PandoraPartyProject

シナリオ詳細

進撃のバナナ

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●それはもうでっかいバナナ
 フィリピーナ山のふもとに広がるドール村は、毎年30センチはあろうかってゆー超巨大バナナが収穫出来ることが唯一にして最大の自慢であった。
「よっしゃ、今年も収穫の季節がやってきたぜよ!」
「このときのために生きとるぜよ!」
 麻のロープをたすき掛けにして気合いを入れた男衆は、村に伝わるバナナンの儀式を通し神への感謝を述べ、バナナ収穫ようの特殊器具を手に森へと飛び込んでいった。
「「バナナァー!」」
 一房連なったバナナが宙を浮遊し、男たちへと突っ込んでくる。
 そう、皆もよく知ってるフライングバナナの一般的な収穫風景だね!
 男たちは収穫専用器具ことカイトシールドおよびライフルで隊列を組むと、バナナたちの繰り出すバナナシュートを盾で防御しはじめる。
 一本ずつ発射されたバナナが盾ではじけ、べしゃーっとバナナ汁が散っていく。
「バナナシュートを撃たせるな! 収穫するバナナが減るぞ!」
「委細承知!」
 前衛盾チームがサッと頭を下げると共に、後方の攻撃チームがライフルを一斉射撃。
「「バナナァー!?」」
 弾幕に晒されたバナナは力尽きたように地面に落ち、その活動を止めた。
 手で広い、背負った竹籠に放り込んでいく男たち。
「さすがはフィリピーナ山のバナナぜよ。活きがいいぜよ」
「きっと味も良いぜよ。どれ、ひとつ味見でも――」
 バナナを剥いて食べようとした、その途端。
 男は『はうあ!』と言って目を見開いた。
 顔を青く、脂汗を吹き出し、震える膝を折って腹を押さえて前屈みとなる。
 みんなもこんな風になったことなかろうか。ぽんぽんめっちゃペインな時のモーションである。
「昨日食べた牡蠣鍋のせいぜよ……」
「おい待て、それって皆で囲んだやつ……ぜ……はうあっ!?」
 男たちはそろって膝をぷるぷるさせ、前屈みのまま村へとダッシュで帰って行った。

●バナナ狩りでバナナを狩猟するのは道理
「バナナ狩人の皆さんがそろってぽんぽんペインしちゃったのです。
 急遽代わりの狩人さんを探している――もとい! 狩人代行の依頼がきているのです!」
 バッと依頼書を翳す『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)。
「内容はカンタン! 山に入ってビッグバナナを沢山狩ることなのです!」
 ビッグバナナの狩猟方法はもっとカンタン!
 戦って!
 倒す!
 だけだ!
「ビッグバナナのことを本とかで勉強した方はいらっしゃいますか?
 人の顔くらいの高さまで浮遊する生き物で、毎年七月にはいる頃になると森の養分を吸って沢山生まれるのです。
 ビッグバナナの皮はとっても固くて、銃で撃ったり剣で切ったりしても身があんまり傷つかないって有名なのです。
 けど、あんまり乱雑にやっちゃうとバナナがひどく傷ついちゃうこともあるので、効率的に狩るには一工夫いるらしいのです」
 籠いっぱいのバナナを収穫できれば依頼はクリアとなる。
 さあ、籠をもって森へ入ろう!

GMコメント

 神様が『バナナを飛ばせ。バナナは裏切らない』と啓示をなさったので。

【オーダー】
 成功条件:ビッグバナナをいっぱい収穫する

 ビッグバナナの収穫方法は『攻撃すること』です。
 HPがめっちゃ低く回避や防御というもんを知らないバナナなので、大体はワンパンで行けることでしょう。
 ただしオーバーキルをしすぎると実が傷ついてしまい、食べられないバナナになっちゃう可能性があります。
 バナナ狩人たちはあえて攻撃力の低い武器とスキルを用い、デリケートな時には【不殺】スキルを使って倒すようにしていると言います。

 ビッグバナナはこちらを見つけるとバナナシュートという『神遠距単』スキルを使ってきます。HPの数パーセントを消費してバナナを放つのですが、このせいでバナナが一本ダメになっちゃいます。
 できるだけ遠のスキルを使わせない位置取りや作戦が必要になるでしょう。地味に【怒り】をはじめとする行動制限スキルが有効です。

 依頼の性質上、メンバーを細かく分散するのをお勧めします。
 2個のビッグバナナに8人がかりとかで挑んでいるとあっというまに時間が過ぎちゃうからです。

●おたのしみ
 もし皆がんばって沢山のバナナを収穫できたなら、依頼報酬の上乗せという形でバナナをごちそうしてくれるそうです。
 ドール村のビッグバナナは貴族も買うような高級品です。
 そのままいってもいいですが、お好みの調理法(?)があればリクエストしたり自分でやったりしてみましょう。ケーキとかジュースとかパフェとかチップスとか……なにげにバリエーションが広いですね!

【アドリブ度】
 ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
 プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用くださいませ。

  • 進撃のバナナ完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2018年07月16日 21時45分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

リゲル=アークライト(p3p000442)
白獅子剛剣
主人=公(p3p000578)
ハム子
シュクル・シュガー(p3p000627)
活菓子
江野 樹里(p3p000692)
ジュリエット
パティ・ポップ(p3p001367)
ドブネズミ行進曲
河津 下呂左衛門(p3p001569)
武者ガエル
稲荷・紺(p3p002027)
のじゃロリふぉっくす!
エメト・イス・ファルガリィア(p3p005592)
ただの旅人

リプレイ

●バナナは優秀な食材
 フィリピーナ山のふもとドール村。
 ぽんぽんぺいんと化したバナナハンターの皆さんに変わって雇われたのは、ローレットのイレギュラーズたちであった。
「実芭蕉でござるか。栄養があって食後の満足感も高い、身体作りには非常に役立つ果物でござるよな。噂には聞いていたが、命懸けの収穫をするのでござるな……あの美味しさの裏にはそんな苦労が」
「さすがに一部のバナナだけだと思いますよ?」
 『武者ガエル』河津 下呂左衛門(p3p001569)が『魚って切り身で泳いでるんじゃないんだー』みたいな学びを得ている横で、『ジュリエット』江野 樹里(p3p000692)がこっくりと首を傾げた。
「木に実ってる……このくらい? のバナナを収穫してるところを見たことがありますし」
 親指と中指で尺を示す樹里。
 それこそ学びの話だけど、バナナって基本的にはとっても小さくてちょっと青臭い食いモンらしい。あと飛ばないしバナナーって鳴かない。
「詳しいでござるな」
「かみさまですから」
 えっへんといって胸を張ってみせる樹里。
 すごく関係ないけど今の季節は水着や記念キャンペーンの隙間で受理率が低いって聞くので、樹里も別ジャンルに出張しているのかもしれない。しらないけど。
 その横でなるほどーという顔をしてる『のじゃロリふぉっくす!』稲荷・紺(p3p002027)。なんだかもっと無邪気さとか動きとか沢山書きたいところだけど勝手に書いていいもんかわからないのでここまでにさせていただきたい。御免。
 うんうんと頷く『死力の聖剣』リゲル=アークライト(p3p000442)。
「バナナ狩りが任務で楽しめるとは思わなかったな」
「おいおい、収穫は村一年分……といわずとも数ヶ月分の生活がかかってるんだぞ。しっかりたのむぜ」
 サングラスにスキンヘッドのバナナハンターがニヒルに言った。
 ニヒルに言ったけどお腹押さえてたし内股だしトイレの扉から顔だしての発言だった。
「俺たちはもうだめだ。今月分の収穫はあんたらに任せるしかない。赤字覚悟の外注依頼……せめて生活がホバリング出来る程度には頼むぜ」
「勿論だ。よし、皆……沢山収穫するぞ!」

 かくしてフィリピーナ山へとやってきたイレギュラーズたち。
 彼らが目にしたのは、遠くでふわんふわん飛んでるバナナの集団であった。
「バナナって飛ぶんだね……」
 混沌世界の人でもちょっと引く光景なのに、(記憶の無い)異世界人の『ハム子』主人=公(p3p000578)は当然のように引いていた。
「この分だとこっちの世界にはヘタをもぐと数秒で爆発するパイナップルとか鳥っぽいのに歩き回るだけのキウィフルーツもいて一カ所で採り過ぎると金色に輝くゴールデンキウィが現れて襲ってくるとかもあるのかなぁ?」
 本当にいそうなので困るたとえ話である。
「爆発するパイナップルは絶対ありそう」
「幻想でバナナって動いてたんでちか?? 摩訶不思議にも、ほどがあるでち。あちし的に、バナナはおいちーと思うでちけど」
 ちゅうちゅうと鼻を動かす『ドブネズミ行進曲』パティ・ポップ(p3p001367)。
「えっ、バナナってこうやってとるもんじゃないのか?」
 『活菓子』シュクル・シュガー(p3p000627)がものを知らない子供みたいに(実際知らないらしいが)振り返った。
「そっちの世界ではそうなの?」
「えっ、どうなんだろ」
「そうだったよ」
 『ただの旅人』エメト・イス・ファルガリィア(p3p005592)が更にややこしくなることを言った。
「こっちのバナナも空飛ぶんだー……世界が変わっても似たよう所があるのって、不思議」
 昔を懐かしむみたいに言うエメトである。公には(記憶が無いだけ余計に)共感しづらいノスタルジーであった。
「こっちのバナナも活きが良さそうだし、今から実食してみるのが楽しみだね!」
「う、うん」
「でちね」
「そうかな?」
 すげー曖昧に話を合わせつつ、イレギュラーズたちのバナナハントが始まったのだった。

●間食に最適。バナナは裏切らない
「俺の名はリゲル=アークライト――バナナを狩る者だ!」
 握りしめた剣を輝かせ、勇ましく立ち塞がるリゲル。
 どんなにかっこうよく書いても今やってることがバナナ狩りなので大胆な空振りになってしまうのだが、それでもリゲルは真剣だった。というかリゲルはいつも真剣だった。
「バナナは一般的で身近な果物だ。安価であるにも関わらず美味しく栄養価も高い。すぐにエネルギー摂取できるその実は、俺達戦士や人類の味方だ」
「「バナナー!」」
 リゲルの堂々とした挑発にのったビッグバナナたちがリゲルへと高速回転しながら迫っていく。
「水分が少なく果肉がみっちり詰まっているバナナが最高に美味いと聞く。君たちは日々運動し引き締めているのだろう? 美味しくないわけがない! ――今だ樹里さん!」
 ウオーと言いながらバナナに飛びかかるリゲル。
「へいらっしゃーい」
 両手にノービスマテリアル(バナナ)を持った樹里が『水着が受理されますように』という割と今更な祈りを捧げた途端、不受理メールの雨がバナナたちへと吹き出した。こんな時じゃないと使えないエフェクト。
「「バナナー!?」」
 不受理のショックでばたばた落ちるバナナ。一方で、木々の間から飛び出してきたバナナが自らの房から一本一本外して発射しはじめた。
「くっ、させるか!」
 間に割り込み盾を翳すリゲル。ぶつかったバナナがぐちゃーってなっていく。
「なんということだ。大事なバナナがだめに……」
「だいじょうぶです。かみさまなので」
 樹里が謎の自信をもって指を鳴らすと、後ろからのっそりお馬さんとカピブタが現われた。
「お馬さん、きゅいちゃん、やっておしまなさい!」
「ひひーん!」
「きゅいー!」
 鳴き方がこれでいいのかわからんが、べしゃってなったバナナを二人がかりでペロッペロしはじめる。
 そう、これこそが神の力。『スタッフがおいしく頂きました』である。
「神というか……馬の力では……」

「いけっ、ピューピルシール!」
 公がスリケンめいて放ったバッテン型バンソーコーがバナナたちに張り付く。
「バナナー!?」
 バナナシュートでバナナを放とうとしたビッグバナナたちは哀れ封印状態となった。
 ……たぶんシールってそういう意味のシールじゃないと思うけど、今日くらいはきっていいハンドルのはず。
「バナナって、こういう風に取るとは思ってなかったでちけどね。あ、こんなにもいるでち!」
 パティが振り返ってみると、別の木の裏からビッグバナナが飛び出してきた。
「バナナ!」
 房を千切って放つバナナシュート。
「なんか飛んでくるでち! よけるでち! これが神風特攻とか言うものでちかね??」
 がんばってバナナの回避を試みるパティ。
「では、こっちも、行くでち!」
 パティは漣のナイフを抜くとビッグバナナへと近づき、紫電一閃による攻撃をしかけた。
「一気に行くでち!」
「バナナー!?」
 切り裂かれ、カットバナナとなって落ちるビッグバナナ。
 それをいくらかキャッチすると、断面の……というか外観のまごうことなきバナナさに公が複雑な顔をした。
「どうやって飛んでるのかとか、どうやって声を出してたのかとか……考えたら負けなんだろうなあ」

「しゅがーぱんち!」
 シュクルが拳を金平糖みたいにしてバナナをぶん殴った。
 普通そんなモーニングハンマーみたいなの食らったら顔が砕けてグロく死ぬところだが、そこはシュガー。バナナは『アマァイ』とか言いながらへなへなして倒れるのみである。
「みたか!? 俺、今日のために武器をノービスナイフにしてきたんだぜ!」
「ナイフ関係ないなあいまの」
 エメトが近くのバナナを植物のツタがのびるようにしてぐるぐるに締め上げていた。
「バナナッ!」
 草むらから飛び出すバナナ。
 なんとなくバナナっていうと一本のやつを想像するが、ビッグバナナは30センチくらいのバナナががっつり連なる形で接続されているのでシルエットは柱っぽい。しかも大きいものだと1メートルを超えたりする。
 それが迫ってくるのはかなりのインパクトだが、エメトはどこかクールに振り返るとマジックフラワーの火花を起こして迎撃した。
「バナー!?」
 こげこげになって崩れ落ちるビッグバナナ。
「焼きバナナって結構美味しいって噂を聞いたんだけど、本当かな?」
「焦げた奴は美味しくないかもな」
 地道に締め上げるのが一番か。とエメトは頷いて再びバナナを締め上げていった。

 抜き足差し足カエル足。
 下呂左衛門は手を突き首を下げ、草むらの中を這うようにして進んでいた。
 草むらからちらりと出した特有のカエル目が、空中をぶんわかするビッグバナナの束を見つけ、一度大きく瞬きした。
 草むらに再び潜る。
 数秒のち。
「今でござる!」
 ふんどし一丁で飛び出した下呂左衛門はビッグバナナに組み付くと、自重でそのまま地面へと引きずり下ろした。
「ええい暴れるでない! 稲荷殿! 攻撃を!」
 下呂左衛門に呼びかけられ、草むらでじっとしていた紺がここぞとばかりに襲いかかり、ビッグバナナにトドメをさしていった。
「いざとなったらこのバナナ、しめ落とすまで――しめ、おとす? どこを?」
 とか言いながらバナナの軸(皆が根っこみたいに思ってる所の更に根元)を握ってきゅってひねると、ビッグバナナはぐったりと力を抜いた。
 ここまでくればこっちのもの。下呂左衛門はしめしめという顔でビッグバナナを風呂敷に包むと、次なるバナナを探して周囲をうかがった。
「むむ……あれに見えるはビッグバナナ。逃す手はござらん。稲荷殿、続けて行くでござる!」
 下呂左衛門は紺と共に、新たなビッグバナナめがけて走り出した。

 時系列はほぼつながって、森の中を駆け抜ける下呂左衛門と紺。
「ちゅー、多分、この辺りでちかね? ん? あっちでち!」
 彼らの音に気づいたパティが反対側から飛び出してくる。
 勿論公も一緒だ。
 漣のナイフで格闘攻撃をしかけるパティ。
「そのままそのまま!」
 公が素早く飛びついて、携帯ゲーム機のあの側面の硬いところでガッてやった。
「バナナッ!?」
 正面からぶつかったビッグバナナは思わず倒れ、その場にどっさりおっこちた。
「合流するなんて偶然だね」
 バナナを背負い籠にほいっと入れて、公が紺たちに手を振った。
「コレで、収穫おわったでちけど、これでいいんでちか??」
「必要な数は確保したけど、あとでごちそうになるならもっと欲しいし……ていうか、食べずに帰るの?」
「?」
 首を傾げるパティ。
 一方で下呂左衛門は周囲の気配に身構えていた。
 耳をすまさずとも感じる無数の気配。
「何やつ!」
「待て待て俺だ!」
 刀を突きつけると、リゲルが両手と剣を上げて立ち上がった。
「葉や枝をかするような移動音がするから駆けつけてみたんだが……」
「どうやら、ひとつところに集まってしまったようですね」
 樹里が一足遅れて現われる。ぱんぱんと膝についた土や葉っぱを払い落とす。
「なーんだ、味方だったのかよ」
 反対側からもシュクルがぴょんっと顔を出し、妙に上手に木に埋まっていたエメトが落ち着いた様子で姿を見せる。
「全員集合って感じゃの?」
「見たところバナナはある程度集まっているし、そろそろ帰ってもいいけれど……」
 そうもさせてくれないみたいだ。
 そう言って、エメトは後ろを振り返った。
「バナナァ……」
「「バーナナァ……」」
 複数のビッグバナナが現われ、エメトたちを取り囲んでいる。
 本来ここまで集まって移動することはない植物(?)だが、あちこちで見慣れない方法でバナナハントをしているイレギュラーズたちの存在に強く反応してしまったらしい。
「向こうから出てきてくれるなら――」
「手間が省けるよね――」
 それぞれ拳を構えるシュクルと公。
 パティがナイフを持って飛びかかる。
「行くでち!」
 バナナと三人が正面からぶつかる。
 反対側からバナナシュートを連発するビッグバナナたちには、下呂左衛門が立ち塞がった。
「やあやあ我こそは『井之中流』河津 下呂左衛門! 遠からん者は音にも聞け、近くば寄って目にも見よ!!」
 オーラを甲冑に変化させると、下呂左衛門はビッグバナナたちを引きつける。
 エメトと紺がそれぞれ飛びかかり、向かってくるバナナに衝撃やキックをおみまいしていった。
 そんな彼らのガードをもすり抜け、飛び込んでくるビッグバナナ。
 リゲルは意を決し、バナナへと抱きついた。
「俺はバナナが好きだ! 思い切り抱きしめて両手一杯収穫したい! ウェルカムバナナァー!」
 バナナと取っ組み合いになるリゲル。
「今だ樹里さん! 俺ごと撃てー!」
「そんなっ、リゲルさ……ちょっとまってくださいね」
 背中を向けて目薬をぽたりぽたり。
 もっかいこっち向いた樹里は胸の前で手を組み、涙(?)で頬をぬらした。
「そんなっ、リゲルさん! あなたの犠牲は無駄にはしま――今です!」
 絵師の窓が開いた瞬間に発注するかのごとき瞬発力でエーテルガトリングをぶっ放す樹里。
「ぐあー!」
「バナナー!」
 響く断末魔。

●実食
「ここはチョコバナナクレープにしてみたよ!」
 エプロンをしてフライパンをもった公が、クレープのあのうまいこと三角形に包む紙のやつにクレープ生地とあれこれを詰めて突きだした。
 字面的に女子モードで発現してそうだが、これを男子モードでやってると想像するのも乙な者である。言わない限り男女どちらの公も存在している。シュレティンなんとかの猫的なあれ。
 パティや紺もそれを分けて貰ってうまうましていた。
 今回は沢山収穫できたということで、ギリギリ売り物にならなそうなやつを分けて貰ったり、料理してもらったりしていた。
「俺はキャラメリゼに挑戦だ!」
 お菓子といえばシュクル。未だ元気に野原を駆け回っていた頃のバナナを読み取りつつ、料理したバナナをスプーンでガッといった。
「皆なかなか……拙者は凝った料理は出来ぬので、いただけるのならば慣れ親しんだ食べ方をさせて貰うでござるよ」
 といって、下呂左衛門はバナナをおにぎりにぶっさした。
 二度見する樹里。
 ねえあれ普通なんですかという顔で振り返ると、リゲルがニコニコしながら鞄にバナナをぎゅうぎゅう詰めにしていた。
「ハッ――ち、ちがうんだ。家族へのお土産にしたくて! バナナケーキを作りたいらしくて!」
「いえ、別に持って帰ってもいいですって」
 なんて、なごやかな会話を交わしながら。
 今回のバナナハントは平和に幕を閉じたのであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ――なんだかいい具合に盛り上がったのでバナナでも配ろうかと思ったんですが、それはさすがにあげすぎな感じがあるので、抽選で一名様……樹里さんに称号を差し上げておきます。使いどころの全く分からない称号です。

 使いどころが分からないと言えば、気づけば依頼アイコンがバナナになっていました。
 ユリーカちゃんが『せっかくだからバナナにしといたのです!』て拳突き上げていってる様を想像してください。
 ……なんでだよ!? 私もわからない!

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