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シナリオ詳細

再現性東京2010:縁の下の悪夢

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●再現性東京2010
 練達の一区画に存在する『再現性東京』の一地域、『希望が浜』地域。
 普通の人々は平穏な生活を過ごしているものの……度々聞こえてくるのは、妖怪事件。
 主には小中高の学生達が口にする、根も葉もないような噂話の類いばかりで、信じる者も信じない者も居るのだが……。
『なぁ、ちょっといいか?』
 周りの中学生の仲間達に声を掛けるのは、そのグループの中で一番身体が大きく、ガキ大将風な男の子。
『えー? 何だよー。また噂話だったりするんだろー?』
『あったりめーじゃねーか! でもよー、今回は少し面白そうな話なんだぜー? 『龍禅寺』ってあんだろー?』
『あー……あのちょっと寂れたお寺かー?』
『そうさー! あのお寺の軒下に、異界に繋がる門があるって話なんだぜー! どうだ、すげーだろー!!』
『おー、それ、おもしろそーじゃん!!』
『……ほ、本当に行くのー?』
『勿論だぜー、おまえも行くよな!?』
『……あ、う、うん……』
『よーっし。んじゃー今日の深夜、深夜0時にお寺に集合だぜー!』
 ガキ大将の言葉に乗り気なもの、余り乗り気じゃないものと、様々。
 そして深夜の刻を刻み……お寺にやって来た子供達は、ちょっとした探険気分で集まる。
『よーっし! んじゃーまずはお前からだぜー!』
 とガキ大将が背中を押して送り出すのは……一番乗り気じゃ無い、背丈も低い、ひょろっとした子。
 めちゃくちゃ怖がりながら、お寺の軒下に潜り込んで行き……暫しした後。
『ギャアアアア!!』
 とお寺に響き渡るのは、先ほどの子の叫び声。
『……え、あ……?』
 と、他の子供達は、驚き……その場に立ち尽くすしかなかった。

●縁の下の悪夢
「さぁさぁ皆ー! このなじみさんの怪談話、聞いてかない! 今日も面白い話、いーっぱいあるよー!」
 手を叩き、まるでバナナのたたき売りが如くカフェ・ローレットで声を上げる綾敷・なじみ。
 まぁ……それも良くアルカフェ・ローレットの風景という事で、聞き流したりしていた君達なのだが。
「ねぇ……興味、あるよねー?」
 肩を不意にポン、と叩かれ……ニコッと微笑まれると……不思議とはい、と言わなきゃと思えてしまう。
 ともあれ、ちょっと強引ななじみの手法に乗せさせられた君達は、ある所に集められ。
「それじゃー早速だけど、依頼を受けてくれた皆に説明させて貰うね? 今回はねー……お寺の軒下に夜妖が潜んでいる、って話なんだよねー」
 お寺の軒下……確かにお寺は良く良く床がかさ上げされており、軒下があるものだが……そんな軒下に夜妖が潜んでいるのもまぁ……ありそうな話ではある。
 で、そんな夜妖をただ退治為てきて欲しいというのなら、そんなに面倒な話ではないのだが……なじみは更に。
「でもさー、そんな夜妖が潜んでるなんて話、普通の人が聞いたらどうとも想ってないんだろうけどさー、子供達からすれば、そういうのっておもしろそーって想うでしょ? そんな子達が被害に遭っちゃう事件が起きそうなんだよね!」
「夜妖が息を潜めている軒下に子どもが潜り込んじゃって、夜妖に食い殺される……そんな事件、可哀想でしょ? だから、みんなにはこの事件を未然に防ぐ為に、急いでこのお寺に向かって欲しいって訳なんだよ1」
 そして、なじみは最後に皆を見渡して。
「まー、子供達からすればただの無邪気な戯れなのかもしれないだろうけど、それが命を失う切っ掛けになっちゃまずいよね? って訳でみんな、頑張って行ってきてねー!」
 と元気よく、皆を送り出すのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)です。
 今回の依頼は、国道に現れる夜妖退治です。

●再現性東京2010街『希望ヶ浜』
 練達には、再現性東京(アデプト・トーキョー)と呼ばれる地区がある。
 主に地球、日本地域出身の旅人や、彼らに興味を抱く者たちが作り上げた、練達内に存在する、日本の都市、『東京』を模した特殊地区。
 ここは『希望ヶ浜』。東京西部の小さな都市を模した地域だ。
 希望ヶ浜の人々は世界の在り方を受け入れていない。目を瞑り耳を塞ぎ、かつての世界を再現したつもりで生きている。
 練達はここに国内を脅かすモンスター(悪性怪異と呼ばれています)を討伐するための人材を育成する機関『希望ヶ浜学園』を設立した。
 そこでローレットのイレギュラーズが、モンスター退治の専門家として招かれたのである。
 それも『学園の生徒や職員』という形で……。

●成功条件
 噂話を聞いて、深夜のお寺にやってきてしまった中学生達(5人)を救出する事です。
 この5人の内1人、恐らく苛められている少年は仲間達に言われて、先行して軒下に潜らされていますので……最初のポイントは、軒下に潜り込んでしまった少年の救出となります。
 残る4人については、夜妖が外に出て来た後、攻撃をあてさせないようにしなければ守れます。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

●周りの状況
 人気のないお寺『龍禅寺』が舞台です。
 余り管理されていない様で、石畳に草が生えている状態……そしてお寺のかさ上げされた床と地面の間は60cm位の高さしかなく、立って入り込む事は出来ません。
 又、深夜の刻故に全くの灯がありません。暗視があったとしても、かなり薄暗い状況であるのは間違いありません。
 更に夜妖達は這いつくばって中に入り込んできた少年を最初のターゲットとして飛びかかってきますので、それを身を呈してでも守る必要があります。
 
 尚潜り込んでいる少年はとても恐怖に怯えている状態なので、夜妖が襲いかかってくると、もうそれ以上動けなくなりますので、数人がかりで軒下から運び出す必要があります。
 又夜妖達も、息を潜めているのは軒下ですが、相手が居れば軒下の外まで出てくる事はしてきますので、誘い出して戦う事は可能です。

●討伐目標
 ・軒下の夜妖狼 x 12匹
  
  床下に息を潜めていた狼の姿をした夜妖です。
  襲撃時点の最初のタイミングでは狼は一体ですが、相手が防御したりすると、次々と分身体を生み出して、最終的には12体まで増殖します。
  出没するのは軒下だけなので、誘い出した場合は軒下から次々と敵が出てくる、と思ってください。
  夜妖達の体躯は大型犬位の大きさ(シベリアンハスキーよりも一回り大きい位)です。
  彼らの攻撃手段は噛みつき(単体至近距離、HP吸収効果あり)と、爪による斬撃(同じく単体至近距離、出血効果)になります。
  尚戦場は真っ暗闇ですが、夜妖達は暗闇での命中率補整などは一切受けないので、その点ご注意下さい。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • 再現性東京2010:縁の下の悪夢完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年07月22日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ユーリエ・シュトラール(p3p001160)
優愛の吸血種
マヌカ(p3p001541)
闇払い
セリカ=O=ブランフォール(p3p001548)
一番の宝物は「日常」
楊枝 茄子子(p3p008356)
虚飾
花榮・しきみ(p3p008719)
お姉様の鮫
星影 向日葵(p3p008750)
遠い約束
皿倉 咲良(p3p009816)
正義の味方
シャーラッシュ=ホー(p3p009832)
納骨堂の神

リプレイ

●軒下に居るは
 練達の一区画に存在せし、再現性東京『希望が浜』地域。
 極々平穏な日常が繰り広げられている筈のこの地域……だが、こんな地において度々取り沙汰されているのは幽霊事件。
「そうですか、ええ……まぁ確かにこういう所ですから、そういった話が良く聞こえてくるのは仕方ないのですが……」
 と溜息と共に、空を見上げるのは『納骨堂の神』シャーラッシュ=ホー(p3p009832)。
 幽霊事件だけなら、百歩譲っていいかもしれない。
 しかし、事件に巻き込まれてしまう被害者がいるとなると……黙っている訳には行かない。
「これも、文明が発展したが故の油断……であろうか? 仮に野生の獣でも居る環境であれば、夜に出歩こうなどとは思うまい」
 と『闇払い』マヌカ(p3p001541)が難しい表情を浮かべると、それに『お姉様の為』花榮・しきみ(p3p008719)と『天色に想い馳せ』隠岐奈 朝顔(p3p008750)が。
「ええ……私は幼い頃は怪異などにも興味もありました。ですが、それによって命を失うなど言語道断……と、お姉様も仰られる筈です」
「そうですね……私も同じ意見です。私は幽霊など割と居る豊穣出身なので、こういう事には慣れてしまいました。いじめられている子は兎も角、ノリで肝試し的な事をするのは、ちょっと怒りを覚えてしまいます……ですが、それはそれとして人死を出して良い訳がありません。夜妖はさっさと倒しましょう!」
 ぐっと拳を握りしめた朝顔、それに『羽衣教会会長』楊枝 茄子子(p3p008356)も。
「そうだね、危ないことやってるよねー! 苛めも良くないし!」
 満面の笑みで、うんうんと頷く彼女。
 そんな彼女に『優愛の吸血種』ユーリエ・シュトラール(p3p001160)と『正義の味方(自称)』皿倉 咲良(p3p009816)、『一番の宝物は「日常」』セリカ=O=ブランフォール(p3p001548)の三人が。
「ええ……まぁ子供達からすれば、ただの怖い物見たさ、なのかもしれませんね……そういったのは良く聞く話ですが……その興味本位に他の人を巻き込んでしまうというのは、良く無い事だと思います」
「そうだね。暗いところで、命の危険がある……それってとっても怖い事だよね……できるだけ早く助け出してあげないと、どうなるか分からない……」
「ええ……噂がホントになって、子供達を襲おうとしている……! 急いで助けてあげないと!!」
 焦燥感を抱くセリカに、マヌカは静かに頷き。
「……そうだな。深夜に出歩く彼らの冒険は褒められた物ではないが、その好奇心を否定するのも酷か。こんな所で潰れて良い命などは存在しない。彼らを救うべく尽力するのだよ」
 静かなるも、強い決意の一言に咲良としきみ、ユーリエ。
「とりあえずあたしの取り柄は『殴ること』だから、救出はみんなを信じて、精一杯夜妖と戦う事に専念しよう」
「ええ。余りに理不尽な死は思い出などにはなりません故、噛みつく犬にはお仕置きをしましょう」
「そうね。まずはしっかり救助してあげないと! 怒るのはその後でもいいでしょうし……ね!」
 そんな仲間達の言葉に腕組みと共にうんうんと頷いた茄子子が。
「まぁ、それとこれとは関係無いし! みんなまとめて助けてあげよう! それじゃあのお寺まで、飴でも舐めながらレッツゴーだよ!」
 何故か暗い場所でも見やすくなるという飴を舐めながら、指をビシッ、と指し示す。
 そしてイレギュラーズ達は、漆黒の闇に包まれ、人気も無い……そんな寂れたお寺へと急行するのであった。

●軒下の悪意
 そして……寂れたお寺『龍禅寺』へと到着したイレギュラーズ。
 既に殆ど管理されていない様な状況の様で、石畳は荒れ果て、その隙間からは草木が生えてしまっている……惨状。
 そんな惨状のお寺というだけでも、かなり物悲しい感じなのだが……それに加えて。
『ほらー、大丈夫だって言うんならいっちゃえよー!』
『そーだそーだ!! 大丈夫って言ったんなら、いけるよなー!」
 と……遠くの方から子供達のはやし立てる声。
 勿論、その声主は……虐めッ子の少年達の事だろう。
「取りあえず、急がないと!」
 とユーリエが仲間達と共に、その声の方向へと駆けていく……薄暗い中に、子供達の姿を発見。
 人数は4人……一人もう、いない。
 いや、居ない訳ではなく……。
『……きゃーーー!!』
 と甲高い悲鳴が、軒下の方から響いてくる。
 その悲鳴に驚きの表情を浮かべ……脚を止めてしまう子供達。
 そんな子供達の前に立ち塞がる様にして、早速ホーはランプを点灯し、境内に灯りを灯す。
 そして子供達に向けて。
「安心してください。貴殿らの安全は私達が保証しましょう。しかし、それには貴殿らの協力が必要不可欠なのです!」
 突然そんな事を言われる子供達。
 一方で、少年達は……今起こっている事が何かも分からず、ギャーギャー騒ぎたてるばかり。
「貴方達、この様な夜更けに何をしているのですか? 怪談などを信じて勝手に忍び込んではいけませんよ。もう遅いのです。早く帰らねば、親御さんも心配なさいますよ?」
 としきみがまずは一喝し、ちょっと子供達を落ち着いた所へ、更にセリカと咲良も。
「大丈夫、わたしたちが護るから、みんなは落ち着いて、こっちに避難して!」
「軒下に行った子は、絶対に私達が助けるから! だから、大人しく私達の声に従ってね!」
 突然の恐怖に混乱している状況……だが、安心させるように、力強く声を掛けたおかげで、こくりと頷き、指示された避難先の方向へと走っていく。
 取りあえず、境内の外に居る子供達はこれで一先ず大丈夫だろう……後は、軒下に居る子供。
 恐怖の境地に陥っている少年に向けて、ユーリエが心の中から。
(「聞こえる!? 大丈夫、落ち着いて。私は君の味方だから。今から私たちの仲間が助けに行くから! 怖いかもしれないけど、もう少し頑張って!」)
 ユーリエがテレパシーで伝える言葉。
 とは言え少年からは、混乱している状況故反応が無い。
「それじゃ、子供達は任せました!」
 と先陣切って朝顔が軒下に向けて駆け込む。
 その感覚を鋭敏にし、助けを求める気配を察知し……その方向へと急ぐ。
 勿論軒下は真っ暗闇なので、片手に灯を点して進む……すると、その光が届かない場所も確認する事が出来る。
「あれか?」
「うん、そうみたい! さぁ急ぐよ!」
 マヌカに頷く茄子子……そしてしきみを含む者達で、その闇の元へと駆ける。
 ……すると、その間近に尻餅をついて、全くもって動けなくなっている少年の姿を発見。
 前方は闇の夜妖に威嚇されている様な状態で……恐怖で全く動けなくなってしまっていた。
 そんな少年と夜妖の間に早急に割り込むイレギュラーズ……当然夜妖達は。
『……グゥゥウ……』
 と低く、恨みをこめたような唸り声で威嚇してくる。
 それに更に恐怖で動けなくなる少年だが、そんな少年へ振り返りながら。
「もう大丈夫、私達が助けに来ましたから!」
 と頼れる威風を纏い、少年を元気付ける。
 更に茄子子も、少年の頭を撫でながら。
「遅れてごめんね! 助けに来たよ!」
 と少年を元気付ける。
 しかし、元気付ける茄子子を邪魔と思ったのか、一番少年に接近していた夜妖が。
『ガウゥゥ!!』
 と、彼女にガブリ、と噛みつく。
「うわ痛い痛い! 会長庇うとかそういうのあんまりしたくないんだって! やるけど!!」
 と思いっきり痛いが、どうにか耐える茄子子。
 そしてマヌカが。
「我々は特異運命座標だ。一刻を争うが故にここから離れるぞ。気の利いた言葉は言えなくて済まぬな!」
 と少年の手を引き、軒下からの退避を急ぐ。
 ……何度か噛みつかれるも、少年の手を強引に引っ張って退避するイレギュラーズ。
 それに誘われるように、周りの夜妖達も軒下から外へ、次々と誘き出されていく。
 そしてイレギュラーズ達が軒下から逃れ出て、仲間達と合流。
「みんな、もう少しここで待っててね! 怖くても、絶対に一人で逃げ出さないようにね!」
 茄子子が一釘を刺しつつ、子供達を護る様に扇状に陣形を取る。
 ……勿論軒下から出て来た夜妖達は……イレギュラーズ達に牙を剥いた咆吼を上げて威嚇。
『グルゥゥ……』
『ガウウウゥ!!』
 まるで邪魔するな、と言わんばかりの闘争本能。
 とは言えイレギュラーズ達も、威嚇する敵に向けて。
「貴方達はこの子達を喰らいたい様ですね……ですが、それはさせません。喰らうなら、私達全員を喰らってからです」
 とホーが宣言すると共に、暗闇で目立つ聖なる光を撃つ。
 その一閃が夜妖を貫き、数匹が中々のダメージを喰らうものの、決して退く様な素振りは取らない。
 そして戦列を整えた次の刻、咲良が戦陣を切って。
「さぁ、軒下から追撃がどんどん出てくる前に、数を減らして行くよ!」
 と言いながら敵に踏み込み、肉薄しての拳の一撃。
 続き朝顔は、夜妖達に。
「さぁ、どれだけ増えようが全部倒しますよ!」
 威風堂々と名乗り口上を上げて敵の怒りを買いつつ、己を高揚させて攻撃力、命中力を更に上昇させていく。
 続いてしきみは仲間を巻き込まない位置に向けて悲しみの歌声を響かせる。
『……グゥゥ……ルゥゥ……』
 その呻き声に僅かに反応し、低く唸る夜妖。
 ……だが、すぐに敵意を剥き出しにし、四方八方から飛びかかって食らい付く。
 かなり鋭い牙で噛みつかれれば、かなりの出血を伴う傷痕が開く。
 そんな血飛沫に子供達はぎゃーぎゃーとやっぱり叫び声を上げてしまう。
 ……そんな子供達の視線を覆い隠す様に前に出た茄子子が。
「御加護だよ! いい感じにクリティカルしてね! 解けたらかけ治すよー!!」
 と仲間達を常に回復。
 彼女に加え、セリカも仲間達の回復に傾注し、戦線をどうにか維持するように動き回る。
 そんなヒーラーのバックアップの下、マヌカは夜妖達が子供へと食らい付こうとする所に。
「私はまだ未熟な身であるが、殲滅には役立てずとも役立つ手段は存在するのだよ」
 と言いつつ、身を持ってカバーリング。
 更にユーリエは子供達に声を掛けつつ、後方から光の魔力で作られし弓矢を放ち、攻撃。
 そんなイレギュラーズ達の護りながらの攻撃により、確実にその数を減らして行く夜妖。
 ……そんなイレギュラーズ達の戦い方に、少しずつではあるが……少年達も落ち着きを取り戻しつつある様で。
『……す、すごぃ……』
『よ、よかったぁ……まったく、お前がこんなの連れてきたからよぉ……!』
『そんな……そんなことない……っ!」
 虐めっこの言葉に、涙を浮かべる少年。
 だが、子供にすぐにセリカが。
「大丈夫、気にする事は無いわ! ……こいつらは、貴方が呼び寄せたわけじゃない!」
 と声を掛け、少年が気に病まない様に促す。
 ……ともあれ、そんなイレギュラーズ達の動きにより、残る夜妖は……後1匹にまで減る。
 最後の一匹は、グルゥ……と唸りながら、一歩、二歩、後ずさり。
 ……だが、その退路を完全に囲んだホーが。
「……さぁ、これで終わりにしよう」
 と最後の宣告と共に放つ、聖なる光。
 その一線は夜妖の身を撃ち貫き……全ての夜妖は、まるで影の如くその闇の中に消え去っていった。

●安心
 そして……無事にイレギュラーズ達が、子供達を救出した後。
「……う、うぅぅ……」
 ……周りには、無事に生き残った子供達が5人。
 そして、軒下を観るように指示した子供4人の方へ向くと共に、まずは。
「取りあえず皆、無事であるか?」
 と声を掛けながら、子供達に怪我が無いか、を確認。
 転んだりしてちょっと擦りむいたくらいの怪我はあるものの、幸いな事に大怪我は追っていない。
 ……そんな子供達にマヌカは。
「本当、災難であったな。だが……人気の無い場所の夜歩きはこのような危険もあるのだ。控えたまえよ」
 と告げると、子供達は。
『でも……だってぇ……こんな事になるだなんて、思ってなかったんだもん……』
 と涙目ながらに、そんな言葉を零す。
 ……そんな子供達を真っ直ぐに見つめながらマヌカは。
「ああ、確かにそうだろう。例えこのような異形に遭遇しなくとも、悪意有る者の存在や不慮の事故もあり得るが故にな?」
 とマヌカがそこまで言うと、それにホーも諭すように。
「まぁ、貴方達も悪気があったわけではないのでしょう。ですが……ご学友を危険な目に遭わせてしまった事も事実です。その事は真摯に受け止め、反省せねばなりません……『好奇心は猫を殺す』という言葉もありますからね? ですから、今後は危険な場所には安易に近づかないようにして下さいね」
 と説得するものの、苛めた子供達は、あーだこーだ言って、ゴネ続ける。
 ……そんな子供達の態度に、最初は優しくしていたユーリエ、咲良、朝顔が。
「ダメでしょう! 子供たちだけでこんなに危ない冒険をして! 何かあったら親も子供も、親しい友達も皆心配するんだから!」
「そうだね。君たちさ……助かったから良かったけど、自分たちが何をやったのか……分かる?」
「今回は私たちが来たから良いものの、もうこんな事しちゃダメですよ!」
 そんな女性三人の言葉に、虐めッ子の少年が。
『……だって……だって……よぉ……き、きっと……あいつが悪いの連れてきたんだよぉ……!』
 言うに困って、先に行かせた少年へと責任転嫁。
 ……しかし、それに咲良は。
「この子に貴方達は原因があるとかいってるけど……アタシ、絶対許さないからね! 人を傷付ける事は、どういう理由があれダメだよ! 分かった?」
 しっかりと釘を刺しつつ……そう言われた少年に対してユーリエが。
「……気にしないで大丈夫。あなたは悪くないから……良く頑張ったね?」
 と頭を撫でて、落ち着かせる。
 ……ともあれ、そんなイレギュラーズ達の言葉とお叱りに……子供達はしょぼんとしてしまう。
 ……そんな子供達を横目に、しきみはお寺の方へ。
「……『龍禅寺』という名を持つお寺ですし、恐らく由緒正しきお社なのでしょう……近くで騒がしくしたことを、神にお詫び申し上げましょうか……」
 と頭を下げ……寺に住まう神々へ弔いの祈りを捧げる。
 ……そんなしきみの行為に、ざわついていた周囲の木々が……再び静けさを取り戻したかのように思える。
「……本当に神様がいたのかもねー……ほーら、子供達。神様は観てるんだよー、だから悪い事したら、もっとこわーい目にあうかもしれないんだよー?」
 と、最後の最後に釘を刺す。
 そして……セリカが。
「これから遊ぶ時は、仲良く明るい場所ですること、いいね?」
 と子供達に指切りを求め……子供達は、うん……と力無く頷き。
「分かったなら……良し! それじゃ、みんな家まで送り届けるから、ついてきてね」
 と咲良らが子供達の手を握り……皆を家まで送り届けるのであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

再現性東京之子供達の怪談話。
皆様のおかげで、心の傷もそんなに負わずに生還出来たようです……ありがとうございました!

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