PandoraPartyProject

シナリオ詳細

恋物語は突然に……??

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング



 ――人はみな、誰かに恋するということはあるだろう。

 そんなキャッチコピーで話題の恋愛シミュレーションゲーム『どきどきメモリーズ』。
 女性主人公、男性主人公を選べる上に、自分の性別に関係なく付き合う相手を男性・女性自由に選べるというゲーム。
 ネットワークで自分の相手を自慢できる機能がついているという、少し珍しい面もある。

 しかしこのゲーム、何故か遊園地に向かうイベントで出てくるゴリラのグラフィックが異様にリアルなものだから、いろんなところで話題に上がっていた。
 しかもバグ技を使うことで付き合っている相手のグラフィックをゴリラにするなんてことも出来てしまうので、話題沸騰。
 様々な人がバグ技を使っては、相手をゴリラにし始めた。

 だが……ゴリラバグを使っている人達は気づかない。
 どきどきメモリーズにウィルスが侵入し、意思を持ち始めたことを。
 ネットワークで自慢され、繋がったゴリラ同士が徒党を組み始めたことを……。



 N県九重市に住む探偵・睦月和馬《むつきかずま》も、どきどきメモリーズのプレイヤー。
 自分の相棒でもある男・文月優夜《ふみつきゆうや》に見立てた女性と付き合う、という遊び方をしている。

 ……のだが、今日のプレイ中とんでもないことが起こった。

 なんと付き合っている女性のグラフィックが、プレイ中に突然ゴリラに変貌してしまったのだ!
 和馬はバグ技とは無縁も無縁、むしろバグ技使う奴は勘弁してくれと願うほどのプレイヤー。ゴリラバグとはかけ離れている。
 だというのに、今日、ゲームをプレイしていたら……急に付き合っている相手のグラフィックがゴリラへと変貌してしまった!!

「なんっ、な、おぉうぇえええ!!??」

 これには言葉にならない叫びを上げてしまった和馬。そりゃそうだ。
 付き合ってる相手がいきなりゴリラになったら、ビビるどころかパニックになる。

 バグ技とは無縁なのにどうしてこうなってしまったんだ! とやり場のない怒りが和馬に湧き上がる。
 しかし怒ったところで何になるわけでもなし。一旦ゲームのネットワーク接続を切って、今回の件の情報を集め始めた。

「……えっ……?」

 スマホを操作する和馬の目に、とんでもない情報が飛び込んできた。

 なんと、どきどきメモリーズ全プレイヤーの付き合ってる人がゴリラになっているという。
 バグ技を使用していない人、バグ技を利用したけどデータを最初からやり直した人、もれなく全員。
 どきどきメモリーズの公式もこのバグの詳細がわかっておらず、調査中であると告げている。

 一体何が起こっているのか?
 そしてこれは本当に解決するのか?
 色々な話が、ネットワーク上で飛び交った……。



「突然ですが、目の前にいる人がいきなりゴリラになったらどうします?」

 エーリッヒは楽しそうに、愉快そうに笑いながら問いかける。
 なんてことを問いかけてるんだと思うだろうが、これがこの男なのだ。

「失礼。実は先程、非常に面白い出来事が観測されたんですよ。ほら、この本なんですけどね?」

 本には『どきどきメモリーズ』と書かれており、ゲーム内の世界へと飛び込むことができるそうだ。
 ……だがこころなしか、ウホウホと鳴き声が本から聞こえているような……。

 エーリッヒが言うには、バグで増え続けたゴリラ達がコンピュータウィルスによって自我を得て、ゲームの外にいる人々に復讐を果たそうとしているのだという。
 無駄に増やされ、無理に増やされ、使った後は捨てるという行いに怒りを感じたということらしい。

 今はまだゲーム内で増殖を続けるばかりだが、このままいけばゲームの外に飛び出てしまって悲惨なことになるという。
 世界中にゴリラが溢れる世界。それはそれで、ちょっと怖い。

「というわけなので、これから皆さんにはゲームの世界に出向いてウィルス駆除をしてもらいたいんですよ。お願いします、何でもしますから」

 そんな事を言って、エーリッヒは皆をゴリラのあふれる戦場へと送り届けた……。

NMコメント

 はじめましての方ははじめまして、御影イズミです。
 どえれぇシナリオが誕生してしまいました。
 まごうことなきギャグです。

 なんだこのシナリオ。って思った方へ、マジですいません。
 某戦場走ってたら急にフレンド欄ゴリラが現れて……そしたらこのシナリオが誕生しました。
 淡い恋物語を手助けするのかなって思った方がいたら本当に申し訳ない。

◆目標
 ゲーム内のゴリラを退治する

◆集団エネミー『ゴリラ』
 ゴリラです。まごうことなき。たくさんいます。
 グラフィックが写真並みに綺麗で、それでいて妙にリアルに動きます。
 音声もかなりリアル。制作陣こだわる場所を間違ってんじゃねえかってぐらいリアル。

 コンピュータウィルスによってバグゴリラが具現化し、あろうことかゲーム内から外に出る計画を持ち始めています。
 現段階ではまだ外に出る手段を思いついていないため、ここで駆逐することで被害を最小限に食い止める事が出来ます。

◆サンプルプレイング

 ゴリラ……ゴリラ?? なんで??
 あまりにもリアルすぎるけど、まあゲームの中だし倒したほうが良いよね。
 っていうか声がリアルすぎるな!? こだわるところ違くない!?
 まあでも、攻撃は大したこと無いみたいだ……一気に片付けよう!!


 説明は以上です。
 ウィルス駆除もといゴリラ退治、頑張ってください。

  • 恋物語は突然に……??完了
  • NM名御影イズミ
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年07月30日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談4日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ルナール・グリムゲルデ(p3p002562)
片翼の守護者
金枝 繁茂(p3p008917)
善悪の彼岸
鳴海 恭介(p3p009728)
探偵(便利屋)
Decem ber.(p3p010016)
句点をつけろってんだよ!

リプレイ

●ゴリラいたもん! ホントだもん!

 どきどきメモリーズ、その中枢部。イレギュラーズはウィルス退治……という名目の、ゴリラ退治にやってきていた。
 ルナール・グリムゲルデ(p3p002562)と鳴海 恭介(p3p009728)は誰もいない電子空間で、乾いた笑いを浮かべている。

「要はゲームで、一部でバグ技を使った結果がコレ……と」
「言うに事欠いてゴリラ退治たァ……ふざけてるのか?」

 イライラしている様子の恭介に対し、まあまあとDecem ber.(p3p010016)と金枝 繁茂(p3p008917)が宥める。此処から先は未知の空間である故に、なるべくなら怒りはゴリラにぶつけてほしいと。

「師走。も昔たまにやっていたような気がするでごわす。こう、彼女からの手紙には縦読みでとんでもない言葉が入ってたりするやつとか」
「それ某野球のお手軽版のこと言ってるのか? アレは野球ゲームだろ?」
「いやいやルナール君、そうじゃないよ~。アレはね、恋愛ゲームで野球ができる代物なんだよ~」
「ハァ……??」
「わかる。わかるぞ、ルナール。そう言いたくなる気持ちも……」

 繁茂の言葉に、ルナールが首をかしげるが……ber.と恭介がなんとも言えない表情で、繁茂の台詞を肯定した。当然だがルナールはそんなゲームでいいのかと言いたそうな顔だ。
 じゃあこのどきどきメモリーズは大丈夫なのか、と頭の片隅を過ぎったのも束の間の出来事。ゴリラのリアルすぎる鳴き声と、獲物を見つけてハイテンションなドラミングが彼ら4人の耳に突き刺さってきた。

 音が聞こえる方角を見据える4人の前に映ったのは――黒く、しかし細かい針のような毛を持った獰猛なゴリラ。
 声も音もかなりリアル志向に造られており、制作陣の力の入れどころがおかしい。
 これには、ゴリラなんてそんなこと流石に無いだろと考えを寄せていた恭介が先にツッコミを入れ、比較的冷静なルナールが今回の討伐について考えを巡らせ、ber.は悟りを開いた顔を見せ、繁茂が何か別方向でやる気を見せ始めた。

「マジでゴリラじゃあねぇかァァァァ!!?? 力の入れどころ違うだろ!!?」
「ヒロインがゴリラな恋愛ゲームなんて、ニッチすぎやしませんか?でごわす。」
「いやぁ~、すごいよねぇ~。ゴリラさんと恋愛できるって、ある種の神ゲー。やるしかないよね」
「……まあ、引き受けてしまった仕事だしな……ゴリラ狩り、やるしかないだろう。各自、何をやるかだけ教えてくれ!」

 ルナールのその宣言とともに、繁茂だけがゴリラと交流して敵の戦力を少々削いでみるという。
 というのもこの話を聞いた時には是非とも恋愛ゲーム形式でゴリラと戯れてみたいと思っていたそうで。
 しかし彼1人で送り出すのは危険故、ber.が後方支援を担当するという。ルナールと恭介から付かず離れずの距離で、戦闘の邪魔をしないように動く様子。

 ならばと、殲滅部隊と支援部隊に分かれて行動を行うことに。急がなければこのゲームのウィルスが広がるため、ルナールと恭介、繁茂とber.の二手に分かれた。

「と、その前に」

 分かれる直前、ber.は全員に勇壮なマーチを奏でて士気を向上させる。この戦いの間だけは、相手の攻撃に対しての反応速度を上げられるようだ。
 準備を済ませた4人は、いざゴリラの波の中へ――。


●ゴリラとの恋愛シミュレーション
「さ~てさて、ゴリラ達とハンモのどきどきメモリーズ、しちゃいますか!」

 一部のゴリラの群れに突撃した繁茂は、自身の魅力を、生命力たっぷりにアピールしまくった。
 と言っても、呼び寄せるのはオスのほう。メスの方はお呼びではないので、それらはとりあえずルナール達の方へと追いやった。
 何故オスの方だけなのだろうと、ber.は思考を巡らせる。その結果、オスの方が多少獰猛な部分もあるからだろう、という結論に至った。
 ……繁茂にとっては、むしろオスを相手にするのがメインなので、そういう考えは無いのだが。

「メスの方ではないでごわすか。確かに、オスの方を抑え込んだほうが良い気はするでごわす。」

 うむ、とうなずくber.に対し、繁茂はとにかくオスを引き寄せた。
 ちょっとゴリラ男子ぃ~! と女々しさたっぷり、中学生感たっぷりの声が空間内に響き渡ったかと思えば、呼び寄せたゴリラをとにかく褒める。もうとにかく、ケチの付けるところはない! と言わんばかりに。
 めちゃくちゃに褒められるものだから、褒められた側のゴリラも満更ではなさそうだし、なんなら言葉が通じてないはずなのに何故か繁茂と喋ることに成功している。とにかくなんかすごい。

 ……しかしそんな中で、繁茂にしっしっと追いやられたメスのゴリラ達が憤慨する。
 中には自分の生涯の伴侶として選んだ相手を奪われたと怒り、繁茂に対する憎悪の炎をメラメラと燃やしていた。

「って、繁茂さん! メス! メスが来てるでごわす。!」
「ん? メス?」

 ber.の声に繁茂が視線を横に向ければ、平手打ちしようと飛びかかってくるメスゴリラの群れ。人の旦那に何するんだ! 狙ってた人に何するんだ! と言いたげな、獰猛な声が近づいていた。
 そんな声を聞いても繁茂はただ、興味のない相手を見下す目で見ていた。メスにはわからせる必要がある、とも言いたげに。

 手を広げ、胸を広げ、威圧のドラミングを行う繁茂。戦う意志があるなら掛かってこい! と、まるで挑発するようにドラミングを続けた。
 そんな挑発に乗った数匹のメスゴリラは、勢いよく走ってきては拳を振るう。当然だが近くにいたber.にも同じように拳が振るわれた。

「はー、しょうがない。……拳、使いますかぁ!!」
「ならば此方も援護するでごわす。声に合わせて、さあ、一気に!!」

 ber.の青い衝撃波に合わせ、拳を振るう繁茂。覆いかぶさろうと飛びかかってきたメスゴリラ達はその衝撃波に巻き込まれつつ、ザラザラと霧散した。
 オスと戯れてはメスを投げ、メスを投げてはオスと戯れ。コレの繰り返しで、繁茂達は着実にゴリラを駆除していった。


●流石に倒せと言われたので……。
「しゃあねぇよな……請け負っちまった以上は、給料分は働かねえと」
「ああ、そうだな」

 それぞれが構えるのだが、ルナールは一度恭介を止めた。というのも、大技を一気に放って先に数を減らしたいというのがルナールの考え。
 なるほど、と聡明な恭介は一度ルナールから距離を取り、近づいてくる群れからも離れた。それでも自分に近づいてくるゴリラを全てシールドバッシュで体制を崩し、蹴りを入れてルナール側へと押しやって彼に一掃してもらうことに。

「助かる、恭介!」

 呼吸を整え、群れの方へと近づくルナール。そのままの勢いを乗せた状態で群れの中心、多くのゴリラが集まる場所まで近づくと……移動の勢いと呪いと毒を乗せた槍を大きく薙ぎ払う。
 大型なゴリラは多少踏みとどまろうとするが、槍の切っ先に掠め取られた者達から次々に吹き飛ばされ、やがては見えない天井にぶつかって大きなダメージを受ける。この空間では、一定の高さまで放り投げられると見えない何かが外を出るのを拒む様子だ。
 それを見たルナールも恭介も、少し安心感を得た。今はまだ、このゴリラ達は外に出ることは出来ないのだと。

「リアルに影響する前で、心底良かったと思う」
「よくわかる。外に出たら、俺らでも多分対処は無理だぞ、コレ」

 多数の団体ゴリラが、まだぞろぞろとやってくる。同胞を倒された恨みや、外に出たい意欲、ルナールと恭介という敵を倒すという使命感が色々と混ざっているせいで、ゴリラ達は色々と主張してくる。
 これが本当にゲームの中で良かったと、ルナールは真顔になってしまう。恭介もうへぇ、と舌を出した。

「恭介、打ち漏らしはそっちに任せたぞ! さっきの大技は二度目はない!」
「了解了解、クールに派手に決めさせてもらうさ!」

 防御力を破壊の力に転身させ、一発即殺の莫大な威力でゴリラ達を倒し続けるルナール。
 冷静に対処を取り、どうすればより速く、より多く倒せるかを考える恭介。
 お互いの行動の欠点を補いながら、やってくるゴリラの群れを倒して倒して、倒し続けた。


●なおゲームのプレイヤーは心砕かれたままです

 4人がゴリラ討伐を開始して、およそ数時間が経過。
 かなりの長い時間ゴリラと戦い、戯れ、殴り、叫び、そしてなんとか群れを討伐し終える。

 ずっと戦い詰めのルナールと恭介は大きく息を吸っては吐いて、体の調子を整えつつも辺りをしっかりと見渡した。
 ゴリラとは言え、その正体はウィルス。打ち漏らしがあっては再び復活して増殖、なんてこともあり得るためだ。

「……全部駆逐し終わってる……よな?」
「た、多分。俺とルナールが倒した奴らが、蘇ってなければ……」
「それで増殖とか絶対に嫌だ。面倒すぎる」

 うん、と揃って首を縦に振ったルナールと恭介。同じようなことを2度も繰り返すのは、ちょっとしんどいもので。
 しかし逆に、繁茂はこれはこれで面白いと称する。楽しみ方は人それぞれなので、それ以上の言及はなかったが。

「あのー、ところでなんでごわす。が……」

 ふと、ber.がそっと手を上げて、自分が疑問に思ったことを口にする。
 なんてことはない、単純でいて、それでいて真理を貫いた疑問だ。

「師走。達が頑張ってゴリラを倒しても、既に被害にあってしまったプレイヤーの記憶は元に戻らないのでは?」
「「「…………確かに」」」

 ber.の言葉はともあれ、プレイヤー達の心が少しでも和らぐことを祈りつつ、4人はこの世界を後にした。
 ……なお補填内容などは……お察しください。

成否

成功

状態異常

なし

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