PandoraPartyProject

シナリオ詳細

スイカを割るって聞いたんだけど

完了

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オープニング

●太陽まで回転し始めたらこの世界はどうなるのか
 なんて考えている暇な時間、それを潰すにはどんな遊びが素敵だろう。
 ――どっかのお姉ちゃんがパラバルーン持ってきてくれたよ!
 ――いやいや、やはり此処は大人の嗜み、お酒を飲んでから決めた方がいいさ。
 ――踊りましょうよ、踊りましょう。あのステージに上がれば皆がきっとお姫様!
 ――ジェットコースターの改装なんて如何だろうか?
 わいわい、ざわざわ、住民達がひとり、またひとりと楽しそうに案を挙げていく。これもいいあれもいいと積まれていくシュールな世界観、最終的に女の子が「はい」と手を伸ばした。
 ――スイカ割りはどうかしら?
 ああ、そうだ。如何してこんなにも『シンプルな事』を忘れていたのだろう。今は夏、燦々と陽がぐるぐるしている季節だ。だったら冷やした縞模様をぶっ叩くのが大正義と言えよう。ところで何が大切なものを失くしてはいないか。
 ――スイカがないわ!!!
 ざわめく住民、しかし騒々しさは瞬と消え――まあスイカ無くても良いよね。そうだよね。スイカの代わりに空気を割ろうよ。もういっそ割らなくてもいいんじゃない? それじゃあ木の棒持ってぐるぐる燥ぎましょう!
 そういうことになった。

●水着で全員集合してね
「皆、ぐるぐるしている世界の事は憶えているかな? 新しいぐるぐるで遊んだりしたよね。その世界で今度『スイカ割り』するんだってさ! え? じゃあなんでスイカがないのかって? まああの世界だからね」
 境界案内人であるルックス・ジェミニは丁度いい感じの『木の棒』を片手に説明を始めた。
「もう一度説明するけど『ぐるぐるしている世界』の住民は『ぐるぐる』する事やしているものが大好きみたいだよ。それで今回は『スイカがないからぐるぐるするだけ』なんだってさ。どんなふうに? 見ててよ」
 木の棒を地面に突っ立ててお辞儀する様に額を上へ、そのままぐるぐる回ってみせた。
「皆もこういう遊び知ってるんじゃないかしら? ……あ、あれ? 前より傾いてるような……」
 ぐらり、ばたん。きゅぅ――そりゃそうなる。
「ほ、程々にしても立ってられないわ……皆も気を付けてね!」

NMコメント

 にゃあらです。
 海だ! 水着だ!
 このライブノベルはラリーです。
 第一章での終了を予定しています。

●ぐるぐるしている世界
 文字通りです。何もかもがぐるぐるしています。
 これで三度目らしいです。
 虫も花も人も地面も空も星も、ぐるぐるぐるぐるぐーるぐる。

●目標
 ぐるぐる大好きな住民がスイカ割りを始めたそうです。
 スイカは無かったようです。なので回るだけ。
 しっかり目が回るまでぐるぐる棒どうぞ。
 水着で遊ぶのも楽しいかもしれません。

●特殊ルール
 この世界ではどんな種族であれ『ぐるぐるすると目が回ります』そうでなければ楽しくないでしょう。

●サンプルプレイング
「いや、スイカないのかよ」
 ツッコミをいれつつ木の棒を使ってぐるぐるします
 目隠しもしっかり行いスイカがあるかのように振る舞います
「……これで何回目だ? そろそろ倒れそうなんだが」
 え? もっとぐるぐるしろ? 無茶を言うなって。
「あー……もうダメだ。あとは頼んだぜ」
 そのままぶっ倒れて空を見上げる。太陽が綺麗だなぁ

  • スイカを割るって聞いたんだけど完了
  • NM名にゃあら
  • 種別ラリー(LN)
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年08月12日 18時50分
  • 章数1章
  • 総採用数1人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

襞々 もつ(p3p007352)
ザクロ

 緑黒の縞模様が存在しないと謂うのなら、ああ、馥郁は何処から漂ってくるのかとジューサーの群れが首を傾げた。代わりにおにく持ってきましたよ! 襞々の燥ぎようが人々に伝わると茫然、おにくは柔らかくてカチ割れないじゃないかと指摘された。だからぐるぐるしなさいですって? たとえば肉を叩く棒状、彼等を脳味噌に突っ込んだら如何なるだろうか――そりゃ吊るされた干し肉に訊くもんですよ! 頭を下にして額と真っ平らがお友達、指差しで確認する暇もなく。一回、二回、三回と――あ、ちゃんと数えてくださいね。ぐるぐるしてるこっちは混乱してますから!
 ぐるん――と、地面が歪み始めればそろそろヤバいと冷汗が垂れた。じゅうじゅうと焼かれるステーキ肉が如くにもつ、漿液が世界に引っ張られる。ばたん。もだもだ、ごろごろ、芋虫じみて転がる貌はマット上のお遊戯だろうか。上向き手伸ばし縋りつく。
 誰か! 誰かお袋さんもってませんか! 聳え立つバケツプリンでも構わない、ぐっちゃぐちゃにされた蝸牛が塩気に苛まれている。あはは! おにくの笑顔が蠢いていますよ。スイカがあってもこりゃ割れませんわ……ぐらぐらと揺れているのは滅裂な法に違いない。
 目を開けていても目を閉じていても回っている現実は変わらない。生えていたハツを捌くように繊細な器官、世界は只管に蠕動だと訴えていた――おえっ――耐えなければならない。胃袋の中の蟾蜍が勿体ないのだ。

成否

成功


第1章 第2節

 スイカが割れなかったとしても撹拌する事は容易かった。
 誑かされた人類のように、這いつくばる蝸牛の貌は楽し気だったに違いない。
 転倒した民の世界はブレにブレ、ケラケラと同時に笑い合った。
 ――あのメリーゴーランドはきっと、また、君達を歓迎してくれるよ。

 あまい吐き気が胸中、うずいていた。
 青い、蒼い、天へと腕を伸ばす。

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