シナリオ詳細
【黄昏幻影奇譚】神隠し編
完了
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オープニング
●神隠し
ああ、何もかもが懐かしい。
あの時の自分は何も知らなかった。
根拠のない夢を見て
無邪気に笑い、そして自分は人生の成功者になるのだ。
あの時は本気でそう思っていた。
だが、実際はそうはならなかった。
叩きつけられる現実。
絶望する人生。
しかしここは違う。
過去に戻り、やり直せる。自分の思い通りになる。
ああ、なんと素晴らしい世界か。
こんな世界があるのなら、現実世界なんてクソくらえだ。
●書斎
「やあ、イレギュラーズの諸君。よく来てくれたね」
書斎に入ってきたイレギュラーズを出迎えたのは境界案内人のミヤコ。
その手にはライブノベル『黄昏幻影奇譚』。
ーーで、今回はどんな怪異だ。
「怪異は怪異でも現象系の怪異だ」
ーー……現象系?
今までこのライブノベルで相手にしてきた怪異は、すべて実体ある存在ばかりであった。
それが例えば人形神や荒覇吐。記憶に新しいので言えば渦人形もそうだ。
実体ある怪異が自らに纏わる怪談・都市伝説に沿った行動を起こし、人間を恐怖のどん底に突き落とす。
「だけど、今回。その中心となる怪異の実体が存在しないんだ」
それすなわち現象系怪異の仕業である、という事だ。
ーーそれで、具体的には?
怪異の詳細を求めるイレギュラーズ。
「今回の相手は現象系怪異『神隠し』」
神隠し。
それは古来より、子供などが突如として姿を消す事を言う。
その原因が現実を儚んで誰にも知られず姿をくらましたのかもしれない。
あるいは妖怪や神の類に拐かされたのかもしれない。
姿をくらましただけなら、それが怪異の仕業とは断言できない。
ならばなぜ今回、それが神隠しだと言えるのか。
「それは街一つ分の人間が消失したんだ」
ーー……は?
沢山の人間の消失。破壊するだけならともかく、沢山の人間が神隠しに遭ったとすればそれは怪異としてかなりの力を持つ事を意味する。
ーーいくら怪異とはいえ、本当にそんな事が可能なのか?
「お忘れかい?君達イレギュラーズ、特に旅人(ウォーカー)の存在を」
旅人(ウォーカー)はそれこそあらゆる世界から混沌世界に召喚されている。
その人となりも千差万別。
それこそただの一般人から神の類まで。
今は混沌肯定の影響を受けているとはいえ、元の世界では意味不明で理不尽な力を持つ者もいる。
ならば怪異にもそういう意味の分からない力を持つ存在がいてもおかしくはない。
それにこれはライブノベル。混沌世界や旅人(ウォーカー)の元の世界の常識でそれを計るのもおかしな話だろう。
ーーそれで、そこに向かうとして。どうすればいい?
「ああ、それなんだけどね」
中に入ると現実味ある幻影を見せられるらしい。
その内容は自分の過去の再体験。
しかも当時の自分の姿に巻き戻るのだ。
「そしてこの『神隠し』。一定数再体験をおこなわないと消滅しない事が判明した」
街一つ神隠しするような怪異だ。それこそ現場へ向かう人数が多い方がいい。
「頼んだよ、諸君。無事に戻ってきてくれよ?」
そう言ってイレギュラーズを送り出したミヤコだった。
- 【黄昏幻影奇譚】神隠し編完了
- NM名アルク
- 種別ラリー(LN)
- 難易度-
- 冒険終了日時2021年10月26日 21時40分
- 章数1章
- 総採用数0人
- 参加費50RC
第1章
第1章 第1節
神隠し。
それが発生した時、世間は大いに騒ぎとなった。
テレビにインターネット、雑誌……。
残念ながら帰ってこなかった者もいる。
今回の神隠しがまだどこかで発生する可能性があるのは否定のしようがない事実であった。
だが、今回の事件はこれにて閉幕である。
NMコメント
怪異が見せるのは所詮、幻影。
それでももう一度見たい。
それは区切りをつける為に。
それは過去に縛られているが故に。
あなたのもう一度見たいものはなんですか。
●黄昏幻影奇譚
怪異が蔓延る世界です。
●目標
怪異『神隠し』の消滅
●神隠し
現象系怪異『神隠し』。
その体内に獲物を取り込み、幻影を見せます。
その正体はわかっていません。
ただ、今回幻影を見終え
神隠し体内から弾き出された人間が一様に言うのは
『気付いたら知らない場所にいた』
『過去の自分に戻り、自分の知っている過去を再体験してきた』
との証言をしています。
●神隠しの幻影
自分の過去を実体ある幻影を見せてきます。
普通に触れますし、会話もできます。
ちなみに神隠しに取り込まれた時点では
今現在の姿のままで知らない場所にいます。
再体験が始まった時点で過去の姿になります。
●再体験
貴方達の過去の再体験ができます。
あなたの見たいものが見れます。
あの時、あの場面で選択した事。
本当にその選択は正しかったのでしょうか。
違う選択をしていればもっと違う未来がきっと……。
それともあの人にもう一度会いたい。
会ってあの幸せなひと時を
たとえ偽物だとしてももう一度味わう事ができれば。
或いは
子供時代の自分は幸せだった。
何も知らず、無邪気に野山を走り回った時期。
ああ、ひとつ捕捉しましょう。
これは所詮幻影。
あなたの知っている過去。
それ故、その結末を改変する事ができます。
過去に巻き戻るのはあくまで身体だけですから。
勿論、現実に起きた出来事を改変する訳ではありません。
あなたにひとつの区切りを。
さあ、あなたの望む結末は何ですか。
あなたの話を私に聞かせてください。
そして辛い現実へ戻る覚悟を見せてください。
これは貴方達に課せられた試練。
試練は乗り越えるもの。そうでしょう?イレギュラーズ!
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