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シナリオ詳細

再現性東京202X:無尽蔵なる罪の影

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●再現性東京202X:無尽蔵なる罪の影
 ジャバーウォックの事件が起きた、再現性東京。
 平穏無事な日常は変わり、豹変した街並みやら化け物が度々出没してしまうという……そんな街の現況。
 『希望ヶ浜学園美術部顧問』オラボナ=ヒールド=テゴス(p3p000569)は、以前、動画投稿者が事件にあった無尽寺へと、ふと気が向き訪れる。
 ……当然人手を離れて久しい廃神社、かつ昔から『ヤバイ怪談スポット』として有名なこの場所は、誰に整備されると言う事もなく……管理はされずに放置状態。
 先日の事件で飛んできた瓦礫やら、衝撃によってくずれた屋根瓦なども境内のに散乱し、散々たる状況に陥っていた。
「……」
 そんな状況を目の当たりにしたオラボナ。
 瓦礫を一つ手にするが、更にその下にも積み重なる瓦礫達。
「これはこれは……かなり荒れ果ててしまってますねぇ……それに……」
 匂いをかく仕草を見せるオラボナ。
 ……特段、何か不思議な薫りがするという事はない。
 だが、それ以上に感じ取ったのは……闇の気配。
「……Nyahaha! そうか、また棲みついてしまったのかな?」
 笑みを浮かべたオラボナから出て来た言葉は……誰へ向けての物だろう。
 今、この場には彼女以外、誰もいない。
 ……だが、そんなオラボナの言葉に反応するかの如く、周りの木々がザザザ、とざわめき鳴いた。
「そうか、そうか……分かった。ふふ……楽しみだ……! 待って居るのだよ、Nyahahahaha!!」
 再び笑い声を上げた彼女は、どこか不思議な気配のする無尽寺に手をヒラヒラと振りながら去るのであった。


「あ、みんなもう集まってたんだね! ほら、こっちこっち!」
 と、綾敷・なじみは、カフェ・ローレットに居た君達の腕を引く。
 何毎かと思いつつ手を引かれて行くと……そこにはオラボナの姿。
「あのねー、今日はちょっとオラボナさんから話を聞いたって訳なんだよね! どうも以前から怪談スポットとして有名な『無尽寺』ってのがあってさ、半年位前に、ここに居るオラボナさん達に様子を見に行って貰ったんだよ」
「このお寺、有名な怪談スポットっってのも相俟って、怖い者しらずな動画投稿者の人達とかが良く訪れててさー……もしかしたらそういうのを惹きつける『何か』があるのかもしれないね? ま、今回はあんまり関係みたいなんだけど……ね? オラボナさん」
 となじみはオラボナに問い掛けると、オラボナは頷き。
「そのようなのだ。この前の戦乱もあり、『無尽寺』の様子がどうなっているか見に行ったのだが、どうもまた夜妖の類いが棲みついてしまった様なのだ。ただまだ昼間にまで出てくるような力を持つ物で無く、深夜の刻に姿を表し、無尽寺を荒らすのを繰り返しているという様な具合の様なのだよ」
「うん。それにさー……ほら、今世間的にあんまり楽しいコトって無いでしょ!? こういう怪談スポットに突撃しようって輩が出てくる可能性も十分あるんだよねー……って訳でさ、被害が出ない内に対処為てきて欲しいって訳なんだ! どういう夜妖が出てくるかはちょーっと分からないけどさ、みんななら大丈夫だよね? って訳で、宜しく頼むねー!」
 と、なじみはニコニコ笑顔で、皆を送り出すのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 元々ボロボロな廃神社、以前も動画投稿者がやってきて被害にあった神社ですが、オラボナさんが掃除に言った所、また夜妖の気配が現れ始めてしまった様です。

 ●成功条件
  廃神社に深夜の刻しか現れない『夜妖』を退治する事です。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
  昔から怪談スポットとして有名な『無尽寺』が舞台です。
  管理はもはやされていないお寺なので、足元は瓦礫で埋まっている状態です。
  その為足元は不安定な最中で戦わなければなりません……爆発させて掃除しようとも、かなり積み重なっているので一朝一夕に片付ける事は難しいでしょう。
  又、深夜の刻でないと夜妖は現れません。
  また灯りがあると姿を隠そうとする……内気というか、用心深い夜妖なので、基本的には暗視の中で戦わなければならず、注意が必要です。
  尚、余り騒ぐと騒ぎを聞きつけて、周りの野次馬達がやってくるかもしれませんので、ご注意下さい。

 ●討伐目標
  ・ちょっと内気な『闇纏いの狩妖』達
    身体の大きさと同じ位の大鎌を持った夜妖達です。
    大鎌を振り薙げば、周囲に『不幸』を齎し、更にその鎌の一閃はかなりのダメージを及ぼしてくる……攻撃力はかなり高い夜妖の様です。
    ただ、灯りが灯ると闇を探して姿を消す……という特徴を持っており、当然その身は闇を纏っているので、暗闇の中でその姿を視認するのは中々に難しいでしょう。
    暗闇の中で如何に敵を効率的に追い込んで倒して行くか……そんな作戦を組み立てる様御願いします。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • 再現性東京202X:無尽蔵なる罪の影完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年04月14日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ロジャーズ=L=ナイア(p3p000569)
不遜の魔王
ジェイク・夜乃(p3p001103)
『幻狼』灰色狼
冬越 弾正(p3p007105)
終音
エル・エ・ルーエ(p3p008216)
小さな願い
エクレア(p3p009016)
影の女
マグタレーナ・マトカ・マハロヴァ(p3p009452)
彼方への祈り
囲 飛呂(p3p010030)
きみのために
荒御鋒・陵鳴(p3p010418)
アラミサキ

リプレイ

●平和の影を
 平和な影が過ぎ去った、再現性東京。
 いつも代わらぬ日常は忽然と代わり、今生きる人々は必死にこの世界を生きている。
 そんな……過去とは一変した世界において、依然として残るのは怪談話。
「ふむ……遺品回収も楽ではないな。人は気紛れを起こすと謂うが、化け物や怪物の類いにも当てはまる」
 と、『希望ヶ浜学園美術部顧問』オラボナ=ヒールド=テゴス(p3p000569)は肩を竦め天を仰ぐ。
 それに『点睛穿貫』囲 飛呂(p3p010030)は。
「そうだな先生。まぁ元々希望ヶ浜に住む人達はそういった噂話を好むとは聞くから、仕方ないんじゃないか?」
 そんな飛呂の言葉にオラボナは。
「む、先生? ……ああ、そういえば貴様も希望ヶ浜の生徒であったか?」
 と言うと飛呂は。
「まぁ、折れ、学園の生徒だし。学外とは言え先生呼びした方が良いかなって。弾正先生も宜しく」
 礼儀正しい飛呂の態度に、オラボナは。
「ふむ……だが今回は同じ依頼に参加する仲間として扱わせて貰うぞ?」
 肩を叩くオラボナ。
 その一方で、顎に手を当てながら『影の女』エクレア(p3p009016)は。
「しかし……深夜に現れる光嫌いの夜妖だと? 実に『らしい』じゃあないか」
 思慮しながらも、どこか嬉しそうなエクレア、それに『『幻狼』灰色狼』ジェイク・夜乃(p3p001103)と、先生と呼ばれた『残秋』冬越 弾正(p3p007105)から。
「まぁ深夜に出現する夜妖ってのは、何度か御目に掛かった事はあるが、此奴も何かの理由がありそうだな」
「そうだな。触らぬ神に祟りなし……という言葉があるのに、人は何故、自ら触りに行くのだろうな……」
 そんな二人の言葉に、『アラミサキ』荒御鋒・陵鳴(p3p010418)は。
「……真意は分からんが、少なくともこの有様では致し方ないだろう……浄められた寺であれば、その類いは寧ろ居着かんだろうに……面白半分で話せば自らの首を絞める事になりかねんぞ?」
 と肩を竦めると、それに『ふゆのこころ』エル・エ・ルーエ(p3p008216)が。
「ん。今回は被害者、居るのが予測されていたのでしたっけ……?」
 と小首を傾げる。
 それに話を持ってきたオラボナが。
「いや、そういう話はない。だたこの寺に過去夜妖が出現し、それに近い気配を再び感じたのだ。恐らくこの事態をこのまま放置しておけば、別の事件が起きることはほぼ間違い無いだろう」
「そうなのですね? とにかく、被害者が増えるのは悲しい、ですから、絶対に止めないと、です」
 ぐぐっ、と拳を握りしめるエルに、『音撃の射手』マグタレーナ・マトカ・マハロヴァ(p3p009452)も。
「そうですね……足場はかなり悪いとの事ですから、先ずは足元を固めなければいけません。到着しましたら、先ずは瓦礫を端へと集める事に致しましょう。拓けた場所と乱雑な場所を作れば、自然と拓けた場所に集まるでしょうし……」
「そう、ですね。それではエルは、小鳥さんに力を借りたいと思います、です」
 マグタレーナにエルは頷き、ファミリアーを召喚。
 自分達の頭上を飛ばすと共に、視界共有で周囲の状況を確認。
 ……今の所、近くに一般人の影はなさそうで、取りあえずは一安心。
 更に飛呂も、蛇のファミリアーを召喚すると共に……不気味な雰囲気が漂う寺の唯一の入口に配置し、見張りを立てる。
 そう仲間達が一般人に被害が行かない様に対処を進めていくのを横目にしながら作業を進めていくと……。
『……ウゥゥ……』
 ほんの僅か、呻き声がその場に響く。
 その声に気付いたオラボナが。
「Nyahahaha。どうやらこっちの様子を伺っている様だぞ?」
 と笑う。
 そして、それにエクレアと弾正も。
「そうだな……希望ヶ浜学園の生徒が巻き込まれてしまう前に片付けて仕舞おう」
「ああ。だからこそ駆逐しないといけないんだ。未知とは恐怖の象徴であり、生物を狂わせる起爆剤。さぁ……一匹残らず倒し(あばい)てあげよう」
 との言葉を紡ぐのであった。

●夜ノ帳に紛れて
 そしてイレギュラーズ達は、灯りを灯しながら、寺の境内を歩く。
 ウウ、ウウ……と呻き声はずっとずっと聞こえてきており、夜妖が狙いを定めているのは確か。
 ……しかし灯りを灯しているからか、苛立つばかりで、姿未だ表さない。
「ふむ……ここまで灯りを嫌うとは、中々に臆病な夜妖なのは間違い無さそうだな」
 とエクレアが小さく言葉を零す。
 いつもの常であれば、声がして暫しすれば夜妖が攻めてくるのが定石……だが、ウウ、ウウ、と呻き声を上げるばかりで仕掛けてこない。
 勿論、今の内はそれでもいいかもしれない……ただ、一般人が肝試しに来たとなれば、一発で一般人が死に絶えるのはまぁ間違い無い。
「兎に角、まずは瓦礫の撤去を進めていきましょう……いつしびれを切らして攻撃為てくるかも判りませんから」
「そうですね。エルがしっかり、周りを見張ってます。一般の方の影が近づいてくるのもない様です」
「了解」
 そう言葉を交わしつつ、着々と準備を整えていくイレギュラーズ。
 ……そして、瓦礫を片しつつ、ここに一般人が立ち入らない様にロープなどで囲いを作っていく。
 と……イレギュラーズ達がこの場に足を踏み入れて、小一時間程が経過した、その時。
『……ウゥ……ウウウウ……』
 今迄よりも一際強く、恨み節が響きわたると……イレギュラーズ達の手持ちのカンテラや懐中電灯の灯がピカ、ピカと点滅し始める。
「流石に痺れを切らした様だな……皆、構えろ」
 そうジェイクが注意喚起すると共に、更なる怨恨の意思が渦巻き……明滅していた明かりがパチン、と一旦消灯する。
 そして漆黒の闇に包まれた空間に、闇からぞぞぞ……と姿を表す夜妖。
「ウゥゥ……コロス。殺す……コロスコロスコロス……」
 その身体と同じ位の大鎌を背負った夜妖は、一体だけでなく、数体。
 そんな夜妖の群れの出現場所を見定めると共に、周囲を囲う様に動き、隠し持っていた灯りを散らし、灯りの包囲網を作る。
「一匹たりとも逃がさねえ……お前達は、ここで全て倒してやる」
 とのジェイクの言葉に夜妖の反応は……大鎌を大きく振り薙ぎ威嚇。
 勿論、そんな威嚇攻撃を喰らう事は無いものの……敵の抱える憤怒はかなり増幅されつつある模様。
 それにオラボナが。
「ふむ。その怨恨たるや、先日の被害者だけでは足りぬという事かな? 更なる被害者を作り出し、その怨恨を狩り取ろうという事なのか? ふふ……面白い」
 声高らかに笑うオラボナ。
 ……そんなオラボナを横目にしながらエクレアはくすりと笑う。
「……どうした? 何かあったか?」
 と陵鳴が問い掛けると、エクレアは。
「いやぁ、実は前から興味深い存在だと思ってたからね、こんな好機を逃す方が間抜けってものさ」
「……?」
 真意を理解出来ていない陵鳴ではあるが、エクレアは意に介さず。
「ふふふふふ。じっくり観察(み)させて貰うよ!」
 と意気揚々と言葉を紡ぎつつ、オラボナの近くへと立つ。
 とは言え、そんなイレギュラーズ達の動きに意図を介さず、更に鎌を振り回し、攻撃してくる夜妖達。
 外側に灯りがある故、それから逃れるように中心側に寄り動く夜妖達。
 ……そんな夜妖らの動きを見定めながら、先陣を切って飛呂は灯の外側より。
「タダでさえ、再現性東京は復興で皆大変なんだ。今以上に荒らさせるもんか!」
 と極みに立った視座を元に、構えた狙撃銃から放つ銃撃。
 その銃弾が命中すると共に、己が呪怨よりも深く辛い呪いに蝕まれる夜妖。
 更にマグタレーナも後方より圧倒的な熱量を持った閃光で撃ち貫き、夜妖一体に災厄をもたらしていく。
 そんな後衛二人からの攻撃で夜妖に先陣の悪傷を切り拓くと共にその開いた傷痕を抉るべく、ジェイクが声高らかに。
「さぁさぁ! 光に逃げ惑う弱虫な夜妖達よ! 俺達がちゃちゃっと倒してやるから覚悟しな! 弱虫でないって言うんなら、抵抗してみろ!」
 と挑発し、敵の怒りを増幅。
『ウゥ……コロス。かならず、殺す……!』
 と、上手く怒り効果が乗った夜妖達は、逃げようとする事無く鎌を振るう。
 ……そんな夜妖達の攻撃を、敢えて避ける事無く立ちはだかるのは弾正、エクレア、陵鳴の三人。
「俺はこの国を護るべき理由がある……悪く思うなよ」
「そうだな! さぁ、人の命を刈りとる夜妖諸君! 今宵は狐狩りではなく、喰うか喰われるかの狼狩りだ。ゆえに遊びは無し。全力で戦いたまえよ!」
「オマエ達は、オレ達を道連れにしたいのだろう? だが……そう簡単にはこちらも倒れはしない。力尽くで倒すか、倒されるか、だ」
 そう三者三様の言葉で夜妖のヘイトを稼ぎつつ、返す刀で弾正は音のオーラで作り出したクナイの一閃。
 エクレアは妨害用の術式を展開し、陵鳴は魔術と格闘を組み合わせた技で攻撃していく。
 そして攻撃手としては最後にオラボナが。
「余りこの闇の中で好き勝手に動かれたくはないのでな? 貴様等の手数を妨げさせて貰うぞ!」
 と真っ正面からブロックに回り、敵の攻撃を確実にインターセプトする。
 そして……仲間達の攻撃が一巡した所で、最後に動くはエル。
「皆さんの傷は、エルがしっかりと治します、です。だから、皆さんは攻撃に集中してください、です」
 と言いながら、聖体頌歌を奏で傷ついた仲間達を確実に回復していく。
 そんなイレギュラーズ達の流れる様な動きに対し、夜妖はただただ鎌で攻撃をし続けるがのみ。
 光が周りを取り囲んでいなければ、上手に闇に姿を隠して奇襲してきた事であろう。
 だが……イレギュラーズ達の策により逃げ道を奪われた夜妖達は、闇に紛れる事も出来ず、光を逃れるが為にイレギュラーズ達を倒し、光を蹴散らそうと傾注していく。
「そこまで光を嫌うというのは、生前に何か光に嫌な目にでもあったのか? ……ま、それを理解したくもないがな?」
 笑うジェイクと……目を閉じたまま、こくりと頷くマグタレーナ。
 夜妖と化し、廃寺にいつの間にか棲みついてしまった夜妖は、正気などある訳も無く……ただただ訪れた人々の死を狩り取るべく、宵闇に紛れて蠢いている。
 彼等を成仏させるには、倒す事だけが取りうる道……であれば、倒す他にない。
「だから……ここで終わりだ。逃がすかよ!」
 と飛呂が吐き捨てるように言い捨てながら、その位置を調整して効率的に敵を巻き込む様に魔弾の乱舞を繰り出し、更にマグタレーナは呪鎖を掛ける。
 呪縛へ苦しむ夜妖達に、更にジェイクとエクレアが代わる代わるに敵の怒りを呼び込む事で、逃がさず、攻撃のターゲットがぶれないように細工を行い、引き寄せた隙を突いて弾正の燦々たる歌声で範囲に飛ばし、陵鳴が足止めする様に攻撃を重ね、オラボナが敵を炎獄の中に叩き込む。
 そんなイレギュラーズ達の攻撃が幾順し、鎌持ち夜妖達は一匹、また一匹……と倒され、そのまま影を消していく。
 そしていつの間にやら……残る夜妖は後、2匹。
『ウウゥ……』
 流石に仲間達が次々と倒されて行くのを目の当たりにした夜妖達から紡ぎ出される言葉は、どこか弱々しく響く。
 しかし、夜妖になってしまった以上……彼等を救うことは難しい。
「……息づかいが荒くなって参りましたね。後もう一息……油断せずに参りましょう」
 とマグタレーナの言葉に皆、静かに頷き、各々の一撃を放つ。
 そして灯を嫌う夜妖らは灯りに包まれた中……悲痛な咆哮を上げると共に、全てが闇と光の狭間に消え失せて行くのであった。

●無闇な影を刺して
 そして夜妖の気配が全て消え失せた後。
「……ふむ、どうやら終わった様だな」
 目を閉じ、暫しの静寂の中に……先ほど迄感じていた夜妖の気配が完全に失われたことを確認するオラボナ。
 そんなオラボナの言葉にマグタレーナもこくり、と頷き。
「ええ……この無尽寺に集う影はもうありません……取りあえずは、平穏を取り戻した様です」
「その様だな。だがしかしこのおどろおどろしい雰囲気だ。いつしかまたどこかから怪異が寄りつき、この場に憑かぬとも限らぬ。怪異が憑かぬ様にせねばならんな」
「そうだな。ここが有名な怪談スポットである限り、似たような事がまた起こるだろう」
 オラボナに頷くジェイク。
 怪談スポットという事は、人々の陰の気がどうしても集まりやすい。
 確かに今迄も、夜妖が現れる所の多くは人が死ぬ事故があったり、墓地だったりと……何らかの怪談がついて回ることが多い。
 ならばどうするべきか……暫し考えた後に導き出された答え。
「……ならばいっそ、寺を修繕してしまうのはどうだ? 壊れた寺で、人が寄りつかないからこそ、こういう怪談話が出てくるんだ。寺を再建すれば、自ずと幽霊話も消え薄らいで行くと思うのだが……」
「ふむ……それは面白い考えだな。確かにしっかりと管理された寺を装えば、怪談話をするのも憚られる事になるだろう。俺も手伝わせてもらう……が、あまり重いものを持ったりするのは出来んぞ?」
「大丈夫だ。そういうのはこっちに任せてくれ。ああ……飛呂も手伝ってくれるか?」
「ん……ああ、了解」
 エクレアと弾正の言葉に、飛呂も頷き、ほぼ原型を留めていない寺の片付けを始める。
「んー……なんだろ、これ、学校の奉仕活動みたいだな」
 と苦笑する飛呂だが、彼もどこか楽しそう。
 そして寺を修復している最中には、陵鳴とジェイクはこの寺がどういうものだったのか……を散乱している物の中から調査。
「さて……火のない所に、とも言うが……果たして本当に此処はどうだったのだろうな?」
「そうだな。その手がかりになるようなものでもあれば、手に入れておきたいところだ。ほら……仕事を受けたからには完璧に熟すってのがプロってものだからな」
「確かにな」
 陵鳴にジェイクが笑いつつ調査していると……散乱した瓦礫の中に、小さな仏像の様な物を発見する。
「む……これは、もしや……ご神体か?」
 とそれを拾い上げた陵鳴。
 その物から感じ取れたのは……人々が崇め奉る対象である、崇拝の気。
 そして、ご神体であったであろう物を回収し、小さい祠の様な物を作り、その中にそれを収めて、封鎖。
 ……そして、そんな寺の修復を一通り終えた頃には、そろそろ日が昇り始める頃。
 朝日が地平線の際に昇る頃に、オラボナは簡易的ではあるものの、その祠を浄める。
「悪くはない。私としては居心地が良いものだが……な」
 煌めく朝日に瞬く祠に、オラボナが一言紡ぐ。
 ……そして、日が昇った後の無尽寺は……来た時の荒れ果てた姿とはまるで違い、しっかりとしたお寺の姿に変わり果てる。
 不穏な気配も消え失せたここが、再び怪談話の種にならない様に、強く願いつつ……イレギュラーズ達は、町の一般市民達が来る前に、その場を立ち去っていくのであった。


成否

成功

MVP

冬越 弾正(p3p007105)
終音

状態異常

なし

あとがき

再現性東京シナリオに参加頂き、ありがとうございました。
無尽寺も修復されたので、もうここが怪談スポットになる事は……無いと思います。
とは言え再現性東京自体、怪談スポットは多く有りますので、完全に根絶する事は難しそうですが……。

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