PandoraPartyProject

シナリオ詳細

夏を楽しむ、その前に!

完了

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

⚫︎放課後返上、炎天下の戦場

 青い空、白い雲、それから照りつける太陽。それからそれから——ドブ色に濁った水槽!

「せっかくの午前授業に掃除なんかやってられっか!」
「罰当番でトイレ掃除はともかくプールはないだろ、プールは」
「……逃げちゃうか」
「「意義なし!」」

 なんとも気軽に決行される逃走劇。男子も3人寄れば文殊どころか短慮の浅知恵になるのも致し方なく、遊びたい盛りの中学生に監視を付けなかった教師もまぁ悪い。
 どうせ、俺らがやらなきゃ誰かがやるさ。一度は握った掃除用具と責任感を放り出し、せめてもの情けだと水が抜けたことだけは確認してからプールサイドに背を向けた。

「いっちょゲーセンにでも乗り込むか!」

 夏の暑さに負けない元気な捨て台詞を残して。



⚫︎現実だったり伝聞だったり憧憬だったり

「青春したい人、この指とーまれ!」
 人差し指を天に突き立てた案内人・Lächeln(レッヘン)の声が響き渡った。『図書館』と名の付く場所である以上は音量に顔を顰める者もいるだろうが、誰かひとりでも振り返ったならこっちのものだ、と少年は指をふりふり謳い上げる。
「具体的に言うと年に一度の大掃除! 学園、青春、夏とくればもうわかったよねぇ? ……そう、プール掃除だよ!」
 たとえ渋い反応が返ってきても彼はめげない。水泳や水遊びはともかく、その前準備となれば面倒だと思う方が圧倒的だなんてことは予想の範囲内だ。
「だってほら、夏の青春描写で結構見ると思わない? 制服とか体操着をまくってさ、キャーキャー言いながら水かけあったり、ブラシ掛けの競争してすっ転んだり!」
 練達のTVCMとかにもありそうでしょ、と何処から聞き齧ったのかもしれない情報も付け加えながら説明は続く。


 舞台となる本は『輝け! 僕らの青春グラフィティ!』と題された、そのものずばりな青春を謳歌する現代男子中学生達の学園物語である。
 その中でヤンチャな主人公達は問題を起こし、先生から罰としてプール掃除を言い渡されたのだが、それをボイコットしてして帰ってしまったらしい。このままではプール開きも、プール授業の後の普段とは違う雰囲気の同級生にドキドキするというイベントも延期になってしまう——


「——ってことなんだよね! 世界を救うみたいな大した問題じゃないけど、一大事は一大事だからお手伝いして欲しいなぁ? ついでに青春しておいでよ!」
 お友達を呼んでもイイし、ぼくもあとから様子を見に行くよ。後ろ手に持っていた水鉄砲を見せてくるあたり、なかなかちゃっかりしているのだった。

NMコメント

関東の夏には勝てる気がしません。氷雀(ひじゃく)です。
女子のメイクが少し薄かったり、男子の髪がぺったんこだったり、無防備というか幼く見えるというか、いいですよね、そういうの……
それはともかく深く考えずにレッツお掃除!アンド水遊び!

⚫︎目標
プール掃除の完了し、夏の始まりを謳歌せよ

こびりついた藻は溜まった水と一緒にさようならしました。
みなさんは残った汚れなどを洗剤で擦って流してください。
そして——存分に遊びましょう!


⚫︎世界
所謂、現代世界によく似たところ。
やや学生の比率が高く、青春や恋愛的なイベントが起きやすい他、それらがなんとなく上手く回るように『ご都合主義』が作用しているのが特徴。
特に読まなくても問題はありませんが、雰囲気を知りたい方はこちらをどうぞ。
『冬を楽しむ、そのために!』
https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/5084

今回の皆さんは主人公達と同じ中学の『生徒』か『教師』として参加していただきます。
クラスメイトだとか先輩だとか体育担当だとか設定を勝手に作っても構いません。
『ご都合主義』が上手いこと処理してくれます。

※ペアやグループを組む場合は『お相手様の名前とID』か【タグ】の記載をお願いいたします。
また、ソロ描写を希望される方もプレイングにお書きください。無ければ絡みやアドリブが発生します。


⚫︎道具や衣装について
掃除用具は洗剤、ブラシ、スポンジ、バケツなど一式揃っています。
そこに水鉄砲が紛れ込んでいるのはご愛嬌。駄菓子屋で売ってそうな小さいものから、大容量タンク付きのガチな大型タイプまで。
蛇口も複数。その数だけ長いホースもセット済み。
水を撒くのに便利なレバーを握るとシャワーが出せるノズルもあります。

何故か以下の衣装が用意してあるので自由に着替えられます。
プールの側に男女別の更衣室、性別不明さんは個室になっているシャワー室でどうぞ。

・学校指定水着(紺のスク水/紺の海パン)
・男女夏制服(赤リボン・襟が紺の白セーラー服・紺のプリーツスカート/白ワイシャツ・黒の学ラン)
・学年別のダサジャージ(小豆っぽい赤(3年)/青というか紺(2年)/くそ重そうな暗緑(1年))
……他、学校の先生が着てそうな白衣など。

自前を持ち込みもOK!
水着は今年やそれ以前のものなど納品物をプレイングでご指定ください。
納品ないないでも『この子はこんなの着てるよ』と盛り込んでいただければ描写します。これで貴方もみずゆか2021参加者!


⚫︎第一章:プール掃除
お天道様の下で、全ての汚れを駆逐すべく真面目にやるも良し!
水をかけたり、かけられたり、ふざけながらやるも良し!
逃げた主人公達をとっ捕まえて連行するのも、放置するのもお任せします。
結果的に綺麗になればオールオーケー!

⚫︎第二章:水鉄砲合戦
武器や蛇口の争奪戦。バケツや味方を盾に前進。狙うのは顔面か、それとも——
日頃の能力を駆使するも、気楽にきゃっきゃうふふするのも、貴方の気分次第。
ルール無用!むしろこっちが本番とばかりに派手にやりましょう!
※呼ばれなくともLächelnが参戦する可能性があります。
どうぞ気軽に水でも声でもかけてやってください。

⚫︎第三章:黄昏てみる
夕暮れのプールサイドでひと休み。
綺麗になったプールに少しずつ溜まっていく水を眺めたり、夏について語らってみたり。
帰りの時間までぞんぶんに学校生活を味わってください。
風邪にだけはお気をつけて。


⚫︎登場人物
男子中学生トリオ。一年生、同じクラス。
小学校からの付き合い。特にリーダーはいない。
やや素行は悪いが、テストの点数は悪くない不思議。
廃部寸前の卓球部所属の幽霊部員。
教室に鞄を取りに戻っている『第一章』内に引き止めなければゲーセンへ寄り道して帰宅します。

男F…愛称:えふくん/本名:江副(えぞえ)
口がワルくて声がデカくて態度もデカいが、身長だけは一番低い

男G……愛称:じーちゃん/玄翁(げんおう)
球技は得意だが、カナヅチなのでプール開きが憂鬱な今日この頃

男H……愛称:えーちん/永地(ながち)
普段無口で大人しいが、突然の言動の思い切り良さはトリオ随一

  • 夏を楽しむ、その前に!完了
  • NM名氷雀
  • 種別ラリー(LN)
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年09月14日 17時45分
  • 章数3章
  • 総採用数2人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

城火 綾花(p3p007140)
Joker

「はいはい3人共、大人しくプール掃除に戻るのよ」
「げ、城火じゃん。ジャマすんなよな!」
 立ち塞がった人物にトリオは面倒臭さ半分、揶揄う気半分といった顔をする。
「自分も罰当番だから逃げんなーって?」
「失礼ね、あなた達の見張りです……それから城火先生、でしょう?」
 教師は教師でも『教育実習生』の城火 綾花(p3p007140)は、ヤンチャな彼らにとってせいぜいちょっと歳の離れた親戚のお姉さん程度である。あんま怖くないんだよなー、などと宣うニヤニヤ顔へ綾花は狙い澄ました一撃を放った。
「それとも……先生と一緒に掃除するのはイヤかしら?」
 わざと胸を寄せ、前屈みになってぐっと近付いた距離。絡んだ3つの視線は本能的に突き出された胸元へ向かう。
「べっ……別に嫌とは言ってない、よな?」
 慌てて顔を背けてももう遅い。親戚のお姉さんに中学生男子が色気で迫られて対処に困るのもまぁお約束なのである。
 釣れた、と綾花も心の中で勝利を確信していた。勿論、そんなことはおくびにも出しはしない。カジノで鍛えたポーカーフェイスは伊達ではないのだ。見られることにも耐性のある彼女の作戦は見事に嵌ったのだった。
 そして——
「さーて張り切ってキレイにするわよ!」
 ——労働に費やされた青春と憧れを取り戻すように、教師が学校で着るには些か刺激的な水着でプールへ繰り出そうとするのを止められるくらい、トリオとは仲良くなれたのでした。

成否

成功


第1章 第2節

郷田 貴道(p3p000401)
竜拳

 ——逃げづらい状況はあれど、逃げられない理由は無い。そう思っていた時が俺たちにもありました。
 程々で監視役に押し付ければ晴れて自由の身だ、と隙を窺っていたトリオを覆う影在り。涼しいのは直射日光が遮られたからではない。
「ユーたち逃げるなとは言わないぜ、ミーから逃げ仰せようなんて選択肢はあんまりオススメは出来ないけどな!」
 背後に突如立った壁は『歴史教師』の郷田 貴道(p3p000401)。ニッと浮かべた笑みと捲った白Tシャツから放たれた見事な筋肉が太陽より眩しい。
「郷田、センセーまで来るとか聞いてないぞ!」
「体育担当でもないのにわざわざ海パンまで履いてご登場っすかー?」
 突破困難な超高難易度ミッションに皮肉のひとつも言いたくなるが、精神的防御力も相手の方が上手だ。
 そいつはナンセンスってもんさ! 独特のアメリカ人チックな笑い声を交えて吹き飛ばす。
「ミーが体育教師なんてやったら、他の体育教師のハードルが上がっちまうからなHAHAHA! なんでプール掃除担当に任命されたかはミーも知らんけどな!」
 湿度のないカラッとした言動に見合わせた瞳と溜め息3つ。
「なあに、こういうのも青春ってもんだしな、記憶に残る事は多い方が良いだろ?」
 分かったらとっとと掃除してこい。とぼとぼとブラシを抱える背中のやる気スイッチへ拳と共に叩き込む一言は——

「アイスくらいなら奢ってやるからよ、HAHAHA!」

成否

成功


第1章 第3節

 天辺を越える太陽と教師ふたりの監視の下、夏を謳歌する男子中学生と蝉の声。人手はやや足りないがご褒美を前にしたならトリオは腕捲り裾捲り。やる気は十分。それ以上に有り余った体力が、やけくそ気味に広いプールを隅々まで駆けていく。泡を流せば空と同じ色をした底面が晴々とお出迎えしてくれた。

「……まだ時間、あるよな?」

 罰はしっかり受けた。それなら、お利口さんはもう終わりだ。校舎の時計を振り返り、トリオはブラシを放り投げる。代わりに手にしたのは——

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