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シナリオ詳細

全てを飲み込むヘビの群れ

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●パサジール・ルメスの民
 混沌世界を移動するとある少数勢力、『パサジール・ルメス』がある。
 主要七か国を渡り歩く民達は、ラサより訪れたキャラバン隊の護衛を担っていたらしい。
 彼らは再び、ラサ(ラサ傭兵商会連合)に戻るらしい。
 この為、幻想~ラサの間にある街道の安全確保をお願いしたい。
 完全に敵性勢力を排除するのはローレットに求められていないが、ある程度の地ならしはしておけば安心も高まるというものだ。
 今後の物流強化の為にも有意義だろう。励まれたし。

●街道の安全確保
 そんなわけで、現状、ローレットには、あれこれと街道に出現する危険因子排除の依頼がちらほらと見受けられる状況にある。
 それは時間をおいて、新たな危険因子を持つ何者かの出現状況が出てきており、なかなか街道の安全が確保できぬ状況が続いている。
「気付けば、新たな脅威が街道に次々と現われているのですよ……」
 『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)は頭を振りつつ、イレギュラーズ達へと嘆息しつつ説明を行う。
 今回、ローレットが目をつけているのは、街道に現れる化け物ヘビだとユリーカは言う。
「とっても大きなヘビの目撃証言があっているのですよ」
 魔種と成り果てたヘビ4体がどこからか現われ、そいつらが近場の動物を片っ端から飲み込む姿が確認されている。
 当然ながら、大きさ的に人間もその対象となるらしく、街道を通る行商人が危うく飲み込まれそうになり、命からがら逃げ出したのだとか。
「とにかく動きが素早くて、接近に気付いたかと思いきや、すぐにこちらを飲み込もうとしてくるようなのです」
 目撃証言のある街道はやや傾斜があり、場所によっては敵の接近が分かりづらい場所もある。
 周囲を気につけつつ、相手の奇襲を気がけたいところだ。
「化け物ヘビの力は、とても怖いのです」
 相手を丸呑みしてくる他、毒の牙で噛み付いてきたり、長い尻尾で近場の相手を薙ぎ払ってきたりしてくる。
 最も怖いのは、地中に潜った後、相手を地面ごと突き上げてくる強烈な一撃だ。
 相手が地中に潜ったタイミングは、できる限り警戒したい。
「討伐できたら、途中の茶屋でのんびりとお茶でもすすってから、のんびり幻想まで帰ってくるといいのですよ」
 茶屋ではあるが、お茶だけでなくコーヒーも振る舞っている。
 戦いの後に、こうした休息をとってくるのもいいだろう。
「街道の安全の為、皆さんの活躍を祈っているのです!」
 そうして、ユリーカは依頼に向かうイレギュラーズ達を真摯な瞳で見つめ、ヘビ達の討伐を願うのだった。

GMコメント

 イレギュラーズの皆様、こんにちは。
 MSのなちゅいと申します。

●目的
 全ての化け物ヘビの撃破。

●敵……化け物ヘビ×4体
 どこかで狂気に当てられ、魔種と成り果てたヘビです。
 大きさは1.8mほどあり、並みの体格の人々であれば一呑みされてしまうかもしれません。

 以下のスキルを使用します。
・毒牙……物近単・毒
・呑みこみ……物近単・HP吸収
・尻尾薙ぎ払い……物近・範
・突き上げ……神中単・溜1

 ※補足
 突き上げは地中に潜った次のターン、
 地面から対象を突き上げるように攻撃します。
 地中に潜るターンも攻撃は可能です。

●状況
 幻想からラサに向か街道上で、化け物ヘビから襲撃に遭います。
 平原ではありますが、やや傾斜と高低差がある場所ですので、位置によっては敵の接近に気付くのが遅れる可能性があります。

 事後は、途中の茶屋でお茶、コーヒーなどを召し上がることができます。
 お好きな飲み物で喉を潤してから、幻想へと帰るとよいでしょう。

●情報確度
 A。想定外の事態(オープニングとこの補足情報に記されていない事)は絶対に起きません。

 それでは、よろしくお願いいたします。

  • 全てを飲み込むヘビの群れ完了
  • GM名なちゅい
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年07月15日 21時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ガルズ(p3p000218)
ベイグラント
焔宮 鳴(p3p000246)
救世の炎
ラダ・ジグリ(p3p000271)
灼けつく太陽
シグ・ローデッド(p3p000483)
艦斬り
イシュトカ=オリフィチエ(p3p001275)
世界の広さを識る者
クロジンデ・エーベルヴァイン(p3p001736)
受付嬢(休息)
クィニー・ザルファー(p3p001779)
QZ
リーゼル・H・コンスタンツェ(p3p004991)
闇に溶ける追憶

リプレイ

●街道に現れるヘビ
 幻想を後にしていく、イレギュラーズ一行。
 今回の依頼は、街道の安全確保。
 それに伴って、出現の確認された邪魔者の撃破だ。
「やっと大きなお仕事が終わったけど、相も変わらず困ったことは多いのっ」
 先日、サーカスの一件が収拾したばかり。
 それでも、面倒事は多いと狐の獣種である『緋焔纏う幼狐』焔宮 鳴(p3p000246)は考えながらも、明るく元気に依頼へと臨む。
「魔種になったヘビさん達……これも『サーカス』の影響なのかなぁ、って考えちゃうのー」
「ある意味で、サーカスの後始末ってところかね」
 鳴の言葉に、中性的な外見をした『闇に溶ける追憶』リーゼル・H・コンスタンツェ(p3p004991)も同意していたようだ。
「さて……、この蛇の実力は、果たして如何なるものか」
 研究者として、『KnowlEdge』シグ・ローデッド(p3p000483)は今回の相手が気になる様子。
 なお、彼はギフトにより剣の姿となって装備品を装い、『悪意の蒼い徒花』クロジンデ・エーベルヴァイン(p3p001736)の背中に張り付いた状態で移動している。
「ヘビねぇ、私は別に苦手とかじゃないけど……魔種と聞いたら、容赦はできないね」
 ぼうっとした表情をしたQZこと、『QZ』クィニー・ザルファー(p3p001779)は人々を守るべく、この状況を見過ごせない様子。
「今回の狩猟対象は蛇か……、でけぇと食べがいがあるよな」
 一方で、鋼鉄の胃袋を持つ『ベイグラント』ガルズ(p3p000218)などは敵を食用として見ており、さながら狩りのように考えて参加していたようだ。
「しかし、魔種ってのはこの世界の生物ならなんでもなるのかね。何とも厄介なことで」
「魔種化って、知的生命体じゃなくてもするものなんだねー」
 リーゼルのぼやきにも似た一言に、ローレットの受付嬢だった職歴がある金髪色黒の女性、クロジンデもそんな感想を抱く。
 とはいえ、相手が魔種化した経緯はよくわからぬものの、それを除けば普通に街道の安全確保の依頼ではある。
「サクッと街道をクリアリングして、平穏な状態にしなきゃだねー」
 パカダクラを駆るクロジンデにとって、パサジール・ルメスには実家への贈り物などを運んでもらうお世話になる人達とのことだ。
「ルメスの事がなくとも、街道の保守は大切だ」
 やや色黒の肌をした半馬の獣人『尾花栗毛』ラダ・ジグリ(p3p000271)は、街道を通る者が多いほど狙う者は増えると考える。
 もっとも物資狙いでなく、餌目的で現れる輩は珍しいのかもしれないが……。
「それでも一つずつお仕事をちゃんとこなして、困ってる人たちを助けて、平和な国、平和な世界へ一歩ずつー、なのっ!」
「……まあ、さっさと片付けるとしようか」
 気合を入れて意気込む鳴に対し、リーゼルは淡々とした態度で現地に向かっていった。

●それらは這いずり現れる
 さて、程なくイレギュラーズ一行は目撃証言のある現場付近へと近づく。
 平原にもあるにかかわらず、比較的地面の起伏が大きな場所で視界を広く取れない場所だ。
「では、偵察をしてくるから、少し待っていてくれたまえ」
 黒い肌と体毛を持つ紳士、『世界の広さを識る者』イシュトカ=オリフィチエ(p3p001275)は鴉の翼を羽ばたかせ、高く飛び上がる。
 鳴は呼び出した烏と五感を共有し、空から偵察を行う。
 相手の不意打ちだけは避けたいと考えながら、彼女は神経を尖らせて警戒していたようだ。
 QZもまた何らかの力を使い、低空飛行をしてみせる。
 イシュトカが高所からの接近を、QZが地球からの潜伏を警戒する形だ。
 ラダも地中からの異音がないかと、聞き耳を立てつつ移動する。
「いるのは間違いなさそうだな」
 ガルズが仲間達へと示したのは、街道のあちこちで掘り返されたような穴の跡。
 これらを目にしつつ、ラダも神経を張り詰める。
「恐らくはこちらからは来ないだろうが……一応、な」
 シグも地中からの襲撃を懸念し、念の為にと地中を透視しようとする。
 敵が地中に潜むなら、地面が遮蔽物として見通せる可能性がある。他のメンバーより早く気付ける可能性があるのだ。
 また、ガルズは街道の脇に、所々動物らしきものの骨があることに気付く。
 化け物ヘビが獲物を飲み込み、消化できなかったものだろうとガルズは分析して。
「近くにいるはずだ。油断するな」
 仲間の呼びかけを聞きつつ、パカダクラに乗るクロジンデは地上にいながらも視点の高さを活かして移動しつつ、超視力を駆使して前方を見渡す。
 敵に気付いたのは、そのクロジンデが最も早かった。
 シャアアアアアッ……!
 木々の間に潜んでいたヘビどもは4体全てが地上に出ており、高所からイレギュラーズ達へと襲い掛かろうとする。
 空を飛ぶイシュトカも続いて、敵に気付く。
「前方の起伏より身を乗り出してくる。狙い撃ってくれたまえ」
 すると、遠距離攻撃を得意とするシグがクロジンデの背から浮遊し、刀身に炎を象った破壊エネルギーを蓄えていく。
 ラダも対戦車ライフルを構えていたが、何か思うことがあるのか色インクを合わせて用意していた様子だ。
「──、さっさと終わらせようか」
 一言、いつもの口癖を呟いたQZもまた、仲間と共に近づいてくるヘビどもへと応戦を開始するのである。

●絶対的優位を活かして
 敵の先手を取れたことは、イレギュラーズにとって大きく有利に働く。
 4体の化け物ヘビが接近する間にも、数人のメンバーが仕掛けていった。
 己を剣と化していたシグが先んじて、相手目掛けて溜めたエネルギーを解き放つ。
『異想狂論「偽・烈陽剣」(マッドネスセオリー・フランベルジュフェイク)』
 それに穿たれたヘビ2体が身悶えるが、そいつらを含めた全てのヘビがイレギュラーズ達を獲物と見定めてにじり寄ってくる。
 シグはその後人型へと戻った状態で、敵と対していた。
 相手に先制攻撃をと半馬のラダもライフルで相手を狙うのだが、その際に相手目掛けて赤、青、緑、黒の色インクを飛ばしていく。
「こうしないと、似た蛇の見分けなんて中々できないよ」
 ラダは各色のインクをヘビへと個別に浴びせかけ、一目で判断できるようにしていたのだ。
 パカダクラから降りたクロジンデは瞬間記憶も合わせて敵の状態を判別しようとしていたが、これに大きく助けられることとなる。
「狙うは赤だねー」
 色で相手を識別できるのは、実況する彼女としても非常に楽な上、仲間達にも端的に伝えることができる。
 その上で、グロジンデはその赤インクがついたヘビへと悪意を解き放っていく。
「なんか最近、悪意で殴ることがデフォになってきたなー」
 戦略的にも、彼女の使う『ファントムチェイサー』がそれだけ便利だということなのだろう。
 さらに、悪意を浴びる敵目掛け、鳴が攻撃を集中させつつ術式を発動し、魔力弾を放出して叩き込んでいく。
 シャアアアアアッ!!
 だが、そんな遠距離攻撃をものともせず、敵はイレギュラーズ達へと接近してくる。
「さあ、我に続け!」
 空から降下して、叫ぶイシュトカが仲間達へと叫びかけてその士気を高めていくと、不敵に微笑むリーゼルが前方から迫るヘビどもへと呼びかける。
「我が名はリーゼル・H・コンスタンツェ。魔王をも倒した魔術、とくとその身で味わうがいい」
 口上を述べるリーゼルに、近寄ってきたヘビどもの気を引いていく。
「怒らせるのもほどほどで頼むぜ……」
 ガルズはリーゼルを気遣いながらも前へと出て、重盾『海洋』を構えてカバーへと当たる。
 牙から分泌される毒で傷つけられても、その対策を事前に講じていたガルズは何の反応も見せない。
「っは、猟師が毒対策怠る……わけがねぇ」
 空中で身構えるQZも、己の存在感をヘビどもへと示していた。
「私からは、目が離せなくなる……。どう、仕留めたくなってきたでしょ?」
 重鎧に身を包むQZだったが、ヘビにとってはなぜかそれがうまそうな獲物にでも見えたのだろうか。
 口を大きく開いてくる相手は比較的単調な動きで襲い来る感もあり、リーゼル、QZが牽制する間に、メンバー達は攻め立てる。
 イシュトカは低空飛行しながら、赤インクにまみれた敵へと魔力を放出していく。
 その破壊力によって、腹部分を破裂させた敵の身体から血が噴き出した。
 そいつ目掛け、戦線から距離を取った鳴がさらに魔力を放出すると、素早く宙を駆け抜けたその弾は相手の喉元に命中し、撃ち抜いてしまう。
 ヘビはついに目から光を失い、どうと音を立てて地面へと崩れ去っていったのだった。

●地中へ潜らせぬよう抑え付けて
 数々の動物を丸呑みしてきたであろう化け物ヘビどもも、イレギュラーズと対すれば相手が悪かったと言わざるをえない。
 ヘビどもは、手前でQZ、リーゼル、2人のカバーに回るガルズに抑えられ、中遠距離から他メンバーに狙い撃ちされていたのだから。
「次は青いのいくよー」
 仲間達へと呼びかけるクロジンデは敵の数を減らすことを第一と、逃れられぬ悪意を敵へと放出し続ける。
「お前さんには、本当にその様な能力があったと思うかね?」
 さらに、シグが自らの常識を封印として、相手へと強引に押し付けていく。
 すると、青いインクをつけられた敵が刹那呆けたような反応を見せ、直接その身を叩きつけるように攻撃を仕掛けてきた。
 ただ、同じタイミングで緑のヘビが我に返ったようで、メンバーへと接近して大きく口を開く。
 半人半馬のラダは敵からしてもやや大きい体躯をしていたようだったが、それでも相手は彼女の体を頭から呑みこもうとしていった。
 ラダはライフルを横に持って妨害を試みるが、ヘビという生物は意図的に顎を外し、徐々に獲物を飲み込もうとする。
 なんとか逃れようと、ラダは相手の体内で両腕を振るって器官を殴り付け、逃れていたようだ。
 敵の引き付けがうまく行ってないと感じれば、リーゼルは再度名乗りを上げて、ヘビどもの気を引いていく。
 それを確認したQZも相手を自由に動かせないようにしつつ、青インクにまみれた敵へと組み付いていく。
「あんまりでけぇのは、守りきるのも大変なんだよ!」
 そこで、リーゼルの守りに動いていたガルズが仕掛け、重盾『海洋』で青インクの敵の頭を殴りつけていく。
 ここでも、ラダの付けたインクが判別を容易にするのに、一役買っていた。
「皮はあんまり傷つけたくないんでな!」
 ガルズは知識を活かさずとも、深く考えずに相手を力任せに昏倒させていく。
 完全に失神した敵は力なくその身を横たえ、動かなくなったのだった。
 守られるリーゼルも敵の気を引き付けていると察すれば、全力でその場にて踊り始める。
 蛇腹の剣、『輝刃-改』を手に、戦場を舞うリーゼルは次に緑のインクをぶちまけられたヘビの胴体を幾度も切りつけていく。
「どんどん狙い撃って、やっつけちゃうの!」
 皆が元気に帰れるようにと、距離を置く鳴も気力が続く限り魔力弾を撃ち続ける。
 敵も本能的に危機を察していたのか、死に物狂いで応戦していた。
 そこで、緑のインクの敵が地中目掛けて潜り込もうとしていく。
 ヘビは逃げに転じたわけではなく、強烈な一撃をイレギュラーズ達に叩きつけようとしていたのである。
「やらせないよ」
 大口径ライフルの照準をそいつに合わせたラダは、敵の腹目掛けて執念深く弾丸を発射していく。
 腹の中をぶちまけられ、そのヘビは頭を地中へと突っ込んだまま尾をだらりと倒して果てていったのだった。
 シャアアアアッ……!
 もう1体は、黒のインクをかけられていたが、そいつもまた我に戻ってQZの身体を呑みこもうとしていた。
 残り1体となった相手は、QZ目掛けて大きく口を開いてかぶりつこうとする。
 中を僅かに飛んでいた彼女だったが、その身を跳躍させるように食らい付いてきたヘビに捕らわれ、上半身を呑みこまれてしまう。
 しばし暴れていたQZは、刺突槍『Love Dealer』の穂先に守護の意志を込めて。
「突き破っ……れぇえ!!」
 腹を裂かれたヘビから逃れたQZ。
 ヘビは血を撒き散らしながら地面をのたうち回るが、メンバー達がそれを傍観しているはずもなく。
 翼で浮遊していたイシュトカが迫り、放った威嚇術は殺傷力が低いものの、相手の隙を作ることに繋がる。
 そこへ、クロジンデがなおも放った悪意を浴びせかけ、敵に追い討ちをかけていく。
「さて、蛇の焼き肉は果たして、如何なる味かな?」
 仲間の位置を確認しつつ、シグは再度その身を剣へと変えて。
 燃え上がるような高熱のエネルギーを刀身に込め、彼は一気にヘビの体を断ち切る。
 シャアアァァァ……。
 腹を切り裂かれた敵は傷口を焦がしつつ、その場で絶命したのだった。

●依頼後のティーブレイク
 ヘビを駆除したイレギュラーズ一行。
 当面の脅威は取り払ったわけだが、ヘビが開けた穴は通行の妨げになってしまう。
 すぐにそれらを埋められるよう、ラダはローレットに手配を考えていた。
「しかし、魔種ってーな肉体的にどうなってるのか、ちと興味のあるところだな」
 リーゼルは持って帰れるような状態じゃないのを残念がってはいたが、人の姿に戻ったシグが死体の検分を始めたことで、リーゼルもそれを眺めていた。
 また、別の死体にはガルズが近寄り、持ち運べる範囲で切り分ける。
「蛇といやぁ血肉はうまいし、皮は売れる。毒牙が取れりゃ狩りにも使える。おいしい奴だろ?」
 モンスター知識も活かして解体し、この後立ち寄る茶屋へと彼は持っていくつもりのようだ。

 その後、メンバー達は現場までの道中にあった茶屋へと立ち寄る。行商人などがよく利用する店なのだとか。
「ほひぃ、疲れたぁ~……」
 QZは茶屋のテーブルに突っ伏し、アイスコーヒーをオーダーする。
「あ、私も冷たいコーヒーで。軽く摘める物も人数分頼めるか?」
 合わせてラダが注文を行うと、店員は程なくそれぞれの頼んだ飲み物を運んでくる。
 鳴は早速、アイスティーで喉を潤して。
「いっぱい運動、というより戦った後のお茶は美味しいのー!」
 一仕事した後の一杯に、彼女は上機嫌になって尻尾を揺らす。
 リーゼルもすまし顔でコーヒーを頂くそばでは、クロジンデが店主や他の客へと他に変わったことはないかと聞き込みを行う。
 彼女はヘビを魔種とした別の魔種の存在がいるのではと考え、その痕跡が追えないかと考えていたが、残念ながらそれらしき情報は得られなかった様子。
「魔種の蛇か~……やっぱりサーカスの影響だったのかなぁ」
 それを見て、QZが推測する。
 決戦後でもまだまだ油断はできないと、気を引き締めていたようだ。
「……食わんのか?」
 一方で、ヘビ肉を調理していたガルズがメンバー達に差し出す。
 茶屋の設備を使って串焼きにと考えていた彼だが、匂いが茶葉などにつく事を店主が懸念したこともあり、結局は火種だけを借りて外で起こした焚き火で焼いていたらしい。
 考え事をしながら茶をすすっていたシグは、栄養補給にとその肉をジャーキー代わりに口にしていた。
「実に勿体なかったなと思ってね」
 そんなヘビの肉を食べる仲間を見つつ、紅茶を飲むイシュトカは溜息をつく。
 ヘビの皮はラグジュアリとして重宝されるし、珍しいヘビの毒腺を採取できれば科学者相手に卸すことができる。
「それを、ああもぼろ雑巾のようにしてしまったものだから……。いや、珍品を前にして算盤を弾いてしまうのは商人の悪い癖だ」
 仕方ないと語るイシュトカだが、それは自分に言い聞かせているようであり、本心では本気で残念がっていたようだ。
 思い思いに休み、行動する仲間達に鳴は笑いながら語りかける。
「ローレットに帰るまでがお仕事なの、疲れを癒やしてちゃんと無事に帰るのー!」
 戻って報告するまでが依頼。
 メンバー達は休憩を終えると、依頼を完遂する為に幻想へと戻っていくのだった。

成否

成功

MVP

ラダ・ジグリ(p3p000271)
灼けつく太陽

状態異常

なし

あとがき

リプレイ、公開です。
皆様それぞれの役割を果たしておりまして、
MVPはかなり悩みましたが、
インクで相手を判別しやすくして、効率よい撃破に一役買ったラダさんへ。
敵の先手を取り、相手を地中にさえ潜らせぬ戦術、実にお見事でした。
今回は化け物ヘビの討伐、本当にお疲れ様でした。

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