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シナリオ詳細

Merry Very X'mas~美味しいドルチェの作り方~

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●寒い冬には甘いもの
 どこかの世界のどこかのお家。
 よく見るログハウス。リビングには暖炉の火がゆらゆらと薪を燃やす。
 窓の外を見ればもみの木が雪のファンデーションで白く色づいている。
 真っ白でまぶしい見た目と裏腹に、外に出れば吐く息も白く色づき、思わず口元に手を当てて少しでもその肌を赤らめたいところである。
 さて、寒い時に食べたいもの、飲みたいものと言えばいろいろあるだろう。
 野菜たっぷりの温かいスープ、お肉たっぷりのビーフシチュー、身も心も温まるジンジャーティー……。
「そして、ドルチェ!! デザートだ!!」
 この家の家主が大声で叫ぶ。
「寒い冬に食べるアイスやケーキって至高じゃん?! やばいじゃん?!」
 あーでも、と一瞬シュンとして、家主はポツリとつぶやいた。

「折角なら、人が作ったもの食べたいよなー。」

 ーー寒い冬、温かいお家に、家主が一人。
 
●甘いもの、それ即ち幸福
「最近、寒くなってきたわねぇ。」
 ポルックスは協会図書館で温かい紅茶を一口すする。
 ほっと一息ついて、彼女はそばにあったマカロンを一口かじり、舌鼓を打つ。
「そうそう、甘いものに限らず、人が作ったものってたまーに食べたくなったりするじゃない? 自分で作ってるものばかりだと、飽きるんだもの。」
 イレギュラーズたちにもお菓子を勧めながら今回の依頼内容を説明する。
「そうね、今日は戦うわけではないよ? 今回は、ある人のお家で、美味しいスイーツ……
ドルチェっていうのかしら……を作ってきてほしいの。」
 にこりと笑った彼女の口元には、さっき食べたお菓子のかけらが付いている。
 誰かが口元を指さしてようやくそれに気づいた彼女は、ハッとして口元をハンカチで拭いながら恥ずかしそうに続ける。
「と、とにかく、難しく考える必要はないわ! レシピも材料も全部そろえてくれてるし、持参してもらってもいいし……創作スイーツも大歓迎らしいわ。」
 そう言うとポルックスは落ち着いてもう一口紅茶を啜り、真っ赤なベリーのマカロンに手を伸ばしていたのだった。

NMコメント

 お久しぶりです。そしてちょっと早いけどメリークリスマス!
 水野です。
 今回は、シャイネンナハトにちなんだライブノベルをまず一本。

●作業場所と状況
 ある人のお家です。
 家主は人が作った甘いもの(具体的にはケーキやクッキー、デザートドリンクなどのスイーツ)を食べたがっています。

●やること
 甘くておいしいスイーツづくりに挑戦しましょう!
 失敗しても大丈夫。家主はちゃんと食べてくれます。
 一人一品作ってもOKですし、皆で一品でもOKです!
 創作スイーツも大歓迎です。

●材料やレシピについて
 今回の作業場所にすべてあるものとしますので、特段買い物に行く必要はありません。
 また、「これ作りたい!」があればぜひぜひ挑戦してください!
 
●家主について
 甘いものが大好きな一般男性です。
 また、「作ってもらったものはちゃんと全部食べる」を心情にしていますので、決して皆さんが作って物をお残しすることはありません。

●最後に
 皆さんの思い思いの美味しいスイーツを楽しみにお待ちしております!

  • Merry Very X'mas~美味しいドルチェの作り方~完了
  • NM名水野弥生
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年12月21日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ミルキィ・クレム・シフォン(p3p006098)
甘夢インテンディトーレ
ロリ☆ポップ(p3p010188)
おかし大明神
ヘルミーネ・フォン・ニヴルヘイム(p3p010212)
凶狼
滋野 五郎八(p3p010254)
鶏ライダー

リプレイ

●美味しいクリスマスを

 迎えた聖夜。
 目的地のログハウスからはラジカセかCDカセットだろうか。
 家主がこの日を楽しむためにかけられたシャンシャンとした愉快な鈴の音を伴った音楽が流れている。
 ーーいらっしゃい
 そう言うと家主は温かいまなざしでイレギュラーズたちを出迎えてくれる。
「ハロー☆ お菓子の使者、ロリ☆ポップです!」
「お菓子を求める声があるならば! パティシエ的には腕を振るわないわけにはいかないよね☆ ミルキィ・クレム・シフォンです、よろしく!」
 元気よく挨拶するのは、ロリ☆ポップとミルキィ・クレム・シフォン。
 お菓子作りの経験を通り越して、2人はその道のプロだ。
 パティシエ仲間がいることを嬉しく思いながら、2人はにこやかに顔を見合わせる。
「お邪魔します。今日はよろしくお願いしますね」
 落ち着いて、しかしお菓子を作って食べるという楽しみからか少しソワソワしながら、滋野五郎八はぺこりと一礼して玄関へ上がる。
 隣には相棒のぼんちゃんこと梵天丸も一緒だ。
「わっはっはっー!! 甘いものが食べれると聞いてヘルちゃん参上!!」
 そして最後に挨拶したのはヘルミーネ・フォン・ニヴルヘイム。
 キメッキメにポーズをキメながら入ってきたは良いが、彼女の腹の虫も負けじと元気よく鳴き声を上げる。
 もっとも、今回の依頼のメインは食べることではなく「作ること」なのだがどうも食べることが彼女の年頭にあるらしい。
 五郎八が小さくヘルミーネのポンと叩く。
「ヘルちゃんは呑兵衛だから基本辛党だけど甘党もイケる口の好き嫌いない呑兵衛なのだ! さあ、じゃんじゃん甘いもの持ってくると……ん? どしたのだ?」
「えっと……今日の依頼はお菓子を『作る』方だと、思うんですけど……」
「なん……だとっ……!!」

 きゅーーーーぐるるるるる……
 
 寂し気に、ヘルミーナの腹がもう一度声を上げる。

「ヘルちゃんも甘いもの食べたかったのだ……」
 しょぼくれる彼女に優しく家主は微笑みかける。
「折角みんなで作ったんだし、最後は勿論皆で食べよう、ね?」
 その言葉を聞くや否や、ヘルミナ―は元気を取り戻す。
 他の面々も気合十分だ。
「よーし、最高のお菓子をふるまっちゃうぞー!!」
「「「おー!!」」」
 ミルキーの掛け声とともに、イレギュラーズたちは意気揚々とキッチンに向かう。

●レッツ☆クッキング!!
 さて、キッチンには小麦粉から卵、バターといった材料がすでに一通り並べられていた。
 大きな冷蔵庫もあることから、ある程度のものを作る分には材料に困らないことが分かる。
 4人はそれぞれ、作りたいものを作り始める。
「最近はちょっと寒くなってきたし、ボクはフォンダンショコラを作ろうかな♪」
 ミルキィは楽し気にチョコレートを溶かしている。
 ダークチョコレートソースから発せられる、苦みと甘みの絶妙なハーモニー。
 味見をしてみれば、寒さに凍える身体を優しく温めてほだしてくれる。
 少し多めに作っているのは、イレギュラーズたちへのご褒美だ。
「これに、温かいホットチョコレートも添えて……うん、イイ感じ。おなかが膨れるから、これはシメに出そうね」
 ある程度のキリが付き、料理に慣れていないであろう五郎八の元へ向かう。
 その頃ロリ☆ポップは手際よく材料の分量を量り、小麦粉とココアパウダーを篩にかけていた。
「今宵に相応しい甘味の果てに答えがでました!! やはり聖夜のケーキは丸太でしょう?」
 作っているのはブッシュ・ド・ノエル。こちらもクリスマスにふさわしい一品と言える。
 生地をバットに流し込み、トントンと小気味いいリズムで空気を抜き、事前に温めていたオーブンに入れて焼く。
 その間に、生地と相性抜群の滑らかなクリームを作っていく。
 生地のしつこくない甘さと、コクのあるクリームのマリアージュ。
 そして、巻いてみればごつごつとした丸太を着飾るように散らされるアーモンドクランチとベリー。
 その上にグラニュー糖をかけてみれば、あっという間に冬にふさわしいケーキの完成だ。
 彼の背後の捕食器も、その様子を物欲しげに眺めている。
「さて、試食用も作って、困っている人のお手伝いも……ん?」
 彼の視線の先では、ヘルミーネが満面の笑みで彼女のドルチェを作っている。
 「ヘルちゃんはやっぱりアルコールも摂取したい訳で……甘いものとアルコール、どちらも取れるドルチェと言えば、ラムレーズンアイスなのだ!!」
 なるほど、賢い。甘いものと、アルコールでちょっと大人な香りのするアイスだ。
 半日漬け込んだレーズンと、口当たりを滑らかにすべくじっくりと弱火で煮込んだバニラクリーム。
 手間はかかるが、準備できてしまえばどうということはないのかもしれないが本格仕様のアイスクリームだ。
「ふふーん!! こう見えてヘルちゃんはやろうと思えば出来る女……家事とかも得意だから優良物件なのだ……惚れちゃってもいいのだぞ? なーんてな!! わっはっはっー!!」
 ある程度が完成し、あとは固めるだけというところで、彼女はきょろきょろとあたりを見渡す。
「やはり、料理を作る側の特権と言えば……ず・ば・り!! 味見なのだ!!」
 独り言で溜めながら出た言葉は実に彼女らしい一言だ。
 彼女の様子を眺めていたロリ☆ポップは、ブッシュ・ド・ノエルの片隅で作っていた味見用のミニチュアドルチェをこっそりヘルミーナに手渡す。
 二人は顔を見合わせてニヤリと笑う。
「そうそう、味見も大事なお仕事ですからねぇ」
「おおっ……わかってるのだ!」
「ジュースも1杯拝借して……」
 見ていないところで始まる、秘密の打ち上げ。そこにあるのはまさに背徳感だ。
「よっし!! 我が滋野家のクリスマス恒例ジンジャーブレッドマンをお見せしましょう!!」
 実はそこまでお菓子作りの経験はないものの、せっかくなら頑張ってみたい五郎八。
 すぐ近くで密会が行われていることには気づいていないようだ。
 お菓子作りにたけているミルキィの手を借りながら、一つ一つの作業を丁寧に仕上げていく。
「五郎八ちゃんは、どうしてジンジャーブレッドマンを作ってみようと思ったの?」
 シナモンやカルダモンなどのスパイスが香る生地に打ち粉をしながら、ミルキィは何気なく五郎八に問いかける。
「子供の頃から母さんがクリスマスに焼いてくれて、わたしにとっては思い出の味なんだ。」
「へー!! いいねぇ!! 思い入れのある味は、心がほかほかしてくるからね」
 思い出が重なるような、温かい会話。
 その中で、五郎八はそういえばと言いながらやりたいことを切り出した。
「折角なら、依頼主さんには味だけじゃなくて見た目も楽しんでほしいな。」
 丁寧に人型に繰り抜いた生地を、熱したオーブンの中に送り出す。
 しばらくしてクッキーの焼きあがる香りに、ヘルミーネとロリ☆ポップもつられてやってくる。
「おぉ、いい香り……!!」
 誰かのその言葉と同時に、クッキーが取り出される。様々なスパイスの華やかな香りがキッチンを包み込む。
 そのクッキーはところどころ手先が焦げている。
「……ってちょっと焦げてる!? あばば……」
 一瞬慌てるが、ここにいるのはお菓子作りのプロたちだ。
 その安心感もあり彼女はポンと一つ閃いた。
「アイシングで手袋をはかせて隠しちゃえ!! ……うん、大丈夫!! それからレーズンのボタンを付けてっと…他の子はどんな飾り付けにしてあげようかなぁ……」
 ピンチはチャンス。ヘルミーネやロリ☆ポップ、そしてミルキィの手を借りて、かわいらしいジンジャーマンブレッドの出来上がり。
 その中には試食用と称して、イレギュラーズたちモチーフのジンジャーマンブレットが満面の笑みを浮かべていた。

●いざ、実食!!

 作るという楽しい時間はあっという間。そのあとは実食タイムだ。
 洗い物もきちんと済ませたイレギュラーズたちは、家主を囲んで楽しいクリスマスティータイムを過ごした。
 ロリ☆ポップの作ったブッシュ・ド・ノエルは、濃厚なクリームとカリカリのクランチの食感、そしてベリーの酸味で飽きの来ない味わいが刺さったようだ。
 ヘルミーナのラムレーズン・アイスクリームは濃厚な味わいとワインとの相性が抜群。思わず家主は冷蔵庫で冷やしていたワインを取り出し、アイスクリームとのマッチングを楽しんだ。
 ヘルミーナも持参したヴォードリエ・ワイン片手にすべての疲れから解放されたかのように楽しんでいる。
 また、五郎八の作ったジンジャークッキーは、食べるのがもったいないほどの可愛さ。
 しかし食べてみると、スパイス香る懐かしくも優しい味わいが、口の中に広がっていく。
 そして、ミルキィのフォンダンショコラとホットチョコレート。
 とろけるくちどけの隠し味に、ちょっとだけブランデーを混ぜたこれまた大人の味わい。そして、身も心も絆していくホットチョコレートのまろやかな味わい。
 料理の経験をたくさん積んだ彼女だからこそ作ることができた冬のドルチェだ。
「ありがとう……他の人が作ったものを、久しぶりに食べるの、やっぱり温かいねぇ」
 嬉しさと実は人と一緒にお茶をしたかった寂しさがにじみ出たのか、家主はほろりと涙を流す。
「喜んでもらえたのなら、とても嬉しいな♪」
 やり切ったイレギュラーズの顔を見ながらミルキィはホットチョコレートの最後の一口を啜っていた。

成否

成功

状態異常

なし

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