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シナリオ詳細

よいこのラサむかしばなし:もぎとりばあさん

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●むかしむかし
 むかしむかし、あるところに、貧乳の女の子が住んでおったそうな。
 その貧乳の女の子は、大きな胸にあこがれておってのう。毎日バストアップ体操をしたりキャベツを食べたり豆乳を飲んだりしたのじゃが、てんで効き目がなかったそうじゃ。
 このままではおっぱいが欲しすぎて反転してしまう……そうも追い詰められたときに、女の子はとある噂を聞いたそうじゃ。
 ラサの奥地のとある村には、おっぺぇの大きな女ばかりが住んでいるおっぺぇ村があるそうじゃ。そこに行けば、どんなおっぺぇの小さな女の子でも、たちまち巨乳になる……と言うのじゃ。
 女の子は、矢も楯もたまらず旅立つことにした。遺跡を越え、砂漠を越え、険しい山を越え――ようやくおっぺぇ村にたどり着いたのじゃ。
「おっぱいないじゃん」
 と、女の子はいたく落胆したそうじゃ。女の子のいう通り、村は貧乳だらけじゃった。これはどうした事かと女の子が村人に尋ねると、村人の女(貧乳)は涙ながらにこう語ったそうじゃ。
「村のはずれに、もぎとりばあさんと言う妖怪が住み着いてしまったのです。もぎとりばあさんは乳をもぎ取り、奪い、村のおなごを貧乳にしてしまったのです。ああ、このままでは世界からおっぱいが失われてしまう」
 これは何という事か。女の子は村人の女たちに痛く同情し、この妖怪もぎとりばあさんを退治することにしたのじゃ。
 昔話を捏造するのも疲れたので詳細は省くが、なんやかんや激闘の末、女の子は妖怪もぎとりばあさんを退治することに成功したそうな。
 村には乳が溢れ、巨乳が溢れ、村人はいたく女の子に感謝したそうな。そして女の子は、秘伝のバストアップ体操を教えられ、そのかいもあっておっぱいが巨乳になったそうじゃ。めでたしめでたし。
 なんじゃこの昔ばなし。ラサを何だと思っとるんかのう。

●というわけで
「というわけで、その村にやってきたよ」
 と、フラーゴラ・トラモント (p3p008825)がそう言った。胸は揺れなかった。何が「というわけ」なのかといえば、ローレットに貧乳女子同盟から調査依頼が来たのである。乳を大きくする秘訣――秘伝のバストアップ体操とかを調べて欲しいとか、そう言う感じの依頼をされたのだ。事実、この村には昔話にも語られるとおり、ぺぇぺぇをおっきくする術が伝えられているという。眉唾物だが、藁にもすがりたいのが貧乳女子というものだ。
 それはさておき、乳調査隊のメンバーは、フラーゴラに、ノワール・G・白鷺 (p3p009316)、鏡 (p3p008705)、雨宮 利香 (p3p001254)、澄恋 (p3p009412)である。もうこいつらに乳の大きく仕方を教わればいいんじゃないか? と言う面々であるが、乳とは望んでデカくなるものではないから、このメンバーに乳の肥大化方法を聞いても解らないだろう。世はままならない。
「はて、巨乳村と聞いておりましたが。見た限り、さほど大きい方はいない様子」
 と、スタイルの良い体のぺぇぺぇを揺らしつつ、ノワールが言う。ノワールの言う通り、村人たちはみな貧乳であり、かつ一様に暗い顔をしていた。もうこうなったら今後の展開は解るよね? 当然のように、村人の一人がイレギュラーズ達に気づき、近づいてきてはこう言うのである。
「もしや皆様は、イレギュラーズの方々では……?
 ああ、どうかこの村をお助けください! 復活したもぎとりばあさんが、村人たちの胸をもぎ取ってしまったのです――!」
「予想通りですねぇ」
 と、鏡が豊満な胸を揺らしながら言った。もう後の展開はテンプレ通りだろう。
「つまり、もぎとりばあさんを倒して、おっぱいを取り返して、と?」
 利香がぺぇぺぇを揺らしながらそう言った。村人はさめざめと泣きつつ、頷く。
「はい、このままでは巨乳村のアイデンティティが……巨乳村ブランドの牛乳などが売れなくなってしまいます……」
「そんなものを売っているんですね……」
 澄恋が言った。ぺぇぺぇは揺れなかった。
「大変だね……巨乳牛乳はこの村の生命線だものね……」
 フラーゴラが言う。胸は揺れない。
「では、早速、もぎとりばあさんを退治しましょう。ええ、そしてバストアップ体操とかを教えてもらうのです!」
 澄恋の胸は揺れない。
「ふふぅ、変な妖怪が相手ですかぁ。斬り応えがありそうですねぇ?」
 鏡の胸は揺れる。
「イレギュラーズのみなさん、気を付けてください……もぎとりばあさんは乳をもぎ取ったりつけたりすることのできる夜妖……じゃないや、妖怪です。皆さんの乳もつけたり外したりは自由自在のはずです……!」
「ふむ、なんともキモい敵ですね」
 ノワールの乳は揺れる。
「とは言え、気にしなければさほど実害もなさそうです……その他の特殊能力はありますか?」
 ノワールの問いに、村人は頭を振った。
「いいえ、なにせもぎとるしか能のない妖怪ですので……あ、でも数は多いです。8体います」
「どうして」
 利香のぱいぱいが揺れた。どうしてこんな面妖な生物(?)が8体もいるのだろうか。このシナリオは、ラサと言う地をどうしたいのだろうか。
「ま、まぁ、良いです。とにかく、その妖怪――私達で倒しましょう!」
 利香がぱいぱいを揺らしながら、そう言った。仲間達は、力強く頷いた。仲間達のぺぇぺぇは、揺れたり揺れなかったりした――。

GMコメント

 これはリクエストシナリオなので、洗井落雲は何も悪くないです。

●成功条件
 すべての「もぎとりばあさん」の撃退

●情報精度
 このシナリオの情報精度はP(ぱいぱい)です。
 もいだりもがれたりしろ。

●状況
 ラサの奥には、秘密の巨乳村があります――。
 そこで秘伝のバストアップ体操を学びに来た一同。しかし、巨乳村は妖怪「もぎとりばあさん」の手によって貧乳村へと変えられてしまっていました。
 もはや一刻の猶予もありません。今すぐもぎとりばあさんを撃退し、乳を奪い返すのです!!!!!
 作戦決行時刻は昼。戦闘ペナルティとかはありません。乳をもいだりもがれたりしろ!

●エネミーデータ
 もぎとりばあさん×8
  乳をもぐ妖怪です。高速・高反応・高EXAで行動し、イレギュラーズ達に特殊BS『巨乳』と『虚乳』を付与します。
  それ以外はごく普通のエネミーなので、普通に頑張って、ていやーってすれば倒せます。

  特殊BS・巨乳 について
   このBSを付与されたものは、巨乳になります。
   具体的には男女を問わず胸がおっきくなります。揉み応え抜群。見応え抜群。皆の夢。
   パラメーター的に、防技と特殊抵抗が上がって、反応と回避がすごく下がります。
   存分におっぱいが大きくなったアピールをしてください。元々大きい人はもっと大きくなります。
   ちなみに、男女を問わず、です。男も大きくなります。雄っぱいっていうしね。

  特殊BS・虚乳 について
   このBSを付与されたものは、虚乳になります。
   具体的には、男女を問わず胸が平らになります。平たい胸族。これはこれで需要があります。
   パラメーター的に、反応と回避が上がって、防技と特殊抵抗がすごく下がります。
   胸が無くなったアピールをしてください。元々ない人は……気を落とさないで。
   ちなみに、男女を問わず、です。男も平たくなります。雄っぱいっていうしね。


 以上となります。
 それでは、皆様のご参加とプレイングを、お待ちしております。

  • よいこのラサむかしばなし:もぎとりばあさん完了
  • GM名洗井落雲
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年10月20日 23時08分
  • 参加人数8/8人
  • 相談8日
  • 参加費150RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

リカ・サキュバス(p3p001254)
瘴気の王
※参加確定済み※
クラウジア=ジュエリア=ペトロヴァー(p3p006508)
宝石の魔女
アクア・フィーリス(p3p006784)
妖怪奈落落とし
鏡(p3p008705)

※参加確定済み※
フラーゴラ・トラモント(p3p008825)
星月を掬うひと
※参加確定済み※
アウレリア=ネモピレマ(p3p009214)
大海に浮かぶ月
ノワール・G・白鷺(p3p009316)
《Seven of Cups》
※参加確定済み※
耀 澄恋(p3p009412)
六道の底からあなたを想う
※参加確定済み※

リプレイ

●ぺぇぺぇ争奪戦
 貧乳女子同盟(詳細は不明。貧乳な女子の同盟である)の依頼を受け、巨乳女子ばかりが住むというラサの村へとやってきた『恋する探険家』フラーゴラ・トラモント(p3p008825)らローレットのイレギュラーズ達。
「精霊さん、精霊さん、もぎとりばあさんの姿を視なかった……? 巨乳を持ったおばあさんいなかった……?」
『何ソレ怖イ……』
 精霊もドン引きする質問をしながら、フラーゴラがあちこちをキラキラした目でばあさんを探す。村の中には見つからず、村のはずれまでやってきた。
「あれ?
 えーと、ちょっと待つのじゃ、儂、健康的な体操を学びに来たはず……じゃよな?」
 『宝石の魔女』クラウジア=ジュエリア=ペトロヴァー(p3p006508)が呆然とした様子で告げる。
「ううん、バストアップ体操だよぉ……! でも、今はそれは良いの。だって、もぎとりばあさんがいれば、すぐに巨乳になれるんだから……!」
 夢見る乙女の表情でフラーゴラが言うのへ、クラウジアは頭を抱えた。
「ば、ばかな、バストアップ体操じゃと!? 頭みたいなサイズになっても重いし視界が塞がれるだけじゃぞ!?
 しかももぎとりばあさんとやらが出没してもがれたりつけられたりする可能性がある!?
 こ、こんなところにいられるか、儂は帰らせてもらうのじゃぁー!!」
 じたばたするクラウジアだが、当然のごとく帰れるわけがない。此処には巨乳になりたい人から別にどうでもいい人までたくさんいるが、それはさておき仕事である以上こなさなければならないのである。
「帰れんのはわかっとるわ! 夢ぐらい見させよ! しかしなんじゃ、どういう妖怪なんじゃこれ。何が楽しくて生きとるんじゃこの妖怪」
 クラウジアが言う。妖怪のことは何もわからない。どうしてこういう妖怪は発生するんだろうか。
「というかこれ、本当によいこに聞かせていい昔話なのかい?」
 『大海に浮かぶ月』アウレリア=ネモピレマ(p3p009214)が首をかしげる。
「なんというかこう、欲望の何かを感じるんだけどね……」
 まぁおっしゃる通りである。なにかこう、欲望を感じる昔ばなしではあった。が、実際にもぎとりばあさんがいて、実際に巨乳の村があって、実際にバストアップ体操があるのである。仕方ない。これは事実なのだ。欲望がにじみ出て居ようと、これは事実……そしてよいこに語られるべきストーリー。
「……まあ、いいさね、困っている人達がいるならなんとかしなくちゃいけないからねぇ」
 何かを諦めたかのように、ネモピレマが言う。そう、世の中あきらめが肝心である。
「そう。困っている人がいるんですよぉ。具体的に言うと私の友達がですぅ」
 鏡(p3p008705)が言った。ふふ、と笑みを浮かべつつ。
「フラーゴラちゃん、澄恋ちゃん……ええ、とても真剣にこの件に臨んでいるんです。巨乳になるために……。
 乙女の夢を壊してはいけませんよねぇ? 頑張らないとですよねぇ?」
「あ、いや、そうではなくて……」
 鏡の言葉に、ネモピレマは声をあげようとしたが、多分触れてはいけないポイントだと思ったので口をつぐんだ。実際、二人は巨乳を求めているのだ……。その眼は真剣そのものである。
「……? みんな、何であんなに、張り切ってるんだろう……?
 むねの大きさ、考えたこと、なかったの」
 と、自分のお胸をペタペタ触りながら言うのは『憎悪の澱』アクア・フィーリス(p3p006784)である。
「小さい人は、小さい……大きい人は、大きいだけじゃ、ダメ、なの?」
 まったくの正論であるし、本来はそうであるべきだとは思うが、しかし手に入らぬものにあこがれを抱いてしまうのは、悲しい人間の性である。
 古来より、人は己が持たぬものを求めて生き、足掻いてきた……古代よりの闘争心! そう言ったものが、この依頼には溢れている!!
「人は、ままならないものなんですよねぇ」
 と、何か達観したかのように『《Seven of Cups》』ノワール・G・白鷺(p3p009316)が言った。その胸は揺れた。その胸に視線を向けつつ、アクアが首を振った。
「……よく、わからない……」
「でしょう。よくわからないのが人間と言うものです。こういう私も何言ってるのかよくわかりませんが。
 つまり、胸と言うのは、ある種の憧れ……フラーゴラ様や澄恋様があこがれるのも、ある種仕方ない事……」
「……わたし、は……おっきくは、なりたいけど、別に……そこまでは……。
 ……でも、最近、下着がちょっと、きつい、かな?
 大きく、なってる?」
 わずかに、ふに、という感触が、アクアの手に変える。おっきくなってる。自然に。夢が膨らんでいる……!
「良い事です。大切に育てましょう。アクア様の大切な夢ですから」
 何かいいことを言った感じのノワールが微笑む。アクアはよくわからなかったが頷いた。
「と言うわけで、ここではPPP……ぱーふぇくとぱいぱいぷろじぇくとにおける戦闘規則をおさらいしましょう!」
 ばん、とどこから持ってきたのかホワイトボードを叩く『花嫁キャノン』澄恋(p3p009412)。皆さんはPPP公式サイトの戦闘マニュアルのページ、『★命中度判定、特殊抵抗判定、バッドステータスについて』あたりをご覧ください。
「こちらのページをご覧ください!
 『防御側は100-BS抵抗値の数字を目標に、1d100のロールを行います。このロールの数値が目標値以上だった場合は抵抗成功となり、バッドステータスを受け付けませんが、目標値未満だった場合、防御側は所定のバッドステータスを受ける事になります。』
 こうありますね! つまり抵抗-101以下で自動的にBSを受ける……!」
 ばんばん、とホワイトボードを叩く澄恋。
「そしてわたしの抵抗は-33……確定巨乳には-68も足りません゛!
 仮に痺れ系BSを仲間に付けてもらったとしても(ハイルール上同士討ちNGでも志願して一方的に受けるのは多分セーフ)雷陣が-60でやっぱり足りません゛!」
 ばんばんばん、とホワイトボードを叩く澄恋。
「というか、なんでそんなにBS受けたいんじゃ、おぬし」
 と、クラウジアがげんなりした様子で言うのへ、澄恋はびしっ、と指さした。
「良い質問ですねっ! 今回のシナリオにおいて巨乳とはすなわちBS……巨乳になるには、特殊抵抗判定に失敗しなければならないのです!
 わたしはぺぇぺぇがほしい! ぺぇぺぇが! ほしい! つまりこのシナリオにおいて特殊抵抗などはゴミ! あるだけデメリットの塊!!!!
 よって減らします! 極限までに! いいですか! BS虚乳は特殊抵抗を減らします! つまり、一度虚乳になってから、巨乳になる!
 これがわたしの作戦……『一度失った後に得られる栄光は感動もひとしお、ぺぇぺぇもやわらか』作戦ですっ!!!!」
「それは良いのじゃが、大丈夫かおぬし、この作戦をめいっぱいプレイングに書いとるせいで、巨乳になった時のリアクションが文字数制限で書かれておらんのじゃが……」
 何かをぺらぺらとめくるクラウジアに、澄恋はばんばんばんばんとホワイトボードを叩いてフッ飛ばした。
「そこはマスターが何とかしてくれるはずです! そう、プレイングからキャラクターが何をやりたいのかを察するのがマスターの仕事! わかってますよね!? わかってますよね洗井様!?」
 あ、はい。大丈夫です。
「ならよしっ!!!!」
「……胸が大きくなるだのこうのの時点でこんな気はしてたわ……」
 苦笑を浮かべるのは『雨宿りの』雨宮 利香(p3p001254)だ。その豊満なバストを見せつけるように抱きかかえつつ、ほう、とセクシーにため息なんぞをついて見せた。
「そんな私は魔乳がトレードマークの夢魔。貧乳にも爆乳にも貴賎無し。だってみんな私より小さいんだもの?
 もぎ取る奴が相手なら勝利の方程式は見えてるわ……もぎ取れないくらい初めからでかけりゃいいのよ! いひひっ!」
 利香が挑発的に笑ってみせた。中々自信家な発言だが、じっさいぺぇぺぇはデカいのでしょうがない。フラーゴラと澄恋の視線が痛い気もするが、まぁ見せつけているのでしょうがないし、その程度を気にするおっきいぺぇぺぇではない。ぺぇぺぇがでかいという事は人生の勝者なのだ。多分。
「そうじゃのぉ、だがそのぺぇぺぇ、もぎとってみせようかのう」
 と――利香の耳元でしわがれた声がした。刹那、利香は魔剣を抜き放ち、振るう! が、声の主は「おきゃあ」みたいな雄叫びをあげつつ、跳躍! 利香から距離を取り、ケタケタと笑ってみせる。
「その乳……もぎとりがいがあるのぉ?」
「も――」
 フラーゴラが目を輝かせた。
「もぎとりばあさんだ! 見つけたぁ……! 乳、おいてけぇ……!」
「ひっ」
 もぎとりばあさんが怯えた。
「なんじゃその子は……後そっちの白無垢姿のおなご! 目が怖い!」
「うふふふふふふ、怖くなどありませんよ、うふふふふふふ」
 澄恋が笑う。怖い。
「ま、まぁよい……行くぞ同胞よ! 乳をもぎ取ったりつけたりするのじゃ!」
 と、ばあさんが飛びあがると、その影から七人のばあさんが飛び出す。計八人。情報通りのもぎとりばあさんだ!
「いひひっ、じゃあ、やってやろうかしらねぇ?」
 利香が笑う――かくして、ぺぇぺぇをかけた戦いが始まった!

●つけたりはずれたり
「ほぎゃああああ!!」
 ばあさんが叫ぶ! 飛ぶ! 舞う!
「……おやおやぁ、なかなか速い」
 鏡が感心したように呟く。鏡とて、追い付けるものなどはそうそうはいないであろう速度の持ち主だが、ばあさんたちはそれを一歩先に行った。マジで? 速すぎる……。
「な、なんだいこのおばあさんたち!? 油断のできる相手じゃない……」
 と、ネモピレマが驚きを隠せない。ばあさんたちは素早く、まるでイレギュラーズ達を翻弄するようにぴょんぴょん飛び回った!
「キェイッツ!!」
 ばあさんが雄叫びをあげて、ネモピレマの胸に手を伸ばす! 躱せない! ネモピレマが身構えた瞬間、胸にあった何かがペタン、とする感覚を覚えた――!
「な――ない! ネモピレマなのに胸がない――!」
 ネモピレマが言う。説明すると、アウレリア=ネモピレマは、二つの姿を持ち、子供なアウレリアと、大人なネモピレマの姿を持つ。ので、今は大人なのに胸が無いのだ!
「……とは言ったものの、いやしかしねぇ、やっぱり胸はない方が動きやすいよねぇ。
 アタシゃ慣れてるけど、普通に運動するならやっぱり揺れるような胸はない方がいいよねぇ」
 むしろ肩が軽くなった、と伸びなどをして見せるネモピレマ。
 ばあさんの攻撃は続く。マジシャンたるノワールの動体視力、それでもとらえきれぬほどの速度で飛び回るばあさんたち!
「……って速過ぎません? 私もまぁ齢を重ねていますが、混沌の御老体は平均水準であんなにもアグレッシブなのですか?」
 困惑を隠せぬノワールに、ばあさんの魔の手が迫る! ぐわり、と手が胸を捉えるや、ノワールの胸が無くなる!
「おお、これは……。
 ん〜〜久々に身体が軽い感じがします。あぁ、解放感が半端ではない。まるで重い枷から解き放たれたかの様な感覚! 肩こりだったりもマシになりそうですし、良いこと尽くし……あれ、澄恋様、何故そんな顔をなさっているのですか? え?」
「くっ、これが持つものの余裕……!」
 澄恋がぐじぐじとハンカチを噛んだ。
「ふ、ですがこの感覚もここまでです! さぁ、虚乳を付与しなさい! そして、その後に特殊抵抗をマイナスに振り切ったわたしが、巨乳になるという華麗な描写が待っているのです!」
 澄恋がその両手をばーって掲げた。ならもぎとるか、とばあさんは雄たけびを上げて突撃! 澄恋の胸をもぎ取る! ただでさえない胸がさらになくなり、虚ろに!
「ふ、ふふ……これは精神的にキツイ……! ですが、そう、ここから巨乳のBSを付与されれば……」
 澄恋さん、ごめん、文字数が限界なのでここまでで!
「洗井ィィィィ!!」
 一方、ばあさんはフラーゴラへと迫る! 挑発するように、或いは翻弄するように跳びまわるばあさんたち! フラーゴラはごくり、とつばを飲み込み、呟いた。
「ワタシには記憶がない……。
 きっと幼少期に既に大きかったのだけどもぎとりばあさんに遭遇してもがれたのでは……?
 そうだ。そうに違いない。辻褄合うし。
 ワタシは胸を落っことしたんだよ……!!!!」
 そうなのか……。
「そうなんだよ……!」
 そうなんだ……。
 さておき、ばあさんたちはその両手に巨乳を掴みながら、フラーゴラへと接近した。刹那の邂逅、交差。次の瞬間には、フラーゴラの胸に、たわわなぺぇぺぇが実っているではないか!!!!
「こ、これが……! ばるんばるんする!!
 朝食べたお餅みたいにもちもちする!
 鏡さんとか利香さんとかクラウジアさんとかノワールさんとかアウレリアさんみたいになった……!!」
「凄いっ、凄いですよぉ、ゴージャスボディっ。
 ジャンプっ、ジャンプしてみてください」
 鏡がそう言うのへ、フラーゴラは頷いて、ぴょんぴょんとジャンプしてみせた。ぺぇぺぇは自由闊達に揺れた。
「おお……おお……!」
 フラーゴラは目を輝かせる。
「ひゅー、すてきぃ、どりーむかむとぅるー」
 ぱちぱち、と鏡が手を叩く。恥ずかしそうに、嬉しそうに、フラーゴラは笑った。
「ありがとう……! これで、あの人もワタシとすぐに結婚したくなっちゃうかも……!」
 夢見心地ではにかむフラーゴラに、しかし鏡は真顔になると、
「でもね、フラーゴラちゃん。
 おっぱいは遺失物届はだせない、落とし物にはならないんです」
「落とし物に……ならない……!?」
 フラーゴラが衝撃を受けたような顔をして見せた。バックに雷がぴしゃっておちる。
「これはそう、泡沫の夢」
「そ、そんなぁ……」
 フラーゴラがうつむいた。そのまま地面にうずくまる。ぺぇぺぇが反発を返したが、それも今は悲しい。
「泡沫の……これは……夢……」
 フラーゴラが静かに涙した。一度は得たはずの栄光が、霞へと消えていくとき、人はただ涙するしかないのだ……。
「いや、そんな事よりじゃな!?」
 と、頭位に大きくされたぺぇぺぇをどうにか抱えながら、クラウジアが言う。
「なんとかしてばあさんたちを倒さんと依頼が……ええい、本当に頭位にデカくする奴がおるか! バランスが……くそ、重い!」
「……」
 フラーゴラはふらり、と立ち上がると、無言でそのぺぇぺぇをぎゅって掴んだ。
「……これは夢……儚い夢……」
「ちょ、つかむな! にゃー! やめ、やめんか! わかった! なんか儂が悪かった! 謝るからやめい!!!」
 さておき。ばあさんたちとイレギュラーズ達の悲喜こもごもな戦いは続いた。ばあさんたちはそれはもう恐ろしいぺぇぺぇ攻撃を持っていたが、まぁ性能自体はそうでもない。こういうシナリオに出てくる敵だからね。イレギュラーズ達が全力でていやー、とすれば危なげなく倒せるというもの。
「ぬぅ! この婆たちが追い詰められるとは……!」
 ばあさんたちは困惑しながらも、ぺぇぺぇをもいだりつけたりする。その都度悲しみと喜びがらせんを描いて爆発した。
「しかし、鬱陶しいですねぇ! 別にぺぇぺぇはどうでもいいですが、動きが……!」
「ん……一体一体、ちゃんと倒していかないと……」
 利香の言葉に、アクアが頷く。そんな二人にも、ばあさんの魔の手は迫っていた。「ほぎゃああ」と雄たけびを上げるばあさんの手が、二人の胸から胸を奪う……!
「ふっ、ふふ、まさか怒ると思ったのかしら?
 あっはは! 覚えておくといいわ! 勝者は常に余裕なのよ! この平らで身軽な体だからって動揺するサキュバスじゃないの!」
 と、利香は笑う――が、すぐにその表情が歪んだ。
「……あれ? なんか私の天衣無縫、威力低すぎない……?」
 それはそうだろう。利香の天衣無縫は、物攻+(防技×6)の攻撃。虚乳になると防技が下がるので……。
「……す。
 殺してやるわ!! 胸までならずこの私の代名詞(アイデンティティ)たる防御技術まで!!!」
 ブチギレた利香の攻撃が、ばあさんたちをなぎ倒していく。一方アクアも、自分の胸をぽんぽんと触りながら、むっとした表情をしていた。
「……あまり、変わってない? わたしのむね、最初から、それくらい、って事、なの?」
 ぼう、と、アクアの身体にまとわりつく炎が、強く燃え上がる。
「あ……分かんない、分かんないけど、ちょっとイライラしてきた……」
 じっ、とばあさんたちを睨むアクア。煽られたような気分になったアクアは、その手に黒い結晶の槍を生み出し――。
「早く倒すの……あの妖怪は、良くない存在なの……!」
 打ち放たれた黒槍が、ばあさんたちを貫いた――。

 そして戦いは終わり、すべての異変は解除された。
 ぺぇぺぇは元に戻る。よはすべてこともなし。
「……って終わってたまるものですか!!! こうなったらバストアップ体操だけでも習得して帰りますよ!!」
「うん……! 諦めない! 諦めないんだから……!」
 と、澄恋とフラーゴラが吠えた。
 依頼はこれにて終了だが、乙女たちの戦いはまだまだ続く……のかもしれなかった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 みんなおっぱいがおおきくなるといいですね。あらいらくうんもおうえんしています。

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