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シナリオ詳細

掠め取る命の糧果

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●掠め取る命の糧果
 鉄帝国北部、ノルダイン地方。
 ちょっとずつ、春の足音が聞こえ始めているが、まだまだ海水は極寒の嵐。
 そんな厳しい冬の海には、生活の糧にする為の魚などを得る為に幾つかの村の人々が集まり呉越同舟……共同で組み上げた大きな船に乗る事で、沢山の釣果を収めて戻ってくるという使命で、冬の海へと出かけている。
 大きな船を使うのは、海賊などに襲われない様にする為。
 そのお陰もあり、船の大きさという見た目で敵の力を判断する様な者達からは襲われる事無く、今迄は順調にやってこれた。
 ……だが、そんなハリボテの威勢は暫くの間監視していれば、ボロは出てしまうもので……。
『おい……あの船よ、立派な船を使ってるみたいだが……その実は寄せ集めの村人達ばっかりらしいぜ?』
『それ、マジか? ……ちくしょう。奴らにダマされてたって訳か……許せねえなぁ……』
『だろ? って訳でさ……あの船をぶっ潰しに行こうぜ? 図に乗ってるあいつらに目に物をみせてやろうぜぇ!』
『いいねぇ!! それじゃぁ皆ぁ、錨を上げろぉ! 全速前進、あの船をぶっ壊してやるぜぇ!!』
 大笑いしながら、その船に向けて距離を詰めるはノルダインに属するノーザン・キングスの一派、『エルネスタ』一族。
 今迄の鬱憤を晴らすべく、彼等は村の船よりも一回り小さい船ながら突撃。
 鈍器を手にし、咆哮を上げると共に村人達の船に乗り込もうとするのであった。


「ん……あ! イレギュラーズの皆さん、集まって頂けたのですね! 本当に、ありがとうなのですよ!!」
 と、ギルド・ローレットにいる君達に笑顔と共に手を振る『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)。
 彼女の笑顔に一抹の不安を抱くのもいたりするが、それを意識する事無く、ユリーカはさっさと。
「あのですね! 今回皆さんには、ダマされたなんて憤慨しているノーザンキングスの人達を粛清してきて欲しいのです!」
 ダマされた……と言われて何にダマされたのか、と誰かが首を傾げると、それにユリーカは。
「うーん……そうですね、ダマされたと言うよりは、これノルダインに棲む村の方々の自衛手段なのです。でもそれを用意周到な手段でダマされたと憤慨している様なのです! 逆恨みも甚だしいのですが、でもそれで村人さんが危険な目に遭うなんて、可哀想なのです!」
「勿論ノーザンキングスというのは、鉄帝の平穏を脅かす存在ですから、早めにぶっ潰すに越した事が無いのです! という訳で、イレギュラーズの皆さん、宜しく頼みます、なのですよ!!」
 村人を苦しめる輩は許せないという気持ちと共に、元気一杯にユリーカはイレギュラーズの皆の肩を叩いて、北国に向けて送り出すのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 鉄帝北部ノルダイン、住まう住人の方達の知恵もあり、どうにかノーザン・キングスに対する抵抗をしている村もある様です。
 しかしノーザン・キングスの方達は、その真実を知ると共に力尽くでぶっ倒そうとしている脳筋な考えもある様です。

 ●成功条件
  ノーザンキングスの『エルネスタ』一族の討伐、及び北国の村の方々が共同所有している大きめの船の保護を行うことになります。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
  ノーザンキングスの方達の船と、村人の方々が共同所有している船は、村人の方々の船の方が一回りほど大きいです。
  船員の数に対し、かなり大きめな船となりますので、戦闘をするには全く問題ありません。
  ですが、大きめな船という事は展開性能は低く、敵船の接近を知っても逃げる事は出来ません。
  皆様が到着出来るのも、敵船の襲撃とほぼ同時になりますので、襲われて驚いている村人さんの安全確保と同時に敵と戦う必要があります。
  同時並行で両者に対応する必要が有りますので、その辺りの作戦を考えて頂ければと思います。

 ●討伐目標
  怒りに震える『エルネスタ』一族
    ノーザンキングスに属し、海の上では我が物顔に暴れる奴らです。
    彼等は村人達が、自分達を騙したと(自分勝手ながら)かなり憤っており、村人の殺害及び村人の船を沈める事を優先的に行います。
    又、邪魔する皆様に対しては、邪魔するんじゃねぇ、と言わんばかりに鈍器(メイス、棍棒など)で攻撃を仕掛けます。
    彼等の攻撃には変なバッドステータスを付与するなんて事はありませんが、結構な人数(物量)で攻めます。
    勿論仲間達が死のうと全く関係なく、相手を殺す為だけに心血を注ぎますので、彼等に押し巻けない様ご注意下さい。
 
 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • 掠め取る命の糧果完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年02月27日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

志屍 志(p3p000416)
天下無双のくノ一
ヨハン=レーム(p3p001117)
おチビの理解者
イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)
黒撃
オリーブ・ローレル(p3p004352)
鋼鉄の冒険者
マリア・レイシス(p3p006685)
雷光殲姫
橋場・ステラ(p3p008617)
夜を裂く星
マリア・ピースクラフト(p3p009690)
希望の魔法少女
嶺 繧花(p3p010437)
嶺上開花!

リプレイ

●北に住む意味
 鉄帝国北部、ノルダイン地方。
 真冬には流氷が浮かび、見た目にも寒々しい光景が広がる極寒の地。
 本日もまた、そんな極寒の海には貴重な冬の釣果を求め、数多の船が出航していく。
 ……しかしそんな釣果を求める北限の村人達にとっての悩みの種……蛮族行為を繰り返す、鉄帝に背きし者達『ノーザン・キングス』。
「……全く、又ですか……」
 目前の海よりも冷たい溜息を吐くのは、『鋼鉄の冒険者』オリーブ・ローレル(p3p004352)。
 今迄に何十ものノーザンキングスに与する者達を倒して来たが……未だに終わる気配は見えない。
 ただ単純に襲い掛かるのもいれば、自分達よりも弱い者だけを襲うという……狡猾な奴らも居る。
 そんなノーザンキングス達に、この地に棲まう村人達も、襲われないように様々な工夫をし始めていた。
 そして今回もその一つ……近くの村同士で連携し、大きな船で共同に漁に出る事で、自分達を大きく見せようという工夫である。
 だが……それがハリボテだと分かった結果、激昂するノーザンキングス『エルネスタ』一族が、襲い掛かっている……と言う話。
「なるほど……これもこの地で生きる知恵、というヤツですね? 折角なら何か弓の一つ二つ当たり、用意しておけばこういう状況の対処になったかもですね?」
「そうですね……自身を大きく見せるとか、そういうのは自然界でも良くある防衛手段でしょうに……それに逆上するだなんて、略奪民の被害者根性は図々しいにもほどが有りますね。下働きから出直して頂きたいものです」
 『竜眼潰し』橋場・ステラ(p3p008617)に頷きながら『遺言代行業』志屍 瑠璃(p3p000416)は空を見上げる。
 幸い、今日の天候は晴天……村人達は順調な釣果に心を躍らせている事だろう。
 でも、それを面白く無いと感じているのが……エルネスタ達なのだ。
「まぁ、ノーザンキングスの荒くれ全体的に言える事だけれど、バカなことばかりやってないで真っ当に働けって思うよネ!」
「そうだね。大きい船を使ってたら騙しているって……本当良く分からない理屈。そんな偏屈な理屈で他人の物を破壊するんじゃない! 本当、お仕置きが必要だね!」
「全くだヨ。まぁ行動原理としては、自分達以外が儲けたり、上手く行くのを認めたくないんだろうナ。心が狭いというか、まぁ……自分至上主義ってな感じなんだろうネ!」
 『業壊掌』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)と『雷光殲姫』マリア・レイシス(p3p006685)が肩を竦めたり、拳を握りしめたりでしていると、それにフリアノンから出て来た『嶺上開花!』嶺 繧花(p3p010437)が。
「ヒト同士で奪い合うなんて……ね。まぁでも私達亜竜だって、相手が違うだけで狩りはやってきたよねー……それと同じなのかな?」
 首を傾げる繧花に、『魔刻福音』ヨハン=レーム(p3p001117)は。
「人も亜竜も、欲望はあるものだからね……ま、それを自制出来るからこそ賢い。でも今回の奴らは自制出来ず、他者の物を『気に入らないから』で手を出しているって訳さ」
 やれやれ、と肩を竦める仕草のヨハン、そして『希望の魔法少女』マリア・ピースクラフト(p3p009690)も。
「賢いとか賢くないとかは良く分からないけど、でも困っている人達を助ける。うん、魔法少女としての王道展開だし、しっかりノーザンキングスの人達を浄化してあげないとね!!」
 かなりの気合いがこもっている魔法少女マリアに、拍手しながらヨハンも。
「まぁそうだね……今回は船上の戦いという事になりそうだな。面倒極まりないが、人命がかかっているのなら仕方ない……しっかりとノーザンキングスの者達を成敗するとしよう」
 そんな二人の声に、きょろきょろと周りを見渡しててから繧花が。
「……ん、よし! 今は難しい事を考えていても仕方ないし、助けを求める人に応える為に、全力を尽くそう!!」
 自分に言い聞かせるように気合いを入れるのであった。

●暴虐無双
 そしてイレギュラーズ達は、瑠璃の用意したスピーダーや陸鮫などに分乗し、北の海を進む。
 冷たい水飛沫を浴びつつも、みるみる内に距離を詰め……先行する村人の船を発見。
 しかし、村人の船より一回り小さい船が……全速力で正対する方向から進んできている。
『……!? お、おい、と、止まれ!! こっちに来るな!!』
 襲い来る敵船の勢いに、村人達は大きな声で慌て、マストで旗を振り回避を促す。
 だが、当然エルネスタ一族はぶつかる事を前提で動いているので……勢いを止めることは無い。
『う、うわぁあ、ぶつかるっ!!』
 船の舵を切り、真っ正面からの衝突は避けるものの……船体の横同士が擦れ合う形で衝突し、両者の船に大きな衝撃が襲い掛かる。
『っ……おめえら、一気に乗り込むぞ!!』
 その衝撃をどうにか耐えつつ、相手の船に錘を付けた縄ばしごを投げ込んで、乗り込むルートを確保する。
 そしてその縄ばしごを次々と登り……村人の船へと強引に乗り込んでいくノーザンキングス。
 ……そんなノーザンキングスが乗り込むのとほぼ同時に、イレギュラーズ達も船へと接舷。
 飛べる力をフルに活用し、ほんの僅かではあるがノーザンキングス達よりも一歩だけ早く船へと乗り込むことが出来る。
「さて……襲撃には何とか間に合った、という所でしょうか?」
 ステラが周りを見渡しつつ、まだエルネスタ一族が居ない事を確認。
 そして強い口調で瑠璃が、周りで少し混乱気味の村人達に。
「大丈夫です。我々が、この船を蹂躙などさせません。危険ですから、船内に避難して下さい!」
 と、船倉への避難を促す。
 しかしながら、突然の事に直ぐに受け入れられない村人達……そうしている間にも、エルネスタの者達は縄ばしごを一人、また一人と昇ってきている。
 そして……一番先頭で昇っていた者が。
『ぁぁ、何だてめぇ、村人じゃないだろ!! さっさとここから離れろ!!』
 苛つき気味に罵声を浴びせる彼等と……。
『ひ、ヒィィ……!!』
 その声に引きつり声を上げる村人達。
 混乱が混乱を呼ぶような状況では、イレギュラーズ達の言葉を冷静に聞くことは難しいだろう。
「仕方ありませんね……マリアさん、いいですか?」
「ええ! 嶺さん、よろしく御願いします。頼りないとは思いますけど、防御の方は任せて下さい!」
「オッケー、マリアさん! 私もまだまだ未熟な腕前だけど、攻撃ならまかせて!」
 と繧花に頷き合うと、早速繧花が。
「はい、そこまで! ローレット参上です! 村人の皆さんは慌てずに避難を……ノーザンキングスの皆さんは、諦めてさっさと帰って下さいね!」
 と言い放つ。
 その間に、魔法少女マリアは真珠のような光の球がついた指輪へ口づけて、空に翳す。
 すると彼女を覆い隠す様に光が広がり、その光が太陽の様な形に満ちると、それが弾けて変身した姿で魅せる。
 更に、ビシッと決めポーズを決めて。
「魔法少女セイントマリー! 清き灯花で悪しき空気を浄化します! 逆恨みで村人さん達を虐める悪い人達はお仕置きです!」
 口上を述べたマリア。
 マリアと繧花の口上の間に、瑠璃は村人達一人一人の元へと駆け寄り。
「大丈夫です。私達は、皆さんの味方です。絶対にこの船を守ってみせます……だから、今は大人しく、私達の指示に従って貰えますか?」
 と、村人達をしっかりと説得。
 ……最初は混乱していた村人達も、どうやら荒々しい彼等の方が自分達を傷付ける者、と朧気に認識した模様で。
『は……はい……わかり、ました……!!』
 と、船倉に逃げ始める。
 ……そうしている間にも、縄ばしごを上がってくるエルネスタ一族。
『この野郎! 勝手に逃がしてんじゃねえ! 俺達の獲物だぞ!!』
『ふざけやがって、死にてえのか!!』
 怒りを孕んだ叫びが飛び交い、その手に鈍器を掲げて威圧する。
 そんな敵の武器を見てハッ、と嘲笑いながらヨハンが。
「得物のチョイスがなかなか面白いなキミたち。でも村人くんたちを効率良く殺傷したいのなら刃物を持ってくるべきだ。程度にもよるが、その類いの殴打武器は裂傷を伴わないので、この仕事にさほど向いていないと思われる。まぁ……必死に船を叩いて壊すという重労働を見越しての事ならば僕は何も言わないが、労いの一つでも必要かね? ハハ!」
 嘲笑するヨハン、更にイグナートも。
「本当、バカみたいに弱い者いじめしか出来ない軟弱者め! ぶっ飛ばされたいヤツらからかかって来なよ!」
 クイッ、と手招きして挑発。
 イレギュラーズ達の舐めた真似に、一層怒り狂いながら鈍器を全力で振り回す。
 ……そんな敵の攻撃をいなしながらオリーブは、幻想を穿つ竜撃の一閃を穿つ。
 加えてマリアは高い反応速度を活かし、離れた所から雷鳴の一閃を叩き込む。
 ……その間にも更に更に昇り行くエルネスタ達……縄ばしごから上がってくるのが一段落した瞬間に狙い済ましてステラが敵船に爆発物を投げ込んで、敵の注意をそっちに向かせる。
『何っ!? 俺達の船が!?』
 と驚く彼等に対し、ステラが間に立ち塞がりながら。
「大人しく投降すれば、命までは取らない位でしょうか……ほら、降伏しなさい!」
 小柄な彼女が、勝ち誇った笑みで言い放つ。
『な、何だと!? なめくさりやがって!!』
 反発する彼等にステラはふふん、と笑い。
「エラそうに?? まぁ、今は独裁者ですので! 私に刃向かうのは許しませんよ!」
 と言いつつ、鋭利な乱撃をぶっ放す。
 そんなイレギュラーズ達の初撃に……自分達より遥かに強い奴らだ、と認識させられるエルネスタ達。
 ……だが。
『ま、負けてられるかよぉ!! こいつらを倒せば、この船諸共俺達のもんだ!! 皆ぁ気合い入れろぉ!!』
 退路を半ば遮られたからなのか……その闘争心が燃え上がったからかは分からないが、投降する素振りは無い。
 そんな敵の攻撃を身を持って静止しながら、マリアと繧花の二人は。
「守り抜いて見せる! 村人さん達も、この船も! キラシールド! 絶対に傷付けさせません! 轟く雷光! コレクトサンダー!!」
「ええ、絶対に守り抜いて見せる!! さぁ、私の光に飲まれなさい!!」
 村人達に決して攻撃を通さない事を重視しながら、二人は敵の攻撃を牽制。
 牽制後に生じる隙に、更に後方からヨハンが。
「まぁ、すぐそこは海だ。死にたく無かったら武器を捨てて飛び込んでくれたまえ。他のイレギュラーズから、身体を吹き飛ばされるよりはマシだろう?」
 等と言いながら、敵を追跡する炎弾を放ち追い込む。
 更にイグナート、オリーブからは、相手の力を上回る圧倒的案『力』技で反撃し、敵の攻撃を押し返し、更に彼等を船の際に向けて押し込んでいく。
『くぅ……っ! 何だこの力は……!!』
 唇を噛みしめる敵陣に、オリーブが。
「どうした? お前達の力はその程度だな? 大きな武器を振り回しているのに、扱う力も無い様だな」
『なんだと……んな訳ねえ!!』
「そうか。なら……自分の攻撃位、堪えて見せてろ。力自慢なら……その位容易いだろう?」
 オリーブは鉄帝国の城をも壊す技を放つ……勿論耐えきれず、そのまま吹き飛ぶエルネスタ。
 イグナートからは大喝を吐き出す暴力的な一閃を穿ち、更に敵を吹き飛ばしていく。
 ……そんなイレギュラーズ達により、次々と倒れていくエルネスタ。
 十数刻の後、多数侵略してきていた彼等も、いつの間にやら数える数しか残らない。
 圧倒的不利な状況下に追いやられた彼等へマリアが。
「いいかい、身勝手な理由で村人達の大切な船を破壊するな! 君らも船乗りならば、船がどれほど大事か解る筈だろう! 生活が苦しいのは皆同じだ! だからこそ力を合わせて暮らすべきなんだ! その無駄に余った体力をもっと有効に使い給え! 真っ当に生きる事も容易いだろうに!」
 と船乗りとしての矜持を刺激するように言葉を投げかける。
 だが……最早奪う事、楽に生きる事に至福を覚えてしまった彼等は。
『うるせえって言ってんだろうが!! 力が無え奴らを貪って生きていく、その何が悪いって言うんだ!!』
『そうだそうだ!! 弱いヤツは弱いなりに生きていくしかねえんだよぉ!!』
 心根まで腐り、荒ぶる彼等を言葉で呼び戻すことは……最早不可能の様で。
「そう……なら仕方ないネ。それじゃ……覚悟して貰うヨ!」
 とイグナートは最後通告。
 そしてヨハンが。
「死にたく無いなら無様に泣いて許しを請えば良いんだ。でも、最後までやり合うつもりってんなら、しょうがない」
 炎弾の勢いを加熱させ、敵へと放つ。
 その炎に巻き込まれ、苦悶の叫びを上げる彼等へ瑠璃が。
「分かりました。止めまでは刺しませんから、船から落ちて溺れたりしないでくださいね」
 と身を傷付ける呪いを刻み付け……その呪刻の蝕む痛みに、残るエルネスタの者達も、崩れ落ちていった。

●自衛の為の手段
 そして……ノーザンキングスの者達が完全に戦意を失った後。
「さて、と……何とか無事に終わりましたね。怪我している人はいませんか? 傷の手当てはしますよ?」
 とステラは傷ついた村人達……と、エルネスタの者達の治療を始める。
 いや、ステラだけでなく、魔法少女マリアも、繧花も……回復可能な人達総手で関連する人々を回復していく。
 そう手当てを為ている間に、瑠璃は船から落ちてしまった敵達を見て。
「こっちは私に任せて下さい……引き揚げたら毛布とかで包んであげましょう」
 瑠璃の言うとおり、3月とはいえ流石に北国の海……放置しておけば間もなく命を奪われる羽目になって仕舞うだろう。
 だからこそ急ぎ彼等を引き揚げ、暖かくして……その命を奪わない様にしなければならない。
 そう手分けして村人とエルネスタの者達を全て救出するのを目の当たりにした繧花は。
「これが鉄帝の現状……いつかヒト同士が争う必要なんてない日が、来るといいね?」
 と笑みを浮かべる彼女に、マリアも。
「そうだね……本来は、争う必要なんて無い筈なんだ。でも生きる為に、争わなければならない時もある……そういう事がない様にしたいんだけれど、ね……」
 少し悲しげに空を見上げるマリア。
 そしてエルネスタの者達が落ちついた所で、マリアは視線を合わせながら。
「君達……そんなに体力が有り余ってるなら、私の領地の軍隊で働かないかい? 給料は保障するし、福利厚生も悪くないよ! テーマパークもあるんだ!!」
 働く場所が無いのならば、自分達が紹介してやればいい……勿論一筋縄ではいかないのは分かって居る。
 でも……そんなマリアの提案に、僅かではあるが靡く彼等。
『……どうする?』
『……すまねえ……ちょっとだけ時間をくれねえか?』
 おいそれと飛びつく訳にはいかないし……彼等にもしがらみがあるだろう。
 勿論マリアはそれも理解した上で誘っている訳で。
「うん、勿論だよ! それじゃ、気持ちが固まったらここに来てね!」
 と、己が領地の場所を示す。
 そしてエルネスタの人々の処遇も決まった所で、イグナートが。
「それじゃ、後は船の修理をして帰ろう! 言ってくれれば、どこでも修理するヨ!」
 とサムズアップし、村人達の笑顔を誘うのであった。

成否

成功

MVP

マリア・レイシス(p3p006685)
雷光殲姫

状態異常

なし

あとがき

ノーザンキングス依頼に参加頂き、ありがとうございました!
極めて厳しい環境ですが、皆様のおかげで少しずつ……人々の生活も良くなっていく事でしょう。

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