PandoraPartyProject

シナリオ詳細

Pee ka Boo !

完了

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●Pee ka Boo !
 この世界に朝は来ない。いつだって宵闇の天に星屑がきらきら瞬いて、ばさばさ蝙蝠達が飛び交っている。
 ちいさな蜘蛛は巣をつくり、どことなく近付いていいのかわからぬ街並み。
 だのに不思議と立ち並ぶのは、カラフルな飴やチョコレート、クッキーを売るお菓子屋ばかり。

「今年もぼくらの季節だね!」
「お客さん、来てくれるかなぁ」
「いっぱいおもてなししないとねっ」

 シーツお化けは空をふよふよ。狼男は尻尾をふりふり。吸血鬼は翼をばさばさ。
 いわゆる『恐怖』という言葉とはかけ離れた住人達が、この国に迷い込む客人を待っている。

●Trick or ?
「もうすぐファントムナイトね! お手隙なら、ちょっとハロウィンを先取りしてみない?」
 境界案内人ポルックスは、なんだかいつも以上に楽しそうにイレギュラーズに呼びかける。

「ずうっと夜のちいさな世界があるのだけど、そこはかわいいお化けだらけの国なの。街並みは幻想に似ているけど、コウモリが飛んでいたり、ちょっと不気味な感じでね。だけどお化け達の食事は甘いお菓子だけだから、お店はもっぱらお菓子屋さんしかないの」
 全然怖くないでしょう、と少女は微笑みながら、言葉を紡ぐ。

「そこの住人達は、皆が思い浮かべるようなお化けをかわいくデフォルメした子しか居ないよ。彼らはこの季節になると、時々迷い込んでくる異世界の人達を楽しませるのが大好きなのよね。皆にはお菓子を用意してもらって、その世界でお化け達のおもてなしを受けてきてほしいの!」
 ファントムナイトの魔法のように、イレギュラーズ達もある程度は自由に姿が変わる。是非ハロウィンらしい姿で遊んであげてほしいと、ポルックスはお願いする。

「皆はトリックオアトリートをされちゃう側だよ。いたずらされるかお菓子をあげるか、すきな方を選んで。いたずらって言っても、頭にお花が咲くとか、顔にスタンプでラクガキされちゃうとか、そんな程度だから安心してね。皆が楽しんでくれることが、彼らにとって一番うれしいの」
 それじゃあよろしくね、と、境界案内人はイレギュラーズに手を振った。

NMコメント

 こんにちは、NMの遅咲です。
 一話完結型のラリーシナリオとなります。
 どなたかとご一緒に参加される場合、プレイング冒頭に呼び名とID記載をお願いします。

●目標
 お化け達のおもてなしを受けて、ハロウィンを楽しむ

●できること
 皆さんはトリックオアトリートを「される側」です。
 いたずらかお菓子のすきな方を選べます。どちらを選んでもお化け達は喜びます。

●世界について
 「幻想」に似た西洋ファンタジー寄り、ずっと夜の平和な世界。
 ヨーロッパ風の外観の街並みですが、どこか不気味でコワカワイイ雰囲気。
 この時期はハロウィンの飾りがきらきらしています。

●指定
 プレイングはお化けの種類やいたずらの指定が可能です。無記載の場合はお任せと判断します。
 逆に「虫」「大きな音」など、NGがあれば必ず指定してください。

●サンプルプレイング1
 吸血鬼くんに真っ赤なジャム入りクッキーをあげようかな。トリート!
 ジャムはたっぷり入ってるから甘くておいしいよ。一緒に食べたいな。

●サンプルプレイング2
 折角だし、ご自慢のいたずらを見せてもらおう。ああでも、虫だけは勘弁してくれ!
 …わ、びっくりした!キミ、頭が取れるのかい?

 採用人数は少なめかもしれませんが、31日までのゆっくり進行です。
 皆さんのプレイング楽しみにしております。

  • Pee ka Boo !完了
  • NM名遅咲
  • 種別ラリー(LN)
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年11月05日 22時00分
  • 章数1章
  • 総採用数1人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

築柴 雨月(p3p008143)
夜の涙

 ハロウィンか、と雨月は呟いて、ちっとも怖くないホラータウンを歩く。
「俺も昔仮装してお菓子を貰ってたっけ……」
 そういえば、お菓子を貰えなくて悪戯をするパターンを見たことがない。だって大抵の大人は、ハロウィンの子供に甘いものだから。
「うーん、普通にあげてもいいんだけど」
 折角なら、どんな悪戯をされるのか少し気になるというもの。そんな雨月の心を知ってか知らずか、彼の白衣の裾を引っ張る気配。
「トリックオアトリート!」
 ふわふわの耳と尻尾を持ったちいさな狼男は、がうがうとかわいい牙を剥く。
「わ。ごめんね、お菓子は持ってないんだ」
「そうなの?」
「うん、悪戯されるのは初めてだからお手柔らかに頼むよ?」
 小首を傾げれば、狼男は尻尾をぶんぶん。途端、雨月に飛びかかったと思えば、青年も地面に尻餅をつく。
「あおーん!」
 満月の晩よろしく吼えた彼は、押し倒した青年の顔や体をぺろぺろこちょこちょ。あまりのくすぐったさに、雨月も笑いが止まらない。
「あははは、もう無理! 降参だよ!」
 満足げな狼男にあげるのは、甘いチョコレイト。
「くれるの?」
「うん、さっきのは冗談。本当はいつも持ってるんだ……あ、でも君、狼だよね」
 犬にチョコはご法度。さてどうしようと考えるより先に、狼男がはしゃぐ。
「僕、チョコだいすきなんだ!」
「ならよかった。溶けないように気をつけて」
 うん、と頷く獣は、やっぱり尻尾をぶんぶん振っていた。

成否

成功


第1章 第2節

 ハロウィンが終わって、ちいさなお化け達の世界も静かな日々が……と、思いきや。

「今年も楽しかったねぇ!」
「次はクリスマスかぁ、どんな風におもてなししよう!」
「プレゼントは何を用意しよう」

 どうやら、あまり変わりはないようで。
 季節ごとのお楽しみに、既にお化け達は次の計画を立てはじめていた。

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