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シナリオ詳細

怪談百(仮)物語

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●夏にやることと言えば……
「これは、あるイレギュラーズの男に降り注いだ出来事です……」

 そう言って、境界図書館の明かりをゆっくりと消しながら、エーリッヒが火を灯した蝋燭を前に語り始める。
 彼が知るイレギュラーズの男に襲いかかった、オカルト話を。

「その男、昔からドジな部分が多くてですね……。何かに付けては、小さなドジを繰り返すことが多かったんです」
「森へ向かえば道に迷い、海へ向かえばいつの間にかびしょ濡れに、なにもない草原なのにすっ転んだり……」

 語り部のエーリッヒは最初はその男について愉快そうに喋る。
 その男が如何にドジで、どうしてこうなってしまったのかと呆れ返りながらも。
 だが……ある1つのドジを語り始めたところで、彼の口調が少しずつおどろおどろしいものに変わっていった。

「その日もね……森で迷ってしまって、ああ、どうしようかと悩んでいたそうなんです。手持ちにある光源でなんとか森を抜けなければならないと、焦っていたんです」
「幸いにも、道はありました。ですから道を辿っていけば森から出ることは可能なんです。可能、だったんです」

 一呼吸置いて、エーリッヒはうっすらと笑う。何が起きたと思う? と、小さな問いかけを残して。
 1,2分ほどの無音の後、イレギュラーズの返答を聞く間もなく再びエーリッヒは語り始める。
 ドジな男に起きてしまった出来事の続きを。

「ふと、男は気になって後ろを振り向いたんです。夜の森ですから、動物に噛みつかれたら危ないなぁ、と思ってね」
「でも、そこにあるのは無数の光。……ええ、小さなまぁるい光だけが有りました」
「男を囲うように、まるで見守るように点々とした光が後ろにあったんですよ」
「ああ、流石に見られてるなぁと思って、男は足を早く進めました」

 大丈夫だったでしょう? と言わんばかりに、安心感のある声を出したエーリッヒ。
 男はそのまま普通に歩き出したことを語るのだが……エーリッヒは最後の最後、男が気づいてしまった真実をイレギュラーズに突きつけた。

「――でも、ね。彼は気づいてしまったんですよ。『動物がいない』ことにね」
「点々とした光。傍から見ればそれは、動物の目が光っているようにも見えることでしょう」
「ですが、そもそも……」


「動物の目って、とても強い光を貰わない限りは光らないんですよねぇ」


 そこまで言うと、エーリッヒは蝋燭の火を吹き消した――。


●怪談話!
「ということで、私の怪談話はいかがでしたか?」

 ニコニコ笑顔で境界図書館の明かりをつけたエーリッヒ。満足そうで、胡散臭い笑顔がそこにある。
 しかし彼は自分の怪談話だけでは物足りないからと、イレギュラーズを集めたのだそうだ。

 名付けて『イレギュラーズ怪談百物語』をやりたいのだそうで、とりあえずまずは4人集まってやってみよう! という話で人を集めたのだという。
 自分が怪談と思えるものならなんでもいいので、それを恐ろしさを交えて語って欲しいのだと。

「創作、自分の身に起きたこと……なんでもいいです。やっぱり夏って言ったら、怪談話するのもまた一つの醍醐味だと思うので!」

 夏も終わるし、水着や浴衣だけが楽しみなのではない! と力説したエーリッヒ。
 むしろ本番はこの怪談話なのだと、強く強く力説した。

 さて、どんな怪談話を語ろうか……。

NMコメント

 はじめましての方ははじめまして、御影イズミです。
 夏だけど、そういや怪談系のシナリオって見てないなぁと思って作りました。
 別名「NMをビビらせる会場」になります。

 なおこちらのシナリオはプレイングの締切が短いので、プレイングの最終確認を忘れずに!

◆目標
 怪談話を語る

◆怪談話について
 イレギュラーズ自身に起きた出来事、あるいはイレギュラーズが考えた創作の怪談話。
 どちらでも構いません。とにかく怖がらせることができればOKです。
 プレイングには「自身に起きた出来事」か「創作の怪談話」の一言を入れてください。

 なお聞き手として、境界案内人のエーリッヒ・アーベントロートを出すことも可能です。
 反応がほしい方はプレイングに記載をお願いします。

◆サンプルプレイング
 状況:自身に起きたこと

 実は俺、昔……本物の幽霊に会ったことがあるんだ。
 やばくない幽霊だよな? と思って近づいたんだけど、急に寒気が来たんだ!
 近づいたら殺される! ってなったから急いでその場を離れたんだけど……。
 いつの間にか先回りしてて、俺の行き先を塞いでたんだ!
 そこから先は……覚えてない。もしかしたら、今も俺に……。

  • 怪談百(仮)物語完了
  • NM名御影イズミ
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年09月01日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談3日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

江野 樹里(p3p000692)
ジュリエット
メリー・フローラ・アベル(p3p007440)
虚無堕ち魔法少女
金枝 繁茂(p3p008917)
善悪の彼岸
原田 幸村(p3p009848)
あやかし憑き

リプレイ

●真っ暗な林の中で……。

「あれは、私が本当に小さかった頃の出来事です……」

 ――江野 樹里の怪談話。

 彼女が住んでいたところは都会で、自然があまり無い土地。
 家の裏手にある小さな森……というよりは林のみで自然と触れ合える程度だった。

「当然、大人達に入っちゃいけないよと言われていたのですが…子供の好奇心というのは怖いものです」

 好奇心に負けた樹里は仲良しの子を呼んで、林を探検することになった。
 中に何があるのだろう。どんな光景が広がっているのだろう。そんな期待で胸を膨らませて。

 夏の蒸し暑い、鬱蒼と生い茂る樹々の中。
 30分ほど丁度いい感じの木の棒を持って探検していると、突然目の前が開けたという。

「それまでは樹々がたくさん詰まっていたのに、本当に突然。……そしてその場所には、静謐な雰囲気の洋館があったんです」

 あまりにも突然で、幼い子供達は何も言葉を発することなく顔を見合わせたという。

 誰かがいるのかなと少し周囲を見回しても、館には人の気配がまったく無い。
 洋館の周囲の草木は人の手が入っていて、林の中にあるとは思えないほど整頓されているというのに……誰もいない。

 家の裏手にこんな綺麗な屋敷があったことを隠していたから、大人達は入っちゃいけないと言っていたんだ! と何処か納得の顔を見せた幼い樹里は、一歩、前へ進もうとした。

「その時、ぶわって顔に蜘蛛の巣が張り付いてしまって。パニックになった私達は洋館のことも忘れて、顔の蜘蛛の巣をどうにかしなきゃ! ってなって慌ててもと来た道を走って、林を抜け出したんです」

 そうしてその探検は終了したんですが……と樹里がここまで伝える。
 しかし、この話はまだ終わらないのだそうで。ゆらり、蝋燭が揺れる。

「でもね、おかしいんです。あそこは森と言うには狭く、小さな林。30分も歩き続けられるほど広くはないのです。……林の先に洋館なんて無いはずで……」

 先にも言ったとおり、樹里の住んでいた場所は都会。林もそこまで大きくはなく、土地的にも洋館を構えるには狭い。
 その事実に気づいてしまった樹里は、当時の話を友人に振ってみたのだが……。

「答えは、『何の話?』と。そして、『あの林に立ち入ったことあったっけ?』とだけ。……私の隣にいたあの子は、誰だったのでしょうか……」

 ――もし、蜘蛛の巣に絡まれていなければ?

 その言葉を最後に、彼女の怪談は終わりを告げた。


●不思議な力を持った少女
「自身に起きた……ていうか、他人が話してた怪談話を偶然聞いただけなんだけど」

 ――メリー・フローラ・アベルの怪談話。

 彼女は召還される前、森に囲まれた土地にある箱庭のような田舎町に住んでいた。
 線路も道路も一本ずつ都市に通じている場所で、彼女は時折駅長を脅して運賃を負担させて都市へと遊びに行っていたそうだ。

 聞き手のエーリッヒは食い入るように聞き続けていた。
 人の感情を知りたがる男だからか、彼女が何故そこまでして都市に行くのか気になってしょうがない様子。

「そうして都市に出かけたある日、喫茶店で一服していたら、他の客が怪談……っていうか、都市伝説?の話をしているのが耳に入ってきたの」
「ほほう、都市伝説。それは?」
「いくつか話を聞いていたけれど、特に印象に残ったのは……不思議な力を持った少女の話ね」
「少女、ですか」

 小さくうなずいたメリーは、その話を続ける。

 少女は手を触れずに人を傷つけたり殺したりする不思議な力を持っており、その力で周囲の人間を脅して屈服させては好き放題ワガママを押し通しているそうだ。
 母親には自分の好きな食事ばかり作らせ、父親には高い玩具を買わせてはすぐに飽きて捨てて。
 気に入らないクラスメイトは一生寝たきりの体になるぐらいに痛めつけ、口答えをした先生は頭を消し飛ばし。
 そして極めつけは、町に1つしかない唯一の駅の駅長には電車の家賃を負担させているんだそうだ。

 ここまで聞いて、エーリッヒは何かを察してしまった。察してしまったのだけれど、話は終わっていないので続けてもらう。

「その語り手は最後にこう言ったわ。『少女は森で囲まれた土地の田舎町で暮らしているけど、時々都市に遊びに来るらしい』と」
「なるほど。それ以外には何かおっしゃられてましたか?」
「ええ、もちろん。『モグラのポシェットを持った、白人の少女を見たらすぐに逃げろ』って」
「モグラのポシェット……」

 確かにそういうのは目立ちますもんねぇ、と相槌を打ったエーリッヒ。
 恐ろしい話でしょう? とメリーの目線がエーリッヒの眼を捉えると彼はそうですねえ、とだけ答えた。

 そう、とても恐ろしい話なのだ。
 エーリッヒにしてみれば。

 ――その噂の中心となっている人物は、今、丁度……。


●恋人の正体とは?
「怖い話って意外と周りであったりするから気を付けないと自分が巻き込まれちゃうかもなんだよね~」

 ――金枝 繁茂の怪談話。
 これは、彼の友達の友達から聞いた話である。

 とある男が一人暮らしをしていた。
 その男は年齢が30を超えるにも関わらず、恋人を作ったことがない。
 おかげで身内で集まる度に、早く恋人を作れ、早く子供を作れとせっつかれていた。

 あまりにも長いこと言われ続ける故に、男は一念発起して恋人を作ろうと思い立ったそうで。

「でも、30年も恋愛経験がないってことで、とりあえず架空の恋人と一緒に住んでいるつもりで生活をして、少しでも経験を積もうとしたんだ」

 長く経験がないと女性を迎えた時にどうしたらいいのかわからなくなる、ということからその男は架空ではあるも恋人を作ることで『恋人がいる』という概念から手に入れたという。

 最初はぎこちなく、忘れ気味になりつつもあったが、一月も暮せば自然とその生活は身についた。
 おはようからおやすみまで、恋人がそこにいると思って暮らしを共にし続けると、男は不思議と前向きな気持になってきたという。

 しかし、とある日のこと。
 男は洗い物をしている時、なんとなく、本当に何の気無しに架空の恋人に告白をしたという。
 『俺と結婚してくれ』と。

「そしたら……背後から、はい、って返事が聞こえたんだって」

 架空とは、存在し得ない、想像で生まれたもの。
 男が作り上げた想像でしかない恋人から、本来であれば答えは返ってくるはずはない。

 だというのに、男にははっきりと聞こえていた。
 結婚してくれという問いかけに対する、きちんとした答えが。

「流石に気味が悪くなったんだろうね。すぐに引っ越しをしたんだよ、彼。そのおかげで今では素敵な恋人もできて、楽しく暮らしているんだって」
「今度、友達がその男の新居に遊びに行くんだけど、どんな恋人ができたのか見るのが楽しみだそうだよ」

 はい、これでおしまい。そう言いたげに、繁茂は両手を叩く。
 人によりそうな怖い話だが、見方によってはハッピーエンドかもしれない。彼はそう呟いて、話を終わらせた。

 ――もしかしたら、こうして話している今も尚……。


●霊媒体質の男の子
「いやぁ、これはテンション上がるね! 色んな人の怪談話が聞けて良いね! ってことで、俺も1つ、怪談話をしようか」

 ――原田 幸村の怪談話。

 あるところに、1人の男の子がいた。
 その子は所謂『霊媒体質』であり、幼い頃から霊や異形に取り憑かれたり、時には襲われていた。
 おかげさまで家族以外には男の子に近づく者はおらず、いつも孤独だったそうだ。

「ある時、男の子は1人で公園のブランコで黄昏れていた。いつも、一人ぼっちで気持ち悪い……そう呼ばれている自分に、男の子は死にたくなっていたんだ」

 死という概念は、時には衰弱した精神を蝕んで支配する……という言葉を述べたのは、幸村の話を聞いているエーリッヒ。
 彼は怪談話に耳を傾けながらも、何故少年がそうなってしまったのか、少年はその後どうなるのかと行った興味が湧いているそうで。

「まあ、人間の集団心理というのは怖いですよね。その子がなにかしたわけでもないのに、いるだけでそうなるっていうのは」
「まあな。で、そんな男の子のところに彼女は現れたんだ」
「彼女……? 女性ですか?」
「ああ。黒い防止と黒のワンピースを着た、身長285cmの長身の女性。の、異形だな」
「まあ、そんな身長な女性って異形以外の何物でもないと思うんですよね」

 そうだよなぁ、とエーリッヒの言葉に小さく笑った幸村。
 エーリッヒも幸村も、その存在に対して気づいたのは『八尺様』という、都市伝説の存在でも有名なものだったが……男の子は、伝え聞いていた格好とは違ったのでまた違う別の存在だと判断していたそうだ。

 ああ、じゃあ。と……男の子は、1つ脳裏に思い浮かべたという。
 『どうせ死ぬなら、こんな美人のお姉さんの手で死にたい』と。

「それで……男の子は、それを伝えましたか?」
「ああ、懇願した。どうか僕を殺してくれ……とね」

 しかしその後の顛末は……なんとも不思議なもので。
 彼女は、黒の異形はそれを断ったという。

 それどころか別の提案――存在が安定していないため、男の子守護霊として取り憑かせてくれという提案を上げたという。

「以来、彼女を八尺さんと呼びつつ、男の子は楽しく過ごしているそうだ」
「なるほど。親しく名を呼べる仲を作れたということで……ん?」

 エーリッヒは今の流れで、全て気づいてしまった。

 ――幸村の背後で彼の話を嬉しそうに聞き続ける、黒い女性の存在にも……。

成否

成功

状態異常

なし

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