PandoraPartyProject

シナリオ詳細

ながれは無意識の領域に神を宿し、その真実は回転によって嘔吐される、ああ、素晴らしきかな錯視的などんどこ!

完了

参加者 : 3 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●神との同一化を図るならば世界を間違えてはいないか?
 どんどこ、どこどこ。どんどこ、どこどこ。
 形容し難い、輪郭の捉えられない打楽器が、世界の中心で乱れ狂っていた。やけに小さなバチ・バチが両腕の内でたららと嗤い、素敵な素敵な神様の貌を表現していく。わん・つー・さん・し、と声掛け拍手し、並んだ並んだたくさんの信者達。ぶぉぉ、ぶぉぉぉぉ、奇怪なまでに楽し気な笛々の音も混じり合い、そろそろ始まりだとお偉いさんがお辞儀をした。とてもカラフルな衣装で身を包み、擁された感覚を多々に知らしめるのだ。嗚々、大いなる神は私達に告げている、もっと近くに寄りなさいと。
 因って、依って、ただ拠って、より道が大好きな君達にサービス・ドリンクを与えよう。わいわいと騒がしい中でいよいよ舞踏が始まった。重低音が蔓延る中心で渦を描け、嗚呼、このふわふわとした真っ白はスカートに似ていた――ぼんやりと傾斜した頭と頭、地面につけないように工夫して! ねえ、神様ってどんな神様? そんなのどうだっていいじゃない!
 回転流に巻き込まれ、人々はゲーミングに発光していく。名状し難さを揮いながらもぐったりし、現の楽しさを表現していた。さあ、今度は君の番さ! 手を取り足掬われ、ぐるり、文字通りに謀られた!!!

●トランスした君は神の姿を視認出来ない
「なんかちょっと怖くなってきたんだけど」
 境界案内人ポルックス・ジェミニは『思い出した』かのようにぐるぐると踊り始め、よろよろと壁に縋ってみせた。
「ふわふわするスカートもくらくらする景色も、なんだか長続きすると可笑しくなりそうにならない? わたしはそう感じちゃってたまらないのよ。程々が良いって言ったけどこういう事なんじゃないかしら……ぐるぐるしている世界の事よ。改めて説明するね」
 何もかもが回りに回っている世界観、人々はぐるぐるする事を至上の楽しみとして見出している。
「それでね。神様と同一化する為に只管ぐるぐるするってのが流行り始めたのよ。たぶん大丈夫だと思うけど、その流行、探ってきてくれないかしら? 実際に経験して来たら何かわかるかもしれないし……よろしくね」
 本は持った? 錯視が脳をバグらせるような……。

NMコメント

 にゃあらです。
 混沌は自転する。

●ぐるぐるしている世界
 何もかもがぐるぐるしています。
 人も鳥も虫も、天地も神様もぐるぐるぐーるぐる。

●目標
 ぐるぐるする事で『神と同一化』する流行の調査。
 実際にやってみる。
 もしかしたら何か『見てはいけないもの』を見てしまうかもしれません。
 気持ち悪くなったり楽しくなったり。でも大丈夫『君達だけは帰ってこれます』よ。

●特殊ルール
 この世界ではどんな種族であれ『ぐるぐるすると目が回ります』そうでなければ楽しくないでしょう。

●サンプルプレイング

旅人Ⅰ
「なんかどっかで聞いたことのある舞踏だな?」
 取り敢えず神様と同一化するまでぐるぐるする。
 ふらついても倒れても何度も何度も繰り返し。
 頭の中がぐっちゃぐちゃになるけど、その内に真っ白く穴が開いた。
 ああ、これが世界の真実なんだ。俺だけの本当なんだ。
 ありがとう、それが楽しいって事なんだな。

純種Ⅰ
「うさんくさい話だねぇ。嫌な予感しかしないよ」
 経験しなけりゃお話にならないなら渋々と踊ってみよう。
 振り回したりはするけれど振り回されるのは久しぶりだねぇ。
 ああ、だから嫌だったんだ。座る事だって楽じゃない。
 この世に神なんていないのさ。
「……一休みもさせてくれないなんて、どうかしてるわ」

  • ながれは無意識の領域に神を宿し、その真実は回転によって嘔吐される、ああ、素晴らしきかな錯視的などんどこ!完了
  • NM名にゃあら
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年08月30日 22時05分
  • 参加人数3/4人
  • 相談4日
  • 参加費100RC

参加者 : 3 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(3人)

エル=シャドウ(p3p000986)
シャドウストーカー
寒櫻院・史之(p3p002233)
冬結
シャルロッテ・ナックル(p3p009744)
ラド・バウB級闘士

リプレイ

●少女は灯台を踏んで目を回した
 何もかもが莫迦々々しい世界観を好んでいた、誑かされても嘘吐かれても、憑かれたかの如く回転する貌は滑稽にも人間らしいと考えられる。『影こそ本体』エル=シャドウ(p3p000986)の金と茶がひっくり返ったかのような、でんぐりを呆れ風に。ふん、神か……くだらん存在だ。だらだらと過ごしているぐるぐるな民にはお似合いだろうか、掛け合った甘い甘い水が逆流に癒しを与えてくれる。可笑しいとは思えないのか。全てを救うものなど在り得ない。等しく愛を注ぐなど化け物じみた所業なのだ。傲慢かつ盲目な全能など息絶えてしまえば良い。嗚呼。もしも『そんなもの』が本当に存在していたなら、かつての我に……元の世界にいた頃の我、つまりは一個の影に、手を差し伸べてくれてもよかっただろうに――憎たらしくもティー・セット、ぐつぐつと幾番かの煎じを成している。おい、そこの貴様。サービス・ドリンクは誰にだって渡される、たとえオマエが神様嫌いだとしてもだ。飲まねばやっていられぬだろう。塗りたくった葡萄酒の色はとっても黄色! こんなもの、酸っぱいだけの出来損ないだ。スカート、スカートは着ないのかい? バカ者、着替えるわけなかろう。如何してなのかと問い詰めてくる俗物、ぶつぶつと騒がしいのを置き去りに同一化を望み給えよ!
 まぁ、仕事だ。拒否はしないさ。じゃあこの世界を肯定してくれるんだね。鬼ごっこの前にはたぁくさん回るんだよ。だって回らないと影を踏む意味が無いじゃないか! 溜息ついてシヨウがなく、好きなだけ回ってやろう。ねえ、神様って真っ赤なんだよ! 真っ赤で真っ赫で、皆の蝸牛を液状にするんだ。ぼんやりと、しかしハッキリとした景色が視えてくる。これを邪悪と謂うのか正常と謂うのかは傍ら次第なのだろう。ほら、ぐるぐる、ぐるぐる――疼き始めた邪気眼もめまいと呼ばれる麻酔には敵わないのか、生涯叶わない何かを掻っ攫った、宙の果てには夜鷹。
 溶けてしまえばいいさ、なにもかも。猛烈な速度に達したオマエ、塑れは最終的に『かたち』を見失っていくのだろう。懐かしくも儚い黒色の渦巻きだ――吐かないなんてよく笑ったものである――ぐるぐるぐるぐる。年若い少女のオッド・アイが限界を訴えている、それが問題なのかと神様が一蹴した。こじらせているのは貴様ではないか。堕ちた天使は振盪して魅せた。
 実はジェットコースターが苦手なんだよね。住民のひとりが勝手に暴露した。そんなもの『恥ずかしい』事ではなかろう。約一時間を得たオマエはぐんにゃりとよろけていた。

●分電盤は酒に跨って目を回した
 まわりゃんせ。まわりゃんせ。おまけに百度まわりゃんせ。ここはどこの細道かと『若木』秋宮・史之(p3p002233)が訊いている。右も左も上も下も、挙句は次元までぐるぐるぐるぐる。ジェットコースターとドンペリかついでひどい愉しさに溺れている、にこにこ笑顔でゲロぶちまけてら。瞳を観察しようにも汚くて穢くて近付けやしない、内臓ぐるぐるしたい人はよっといで。乾杯する為のグラス・盃が酸欠だ、酔っといて嘔吐でもしておいで。手招きされた胃袋が惨々と虐められ傷めつけられ絶望している、そんなの構うもんか! 祭具の名前はミラー・ボール、ビックリ・ハウスを飾り付けるのにもってこいだ。さあ、ハッピー・バースディもアンハッピー・バースディもどんどこどんどこ手を取り合って踊って踊ってピルエットなんか殺してしまえ。神様に遭うにゃ回るのが一番。もちろん俺も回るよ。本当に? 本当さ。彼方のバルーンの燃料は胃液だって神様が吐いているのだから……知っているとも。
 神様は乱痴気騒ぎが大好きで静かな寂かなお祭りなんて望んじゃいない。そんなの世紀が始まる前にアベルとカインが証明している。ねえねえ、人殺しだって叫んでみたら如何? それはいけない、回って回って人が死ぬなら、それこそ窒息が原因じゃあないか! だから躊躇せずに混ざりこんでぐるぐる。楽しいね楽しいね、苦しいね。真っ蒼なお顔は地面とお友達、気持ちいい気持ち悪くキモチイイ。ぴーひょろぴーひょろ、魔笛の戯れもっと寄越せよ。足りないんだ酩酊させろ。自棄に爛れたアルコールも不足していたのだ、まぁだ嘔吐にゃちぃと足りない。青臭い満月を眺めたって満足には程遠いのだ――青春に必要なタイヤの遊具を忘れたのかい? お友達に回してもらったゲロゲロさ……胸いっぱい吸い込んだろくな思い出がねえ空き缶蹴り飛ばしてえ……選んだ服が台無しじゃないか! ヴォエー!!!
 現実逃避にはぐるぐるがうってつけ。漬物石の真下で回転するしかないじゃん。何が視える何も視えないそれでも身体は正直なもので目はチカチカ頭はガンガン、冷蔵庫に撲られている。ぶっ倒れるまで回っても、知ってる、神様は我儘で自分勝手、僕はただの玩具。振り回されたり振り回したり、逆説的には無神論者。酒持ってこいよ、バッカスなら信じてやる――本物の頭痛と吐き気にオロロロ手! 神との同一化はとうに果たされているわけだ、ハレルヤ? いいやヤグサハ、この目の回しっぷりは感嘆に値する。
 身体的苦痛が精神的快楽に変わるなんて当たり前の領域ではないのか。投下した硝子の破片が脳髄に突き刺さって、ズキズキと嗤ってくれる。宗教的神秘体験ブラボー盛りだくさん。愚がたっぷり詰まった肉の袋は愉しめそうかい? でも僕はMじゃないので勘弁な。アハハ、アハハの二重螺旋だ、成程、オマエは嘘を吐くのが得意らしい――回って回って病人のふりして、あの子の膝に倒れこむのさ。もうぐるぐるが止まらない治まらない。現実での自分はどうなってしまうのだろうか。初めまして地獄の一週間、げろげろしちゃって介抱されちゃおうね。

●令嬢は球の上で目を回した
 ひとつひとつの経験を石と見立てれば美味しい事で、此度の石の名は『耳石』で在った。ころころと身勝手に転がる貌は吐き気への一直線、閃光の如くと告げても差し支えないだろう。カミサマとひとつになれるなんて、なんて『素敵』なことでしょう! 『青白い令嬢』シャルロッテ・ナックル(p3p009744)はふわふわとした茶色にオレンジをたたえ、その肉体美を存分に映えさせていた。お隣に生えていたのは雑草で、そう、この領域は子供達の楽園に違いない。ワタクシもぐるりぐるりと回って目一杯楽しみますわー! 目玉だけにと付け加えたらキャッキャキャッキャ、少年少女の期待の眼差しが刺さっている。ぐるりと周囲を確かめたならばぽっと出の回転ジャングルジム。おねーさん、それグローブジャングルって言うんだって。ひとつ賢くなりましたわと笑いつつ、さあ組み合って組み合ってオマエの片手片足は今から遊具の一部分なのだ。高らかにぐるぐるの開始を叫べ――レッツ、ローリングですわ!! たとえ会話が出来なくとも筋肉が在れば問題などない、さすれば神も応えよう。
 回せ回れ舞い上がる踊り子の如く、体重をうまく使えばグングンと加速していくだろう。いずれオマエは輪郭を失い、バターじみて世界と融合するのだから。ぐるぐる何処まで続くと謂うのか、無論底までに決まっている。視えてこない終着点が何度も何度も脳裡を弄ってくる。くるくるくるくると一時間、限界だろうかと暗夜が覆っていた。混濁……最早気持ち悪さは気持ち良さに変換されアンハッピーターンの底無しへと墜ちていく頭、光を殺し尽くす魔法の粉が降り掛かった。同時、嗚呼、この記憶は何だと謂うのか。片鱗がオマエのアストラルの側面を引っ掻いている――抜け出す事の叶わない迷宮を歩いている、自分。
 ぞわり、と、頬っぺが蒼に染まった。臓腑が悲鳴をあげ、脳味噌が眼球に警鐘を伝えている。ふらりと手を離せば罰だとばかりに吹っ飛ばされた。ごろごろごろん、ダルマのように。なんて……なんて素敵な悪夢なのでしょう! 血反吐と汚物に挟まれて、ぞくぞく具合が留まらない。ワタクシ、あまりの悍ましさと興奮に膝の震えが止まりませんわ!! 涎なのか血液なのかも一切、わからなくなった。おねーさんはもう回らないの? 少年少女が首を傾げる。えぇ、ええ、もちろん続行でしてよ! その恐怖への魅力、きっとワタクシを昇華させてくれるに違いありません!! うふふ。うふふふふ。それならこっちの妙なオブジェクトに座ったらどうだ、いいえ、回転ジャングルジムを制覇したら座りましょう! ランク付けするならばまだまだDだ。
 ある種の不滅を宿しつつ三半規管をぶち壊してしまえ。次はもっと。次の次はもっともっと。次の次の次は――もーーーーっと回ってみせますわぁ!!! 息がこぼれて蒼は桃に、永久の恍惚に囚われた牡牛の酔う……オレンジをもいだ地球が、くるくるを観察していた。
 ぶっ倒れるまでずっとずっと、味わい深いと反芻すれば好い。ごきげんよう、あなた様!

●神様は目を回している君達に大袈裟だなぁと
 グローブジャングルから解放された誰かさん、嗜みだと微笑んで不必要だと袋小路を棄てた。自転していた誰かさんはただ酔っ払って神様を叩くのだろうか。年若い誰かさんは逆転の繰り返しでもう自分がどっちなのか判断つかなくなっていた。皆々世界の真ん中に集ったら、住民達に無理矢理『うずのなか』へ落とされる。やいの、やいの。これが目を回して、神様と同一化した人の姿だよ。好いなぁ、良いなぁ、随分と楽しそうだなぁ。男も女も次々と我先、ぐちゃどろの潮加減に還っていく――ぼちゃん。最後のひとりが失せたなら、さあ、融け込んで終おう。
 魔女の巨釜で掻き混ぜられたら神様の大笑い、これが真の混沌とオロロと挙げろ! いとしのシャワーの水底へ、どこどこどんどこどこどこどんどこ、ぐるぐるぐるぐる、貌を晒した本物の終着、点@を定める事は何者にも出来ない。

成否

成功

状態異常

なし

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