PandoraPartyProject

シナリオ詳細

ラビットパークへようこそ!

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●ウサギのテーマパーク
 レゾンデートルという商業施設が充実した世界の一角にある、開演前の大きなテーマパークから声が響く。

 ガコン、ガコン、ガコン……
「ジェットコースター異常、ナシ!」

ギイコ、ギイコ、ギイコ……
「アヒルさんボート異常、ナシ!」

もぐ、もぐ、もぐ……
「ソフトクリーム異常、ナシ!」

かわいらしい帽子を被ってメルヘンな遊園地の点検をするのは、小さな小さなウサギのラビ介たち。お互いに手を貸し合いながら、遊園地内に異常が無いかを確認していく。
すると、あるラビ介が不安そうにみんなに疑問を投げかけた。

「ねえねえ、小さいぼく達が乗り物に乗ってもなんともないのは当たり前じゃないかい? 大きなお友達が乗ったら、壊れちゃったりして……」
「…………」

 沈黙が遊園地を包む…… と、次の瞬間。

「びえ~~~~~~!!!!」
「た、大変だ~~~~~~~~!!!!」
「ぼく達だけじゃ点検は無理なんだ!!」
「そうだ、事故でも起こしてしまったら大変だ! せっかくお客様に楽しんでもらうために作ったラビットパークなのに!」
「ど、どうしよ~~~~!!」

 泣きながら慌てふためくラビ介達の中で、一匹だけ冷静に状況を分析する賢いウサギがいた。

「落ち着いて! それなら、大きなお友達に点検を依頼すればいいんだよ。確かいろんな依頼を引き受けてくれる人達がいるって、聞いたことがあるんだ。ぼくがその人達にお願いしてみるよ」
「ほ、本当!? そんなことを引き受けてくれる人がいるの!?」
「ああ、だからまだあきらめないで! みんなで作ったラビットパーク、必ず開園してみせよう!」

●ラビットパークを点検しよう
「ううっ…… 間違っても絶叫系なんて乗るんじゃなかった……」
 眼鏡の境界案内人は、境界図書館の隅で具合が悪そうに水を飲んで休んでいた。

「はっ……! やや、大変失礼いたしました。お待ちしておりました、イレギュラーズの皆さま。今回ご依頼したいのは、ラビットパークという遊園地の”点検”となっているのですが…… 実は、ご依頼をいただく際に私も試しにアトラクションに乗車して感想を言って欲しいと頼まれまして、じぇっとこーすたーなるものに乗せていただきまして…… 私、遊園地に行くの実は初めてで…… 本当に皆さまは、ああいった恐ろしいアトラクションにお金を払って乗りたがるものなのですか?」
 ぐったりしたエメラルドナイトは珍しく愚痴を言いつつも詳細の説明を続けた。
 今回イレギュラーズにお願いされたのはレゾンデートルという世界にある『ラビットパーク』という遊園地の点検。体の小さなラビ介というウサギが万人向けに作った遊園地なのだが、ラビ介達よりも体の大きな人間がアトラクションに乗っても問題が無いかを確かめて欲しいとのことだった。

「日頃からさまざまな体験をなさっているイレギュラーズになら安心して点検を任せられる、とのことでした。他にもパーク内に併設されている飲食店の食事に問題が無いかを調べたり、アトラクションが本当に楽しめたか率直な意見を教えて欲しいとか、何やらいろいろと頼まれてしまいまして…… まあ、要するに遊園地で遊んできて欲しいという依頼です」

 遊園地内で使えるフリーパスと無料飲食券を配り、境界案内人は言った。

「ラビ介達は入念な計画のもと、しっかりと計算をしてアトラクションを造ったから問題無いと言っていましたが、私には…… あの”速度”はちょっと問題じゃないかと感じております。くれぐれも、くれぐれも無茶はなさいませんように。お気を付けて行ってらっしゃいませ」

NMコメント

●ご挨拶
 こんにちは、来栖彰です。
 今回は点検と称して遊園地で思いっきり遊ぼう! というシナリオになっております。
 境界案内人はジェットコースターのせいで瀕死ですが、皆さまには何の危険もありませんので、めいっぱい楽しんできてください。

●舞台
 『ラビットパーク』というウサギの遊園地。
 アトラクションもオバケ屋敷のオバケもフードコートのメニューも公園も、何から何までウサギのデザインがほどこされたメルヘンな遊園地です。
 想像しうるすべてのアトラクションが存在します。

●目的
 遊園地のアトラクションを点検の名のもと遊び尽くしてきてください。
 ラビ介はしっかりと計算してアトラクションを造ったので、人間サイズ(大柄含む)の生物が乗っても何の危険もありません。
 ただし、ラビ介達は点検をして欲しいと思ってるので、感想なんかを送ってあげると喜ぶかもしれません。

●サンプルプレイング
「遊園地きたー! むむっ!? あの大きなアトラクションは、超巨大ウサギドラゴンジェットコースター? 乗るしかないでしょ! 絶叫系大好き! って、小さなウサギさんが作ったとは思えない大迫力コース!!? そ、速度も回転コースもえげつない!! アトラクションを遊び尽くしたら、フードコートでフランクフルトとアイスを食べるんだ。アイスがウサギの形をしててかわいいね。お腹いっぱいになったら、ボートがたくさんある湖の湖畔でまったり休もうかな。遊園地の感想? ……絶叫系が意外とガチで、ラビ介さん達やるね……って感じだったよ」

  • ラビットパークへようこそ!完了
  • NM名来栖彰
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年11月13日 22時20分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

リディア・ヴァイス・フォーマルハウト(p3p003581)
木漏れ日のフルール
回言 世界(p3p007315)
狂言回し
ニャンタル・ポルタ(p3p010190)
ナチュラルボーン食いしん坊!
ブランシュ=エルフレーム=リアルト(p3p010222)
タナトス・ディーラー

リプレイ

●遊び尽くせ!
「これがゆーえんち! 広いのですよ!」
 ラビットパークの門の前で『エルフレームMarkSin』ブランシュ=エルフレーム=リアルト(p3p010222)が叫ぶ。確かにラビットパークはかなりの規模の遊園地で、あの小さなラビ介達だけで造られたとはにわかに信じられないほどだ。
「むほほ、フードコートは世界の奢りじゃ、たっぷり食べ尽くしてやるぞい!」
「ニャンタルが奢りと言うから4人分の無料飲食券は俺が持ってる。……って、テンションぶち上がっててもう聞いてないな」
 『貧乏籤』回言 世界(p3p007315)は「まさか俺がみんなと遊園地を回ることになるとはな」と呟き、門の前で大はしゃぎの『ナチュラルボーン食いしん坊!』ニャンタル・ポルタ(p3p010190)を遠い目で見つめる。
「これはお仕事、お仕事ですから。真面目にしっかり点検をやる気でいますよ! それにしても、随分可愛らしい遊園地ですね。アトラクション全部にウサギのデザインが施されていて」
 胸の前でグーを作って「あくまで仕事だ」と気合いを入れている『木漏れ日の魔法少女』リディア・ヴァイス・フォーマルハウト(p3p003581)だが、年相応の少女としてのにこやかな表情は隠しきれない。
「ゆーえんちはウサギさんの形をしているのですね、覚えました!」
「別にそういうわけじゃないぞ。さて、それじゃあ4人でサクッと行ってくるか。もう昼だし、とりあえずフードコートでの腹ごしらえが先でいいよな?」
「やっほーい! 遊び尽くそうぞ!」
「はーいなのですよ!」
「はい! 行きましょう!」

 ――――

 パークの中央に位置するフードコートに到着した一行。
 ガッツリ系の食事からデザートにスナック菓子まで、幅広すぎるメニューに圧倒される。
「ウヒョー! これ全部世界の奢りだからな……! で、でも大丈夫か? 結構高いな」
「どうせ無料券あるし好きに食っていいぞ。頼めるメニューの数も無制限って書いてあるから、いくら頼んでもタダみたいだな」
「ラビ介さん気前がいいですね。私は何にしようかな…… あ、クレープがある! 私は苺クレープにします!」
「ブランシュは飲食の必要は無いけれど、せっかくだから頼むのですよ! フランクフルトとポップコーンにするですよ!」
「我はもう空腹に耐えられん……! すみませーん! カツカレーとオムライスとサンドイッチひとつずつ! あ、麺類もあるのか? 特製ラビットラーメン? これも!」
「おいニャンタル、そんなに食べてアトラクション乗った時大丈夫なのか?」
「まったく問題無いぞ?」
「マジか…… 俺は苺パフェだけでいいわ。食い過ぎると具合悪くなりそうだからな」

 各々が好きなメニューを頼み、世界が無料飲食券をフードコート担当のラビ介に渡す。天気がいいので4人ともテラス席を選んだ。
「もぐもぐもぐ!! う、美味い……!! ウサギ型のナルトとウサギ型の煮卵がトッピングされたラビットラーメン、これだけでラーメン屋出店できるぞ!」
「うむ、この苺のパフェも美味いわ。生クリームもいいんだが、苺ソースがたまんねえな。っておいおいブランシュ、あんまがっつくと腹壊すぞ」
「このフランクフルト、美味しいのですよ! でもポップコーンも手が止まらないくらい美味しくて、どっちから食べたらいいのかわからないのですよ!」
「ご飯は逃げませんよ、ゆっくり食べていきましょう。うん、この苺のクレープもとっても美味しいです」
「お、リディア。ほっぺにクリームついてるぞ?」
「え、ニャンタルさんどっちのほっぺですか?」
――ペロリ
「ふや!? ほ、ほっぺをぺろって……!!」
「うむ、クレープの生クリームも絶品じゃな」
(そ、そんなことされたら赤くなっちゃいます……!)
 じゃれるニャンタルとリディアを見て、ブランシュが世界に言う。
「リディアとニャンタル仲良しなのですよ! 世界とブランシュも仲良くするですよ!」
「そうだな。ただほっぺ舐めるのは遠慮しとくわ」
「世界さん、すっかりツッコミ役ですね……」
「世界が食べてる苺パフェ、我も食べたい…… すみませーん! 追加で頼めますかー?」
「ブランシュもパフェ頼むのです! 苺がウサギ型で面白いのです!」
「お前らまだ食うのか……」

 フードコートを堪能した4人は、ラビ介に「料理に異常無し、味も良くきっと人気のフードコートになる」と伝えた。
「フードコート異常、ナシ! 皆さんありがとうございます! アトラクションの点検もよろしくお願いします!」

●さあ、本番だ

 食休みを終えて、早速最初のアトラクションに乗りに来た一行。
「いきなりジェットコースターになったわけだが、腹いっぱいの連中は大丈夫か?」
「問題無いぞ!」
「のーぷろなのですよ!」
「そりゃよかった。……悪いんだが、スリルを楽しむってのは理解しかねる。俺はそこのベンチ座ってるから、みんなで行って来てくれ」
「世界さん、絶叫系は苦手ですか?」
「いや、決してそういうわけじゃないんだがな」
「それじゃあさんにんで乗って来るですよ!」

 世界はジェットコースター脇のベンチに座り、女子(?)メンバーのみでジェットコースターに乗る。ちょうど3人1列だったため、仲良く横に並んで座った。
「安全装置もついているし、ベルトもしっかりしてますね。ただ…… えっと…… 思った以上に急な坂なのは仕様でしょうか?」
「帽子をラビ介に預けておいて正解じゃったな。写真撮影も頼んでおいたから、ふたりとも下り坂後のポージングも忘れずにな」
「最後にぽーずをとるのですね! まかせてくださ……あ……」

 ブランシュが話している途中でジェットコースターは頂上に到着し、猛スピードで急降下する。
「キャー! キャー! キャアアアアアアア!!」
「ヒャハーーーー!! 滅茶苦茶楽しいのぅ、コレ!!」
「スリルまんてんなのですよーーーー!!」
 およそ時速200キロで走行するジェットコースターに驚いたリディアは目を閉じ手で両耳を塞ぐ。ニャンタルは手放しで万歳のポーズでばっちりと写真に納まった。ブランシュは律儀にもカメラ目線でピースのポーズをとっていた。
「あの二人の余裕はなんなんだ……」
 ジェットコースターを眺める世界は、買ってきたカフェオレを飲みながら呟いた。

「ばっちり撮れておるな! みんな個性が出ていていい写真じゃないか! ジェットコースターの向こう側に見えるのは座ってる世界かの?」
「お、お二人とも…… ばっちりキメててすごいです…… 景色を見る余裕がありませんでしたが、安全に関しては問題無さそうですね」
「あのスピードでしななかったです! ラビットパークのじぇっとこーすたーはすごいのです! 確かな安全が保障されているのです!」
「お疲れさん。点検任せちまって悪かったな。無事で何よりだ」

「ジェットコースター異常、ナシ!」
 ジェットコースター担当のラビ介に異常がなかったことを告げ、次のアトラクションへ向かった。

 ――――

 次に向かったのは遊園地の定番、コーヒーカップ。
 早速4人で乗り込む。
「4人一緒に乗るのか?」
「ふっふっふっ…… 我のコーヒーカップさばきを皆に披露するためだ」
「あ、なんでしょう、嫌な予感がします……」
「これはどんな乗り物なのですよ~~? こっぷの形をしていて変わった…… あ」

 またブランシュが喋っている途中でコーヒーカップが動き出す。そして……
「うひょひょひょひょ!! 見よ、ニャンタル様のエクストリーム大回転ぶん回しスペシャル運転!!」
「おい待てニャンタルううううぅ!! 遠心分離でもするつもりか! やめろおおぉぉ!」
「ああああああニャンタルさんそんなに回したら目がああああああ!!」
「あはははは!! 目が回る世界が回る~~! で、でもちょっと車軸が怖いのですよ~~!」

 コーヒーカップにはベルトがついており、フル回転させても危険は無かった。が、しかし……
「あはは、やり過ぎたかの?」
「ニャンタル…… お前な……」
「あ、安全なのはよく分かりました……」
「目がぐるぐるするのですよ~~」

「コーヒーカップ異常、ナシ!」
 コーヒーカップ担当のラビ介に安全性は確かであると伝え、一行は最後のアトラクションへ向かった。

●点検終了

 4人が最後に乗ることにしたのは、これも遊園地の定番、観覧車だ。
「さすがに女子(?)3人に混ざってこれに乗るのは気が引けるな。お、あの一人用のゴンドラも点検した方がいいんじゃないか? 俺はあっちに乗るわ」
「あくまで点検じゃからな。一人用の点検は世界に任せよう」
「じゃあまた女子(?)メンバーで一緒のゴンドラに乗りましょうか。」
「わーい! いよいよ楽しみだった観覧車の時間ですよ!」

 世界は一人用の小さなゴンドラに、そして残りの3人は大きなゴンドラに乗り込んだ。
「ブランシュさんはどうして観覧車に乗りたかったんですか?」
「飛行するより高ーい位置を眺められるですよ!」
(むふふ。ガールズトーク、いいのう)

 ゴンドラが上の方に行くに連れ、徐々にラビットパーク全体が見渡せるようになって来る。と、ある瞬間、ゴンドラ内が沸いた。

「わー! 素敵ですね!」
「これはこれは、ラビ介達やりよるのう」
「最後にすっごい仕掛けがあったのです!」
「へえ、こりゃいいや」

 ゴンドラから見渡すラビットパークは、植木や花畑やアトラクションの位置を工夫し、上空から見ると全体が一匹のウサギに見えるようになっていたのだ。
 夕刻を過ぎ、ライトアップされた園内は幻想的な雰囲気に包まれ4人の心を癒した。

 ――――

「今日は点検ありがとうございました! これで安心して大きなお友達も呼べます!」
 ラビ介達は4人の姿が見えなくなるまで手を振り続けた。
 4人はジェットコースターで撮った写真を手に、それぞれの場所へ帰って行った。

成否

成功

状態異常

なし

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