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シナリオ詳細

【Tissier Town】ヒト、モノ、賑わう収穫祭

完了

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オープニング

●秋の収穫、皆の楽しみ

 日により暑さを感じる時こそあれ、ティシエールの太陽は、ギラつくような、灼けるような日差しからすっかり穏やかな陽光へと変わった。真夏には多くの人がフルーツポンチの海を泳ぎ、遊んでいたシュガーハーバーも、今は波打ち際を談笑しながら歩くカップル、砂浜に埋まる金平糖を集める観光客、父母を伴い水平線を遠く眺める子供達と、楽しみ方も様変わりしている。
尤も、暑がりの住人は季節が秋に移ろうとも、未だにちょくちょくソーダキャンディの洞窟を訪れているというが……そんな住人も、アイスキャンディーのゴーレムは決して拒むことなく迎え入れてくれるだろう。恐らくは、『コノママダトココデ冬ヲ越ス事ニナリカネナイゾ』と、彼なりの心配とジョークを織り交ぜてくれながら。

 さて、古くからの住人の一人たるマリアも、換気のために開けた窓から、心地よい風と、甘く豊かな香りが吹き込んで来るのを感じると、その口元を優しく緩ませる。

「まあ……今年もいいシロップが取れそうだわあ」

 彼女を微笑ませた香りの元は、彼女の住まいのすぐ近く、プリッツの登り棒、ウェハースのブランコと、遊具まで美味しいパフェ公園に立ち並ぶ多くの木々。そこにも小粒ながらも沢山の金木犀が、オレンジの花を咲かせていた。
そこは普段から遊んで楽しい、食べて美味しい住人達の憩いの場であるが、秋になれば、その時期しか味わえない美味が、ティシエールの皆を虜にするのだ。

例えば、ブランデーに混ぜても美味しい金木犀のシロップ。
例えば、ぽってり丸く、艷やかなスイートポテト。
例えば、危ないトゲトゲのイガイガを開けた先にある甘いマロングラッセ。
去年も、町長が自宅の畑から取れた南瓜を切り開いて、たっぷり実の詰まったプリンを、皆に振る舞ってくれていた。

 普段よりティシエールの街とお菓子をこよなく愛する住人達ではあるが、普段から美味しいものに囲まれているからこそ、季節限定の美味を見逃せない。
夏のシュガーハーバー&ソーダキャンディの洞窟に続いて、秋にはこのパフェ公園が、ティシエールで最も盛り上がる場所になるのだろう。

「そうだわ、この収穫祭にも、大々的にお客様を招いてはどうかしら」

ぽんと手を叩いて、マリアは思いついた事をそのまま口にした。
何せこのティシエール街は、観光客を積極的に誘致するようになってから、初めての秋を迎えるのだ。

遠い町に働きに出ていたこの街出身の若者も、街が賑わうようになってからは少しずつ戻ってきたし、観光客の楽しげな声が街から絶える日は無いけれど、まだまだ、この街の魅力をすべて伝えきれたとは言い難い。
この街に笑顔が増えるならば、どんな小さなことでもやってみたいのだ。

そうと決まれば、善は急げ。

今朝もぎ取ったばかりのシャインマスカットを手土産に、町長の元へと馳せ参じるのであった。

●秋の収穫、皆で分け合って

「皆、ティシエール街って知ってるかな?」

 協会案内人が話したのは、街のすべてがお菓子や食物で構成された、不思議な街。
全てのお菓子は崩れることこそあれども、腐敗することは決してなく、そして風味を損なうこともなく、いつ食べても美味しい、食べればたべるほど新しく美しいものに生まれ変わる不思議な場所。

普通ならそんな場所など『ありえない』と一笑に伏されるであろうが、少なくとも混沌。否、境界図書館であれば、そのような世界も『有り得る』のだ。

「そこで秋の収穫祭が行われるんですって。……そういえば、あたしも、この街の秋、見たことないなあ」

どんなふうなんだろう、きっと素敵なんだろうけど。と微笑んだあと、マチネは貴方達にこう語りかけるのだ。

──ね、イレギュラーズ。ティシエールの素敵なところを、沢山の秋を、見つけてきてね。

NMコメント

どうも、なななななです。
天高く馬肥ゆる秋。天低くとも時期問わず、ななは肥えています。

そんなことは置いといて。
以下、詳細になります。


●ティシエール街

 家も公園の遊具も外灯も、お菓子で作られた不思議な街です。
 
 街中のお菓子全てに不思議な魔法が掛かっていて、思いっきり踏んだり叩いたりすれば割れるものの、何をしても汚れる事はなく、食べてお腹を壊すこともありません。
また、食べてもまたすぐに、新しいものがどこかからやってきます。 
『チョコ噴水』『パフェ公園』『シュガーハーバー』『ハニー池』『ベークド通り』等、人気のスポットから寂れた裏通りまで、お菓子に覆い尽くされています。

 『ティーパーティー』を経てから、徐々に隣町や遠方の人々を積極的に招待するようになり、今やすっかり、観光客にも人気の街となったようです。
この街の発祥もまた、『お菓子の魔女の物語』として、街の所々で、密かに語られるようになりました。
『お菓子の魔女』の従者だというアイスキャンディーのゴーレムも、ティシエール街にある『ソーダキャンディの洞窟』に密かに暮らしています。

●目的

『ティシエール収穫祭を楽しむこと!』

ティシエール街のシンボルの一つ、チョコ噴水。
それを通り過ぎた先にあるパフェ公園が、ティシエール収穫祭の舞台となります。

ガレットの落ち葉の中で、お芋がホクホクに焼けていたり。
イガイガの栗を開けてみたら、マロングラッセがぎゅっと詰まっていたり。
畑のカボチャを切り開いてみれば、タップリの南瓜プリンが詰まっていたり。
可愛い花を咲かせる金木犀から、あまーいシロップが取れたり。
その他沢山のものがあります(皆様のプレイング次第です)

とにかく、ティシエール街を覆う魔法は、秋には秋の色を見せてくれるようです。

PR活動も兼ねて、皆様に秋の収穫を味わってほしい、というのがティシエール街からの依頼です。

と言うわけで、いっぱい美味しいものを食べましょう。


●その他
一章構成、締切は未定です。
合わせプレイング、もとい同行者がいらっしゃる場合は、同行者の方のお名前、キャラクターIDの記載をお願いします。

例:マチネ(p3pxxxxxx)と一緒にパフェ公園で収穫してこよう!

  • 【Tissier Town】ヒト、モノ、賑わう収穫祭完了
  • NM名ななななな
  • 種別ラリー(LN)
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年10月02日 20時30分
  • 章数1章
  • 総採用数3人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

天閖 紫紡(p3p009821)
要黙美舞姫(黙ってれば美人)

「うへ、うへへへ……秋は魅惑の食べ物がいっぱいですねぇ〜! 待ってましたっ、秋のティシエール♡」

 口の端から出そうになる涎をぐっと堪え、紫紡はずっしりと重い南瓜、その蓋をかぱっと開く。
そこにぎゅうっと詰まっているのは、緑の皮との対比がとても美しい、橙がかったツヤッツヤのプリン。
手応えのある一匙を口に運べば、余計な物がない南瓜の存分な甘さと、ミルクや卵の優しい味わいが、ほっこり口の中に広がった。

 その時ふと、風とともに伝わる甘い香りに紫紡は気づく。匂いの元を探ってみれば、ショットグラスを手に笑む女性。その手の中にあるものは。

「ふぁぁぁ!! 金木犀のシロップinブランデー!!」

南瓜を抱えたまま紫紡は迷わずそこに並び、長き年月を重ねた琥珀のような深みのある一杯、それを受け取った。

喉に焼き付くように染み渡るブランデーと、口いっぱいに広がる甘いシロップがたまらない。
昼間なのに良いのだろうか? 昼間だからこそ良いのだ!

 その時ふと、紫紡は南瓜プリンと、金木犀ブランデーを交互に見る。そして、ほんのちょっとの思いつきで、スプーンでグラスの琥珀を掬い、橙の上に金木犀の小花を散らす。

それを再び、あむと口に運んだなら。

「あ゛あ゛ぁ゛……!!」

子供からも愛されるプリンと、大人だけの楽しみ、ブランデー。
甘く香り高く絡み合う、至高の一口。これはもう、酒も匙も止まらない!
紫紡の祭りは、朝まで続くのであった……。

成否

成功


第1章 第2節

クロエ・ブランシェット(p3p008486)
奉唱のウィスプ

「ティシエールの街、一度行ってみたかったんです。お菓子でできた街なんてとってもメルヘンでは……!」

 わあと歓喜の息を漏らしながら、ティシエールの街を歩くクロエ。ふと公園の一角を見れば、子供達の無邪気な声が聞こえてくる。

「何、してるんですか?」
「お芋掘りだよ。秋になると、皆でいっつも探してるの」
「……お芋? 好きー♪私も皆と食べたいです」

こうしてサクサク落ち葉を掻き分けるうちに、落ち葉の山からほんのり、熱を感じる事に気付く。その山を崩してみれば、そこに。

「わっ、ねーちゃんすっげー! お芋いっぱいあったー!」
「いいなー……」
「ふふっ、皆で半分こして食べましょ?」

紫がかった皮から出てくるのは、黄金とも見紛うほどのホクホクの甘い香り。美味しいものは、皆で分ければ、尚美味しくなるものだ。

「ねーね、おねえちゃん、栗も好き?」
「はい、勿論」
「じゃ、これ食べるー?」

少女が見せたのは、毬栗。その割れ目から見えるのは、砂糖で甘く照らされた、栗の果肉だ。

「ん……甘いけど、栗のいい匂いがしっかり残ってて……美味しいです」
「でしょー?」

これは是非ともお土産にしたい、とクロエが呟けば、男の子が綺麗な瓶を持ってきてくれた。
芋掘りの次は、栗拾いの始まりだ。これも皆で手分けすれば、集まるのはあっという間で。

「素敵な秋の味覚、たくさんとれましたー!」

秋の味覚がぎゅうっと詰まった瓶は美しく、秋の太陽を照り返すのだった。

成否

成功


第1章 第3節

イズマ・トーティス(p3p009471)
青き鋼の音色

 初めて足を踏み入れる秋のティシエール街に、胸を弾ませ歩くのはイズマだ。

「ん、ここ……砂場にしては妙だな」

彼が足を止めたのは、公園の一角。一見砂場かと思われるそこは、妙に色鮮やかで、程よく焦げた良い匂いに満たされていた。
さくり、スコップで掬ったものは。

「ん……これ、スイートポテトか!」

バターの香りと、ぽってり濃厚な甘みが、舌に纏わりつく。

 続けてイズマが目にしたのは、子供達が自分の身の丈以上のモンブランに挑む光景だ。
その子の兄弟であろう子供も、山を囲んで談笑している。
イズマもそれを横目に、巨大モンブランと向き合った。
頂点に立つ栗、そしてそれを支える螺旋状のクリーム。そこを掻き分けてみれば、内に秘められていたのは細かく刻まれた栗の粒。中から外までたっぷり、秋の味覚が詰まっていた。
丁度会場で振舞われていたホカホカの紅茶と共に、栗の風味を存分に楽しんだ。

最後にイズマが立ち寄ったのは、丸々肥った南瓜畑。確かここではプリンが穫れるのだったか。
どれも美味しそうだ、と眺めているうちに、イズマはある事に気づく。

「ん、この柵、まさか」

触れた瞬間小気味よくパリッと割れたそれは、南瓜のチップス。
濃厚な口当たりのものが続いた後の締めくくりに相応しい、歯ごたえ楽しく、軽い口当たりの一品だ。勿論、南瓜の自然な甘みも存分に伝わってくる。

芋栗南瓜と、秋の幸を楽しむイズマ。美味しく楽しい収穫祭は、まだまだ続くのだ。

成否

成功


第1章 第4節

ほっこり甘い、秋のティシエール収穫祭。
来る者拒まず、皆美味しい不思議の街。

いつかあなたも、ご賞味あれ!

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