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シナリオ詳細

領民の命を奪う黒死蝶

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●それは病魔か、それとも……
 幻想(レガド・イルシオン)、アーベントロート領。
 そこは、リーゼロッテ・アーベントロートを頂点に治められる幻想の北にある領地だ。
 この領地内のとある集落で今、謎の変死事件が続いている。
 なんでも、とある集落において黒い蝶の目撃証言があり、その翌朝に死体で発見された人がここ数日で3人もいるのだという。
「この事件を解決してほしいのですわ」
 依頼主はなんと、領主であるリーゼロッテ・アーベントロート本人。
 普段、己の私利私欲の為だけに動き、市井のことなどまるで気に掛ける様子もない彼女が珍しくローレットへと依頼を持ちかけてきたと言う。
 それもあって、イレギュラーズの1人が尋ねる。
 ――なぜ、貴方がこの依頼を、と。
「こちらにも、色々あるのです」
 彼女が直接、この事件の解決をローレットへと望んだのは2つの理由がある。
「このまま領民が全滅してしまうのは、さすがに困りますのよ」
 それは別に領民の命を案じているわけではない。領民が減ることで税収の減少を懸念しているのだ。
 また、いつ自分にも被害が及ぶか分からないとリーゼロッテは考えたらしい。
 危険因子は排除するに限る。至極単純な理由だ。
「ともあれ、害にしかならぬ事件。よろしく頼みましたわよ」

 イレギュラーズ達はまず、ローレットにおいて情報収集することとなる。
「その集落の事件、とっても物騒なのです……」
 『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)はペラペラとメモ帳を開き、イレギュラーズ達へと集めた情報を語った。
 集落は、300人ほどが暮らす規模のもの。
 住民同士の交流はそれなりにあるが、最近はイレギュラーズの来訪もちょくちょくある場所らしい。
「情報からするに、事件が起こっているのは夜なのです」
 事件前夜、1人暮らしをしている者の家周辺で、不気味な黒い蝶が飛来するのが確認されている。
 翌朝、その家主の命は奪われていた。どうやら、毒による衰弱死が原因らしい。
「黒い蝶……何処かの世界では、病魔の仕業という話もあるって話もあったのです」
 病魔はその世界で流行した感染症らしく、黒い蝶が原因となったのだそうだ。今回の死因と重なる部分もあるのだとか。
 だが、ここは『無辜なる混沌』。
 他世界からの致命的影響は『不在証明』によって、無効化されてしまうはず。
「この世界において、脅威的な病魔であるはずがないのです」
 ペンを握る手を強め、ユリーカはイレギュラーズ達へと力説した。
 不可解なのは、被害者宅は根こそぎ財産が奪われた形跡があること。
 つまり、病魔を語る何者かが黒い蝶を操り、人々の命を奪っている可能性があるとユリーカは見ている。
「実際、それらしき旅人はいたらしいのですよ」
 現在、消息不明となっている旅人がそれらしきスキルを操っていたという話もある。
 ただ、その旅人と接点があった者がほぼおらず、詳細な情報は得られていない。
 ともあれその集落へと出向き、病魔の正体を暴く必要があるだろう。
 リーゼロッテの思惑に乗るのに不満を持つイレギュラーズもいるが、被害に遭う集落民を思えば黙っているわけにもいかない。
「事件の収拾、よろしく頼むのですよ」
 真摯な瞳を向けてくるユリーカへ、イレギュラーズ達はそれぞれ誓いの言葉を口にして現場となる集落へと向かっていくのだった。

GMコメント

イレギュラーズの皆様、こんにちは。
GMのなちゅいと申します。

●目的
 変死事件の解決。

●状況
 幻想、アーベントロート領内のとある集落において、何が起こっているのか確認することとなります。
 新たな事件が起こった際の結果に応じ、依頼成功度が変わります。

●容疑者
○黒死の蝶使い……アンゲロ・ビクネーセ
 20代男性、旅人。見た目はごく普通の青年に見えます。
 病魔の仕業だと流布しつつ黒い蝶を操って特定人物を殺害、家の物を奪う窃盗を繰り返す外道と成り下がっています。
 スキルとしては、一時的に呼び出す蝶をメインに使います。
 こちらの蝶は効果を発揮すれば、すぐに消えます。
・風の刃……神遠貫・出血
・蝶の猛襲……物近域・
・呪いの蝶……神至単・致命
 また、4ターンごとに蝶の群れを1組呼び出します。

○蝶の群れ×3組
 1組3~5体編成の黒い蝶の群れです。
 こちらは呼び出されると、倒すまで戦場に常駐し続けます。
・黒死の呪い……神近範・呪い
・殺意の羽ばたき……物近単
・毒の粉……神中範・毒

●情報確度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

それでは、よろしくお願いいたします。

  • 領民の命を奪う黒死蝶完了
  • GM名なちゅい
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年08月04日 21時45分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (8人)

ヴェノム・カーネイジ(p3p000285)
大悪食
リチャード・F・ロウ(p3p000871)
law of jastice
ミスティカ(p3p001111)
赫き深淵の魔女
鬼桜 雪之丞(p3p002312)
玲瓏の壁
ニル=エルサリス(p3p002400)
桜咲 珠緒(p3p004426)
二人でひとつ
ルア=フォス=ニア(p3p004868)
Hi-ord Wavered
不動・醒鳴(p3p005513)
特異運命座標

リプレイ

●事件の犯人とは……
 幻想の北、アーベントロート領。
 その中にある集落へと、イレギュラーズの一団が向かう。
 黒い病魔が集落民を死に至らしめ、合わせて死亡者宅の財産がなくなる事件。
 果たして、この事件の真相とは。
「黒死の蝶使い……旅人らしいけど、一体何者なのかしら」
 額に赤い宝石を埋め込んだ少女、『赫き深淵の魔女』ミスティカ(p3p001111)が事前情報を元にして、今回の犯人と思わせる者の素性に一歩踏み込んで推測する。
「大っぴらに私兵なりを動かすのを嫌うなら『暗殺令嬢』としてのリーゼロッテ先輩と容疑者が関係あるんすかね」
 尻尾のように伸ばす捕食器官を持つ、『双色の血玉髄』ヴェノム・カーネイジ(p3p000285)は今回の事件をどーでも良い事としながらも、そう勘ぐっていた。
 ヴェノムの意見には賛否両論といったメンバーではあったが、それらをきっかけに、一連の変死事件の首謀者らしき存在について意見を出し合う。
「病魔を語り、火事場泥棒ですか」
 表情に乏しい夜叉の少女、『朱鬼』鬼桜 雪之丞(p3p002312)は、事件の犯人とその目的について断定していた様子。
「何というか、今回のヤツは狡いのぅ」
 小柄ながらも、豊満なプロポーションを持つルア=フォス=ニア(p3p004868)も抱いた印象をそのまま口にする。
 見た目の数倍も生きているルアは、力に溺れて悪行に走るやからを幾度も見てきたが、なかなかに知恵の回る相手ではないかと踏んでいた。
 一方で、苗字の通りに桜が咲くような淡いピンク色を思わせる風貌の桜咲 珠緒(p3p004426)は、正気を無くした故にこういった行動をしているのではと逆の意見を出す。
「個人の力量・範囲には限度があるものですが、だからといって、同じ手札を続けて出すのは、悪手なのです」
 果たして、領民を襲うのは只の窃盗目的だけなのか、それとも……。
「とにかく、何かと裏がありそうなのは間違いなさそうね」
 仲間達の意見を聞いたミスティカが相手の素性について疑問を深めながらも、一行はその集落の入り口へと至る。
「本当に病魔であれば、当然、容赦なく殲滅ですが、外道でも同じことでしょう」
 どちらが原因であれ、根絶すれば次はないと雪之丞が話すのに、小柄ながらも見事なスタイルを持つニル=エルサリス(p3p002400)も同意して。
「ちゃちゃっと事件を解決して、これ以上被害者を出さないようにしないとだお」
 いずれにせよ、次なる事件は防がねばならないと、メンバー達は参加して情報収集へと当たり始めるのである。

●日中の調査
 さて、調査に当たるメンバー達。
 各自の希望とヴェノムの提示もあり、集落を大きく王都側の入り口から見て左右、中央の3区画に分けて一行は調査に当たる。
 中央班には、ミスティカ、雪之丞、そして、『特異運命座標』不動・醒鳴(p3p005513)の3人が向かう。
「被害者分布は……どうやら左側に多いようね」
 ミスティカはスキルを活かして一羽のカラスを飛ばし、集落の地形把握や被害場所分布を確認していく。
「事前情報からして、不明の点はあるしよ」
 その間に、ごく普通の青年といった見た目の醒鳴は調査に当たりつつ、考える。
 この集落は300人程度の規模とのことだが、事件の犯人と思しき旅人の姿が確認できないことが彼には気になっていたようで。
「旅人の存在がでっちあげなら嫌だぜ」
 醒鳴は集落民の誰かが怪しいと考え、目撃者の身元の確認にも動く。
「ちょっといいかな」
 実際に集落民と接するのは、醒鳴と雪之丞の2人。
 少しでも話すのに心証を良くする狙いもあり、醒鳴が礼儀作法を活かして直接声かけしていく。
「……はい、病魔の噂について調べていまして」
 雪之丞は黒い蝶の話や、その目撃情報を集める。
 その最中、3件の変死事件被害者の話を聞き、左側の区画に被害が集中していることを耳にした。
 区画は違えど、集落民は黒い蝶の及ぼす病魔に怯えていた様子だ。
「病魔か、なるほどな……」
 醒鳴がさらに人心掌握術を使いつつ合いの手を入れ、情報を引き出す。
 その病魔の話は黒い蝶を使う旅人、病魔が伝染病であるといったように微妙に差異がある上、出処はまちまちだ。
 だが、それを辿っていくと、どうやら同じ集落民の男へと行き着くらしい。
 その男は細々と行商を営み、王都と行き来することがあるとのこと。
「やっぱり、集落民が怪しいか……?」
 自らの勘が間違っていないことを確認する醒鳴の横で、雪之丞がそれらの情報を纏めていた。
 右手側では、ルア、ヴェノム組が当たる。人数が少ない分、やや区域を狭めての行動だ。
 2人は別行動をして、調査に当たっていく。
 ルアは右手側の家々の中を透視と超視力を活かして、その家に住む家族構成や暮らしぶりを確認する。
 特に、一人暮らし、かつ裕福そうかどうかはチェックポイント。次に狙われる可能性が高い人になるはずなのだ。
「外装、材質などに良いモン使ってる感じすかねぇ?」
 ヴェノムも治安よさげな場所、高級住宅に住む人に当たりをつけようとしたが、どうやらそれらは集落の左側に集まる傾向があったようだ。
 また、家々を見ていたルアは一目についたらしく、通りがかった人と世間話を始める。
 通りがかった旅人の振りをするルアが振る話題はもちろん、病魔の噂だ。
 ここでも、人々は伝え聞く病魔とその被害者の話に恐れおののいている。
「おぉう、それは怖いのぅ……。早い内に、ここを出たほうが良いじゃろうか」
 被害の出方に関してルアなりに法則性を見出し、状況分析を進め、時にハイテレパスを使って仲間と情報交換にも当たっていたようだ。
 左側では、ニル、珠緒、『law of jastice』リチャード・F・ロウ(p3p000871)の3人が調査を進めていた。
 灰色の髪をオールバックにしたリチャードは近隣住人と、病気の原因を調べている体で話し、情報を集める。
 そして、主軸としていたのは、直接被害者の家を回っての探索だ。
 こちら側に被害者は集中しており、彼がその3軒を1つずつ調べることとなる。
「なるほど、一人暮らしにしては裕福な印象がありますね」
 そうして、リチャードはその共通項を導き出していく。
 珠緒は集落の道を地図化し、同じく被害者宅の調査に臨む。
「これなら、敵の動きはパターン化できそうですね」
 彼女はそれを見ながら、ある程度敵の動きについて推察していた。
 これだけ、イレギュラーズが表立って動けば、ニルは犯人が動き出すのではないかと考える。
「うーん、何か感じるんだお」
 実際、こちらを注視していた集落民らしき男に気付いたニルは、エネミーサーチを使ってみる。
 明らかにこちらへと敵対心を抱く男は、残念ながら離れていってしまう。
 しかし、ニルは確認できた範囲内で、容疑者と思しき男の特徴をつかんでいた。

●夜が更け動き出す蝶達
 日暮れ前にメンバー達は一度集まり、集めた情報を交換する。
 怪しい旅人の情報はほとんど出ないのに、病魔を及ぼす蝶や蝶使いの旅人について語る、行商を行う集落民の男の話が浮上していた。
 なお、その男は先ほどニルが目撃した後、自宅に戻っていたが、アリバイはあると黙秘を貫いている。
 また、珠緒が自作した地図を広げて。
「ここを襲って、逃走するなら。どう、動きますか?」
 仲間達の情報と容疑者らしき旅人の情報を総合すれば、敵の動きも絞り込める。
 メンバー達は珠緒の情報を元に、それまでの被害者が集まる区域に絞って待つことになる。
 班分けはここでもヴェノムの提示で日中と同じ班分けを行い、イレギュラーズ達は周囲の偵察、探索を行う。
 ミスティカは空からカラスを使って偵察し、そばには雪之丞が物陰で待機する。
「おや、これは……」
 すると、左班として行動するリチャードが何かに気付く。
【温度視覚】とライフルのスコープを組み合わせ索敵していた彼が見たのは、ふわりと飛ぶ黒い蝶だった。
 その蝶が舞っていたのは、仲間内で目星をつけていた家の1つ。
 リチャードはすぐにその家に向けて、曳光弾を発射していく。
「逃がさないんだぬ!」
 全力移動でそいつへと迫るニル。
 ただ、その手前に飛来してくる蝶が邪魔をしてきた為、彼女は「でーえすしー」を装着した両手で構えを取る。
 そこに急行してくる珠緒、ヴェノム。
 ミスティカのファミリアの伝達もあり、ルアや醒鳴も姿を現す。
「……チッ」
 集まるイレギュラーズの姿に、蝶を操る男は聞こえよがしに舌打ちしてみせた。
「異世界での噂話を悪用するなんて、面白いやり方ね」
 そして、舞い降りてきたカラスと共に、カンテラを手にしたミスティカが進み出て。
「それにこの黒い蝶、『何処』から呼び寄せたのかしら」
「くっ、いけ……!」
 ミスティカに返答することなく、男は本性を露わにして舞わせた蝶へイレギュラーズ達を襲うよう指示を飛ばすのだった。

●黒死の蝶使い、アンゲロ・ビクネーセ
 蝶使いに向かって、飛びかかっていくニル。
 ただ、そこで彼女は思わぬ反応を見せる。
「……誰なんだぬ?」
 日中にニルが見た相手と、この男は全く異なる風貌だったのだ。
 とはいえ、目の前に蝶を舞わせて来るところから見ても、明らかに首謀者である。
 ニルは邪魔してくる蝶の群れを見て、自身を中心として両手を旋回し始めた。
 そうして、起こした小さな暴風域に彼女は蝶を巻き込んでいく。
 すぐさま、自身の赤き血潮が戦いの始まりを告げたことを受けて力を高めたミスティカも、後方から援護射撃を行う。
 彼女の心の奥底に渦巻く悪意が殺傷の霧へと変わり、一群の蝶達へと浴びせかけていく。
 病魔を引き起こすとされる黒い蝶達。
 3~5体の群れを成しながら人間を襲う蝶達の殺傷力は非常に高く、イレギュラーズ出なければ実際に病魔として命を落としてもおかしくはない力を持つ。
 そして、それを操る蝶使い。
「なぜ、バレた……くそっ!」
 旅人、アンゲロ・ビクネーセ自身もまたスキルとして蝶を使い、相手の命を奪い去ろうとしてくる。
 敵も時に新手の蝶の群れを呼びつつ、戦況を良くしてイレギュラーズを攻め立てようとしていたようだ。
 一方で、ルアは、蝶の群れの殲滅を優先して動いていた。
 できる限り多くの蝶を捕捉できるよう移動した彼女は、ガンウォンドより一条の雷撃を迸らせ、蝶達を灼き払っていく。
 続く珠緒は慣れた手つきで、自らの手首をカットする。
 これは彼女のギフトによるもので、魔力を腕力として行使する為の手段。
「心は消え、魂は消え去り、全ては此処にあり――其は、全てを越えゆくものなり」
 その手に赤く禍々しく、大きな爪を備えた手甲を現した珠緒は猛然と蝶の殲滅へと当たっていく。
 その珠緒へと蝶が群がり、毒を吹きつけてはくるものの。予め、毒対策を講じていた彼女にとっては意に介することすらない攻撃だ。
「ここは危険っす。早く逃げるっす!」
 その間に、ヴェノムは臭いで周囲に近づく一般人の存在を察し、大声で呼びかける。
 その上で、集中したヴェノ無手のひらに作り出した小型の気功爆弾を発射し、蝶使いの体を爆発させていく。
 仲間達が交戦している合間に、雪之丞は家の中から狙われた被害者の救出へと当たっていた。
 やはり、蝶使いの顔には見覚えないという被害者を連れ、雪之丞は蝶や蝶使いが攻撃できないところまで避難させていく。
「ちっ……」
「追わせませんよ」
 蝶使いが追おうと動くが、ライフル「AMR」を構えたリチャードが神経を研ぎ澄まし、集中してから敵を狙い撃つ。
 リチャードの弾丸は見事に、そいつの肩口を撃ち抜いた。
「邪魔しやがって……くそっ!」
 血を迸らせた敵は蝶を舞わせつつも、なおも新たな蝶をスキルとして飛ばしてくる。
 羽が刃となった蝶が飛んでいき、前に立つ醒鳴やリチャードが射抜かれてしまっていた。
 しかし、醒鳴もそれしきで倒れることはなく、傷つきながらも大声で勇壮なマーチを歌ってみせる。
「丈夫さがとりえなのでな」
 さらに、彼は剣と盾を手にして、蝶使いへと攻め入り始めていた。

 黒い蝶に、蝶使いを相手取るイレギュラーズ達。
 蝶の及ぼす毒や呪いに耐えつつ立ち回るが、どうしても受けてしまう異常攻撃には珠緒が天に祈りを捧げ、自身を中心に仲間達の不浄を振り払っていく。
 同時に、メンバー達は次々に蝶を落としていた。
 醒鳴がロングソードによるコンビネーションを駆使し、蝶達を切り払ってしまえば、戦線に加わった雪之丞はまるで風のように踊り、蝶達を地面へと落としてしまう。
 気付けば、蝶の姿はなくなり、蝶使いのみとなる。
 蝶を操るとはいえ地の能力が低いわけではないが、それでも能力的には一介の旅人に過ぎぬ相手だ。
 相手の逃走を警戒したヴェノムは敵の背後へと回り、気功爆弾で爆破し続ける。
「やらせるか……!」
 爆炎にまみれる蝶使いも敵意を捨ててはおらず、一時的に呼び寄せた蝶達に近場に立つメンバー達へと襲わせてきた。
 ただ、それしきで倒れるイレギュラーズ達ではない。
 接敵したニルが憎悪の爪牙で、蝶使いの身体を蹂躙せんと浴びせかけ、ミスティカは巨大魔導砲「Type-Hydra」から黒い光の奔流として魔力を解き放ち、蝶使いへと浴びせかけていく。
 退路を探し始める蝶使いの行動を察したリチャードが遠距離から敵の身体を狙撃して腹を射抜けば、ルアは敵を逃がさじと相手の退路に回りこんで。
「因果応報という言葉を、知っておるか?」
 彼女はガンウォンドを相手へと突きつけ、さらに告げる。
「ここで終いじゃよ、汝は」
 そして、ルアは異能の炎を起こし、蝶使いの身体を焼き払う。
「が……」
 全身を燃え上がらせた蝶使いは黒煙を吐きながら、地面を這っていったのだった。

●犯人に尋問と裁きを
 倒した蝶使いを、縛りつけたメンバー達。
 仕留めたのならその魂を頂こうかと考えていた雪之丞だったが、聴取を希望する仲間の意向もあって諦めていたようだ。
 蝶を操らせぬよう万全の注意を払いつつ、メンバー達は辛うじて息のあるその男へと不明点をはっきりさせるべく尋問し始める。
 この事件の犯人は、もう1人いた。
 一人はこの蝶使いアンゲロに違いないが、彼はほとんど集落へと姿を現さず、事件と強盗事件を合わせて引き起こしていた。
 もう一人は、先ほどニルが目撃した男。
 病魔の噂を流し、財産の横流しを行っていた行商を行う集落民だ。
 つまり、ユリーカが事前に言っていた『病魔を語る何者かが黒い蝶を操り』というのを犯人は2人で行っていたのだ。
「そういえば、魔種に影響を受けた旅人もいるって聞いたけど、……果たして貴方はどうかしら?」
 すでに、敵意もなくなった男に対しミスティカが尋ねるが、男に狂気の影響は感じられない。
 どうやら、旅人のアンゲロは知り合った集落民にそそのかされ、事件を引き起こしていたらしい。
「ともあれ、強奪した金品は返還を願います」
 珠緒が男に告げると、そいつはしぶしぶ同意していた。

 程なく、もう一人の犯人となる集落民もイレギュラーズ達に確保されることとなる。
 なお、こちらも狂気に侵されてはおらず、蝶使いと共に私利私欲に走っただけのようだった。
 後は領主リーゼロッテへの元で断罪されることになりそうだが、市井など顧みぬ領主の元でなら、死ぬまで働かされることになるだろう。
 自らの処遇の愕然とする2人だが、自分本位の振る舞いが過ぎた事を考えれば、自業自得。
 イレギュラーズ達も集落民からも、同情の声はほとんど出ることはなかったのだった。

成否

大成功

MVP

不動・醒鳴(p3p005513)
特異運命座標

状態異常

なし

あとがき

変死事件の解決、お疲れ様でした。
この事件において、集落民の関与を疑っていた醒鳴にMVPをお送りしたいと思います。

次の事件に備え、ゆっくりお休みくださいませ。

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