シナリオ詳細
BBQ、その身一つでお越しください(現地調達)
オープニング
●夏が終わるぞ! 駆け込み海だ!
ここは海洋王国、グレイス・ヌレの海岸である。
打ち寄せては返す透き通った波は、沈みかけた太陽を照り返してクリスタルブルーに輝き、宝石のように色を変えていた。
本格的な夏を終え、観光客のピークも過ぎたオフシーズンのビーチは、観光するにはもってこいだった。
「みんな、おつかれさま。アイスと冷たい飲み物、食べる?」
『黄昏夢廸』ランドウェラ=ロード=ロウス(p3p000788)は、水着にパーカーという恰好だった。のんびりとさざ波を眺めていた。
「わぁ、いいんですか? いただきます」
「ありがとうございます」
『優光紡ぐ』タイム(p3p007854)と『私の航海誌』ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)も、どちらも水着だった。片やほわほわと可愛らしく、片やすっきりセクシーにまとまっている。
そして、ウィズィの腹筋はすごかった。普段から鍛えているのである。
もしも今がオフシーズンではなく、このビーチにもっと人がいればうっかりナンパのひとつでもされたかもしれない。
まあ、ランドウェラの感想は「似合ってるなあ」という、ほのぼのしたものである。
「ん~!」
海に潜っていた『調和の探究者』ウーマロ=シンジャミン(p3p010064)がドーナツの浮き輪のまんなかからぴょっこり飛び出した。
「お魚がたくさんいたんだしん!」
「お魚かあ」
「どんなお魚さんがいましたか?」
「んっと、なんかでっかいのとか、足が8本あって、すごく大きかったんだしん」
?
「ヒレがあるのとか~、こんなのとか、おっきなカニとか……なんかね! すごく大きかったんだよ! イカとタコがすごく絡まってたしん!」
身振り手振りで説明するうましんの様子に大げさだなあ、ほほえましいなあと若干の違和感を覚えながらも、「まあかわいいからいいか」ということになった。
えへへ、とうましんもうれしそうである。
今日は完全に遊びに来たのだ。
タオルでうましんを拭いてあげるランドウェラ。
「ありがとだしん」
「浴衣、持ってきましたか?」
「はいっ」
「バーベキューをしたら、あとは花火でも天体観測でも。いいですねぇ」
●ポートラックパーティーだ!
「さて晩御飯といこっか」
「こんぺいとうをもってきたよ。甘いのはさすがに海にないからね」
「ありがとうございます」
メンバーの中でも甘党、いやこんぺい党のランドウェラは抜け目なくデザートを披露する。ぱっと顔を輝かせるタイムはさっそく「美味しいです!」と頬張っている。
「じゃん、私は調理器具と、……お酒です!」
「わあ、本格的だね。うましんは?」
「僕はたくさん調味料をもってきたんだしんっ!」
「! えらいっ!」
「素敵です」
「えへへ」
仲間たちに褒められて得意げなうましん。
「それで、何を焼きましょうか?」
「え?」
「え?」
「え?」
「あれ?」
イレギュラーズたちは大切なことに気が付いた。
……誰も食材持ってきてねぇー!!
(そんな……)
愕然とするタイム。
美味しいものはとても幸福なことだ。それを仲間と分かち合えるはずだったのに……。
「わ、私がもっとしっかりしていれば……」
がっくりとするウィズィ。
「はわわ……」
くう、とうましんのおなかが鳴る。
(まあ、こんぺいとうがあるし)
マイペースなランドウェラ。
どうやら雲行きが怪しいぞ、と慌て始めたそのときだった。
……風が、吹く!
突如として空は曇り、海からは巨大な影が現れた。
「うわーっ! クラーケンだーっ!」
「ウニの大群だ~~~~!」
「巨大カニだ!」
「サ、サメだーっ!」
「さ、鮭だーーーーっ! 鮭が戻ってきたぞぉおお!」
まるで示し合わせたかのように、海産物たちが押し寄せてきた。
「……これはっ!」
「やるしかないみたいですね……」
「おなかが、すきました……」
(ぽりぽり)
うなずき合うイレギュラーズ。
こうなったら、食べ物を現地調達である。
待ってろよ海の幸!
イレギュラーズたちは、夕日に向かって揃ってジャンプを決めた。
- BBQ、その身一つでお越しください(現地調達)完了
- GM名布川
- 種別リクエスト
- 難易度-
- 冒険終了日時2021年10月03日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談9日
- 参加費150RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●必要なモノは全て海にあるはずさ
「う、迂闊だった……!
忙しくて準備を怠ったのは認めるが、まさか食材を忘れてくるなんて……!!」
『青き鋼の音色』イズマ・トーティス(p3p009471)は砂浜に膝をつく。
「食材がないやん! タダでBBQできるって聞いたから参加したの!」
『Go To HeLL!』伊達 千尋(p3p007569)はばっしーんと砂浜を殴った。
「こうなったら開き直るしかないな。食べられそうな奴らがいるならば、狩るまで……!」
「えっ!? まさか自分で食材を獲ればタダ……ってコト!?」
きらんと千尋の目が輝いた。
「ああ。狂王種すら食糧にする海洋領主を舐めるなよ!!」
「ヤハーーーーーーッ!!!!」
ちいさくなくて強い生き物たちである。
「ひゃあぁー大変だ大変だ! ひっちゃかめっちゃかだ!」
わたわたと左右に走る『調和の探究者』ウーマロ=シンジャミン(p3p010064)。
「おいしいにおいを嗅ぎつけてきたら何やらピンチ……?」
「くっ! やはりこんぺいとうのみではバーベキューなりえることができなかったか!!
ってわかってはいたけど誰かがいろいろ準備してくれるんじゃないかなぁってははは」
「えへへ。いつも蜂蜜しか常備してないから、あたしも食べ物なんてなかったや」
『最終兵器:蜂蜜』メル=オ=メロウ(p3p008181)に甘いもの党の連帯を感じる『黄昏夢廸』ランドウェラ=ロード=ロウス(p3p000788)。
「誰かが持ってくる筈、と思って重要な品物を忘れる
キャンプや旅行でのあるあるの一つ、でしょうか?」
「大丈夫大丈夫。たくさんお肉とってきてあげるから」
『花盾』橋場・ステラ(p3p008617)の肩をぽんと叩く『私の航海誌』ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)。
「そうですね。BBQなのに食材を持ってこなかった罪は平等に皆で分かち合いましょう。ね?」
『優光紡ぐ』タイム(p3p007854)も、うっかり手ぶらだったのはここだけの話だ。
「考えることはみんな同じ。仲良しってことでどうよ」
「ですよねウェラさん」
「それでは、依頼開始といきましょうか。目標は――食べられるもの!」
「おー!」
●食料調達!
駆けだしていく仲間を見送りながら、こんぺいとうをとりだすランドウェラ。こんぺいとうがあるので実はぜんぜん困ってない。
(だけど皆は良くない。
だからこんぺいとうが美味しくなるように海産物たくさんとろう)
あくまでも主食はこんぺいとうだ。
というわけで、ランドウェラは魚釣り――もとい、ライトニング魚釣りをすることにした。この状態の海。入れ食い状態だ。
「雷は水に強い! だからライトニングを海に向かって放ってばもう食べ放題じゃないかい?」
名案に頷いていると、きらり、と輝く何かが目に入った。
「あ、この貝殻キラキラしていてきれいだなぁ」
いそいそと拾い集めるランドウェラ。
「こっちのはビー玉みたいで面白い。これも持って帰ろ。あれ? あっちのは……ガラスかなあ。へぇー」
徐々に遠くなっていくランドウェラ。
「……ウニか」
イズマの回りをウニが囲んでいる!
囲んでいるからといってどうとなるわけでもない。ウニだし。コロコロと気まぐれに転がっていく。
「だいじょうぶしん?」
これはどうやらうましんの起こした風のようである。
軽傷でもないのだが、ぺちっとヒールをしてもらえた。
「ああ、問題ない。ありがとう」
「えへへー」
「とりあえず、まずはウニ拾いから行きましょう……何だか語感が栗拾いみたいですね」
「だね」
カチカチとトングでウニを威嚇(?)するステラとタイム。
「ヘイヘイヘーーイ」
千尋は転がるウニを追い立てていく。その先は……ウィズィの張り巡らした網である。
転がる先に網を設置し、一網打尽にするウィズィ。心なしかそーっと離れていくウニは、芽キャベツで釣る。
「それにしても……何でこんなものが私のポケットに?」
首を傾げるウィズィ。なぜ芽キャベツはあってBBQの材料はないのか――。しかしまあ、こうやってわいわいとみんなで食べ物を集めるのも悪くはない。
「おいおい、草食かよー?」
「うまちゃんも網で掬ったウニどんどん入れて! ヒトデは食べられないからね」
「ふえぇ、そうなんだー! わかった!」
ぺちっとひとでを戻すうましん。ついでにキラキラした貝も戻すとランドウェラがひょいと回収していった。
「こんなところか」
砂浜はずいぶんと安全になった。
「よーし、大人しくしててねー」
ステラがウニにキャベツを与える。タイムもそれにならったが、ふと手が止まる。
「キャベツドレッシングは……か、かける……?」
真剣に悩むタイム。
「いや、なしなし。しまっとこっか」
「うーん、砂浜も、ずいぶん綺麗になったね……♪」
ぐいと伸びをするメル。
バーベキューのことはよくわからない。でも、狙うは大物からだ。
「だって、こんなに人がいるんだから全員で満足できるようにじゃない……♪」
「……!」
みんなの幸福のため。それならちょっとでも力になりたい、と気合いを入れるうましん。
「いっくよー……ファイアー♪」
メルのジャスプ・サンガンが、砂浜に新たな太陽を打ち上げるかに輝いた。
「イイじゃんイイじゃん~~~?」
「今日のあたしはゆるゆる弱火モードだからボロボロになるまで焦がさないよっ」
ばしゃばしゃとサケが水揚げされていく。
えい、えいと空に向かってぱたぱたあおいでいるうましん。
「……飛んでるやつを狙ってるのか?」
「ん。僕、空は飛べないけど、落ちてくる瞬間を狙って風の壁を張れば捕れるかもしれないしん」
「なるほどな」
頷いたイズマは、風の壁にぶつかった一体に向かって鋭い一撃を加えた。ソステヌート、響きが空気を揺らし、軽やかな衝撃音を響かせる。
「さて……どれが美味いと思う?」
「えっとえっと、あのへんかなあ~! 風を送るよ!」
「……ここだな」
イズマのH・ブランディッシュがサケをいっぺんに三枚おろしにする。
「ふふ♪ 良いタイミングだね♪」
メルの回りを、しゃぼんだまがふわふわと舞っている。
どしーん、と、地面が揺れた。
クラーケンがオクトパスを組み伏せている。まだ決着はつかなそうだ。
「あっちは、あとまわしだな」
「うん、一番最期だね♪ きっとお互いがお互い大好きなんだよ」
●めざせ、大物
「あ」
ランドウェラはようやく我に帰った。
良いものいっぱい拾えたはいいものの、魚の数減ってる。役に立ててない。これはまずい。というわけで仕事である。
「ウェラさーん!」
手を振っているタイム。岩場に登って影にいる魚を砂浜に打ち上げる。そして、今度こそ。
一条の雷撃。
ほんのり焦げて、良い匂いがする。
それはいいが、これは鮮度を保ったまま持っていきたい。軽く軽く、と加減しながら、絶対的零度を浴びせかけて魚を凍りづけにしておく。
「あ、うまく凍らせればかき氷にもできしょっぱい!」
デザートはやっぱりこんぺいとうか。
「ってぇー!」
マグロに巻き込まれかけるウニを庇う千尋。せっかく集めたウニである。
「ん? コイツキャベツ食ってねぇな? 元気ない? 調子どう?」
「千尋さん地味活してないでもっと強いのやっつけてきてよう~!」
ころころと芽キャベツでウニと戯れていると、タイムからお声がかかった。
「ああ? わーったよ。エンジンかかってきたしなあ。さーて、働きますかァ」
Do or Die。千尋の戦法は近寄っていって殴る、シンプルな技である。
しかし、言うほど簡単ではない。人というのはとっさに自分を庇ってしまうものである。生存本能というものだ。
「メルちゃんだけに働かせてられないね。メインはやっぱり食いでのある肉!」
「さあ、Step on it!! 行くよステラちゃん!」
「はい! 拙が相手です」
きり、と魚群に向き直るウィズィとステラ。
名乗り口上をあげるステラに、マグロの魚群がやってくる。リズム良く、狙いを定めてぽんぽんぽんと空へ飛ばしていく。
攻撃を避けることは出来ず、風の影響をモロにうける。飛んでいるのが仇となる。
続けてウィズィが腹に力を込め、すうと息を吸い……。
「出番だ伊達ェ!」
「ハァ~!? 冗談きっついんですけど~!?」
「だって背水状態にならなきゃあのパンチ打てないんしょ?」
「まな!」
「じゃあ黙って壁になれやオラァ!」
「しゃーねぇな! オラよっ!」
千尋が思いっきりマグロをぶん殴ると、マグロは焦って向きを変える。
「させるかよ?」
WHITEOUT。千尋の一撃が相手の意識を真っ白に染め上げる。鮮度を保ったままに、砂浜に横たわる巨大な魚影。
「やったしん!」
「これが俗に言う”活〆”ってやつだ。覚えたか?」
「あ、これは鮭ですね! とうっ!」
ステラは、やってくるサケに回し蹴りを食らわせた。
「今ですよイズマさん!」
「扱い違くねぇ? アレ?」
そろそろ、あの巨大クラーケンとオクトパスも決着といったところだ。
「……よし、骨は拾う」
「イカタコに骨あるかあ~?! あるかー」
「他の魚やイカタコ頂上決戦はどう?」
タイムは背伸びをする。ずいぶん互いに疲弊しているようである。
「そろそろ、ですね!」
「ふう、まにあった……」
氷を持って戻ってきたランドウェラ。
「ランドウェラさんも体温まってきましたか!?」
「うん、こんぺいとうのおかげだね」
「それでは行きますよ!」
ステラの名乗り口上が双方を引きつける。
「さぁメルさんドカンとやっちゃって!」
「はい、ありがとうございます♪」
破式魔砲。どかんどかんと嵐に一撃を加えるメル。
「メインディッシュというところだな」
構えるイズマとステラ。黒顎魔王――ステラは下から刈り取るように、イズマは上顎を振り下ろすように。がちりと噛み合った一撃が、巨体な生物の一撃となって敵を貫いた。
「あれ、イカとタコの争いがこっちまで来てない? に、逃げないと!」
「うわー! こっちにきた!?」
がっしりとうましんの頭を掴むタイム。
「ってタイムちゃん? えっ? まさか?」
そおい、とうましんが綺麗な放物線を描いて空を飛ぶ。
「飛行してるな」
「なんだよ、ホンキ出したら飛べんじゃん!?」
「うわあああああ! 僕を投げて逃げるなんてヒドイよぉ!!」
「ごめん、つい。怒らないで。ね~?」
「怒らないけどびっくりしたっていうか、うわうわー!」
慌ててウィンドカッターをほとばしらせるうましん。
「イカさんタコさんごめんなさい!」
「なかなかの風だ」
「乗るか、このビックウェーブに!」
「Go To HeLL!」……千尋のその一撃は波を砕き、歌声すらも打ち砕く。イメージした軌道は、一直線にただ最善をつかみ取り、正解を貫く。
そして、ステラの一撃が、オクトパスを刈り取った。均衡が崩れて、クラーケンが触手を振り上げる―――イズマは黒顎魔王の構えをといた。狙う箇所はわかる。音で。
一閃が響き、二つの巨体がどうと倒れた。
「酷い目にあったしん……」
砂浜からぽへっと顔を出すうましん。
「みんなー、無事だったしん?」
「うん、千尋さんやウィズィさん達が前に出てくれたからね。それにしても……」
「ファンシーで何だか癒されちゃうね……♪」
うましんを抱きしめるメル。
「はわわわ」
●来た、勝った、食べた
コロコロと転がる、残り少ないウニを追いかけるメル。
大量の海産物が打ち上がっていた。
「いざBBQ! だな」
イズマは安全になったことをコテージのオーナーに伝える。
「火を起こすんだね? 僕の風でササッとつくようにするよ!」
「ほらうまちゃん風送って火起こし頑張れ~っ」
うましんの火起こしを応援するタイム。
「お肉大好きステラちゃんの為に張り切って調理っつ!」
「うーん」
タイムは首を傾げる。マグロや巨大生物どう解体すればいいんだろうか?
「ウィズィさん何とかできません!? こう、手刀でスパーって……」
手で何かを切る仕草をするタイム。
「タイムさん、私を何だと思ってます??」
でも確かにどうやって……考えたところで目に入ったのはハーロヴィットである。
「あっ……めちゃくちゃよく切れる……」
「それじゃあしっかり焼いてマグロステーキを……熱ッ!」
咄嗟にタイムさんの耳を咥えるウィズィ。からんとフォークが落ちる。
「んひゃっ!?」
「いや、火傷のときは耳を咥えるのがいいって聞いたことが……違いましたっけ?」
「火傷したのは指でしょおウィズィさんっ!」
はむはむと耳をはむウィズィ。仲良しですね♪ とにこにこしているメル。捕食シーンだ……とわたわたするうましん。
「よーしウェラさんどんどん焼いて! わたしは食べるね!!」
「あ、涼みに来てる人もいる! 食材ちゃんと焼いてよぉ!」
「俺が食べる分は確保させてもらうけど、焼くのはいくらでもやるよ」
イズマの焼き方は非常に正確だ。音で判断しているのか、中までしっかり焼けている。
「良い匂いがするなぁ、どれもこれも美味しそう!」
「BBQ、マグロはステーキにしましょう、ステーキ!
……あ、拙は料理は得意ではないので、準備や後片付けを頑張りますね!」
ステラがぐいと腕をまくる。
「火起こしから消火までお任せですとも!」
「タイミングはわからないけど焼くのは任せてくれ!」
ランドウェラは貝を網に並べていく。
「おおすごい。生きてるみたいに動いてる」
「美味しいです! 美味しいです!」
「タイムちゃんハムスターみたいになっているよ?」
「ウェラさん、ちょっと食べてみて! 仕留め方でちょっと味が違う気がする!」
「マグロにサーモン、イカ……タコ……はちょっと大味~でもおいし」
はたらくうましんにもお皿に盛って差し出すタイム。
ふむふむとやり方を見ながら、やってみるメル。
けれども食べるのが本命である。
イズマがさりげなく美味しく焼けた海産物をくれる。
「タコとかイカ焼いたやつ好きなんだよな~俺。
高タンパク低カロリーでダイエットにもいいんだぜ?
まあ筋肉に関してはそこの腹筋バキバキのバキ女に聞けば詳しい事わかると思うけど」
「はい? 特訓しますか? あ、ステラちゃん、あーん」
「えへへー」
「うましんさん食べてますか~!」
「むぐー」
「食べてますね!」
「マグロもサーモンもとろけるぅ~……イカとタコはちょっと固いかな? でも美味しん!」
「イェーイうましん君食べてる~?
もっとマグロ食おうぜマグロ~~~~!!!!
ドコサヘキサエン酸補充するしん~~~~!!!!」
絡み酒にいそしむ千尋。
「よっぱらいだ!」
「もっかいもふっていい?」
「お~モテるじゃん?」
「甘い物も食べたくなっちゃうなー、蜂蜜とこんぺいとう、ちょっとください!」
「もちろん♪」
「たくさんあるからねぇ」
●暮れゆく水面に映る
「暗くなってきたしそろそろあれ! 花火~!」
夜も更けてきたところで、花火タイムとなったようである。
「色々あるよ。どれからやる?」
タイムは大荷物を取り出した。こういうのを持ってきたのだ。
「夜の花火はやはり夏の定番、どれにするか迷いますね!」
と、ステラ。
消火のための水を汲みに行くついでに、ちょっと道を外れる。
「こっちが絶好のスポットなのですね」
ランドウェラの見繕っていた貝殻スポットをふむふむとたどっていくステラ。
「ステラちゃん? あれ。どっかいくの?」
「あー、ちょっと、ナイショです!」
「わ、花火綺麗……♪ これなら水着か浴衣で来ればもっと素敵だったかな……。でも、まだ夏の気分を味わえて嬉しい……♪」
くるくると回るメル。可愛いとはしゃぐ女子達。
「よーっし者ども、注目」
ばーんと何かを担ぐ千尋。
「俺が花火って言ったらドラゴン花火だろ!
それも5×5の枠組みに入れた合計25個のドラゴン花火だ!」
「はわー!?」
「これを肩に担いで前方に発射する『ドラゴンバズーカ』こそ俺の得意花火よ!
いいか! よい子は絶対真似すんじゃねえぞ!」
どーん、と派手な花火があがった。
「さっすがー!」
「花火そんなに派手にできるんだ?! かっこいいね!」
はしゃぐランドウェラ。
「だ、大丈夫しんー!?」
「尺玉は! 無い、ですよねー……って、伊達さんのは良い子は真似しちゃいけませんよ!?」
「たくさん食べて満足したら、片付けだ」
花火のかすをバケツに集めるイズマ。きっと、ここは来年もまた客が来るだろう。
「ステラちゃん、ステラちゃん」
こっそりとステラを招くウィズィ。
指さすのは小さな小舟だっys。
こっそりと喧騒を抜け出し、穏やかな海を揺蕩う一隻の船。
「賑やかなのも楽しいですが、静かにのんびりするのも良いですね!」
「うん!」
「ウィズィお姉ちゃん、あの」
そーっと取り出したのは、作っておいたネックレス。海岸で拾い集めた貝殻でできたものだ。
「記念品というか、お土産になるかなと!」
夏の終わりの風を受けながら。
タイムの横顔を、日が照らしている。こんな日が、こんな季節が何度来るだろう。
「いやぁ良い思い出ができた!」
(はい。今日が楽しい思い出になりますように)
「色々あったけど、美味しい物も食べられたし、綺麗な花火も見れて大満足だしん!」
(皆幸せそうな空気が出てる……これが一番のごちそうかもしれないしん)
うましんは満足そうに空を見上げた。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
気がついたら夏ももう遠く、10月ですね!
海のアクティビティ、お疲れ様です! どーんと一発、大きな花火。
GMコメント
アタイ……狩りから帰ってきたら皆で最高のバーベキューするんだ……。
地産地消って大事ですよね!
●目標
・食材を集める
・美味しくいただく(BBQ)
●状況
時刻は夕方ごろ、海産物の群れが攻めてきました。
BBQをしようと思ったらうっかり食材を忘れてしまいました。
助け合って生きていきましょう。
具体的には現地調達してください。
●場所
海洋王国、グレイス・ヌレのビーチです。
オフシーズンでガラガラです。お客さんのことは気にしなくても大丈夫でしょう。
ほどよくコテージとかがあります。
●海産物の群れ
巨大クラーケンVS巨大オクトパス
海岸で巨大なイカと巨大なタコが怪獣映画よろしく殴り合っています。仲が悪いみたいです。
うまくいけばこう……ね?
ウニ群
海岸からものすごくウニが転がってきます。踏むと痛いです。
キャベツが好き。
トルネードマグロ
ものすごい勢いで海から飛び出し、空を飛ぶマグロです。
帰ってきたサケ(リターンズ)
帰ってきたぜ、俺たちの故郷(海洋)に……!
ヒトデ
食べられません。
その他
きれいな貝殻とか落ちてたりするみたいです。
すべて倒す必要はありません。ほどよいところで魚群はひいていきます。
美味しいところだけかじっていってください。
●状況
悲しいことにBBQの材料だけはありませんが、その辺に都合よく係留されている小舟があったりそういうものはあります。
あ、でも、食べたいものがあったら小麦粉とか米とかがあってもいいです。持ってきたことにしても大丈夫です。
●その他
魔物を退治したということで漁業組合からお手当てがでるみたいです。
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。
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