シナリオ詳細
<ダブルフォルト・エンバーミング>死を齎す終焉の集い
オープニング
●<ダブルフォルト・エンバーミング>死を齎す終焉の集い
Rapid Origin Online、通称R.O.O。
幾度となくVer.Upを繰り返す世界と、様々なネクスト……そして、この世界に閉じ込められてしまったイレギュラーズの仲間達。
閉じ込められる事件と共に次々と発生した『フルメタルバトルロア』に始まり、『神異』や『Noise』の事件。
そんな様々な事件を通し、段々と分かりつつある事実。
Project IDEAを乗っ取りし大魔種『イノリ』……本物の『現在』と同じく世界(R.O.O)を終わらせようとするイノリに呼応し、彼を現実に仲介出来る存在、Hades-EX、或いは『クリスト』は世界に様々なバグを撒き散らしてしまった。
それこそ『パラディーソ』や、『真性怪異・神異』、『シャドーレギオン』に『大樹の嘆き』や『ワールドイーター』。
多種多様な『有り得ざるもの』を実現する程、イノリの機能は絶大、かつクリストの演算能力は遙に高いものであったのだ。
そしてR.O.Oという世界を生み出しながら、完全に終わらせようとするイノリ……しかしながら、枯れ葉それで終わりを良しとしていなかったのだ。
彼は大魔種のコピー。そしてそのオリジナルが終焉を望むのは、『R.O.O』ではなく『混沌』の世界に他ならない。
勿論クリストも同様。
『IDEA、イノリに接続した時点で助からない』と判断した妹(クラリス)を楽にする事が彼の目的であり、イノリが混沌と終わらせねばならないと考える動機は、妹である神託の少女ざんげを自由にするというもの……それは彼にとって『共感』出来るものであった。
そんな深刻な状況を、イレギュラーズによって察知した錬達首脳とクラリスは、自己防衛を最優先とし、時間を稼ぐ様相を見せる。
だが、兄と妹が互角なのは、あくまで同じ条件で戦った場合のみ。生成攻撃を受けた上で、イノリという助力を持つ栗須とに対し、クラリスの圧倒的不利な状況は明らかである。
……かくして、R.O.O 3.0は新たなる告知で幕を閉じることとなる。
それはR.O.O 4.0『ダブルフォルト・エンバーミング』。
即ち、それはイノリとクリストに率いられしR.O.Oに残る病巣全てが『各国』を蹂躙し、滅ぼさんとする大いなる破局の始まりである。
即ち、それは防御限界を超えた『飲み込まれた』クラリスによる、セフィロト崩壊への調べ。
その訪れは、R.O.Oと混沌錬達(いもうと)、双方に降りかかる慈悲深くも、痛烈な『死に化粧』を気取っていたのだ。
●
そして……ネクストの一つ『砂嵐』の地には、終焉(ラスト・ラスト)から突如出現した闇の大軍勢が攻め入っていた。
『うごぉおお……殺すぅ……コロスぅぅ……』
空を劈くが如き、巨躯に幾つもの手が生えてその手に幾つもの棍棒を持ちし怪物達。
多数の手から振り落とされる、巨大な棍棒の一撃は、砂嵐の傭兵団の者達を、まるで赤子の手を捻るが如く簡単に殺していく。
更に怪物達に対峙した者達は、何もしていないのにその体が徐々に石化し、動きを徐々に奪われ……幸運にも死を免れた物もその体に一輪の華を咲かせた後、絶命していく。
そんな そして、そんな軍勢を率いるは、フードで顔を覆いし男。
『……フフ。この国も、後もう少しで落ちる様だな……楽しみだ……!!』
不敵に笑いし『終焉の使徒』は、配下の『終焉獣』を率い凶悪無比な能力で、砂嵐の勢力をまたたく間のうちに蹂躙、破壊し尽くす。
傭兵であり、盗賊である獰猛な彼等だが、その実力の前に太刀打ちもままならない。
その悲劇は、世界中の人々を震撼させ、恐怖のどん底へ叩き込むに十分な出来事であった。
しかし、そんな事態に対して砂の王ディルクは。
『いいか、お前達! こんな事で俺達の刃は折れやしねぇ! いいか! 夢の都ネフェルストを俺達の手に取り戻す、そして世界を救うために、皆の力を今こそ結集する時だ!!』
と、蹂躙を生き延び、傷ついた仲間達に威風堂々と声を掛ける。
……そんな彼の言葉に、彼に似た雰囲気をした『クリムゾン・ドラゴニア』アクセル周りの仲間達へ。
「ああ……そうだな。これで終焉だなんて真っ平ごめんだ。今こそ、復讐の刃を振り上げる時だ!」
拳を振り上げ、鼓舞する。
……ここの敗北は即ち、砂嵐の崩壊を意味する。
終末の軍勢を打破しないかぎり、ネフェルストも奪還は出来ない。
故にイレギュラーズは、彼らと共に終焉の者達を倒す為に立ち上がるのであった。
- <ダブルフォルト・エンバーミング>死を齎す終焉の集い完了
- GM名緋月燕
- 種別通常
- 難易度HARD
- 冒険終了日時2021年12月07日 22時26分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●狂嵐
風雲急を告げしR.O.O 4.0。
『ダブルフォルト・エンバーミング』と名付けられたアップデートには、ネクストの一つ『砂嵐』の地に、終焉(ラスト・ラスト)から突如出現した闇の大軍勢が攻め入るという事件が起きていた。
勿論……そんな話を聞いたイレギュラーズ達が、件の地、『砂嵐』のとあるオアシスの村を訪れていた。
だが、イレギュラーズ達の目前に広がる光景は、正しく地獄絵図……終焉から訪れし闇の者達が、周りの者達を非道なままに蹂躙し尽くしているという状態で、正しく地獄絵図……。
「うへー……これはこれは、ひどい惨状ッスねー……こんなのがぽこじゃか増えて『終焉』からやって来るとかきついッスわ……」
と『ステルスタンク』ミミサキ(p3x009818)が溜息を吐くと、それにこくりと頷きながら内心で『妖刀付喪』壱狐(p3x008364)が。
(「ああ……終焉が最初に来た砂嵐は酷い有様だが……まだ終わってない。悪の都と称された混沌よりも悪辣な傭兵団がこんなところで大人しく終わるはずがない……!」)
ぐっと拳を握りしめた壱狐。
ただ、そんなイレギュラーズ達の言葉に、『竜空』シラス(p3x004421)の小首を傾げながら。
「ふむ……混沌世界に予言のあった終末も、こういうものなんだろうか……?」
と問う。
勿論、その正答を確信する者は此処には居ない。
だが、一つ確かなことはある……この様な事態を放置しておく訳には行かないという事。
少なくとも、今回の終焉に属する終焉の使徒『一角奉面』と、彼らによって使役させられし『サイクロプス』達を倒さない事には、この『砂嵐』に住まう者達は死を迎えるのみ。
「……ったく、終焉の使徒、ねぇ……悪ノリが過ぎるんじゃないか?」
「そうだね……見るに堪えない酷い状況、だけど、此処で折れるわけにはいかないし、まだ折れてもいない……」
『時は此処に極まれり』ルォーグォーシャ=ダラヴァリヲン(p3x001789)に『ハンドルネームは』グレイ(p3x000395)がぐっと拳を握りしめる。
更に『音速の配膳係』リアナル(p3x002906)と『悪食竜』ヴァリフィルド(p3x000072)、『アイアンウルフ』うるふ(p3x008288)の三人からも。
「そうね。それにサイクロプスは数が増える……ねぇ?」
「ああ。召喚者を倒さなければ、ジリ貧になる事は必須であろう。なればやる事は簡単であろう。サイクロプスごと、攻撃に巻き込んでしまえば良い事だ」
「そうだね。私は一から十まで回復して対抗するしかないじゃん? ま、それで別にいいんだけども」
「ん……終焉の使徒とやら……どうせ罪の意識なんざないデショウが、それでも言うぞ。何の罪もない人々の命を奪って楽しいか、外道が……! その行いのツケ、払わせてやりマス!」
ぐっと拳を握りしめる、声を上げるうるふ。
そんな彼女の言葉に、ミミサキ、シラスも。。
「まぁでも、キツイからと言ってやらない理由にはなりませんし、一件一件片付けて行きましょうか?」
「ああ……今は目の前の戦闘に集中しよう」
それに、ルォーグォーシャとグレイも。
「そうだな。今はガキみたいに「楽しみ」にしてな。今日で終わりなのはテメーだよ、ってな」
「ああ、オラついてイキってる使徒に、復讐の刃を振り落としてやろう……!」
そんな各々の覚悟と勢いと共に、イレギュラーズ達は混乱の境地に陥るオアシスを駆けるのであった。
●命の影
『っ……う、うわああああ……!!』
戦場に響く絶叫。
その声の主の足元は地面に縛り付けられるが如く石化し始め、動きが取れない。
じわじわとその石化範囲は足元から頭部に向けて浸食して動けず、目の前のサイクロプス達の一つ目に睨み付けられる。
『やめろ……やめろやめろ、くるなぁああ……!!』
『……グフフフ……ググゥアアア……!!』
恐怖に絶叫を上げる彼らだが、そんな彼に向けて振り落とされる幾重もの棍棒の殴打。
身体中に打ち付けられ、骨を粉砕……そして、石化しきると共に、命を失う。
そんな残忍な死を迎える仲間達の姿を目の当たりにした『砂嵐』の者達は深い絶望を味わいつつも、襲い来る敵に対峙しているが……その実力差は明らか。
そして、そんなサイクロプスの一団を率いし終焉の使徒『一角奉面』は。
『ふ……ふふふふ……はははは……!! いいぞ、絶望しろ! 絶望のままに死んで行くその顔……そそるねぇ……!』
と残忍な笑みを浮かべている。
……そんな絶望の戦況の中に、イレギュラーズ達が到着。
「そこまでだ……!」
とその間に飛び込み、割込の一閃を叩き込むヴァリフィルド。
一撃を食らい、サイクロプスが頭から地面へと突っ伏しジタバタと蠢く。
そんな不意打ちに、一角奉面が。
『何……!? 増援だと?』
驚きの表情を浮かべる。
だが、イレギュラーズ達はそれに構わず、先ずは砂嵐の者達に駆け寄っていく。
「お……お前達は……だ、誰だ……!?』
突然の事態を飲み込めず、問い掛けてくる。
そんな彼らに、シラスが。
「助けに来たぞ、先ずは少し下がって立て直してくれ!」
と、一旦その場を受け持つ様、周囲のサイクロプスのターゲットを大声で惹きつける。
さらに物腰柔らかく壱狐が。
「よく耐えました。後はお任せ……」
と言いかけるが、微笑みから少し真摯な表情に変わり。
「……なんてまさか泣く子も黙る砂嵐の傭兵団は言いませんよね! ほら、一緒にこの砂嵐から終焉を追い払いますよ!!」
傭兵集団だからこそ、護るのではなく背中を叩き、共に戦おうという鼓舞。
ただ、さすがにすぐにその鼓舞に応対出来る様な状況では無い模様……その間にも、一角奉面は。
『何だか訳も分からんごちゃごちゃ言ってる奴がいるようだな! おい、お前達、さっさとこいつらを殺せ!!』
とサイクロプスへの攻撃指示を与える。
その指示に従い、サイクロプス達は低い唸り声を上げながら、左から右から……様々な方向からの棍棒の殴打を開始。
幾つもの手はあるものの、その攻撃自体は特殊なものではなく、殴打に殴打を重ねるがのみ。
勿論、イレギュラーズ達も易々とその攻撃に当たるわけには行かない……先ずは後方の砂嵐の軍勢が体勢を取り戻すまでは、回避を軸に置いて敵の攻撃を切り抜けていく。
しかしながら、一発攻撃が命中すれば……それだけでもかなりのダメージ。
加えて数撃喰らうと、その攻撃が当たった所に花がふわり、と生えてくる。
「っ……これがその石花病か」
とルォーグォーシャが言うとすぐに、リアナルはその手の試薬を彼に即座に付与。
石花は瞬く間に枯れて、その身から零れ落ちる。
「この試薬……確かに聞くみたいだね。でも、一気に発生してしまうと、さすがに回復が間に合わないと思うから、その前になんとか倒しておくれよ!?」
と仲間達に呼びかける。
この石花の呪い……放置すれば即死に至る病。
だからこそ、迅速なる治療が必須なのは間違いない事。
とは言え治療に手を回せば、目前のサイクロプス達を殲滅出来ず、さらに一角奉面の追加召喚するサイクロプスに押しきられる事だろう。
「……仕方ないデスね……回復、リアナルサマに任せて、うるふ達は攻撃に集中しマス!」
とうるふは覚悟を決めると共に、攻撃に集中……そして仲間達を射線に入れない様に位置を調整した上での、貫通弾の掃射。
直線上に並んだサイクロプス達を次々と貫き、少しではあるが一律にダメージを与える。
そしてうるふに続き、次にヴァリフィルドは前に進み、近接域にはびこるサイクロプス達を強靱なる顎と鋭利な牙により食い荒らす。
さらにミミサキ、ルォーグォーシャの二人も、味方を巻き込まないように位置を調整しつつ、サイクロプスにそれぞれ攻撃を繰り出して行く。
総じて体力が減った所に、シラスは己の翼を強化した後に敵陣に飛び込んでいき、その巨躯による体当てを行う。
そしてグレイは、仲間達が一通りサイクロプスに向けて攻撃して行った後のタイミングを狙い済まして動く。
彼のターゲットはサイクロプスではなく、一角奉面。
……しかし一角奉面はグレイの動きに気付いた様で、召喚したサイクロプスを己が盾にさせて、自己は後方へと下がる。
「っ……逃げんじゃねえ!!」
そうグレイは言うも、一角奉面は。
『そう易々とお前達の誘いに乗るような馬鹿ではないんでね……!』
と挑発には乗る様な事は無い。
「流石に『終焉の使徒』と名乗るだけの事はあるようだな。となれば……」
とヴァリフィルドはちらり、と後方を確認。
後方へと下がっている『砂嵐』の者達の状況を確認するが……まだ、体勢は整っていない。
「もうちょっと……時間をくれる?」
とリアナルの言葉に、うるふはこくりと頷き。
「判りマシタ。皆サマ、絶対にサイクロプス達を通さない様にしマショウ!!」
そう仲間達に呼びかける。
そしてうるふは流れる様に、再度サイクロプスの群れに突撃し、前へ前へと進行。
「行くぜ!」
と、貫通弾を一角奉面に届く様に撃ち抜く。
しかし、敵陣に深く斬り込むという事は……当然ながらサイクロプスの攻撃も多数及ぶ事になり、強烈な棍棒の数撃を喰らわざるをえない。
そして、その身に生じる石花。
「っ……」
すぐにうるふは、試薬を使用しその呪いを解除。
「アレクシアサマに感謝しなければ」
と一言を零しつつ、さらに攻撃の手を強くする。
そんなうるふの動きに合わせる様、ヴァリフィルド、壱狐、ミミサキ、ルォーグォーシャの四人は周りのサイクロプス達を一人でも多く、確実に仕留めるよう攻撃する。
また、仲間達の喰らったダメージについては、リアナルが後方から超距離に届く回復を飛ばす事で、戦線を支援。
そしてグレイはあえて最後に行動を取る事で、仲間達が切り拓いた一角奉面への進路へと突撃し、彼の盾になるサイクロプスを的確に攻撃し、盾を引き剥がすように動いていく。
戦陣に斬り込む者と、それを少し後ろから支援しつつ、最低限の防衛陣を維持する事で、サイクロプスの熾烈な攻撃に押しきられない様に備える。
そしてイレギュラーズ達が全身全霊で戦う姿を目の当たりにした砂嵐の者達も……どうにか態勢を整える事が出来た様で。
『待たせたな。俺達もいる、って事を見せつけてやるぞ!!』
『おうっ!!』
士気も十分の状態で、イレギュラーズ達と肩を並べ戦線へと加わる。
そんな彼らに、ヴァリフィルドが。
「うぬたちに一つ頼みがあるが、手伝えるか?」
『む? ああ、勿論……!』
意気揚々な彼らは頷く、そして彼らに試薬を渡す。
「先程の様に、身に石花の花が現れた時には、これを使えば治療出来る。我等にそれが出たときは、使って貰っても良いか?」
『判った……!』
彼らは戦力としてはイレギュラーズ達に比べれば高く無い……だからこそ、治療の手伝いをして貰えれば、かなり有用な立ち回りとなる筈。
そうイレギュラーズからの求めにも応じた彼らは、サイクロプスの軍勢からの猛攻、そして石花の呪いのコンボを受けた際、回復を行う事で呪いでの死を未然に防ぐ。
とは言え、立て続けの連続攻撃を喰らえば、流石に倒れてしまう者も……。
「っ……一旦立て直すぞ!」
と、シラスがそんな戦況を見渡しながら、仲間達に声を掛け、倒れた仲間が戻ってくるまでは戦線を維持する様に防戦態勢。
リスポーンし戻って来た所で、再びサイクロプス達の殲滅と共に、一角奉面へと攻め入るルートを切り拓いて行く。
倒れても、戦列に復帰するイレギュラーズ……一角奉面は最初の内、サイクロプスを次々と召喚していたものの、彼自身も遠隔攻撃によってダメージを受ける事で、召喚のペースが鈍化。
加えて砂嵐の者達もイレギュラーズ達の奮闘に勇気を貰う事で勢い付き、削りに削ったサイクロプスへの止めを確実に刺していく事で、数を減らす。
その結果、で押していた終焉の軍勢も、少しずつではあるがサイクロプスの数が極めて減少し、一角奉面への進路が完全に切り開かれる。
そして。
『よし……あんたら、ここは俺達が抑える。後はあのふざけた野郎をぶっつぶしてきてくれ!』
と砂嵐の者達がイレギュラーズ達の背を押す。
その声に押され、残り少なくなったサイクロプス達を任せて、イレギュラーズ達は一角奉面の下へと進撃。
『くっ……来たか……!』
唇を噛みしめた一角奉面は、力を振り絞り、サイクロプスを何とか召喚するが、その数は2匹。
「こいつらは、私達が!」
「ああ……頼むぜ!」
その二体を壱狐とシラスが1対1で対峙し抑える事で、防衛には回らせない。
そして。
「さぁ……もう守りは無いッスよ?」
ミミサキが一角奉面に宣告。
彼はギロリと睨み付けるが……守護出来る者は最早居ない。
「オマエを倒せば、ひとまずはサイクロプスも落ちつくんだろう? さぁ……さっさと倒れて貰うぞ!」
『うるさいっ!!』
ルォーグォーシャの宣告に、その手の杖を掲げ、魔法の詠唱に入る彼。
だが……それよりも素早くイレギュラーズ達が動く。
そして。
「うぬの野望をのさばらせておく訳にはいかん……この場で、全て破壊する……!」
ヴァリフィルドの咆哮が戦場に響きわたり、呪縛に囚われ杖を落とす。
武器が鞆音から零れた彼には、もはや攻撃手段は無く。
「これで、終わらせマス!」
とうるふの致死性の弾丸が、一角奉面に致命傷の一撃を当てる。
流石に、地面に飛ばされ、臥す彼へ。
「……だから言ったろ。『オワリ』が来るのはテメーだって。こっちが勝って陰気くさい終焉はおさらばさ……ねんねしな」
ルォーグォーシャの宣告、そしてグレイの渾身の一撃が命中し……一角奉面は崩れ墜ちるのであった。
●継戦の鬨
「……ふぅ……どうにか、ここは収まったか……」
汗を拭うリアナル。
どうにかこの場の戦いは勝利を収める事が出来た様だが……まだまだこの地、周囲からは戦乱の怒号や発砲音、爆発音が響きわたっている。
この戦場以外でも数多の戦乱が起き、石花病に死を迎える者が多数出ている事だろう……。
「……キツイ状況デスガ……っこが正念場。まだ戦える方は、力を貸して欲しいデス。刃はまだ折れちゃいねぇ、折れちゃいけねえ……!」
そんなうるふの言葉に、ウォー、と士気を高める『砂嵐』の戦士達。
ただ、そんな彼らの命を賭す姿勢に一抹の不安を覚えたヴァリフィルドが。
「いい勢いだ。だが、生き残らなければ、砂嵐を復興することすら出来ぬであろう? なれば……足を止めるな。生きる為に足掻いて見せるがいい」
厳しくも、的を得た激励を行う。
その言葉にこくり、と頷いた『砂嵐』の者達はああ、と強く頷き……そしてこの場を彼らに任せ、イレギュラーズ達は周囲の戦乱を収める為に、さらに東奔西走するのであった。
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
R.O.O V4の風雲急を告げる事件の解決に尽力頂き、ありがとうございました……!
中々厳しい戦いでしたが、皆様のおかげでどうにかこの場の事態は収まった様です……本当にありがとうございます……!
GMコメント
皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)です。
R.O.O Ver.4……世界は大きく動き始めました。
●成功条件
『終焉の使徒』及び、『終焉獣』を全て倒す事です。
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
●周りの状況
『終焉の使徒』と『終焉獣』達は、ネクスト『砂嵐』を蹂躙している状態です。
皆様の周りには、『砂嵐』で辛うじて生き残った数十人の軍勢が共にいますが……戦況的にはかなり不利な状態です。
しかしながら、ここで負ければ『砂嵐』の地は絶望の地となりかねませんので、皆様の力が今こそ必要です。
敵が居るのは『砂嵐』のとある街です。
砂漠が広がる中の水場(オアシス)がある街は貴重な存在ですが、それらの街を次々と蹂躙・破壊しているのが終焉より来たりし彼らです。
彼らの棍棒が振り落とされれば、建物は簡単に破壊され、一般人はぺちゃんこにつぶされるがのみ……既に皆様が到着した頃には、街は壊滅状態で死屍累々の光景となっています。
かなり精神的に来る光景ではありますが……皆様の力を全力で発揮する様お願い致します。
●討伐目標
・終焉の使徒『一角奉面』 x 1体
世界の滅亡を狙う、ラスト・ラストの信奉者です。
終焉獣『サイクロプス』を使役し、更なる追加召喚をもいとも容易く行う事が出来ます。
また、己が周りに終焉獣を展開し、己が死なない様に守りを常に固めて居る様です。
彼を倒さねば、『サイクロプス』の召喚は止まらず、いつまで経っても敵数が減らない……という現象になりかねませんので、彼を倒す作戦はしっかりと考える様にして下さい。
彼個人の体力、攻撃力は低いです。
・終焉獣(ラグナヴァイス)『サイクロプス』 x 20体+α(召喚)
使徒により使役・召喚される一つ目の巨躯の怪物『サイクロプス』です。
彼らには手が複数あり、それぞれの手に棍棒が握られており、1ターンに複数回の近接単体攻撃が可能です。
又、彼らは周りに『石花病』と『石花の呪い』を常に展開しています。(詳細は後述)
石花の呪いに対しては、この病の研究者『アレクシア・レッドモンド』の尽力によって『試薬』が皆様に配られており、これを駆使することで『石花の呪い』に対抗可能ですが、1Tの行動を消費します。
●石花病と『石花の呪い』
石花病は『体が徐々に石に変化して、最後にその体に一体の華を咲かせて崩れていく』という奇妙な病で、現実の混沌においても深緑を中心に存在している病です。
これはバッドステータスと種別を同じとする特殊なステータス状態で、これが発動するのは敵の攻撃がクリーンヒットした際、20%程度の確率で『石花の呪い』が付与されます。
この呪いに観戦したキャラクターは、3T後に体が石に転じて死亡する事となり、デスカウントがカウントされます。
●重要な備考
<ダブルフォルト・エンバーミング>ではログアウト不可能なPCは『デスカウント数』に応じて戦闘力の強化補正を受けます。
但し『ログアウト不能』なPCは、R.O.O4.0『ダブルフォルト・エンバーミング』が敗北に終わった場合、重篤な結果を受ける可能性があります。
又、シナリオの結果、或いは中途においてもデスカウントの急激な上昇等何らかの理由により『ログアウト不能』に陥る場合がございます。
又、<ダブルフォルト・エンバーミング>でMVPを獲得したキャラクターに特殊な判定が生じます。
MVPを獲得したキャラクターはR.O.O3.0においてログアウト不可能になったキャラクター一名を指定して開放する事が可能です。
指定は個別にメールを送付しますが、決定は相談の上でも独断でも構いません。(尚、自分でも構いません)
予めご理解の上、ご参加下さいますようお願いいたします。
※重要な備考『デスカウント』
R.O.Oシナリオにおいては『死亡』判定が容易に行われます。
『死亡』した場合もキャラクターはロストせず、アバターのステータスシートに『デスカウント』が追加される形となります。
R.O.O_4.0においてデスカウントの数は、なんらかの影響の対象になる可能性があります。
それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。
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