、というのは核となるものが在る。
 都市伝説には怪異がいて、それにまつわる怪異譚がある。2つでセットなのだ。
 片方だけでは都市伝説として成り立たない。
 今回で言えば罪縛がその核に相応する。
 もちろん受刑者や看守、シェパードも怪異である事に間違いではない。
 が、それらは罪縛に付随するものだ。その核さえ倒せば一応
 その罪縛。
 イレギュラーズが刑務所の一番奥にある刑場に到着し、罪縛を見つけたはいいがずっと虚空を見ている。
 動かないのであればこちらから仕掛ける。武器を構え、攻撃を仕掛けようとする。
 が、看守1体と受刑者達が現れる。
 その光景にイレギュラーズは違和感を覚える。
 確か情報ではーー。
 罪縛の焦点の合っていない目がイレギュラーズに定められる。
 耳をつんざくような奇声。一斉に動き出す怪異達!
 戦闘開始の合図だ。
 初手を取ったのは罪縛だった。
 地べたを高速で這いずり回る胴体。首の少し上を浮遊したまま移動する切断された頭。
 しかも右に左に不規則に動くために狙いを定めにくい。

ーー後ろの正面だあれ

 不意に聞こえてきた『かごめかごめ』の一節。
 罪縛の頭がギロチンのような大きい刃に変化し、ゼフィラに狙いをつける!

ーーごめんなさい、ごめんなさい
 涙を流しながら断頭台に固定される女性。
 そしてギロチンが落とされーー

 ダーティピンポイント。咄嗟に反応したのはセスだった。
 罪縛は弾き飛ばされる。
「すまないね」
「お気になさらず」
 なるほど、ここのボス格なだけあって強い。
 それにしても先程見えた映像は罪縛の記憶だろうか。いったいあの女性に何があったのか。

 罪縛を放置するのも危険だが、看守も放ってはいけない。それに看守の周りにも受刑者が3体程固まっている。
 義弘の接敵。
「これでも喰らいなあ!」
 義弘に現れるは破壊と殺意の意思を持った凶悪なる巨大な蛇の怪物ーー八岐大蛇。
 8つある蛇の頭が看守の、受刑者達の肉を喰らいつくす。
 そこには破壊されつくした跡だけ残った。
 が、義弘のハイセンス、もっといえば超聴覚に反応があった。
「桜花!後ろだ!」
 看守達が現れた時におかしいと思っていた。
 なぜなら、こいつだけが見当たらなかったのだ。
 義弘の声に咄嗟に反応する桜花。が、シェパードの牙をかわし切れずに首に裂傷を負う。
 知能は高いとは聞いていたが厄介だ。
 桜花は距離を取り、罪縛の頭を狙ったラピッドショット。
「安らかなれ」
 罪縛の弱点を見抜き、的確に狙ったそれは確実に罪縛の体力を奪う。
 残された受刑者達も手近な相手を狙うが余裕で躱されてしまう。
 ゼフィラのアナイアレイト・アンセムによる集中砲火。
 躱そうとするも罪縛は弾幕によりあえなく消滅するのであった。

●調査
 罪縛の消滅により受刑者も消滅し、再び現れる事はなかった。
 その後、一同による刑務所内の調査。
 看過にアナザーアナライズ、アカシアの枝。無機疎通も使えるか。
 情報を集める手段としては困らない。
 結果。日誌を2冊発見できた。
 1冊はここの元看守の物。
 もう1冊は研究員のものと思われる物。
 それぞれの日誌を手分けして読む事にした。
 その内容はとんでもない内容だった。

 まずは看守の日誌。
 いわく。
 この刑務所に極秘裏にとある研究所から研究員が送られてくる、という内容だった。
 この研究員というのは表向きは細菌研究所の職員となっているが、なぜそんな人間が刑務所などという場所に来るのか。
 そしてこの研究員が来てから受刑者達の変死が頻発するようになった。それが例えば突然発狂したかと思うと血を吐き、死んだり。
 あるいは躁鬱状態を繰り返したかと思えば食事中にフォークで自分の喉を串刺しにしたり。
 更には看守やシェパードが狂暴化し、受刑者達を殺して言った事。
 そしてもう一つ。研究員が『かごめかごめ』を囚人達によく歌わせていた事が気になる、ともあった。

 そして厳重に隠されていた研究員の日誌。
 この日誌から察するにこの研究員は、研究所の真の目的は怪異の研究をする事だった。
 しかもその研究というのが怪異を倒す事ではなく、利用目的のものであると臭わせるものだった。
 ならばなぜ刑務所だったのか。
 ゼフィラは『かごめかごめ』の一節が刑務所の事を歌ったものであると知っていた為に、そうではないかと睨んでいたが大当たりである。
 籠の中の鳥とは牢屋に入れられた死刑囚であり。
 後ろの正面だあれ、とは刎ねられた首が飛び、前を見ているのか後ろを見ているのかわからない、という事を指している。
 そして刑務所に超常現象が頻発するようになり、この研究員は確信するに至ったらしい。
 つまり『怪異起こし』は成った、と。
 そして誰かの手によってこの刑務所の怪異が倒されたとして。
 この都市伝説が伝えられていく限りは『かごめかごめ』は在り続けるだろう、と。

 更に問題があるとすればこの刑務所は国が管理しているという事だ。
 ならば今回のこの事件。国が絡んでいると考えるのが自然だ。
 この事をミヤコに調査をしてもらうしかない。
 そう思いつつ帰路に就くイレギュラーズであった。

成否

成功

状態異常

なし

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