シナリオ詳細
おねがい社長!~一攫千金を狙って~
オープニング
●金持ちの道楽
現代の地球と呼ばれる惑星によく似た世界にある町、ゼニズラー。
ここではありとあらゆる手段を用いて、金を稼ぐ者たちが集う町だ。
店や工場などを誘致しようとしているということもあり、町の中では飲食店や市場などが集まっている「ショッピング街」と、工場が立ち並ぶ「工場地帯」、さらにはこれから誘致を行うための「更地」が存在する。
そんな発展の街に、いかにも金を持っていそうな中年の少し小太りともいえる女性が一人。
「ワタシ、もっと金が必要ネ。でも1人で稼ぐのは、正直が限界あるヨ。」
謎のカタコト似非外国人みたいなしゃべり方をしていることにツッコんではいけない。
彼女……カネ=ホ=シーノはゼニズラーでは名の知れた実業家で、飲食店から製造業まで幅広い業種を扱う大企業の会長でもある。
しかし、彼女だけではお金を稼ぐのには限界がある。それにーー。
「ただ普通に私一人で金稼いでも、何も面白くないネ。だったらほかの人間に金渡してどれだけ稼げるか見てみるのも一興あるヨ。」
資金というスタートラインはみんな一緒ネ。
そういうとシーノは、新たな「事業主のタマゴ」を探し始めるのだった。
●広告【実業家のタマゴ、募集するネ】
実業家の町、ゼニズラーで金儲けの体験をしてみたい方を募集するネ。
経験の有無は問わないから、1か月間、自分の得意なことで稼いでほしいアル。
FXでも株でも企業経営でも、何でも思ったことをやってみてほしいアル。
資金は私、カネ=ホ=シーノから1000万円ずつ融資するネ。
この町での成功で名声は保証するヨ。
お問い合わせは……
広告ともいえない広告が、ゼニズラー中にバラまかれた。
しかし、彼女のお眼鏡にかなうような『タマゴ』は見つからない。
「やはり、人材は手広く募集しないといけないネ。ゼニズラー以外にも配ってみるアルヨ。」
のちにこの広告が、境界図書館にも届くことになるのだった。
●一攫千金を目指して
「なるほどね。自分はもっとお金が欲しいから、人に融資してお金を稼がせるってことか。なるほど面白いね。」
境界案内人のカストルは広告を見て、シーノがやろうとしていることに感心している。
「基本的にお金って、持っていて損をするものでは決してないし、おいそれと人に渡すものでもないんだけど……人に融資をする余裕があるんだろうね。……もっとも、その人に稼いでもらったお金って、墓場までは持っていけないわけなんだけど。」
それでも、金というものは『欲しい』思わせてしまう、不思議な魔力を持ったものだ。
カストルは紅茶を一啜りして続ける。
「お金って、影響力の一つの『指標』だと思うんだよね。明確に価値のある物は持って帰ることはできないかもしれないけれど、影響力を持っているとそれだけで何か良いことがあるかもしれない。お金持ちの道楽だとは思うんだけど、この話、ひとつ乗ってみないかい?」
カストルはそういうとニコリと笑うのだった。
- おねがい社長!~一攫千金を狙って~完了
- NM名水野弥生
- 種別リクエスト(LN)
- 難易度-
- 冒険終了日時2021年07月16日 22時05分
- 参加人数4/4人
- 相談8日
- 参加費100RC
参加者 : 4 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(4人)
リプレイ
●絆の翼
「私も混沌に来てからお店を一つ立ち上げた身! そのノウハウを活かして、異界に支店を出すというのも吝かではありません!」
リディア・T・レオンハート(p3p008325)はこの世界で店舗経営をすることへの意欲を見る。
欲を言えばチェーン店経営をやりたいところではあるが、1か月という期間と元手の額を考えると、まずはしっかり1店舗を経営、という判断に至る。
「Bande†Fluegelゼニズラー支店を――うーん、駅前というよりかはベッドタウン周辺を選んで出店しましょう。」
出店場所を考えてるときに、今回の依頼人――シーノが彼女の元に現れる。
「よく考えてるみたいネ。一つ気にナたけど、駅前に出店した方がお客さんいっぱい来るアルよ。」
確かにそうですけど、とリディアは優しくも芯のある目で、シーノに思いを伝える。
「駅前は人通りが多いでしょうけど、その分地価とかテナント料が高いですからね。そうなると、かなりガツガツお客様を回す必要があるでしょう? 私、その路線はあまり好まないんですよね。それに……Bande†Fluegelは絆の翼という意味があります。お客様一人一人と向き合って、絆を育めるような――そんなお店にしたいんです!」
リディアのその目は、まっすぐにシーノを見つめている。
「なるほど、確かに人の想いは分かり易く評価に繋がるネ。しっかり頑張るアルよ。」
「……! はい!」
彼女は店のマニュアルやOJT教育を充実させ、丁寧な面接で心根の優しい従業員を採用することとなる。最初こそ慣れないことも多く、彼女一人でホールとキッチンを回したり、従業員の失敗もあったりしたが、励ましあって『いい店』を作ることができている。
彼女の『いい店』へのこだわりは、調理にも。料理のジャンルはこの世界各国の家庭料理。ジャガイモのガレットやソーセージ、サラミたっぷりのピザが並ぶ。スタッフ全員で勉強した料理の質は勿論のこと、調理器具にも妥協はない。
「ピザ一つとっても、完全本格派ですよ。」
ピザ窯で煌々と炎が揺らめくのを得意げに見つめるその顔は、全力で店を経営する彼女だからこそのものだ。
――1か月後。
従業員たちとの別れの時がやってくる。
「上手くお店が当たればチェーン展開もしていきたいですね。その時は、今スタッフをして下さっている皆さんが店長さんです。絆の翼、大きく拡げていってくださいね! 」
リディアが紡いだ絆は、この先でも大きく発展していくだろう。
●経験を活かして
「さて、貸してもらった元手は1000万円……どう使って儲けるか。」
モカ・ビアンキーニ(p3p007999)は混沌での店舗経営の知識を活かし、どのように儲けるかについて思案していた。
「そういえば昔いた世界では、娯楽として様々なゲームが定着してたな。」
彼女がいた世界では科学技術が発展していた。工作員としてハッキングやクラッキングの経験のあるため、プログラムを組むこともできる。
「携帯端末? この世界では連絡とるためには必需品ネ。必要であれば開発機として一台スマートデバイスを貸してあげてもいいアルよ。」
どこからともなく、彼女の独り言を聞いていたのかシーノがひょっこり現れる。
「……なるほど。そういうことなら、手軽にできるゲームでも創ってリリースしてみるか。」
そういってモカはゲームの企画書と上流工程ともいえる機能設計に取り掛かるべく、パソコンに向かい合う。
基本的に経費削減を目指すべく、彼女一人で会社の運営をするつもりだ。しかし、ゲームの開発ともなると彼女一人でやっているのでは時間がとても足りない。
「有能な人材が見つかれば、能力に見合った報酬で雇おう。シナリオライターやイラストレーターは必要だ。プログラマーも私ひとりでは足りない。」
最初の4日間は求人を出し、ポートフォリオを参考にクリエイターやプログラマーを雇っていく。
企業運営において一番費用が掛かるのは人件費だ。実績等を慎重に吟味し、一つのプロジェクトを立ち上げる。
そして、3週間という短い期間の中で、彼女の会社はゲームのリリースを果たす。工数としてはかなりキツキツのところを残業代をきちんと支払うことで健全な契約の下に開発を進めた。
内容そのものは彼女が元居た世界に存在する昔ながらのゲームである囲碁や将棋に、可愛い女の子やイケメンを登場させる。ゲームでは特殊なスキルを発動させてゲームを進める形式だ。課金額も不満が出ない程度に必要ということで、巷では話題となった。
「次作からはオリジナルのシステムにしたいな。並行して実用的なソフトやアプリも開発しよう。会社名は……"Stella Bianca Software"。略してSBSでよかろう。私の店の子会社だ。」
元手プラスαの収益を出し、彼女は次の人間へと、会社の経営を任せ、彼女の店の経営に戻っていくのだった。
●天に運を預けて
「ひと月で稼げるなら、何をしてもいいって聞いた。できる限り、頑張る。」
ノア・マクレシア(p3p000713)は五郎さんを抱きしめて、どう稼ごうか考えていた。
企業の経営はおろか、依頼以外の仕事をしたことはない。悩みに悩んだ結果、彼女の出した結論は……。
「ギャンブルで一攫千金、狙ってみよう……かな。」
カジノの前。悩める少女の肩を、シーノが優しく叩く。
「おぉ、稼ぐのははじめてネ?! だったら、やりたいことをやりたいようにやるヨロシ。」
後悔だけはダメアルよ、と言い残し、上機嫌に去っていく。
「やっぱり、ギャンブルならルーレット、だよね? 1点全賭け、行ってみよう。」
音をよく聞いて、ボールがどこに落ちるかを見極める。
「……31、全掛けする。」
本当かい、というディーラーの表情が見えたが、見なかったことにする。
「やりたいことをやりたいように……!」
――カラカラカラカラ……コロン。
ディーラーや他の客から、歓声が上がる。鈍い銀色の小さな鉄球が、『31』の空間にすっぽり収まっている。
1目賭けの配当は36倍。1000万円ともなるとその配当額は3億6000万だ。
「……まあ、当たるか外れるか2分の1。夢を見れるように、頑張ろうか。 」
勝利を手にしたノアは程ほどの所で切り上げ、路地裏の小さなビルの小さなテナントを借りる。
「……今はまだ、カード系しか出来ないけど。」
そういって、彼女もまたカジノの経営を始める。元手は十分。初めこそ彼女が切盛りしていたが、1目賭けをあてた少女の元にはそれにあやかりたいとディーラーが自らコンタクトをとってくる。
数名を採用し、彼女は夢を語る。
「ゆくゆくは更地全体をカジノのテーマパークに…なんて、ひと月では難しいけど、夢のある話だよ、ね? それに、そんなことが出来たらカジノで1発当てた人間がオーナーって話題を作って……夢をみせられる。」
フフッと笑って、彼女は五郎さんに語り掛ける。
「そうしたらあとはもう、有り金を溶かしてもらって……冗談だよ。そこまでは、しない。」
一か月後、彼女のカジノは繁盛し、夢と将来を賭けて訪れる客が絶えなかったそうだ。
●どこまでいけるか
「はー……豪勢なことする人もいるものでスねー。」
佐藤 美咲(p3p009818)はボサボサの髪を手櫛で整えながら、その試みに関心を持っている。
「ま、これまで貯金して独立とか縁のない人生でしたからね。この機会にどこまでいけるか試してみましょう。」
シーノは彼女に、好きなようにチャレンジするネとだけ言って、笑顔で部屋を出て行った。
「与えられた期間は一ヶ月…長いようで短い期間でスね。この期間で手際よく稼ごうと思うと、やっぱり数が必要でしょうか?」
数が必要、となると費用を抑えつつできるものが望ましい。安価でいろんな客層に手軽に買ってもらえるものと言えば……。
「クレープとかタピオカとかの初期費用が低い飲食店、が良いでスかね。」
確かに飲食店、殊に若者が手を出しやすい食べ物や飲み物などは、初期費用を抑えやすい。これを良いことに、美咲は思い切った行動に出る。
「1000万もあれば人件費込みで3店舗いけるでしょう!」
その意気や良し、彼女からすればやる気を持って店を切り盛りするものの、4日目にとある問題にぶつかることとなる。
「資金的にはいけましたけど……人が、人が足りない……!」
思った通り、いや、思った以上に大当たり。3店舗作ったどの店にも長蛇の列ができている。
「ええい、私が寝る時間のためだ。時給を大幅に上げてとにかく人を増やす!」
しかし、そう簡単にうまくいかないのも経営。今度は人が余る。
「人が余った?だったら新規店舗を開店っスよ……!」
美咲の試行錯誤が続くこと2週間。彼女の体にも変化が訪れる。
「ケバブ、唐揚げ、チーズドッグ……この一ヶ月で初期費用が低い食べ物をひたすら売ってきました……。」
ついでに言うと売れ残り食ってたら体重が2キロ増えました――。最初こそ、単価の低いものを美味しくいただいていたが、数日続くとやはり飽きてくる。
数日後、その彼女は経営者として決断した。シーノと彼女の部下を呼び出し、利益を出すための最後の算段を説明する。 「さて、ここまで色々売ってきた私が最後に売るのは……ここまで育て上げた事業でス。まー、ここまでの利益はたいてい店舗拡大・新規参入に使いましたからね。利益という形で最終結果を出すならこうなるでしょう。」
もっともらしいことを言って彼女は大きくため息をついた。
「あと、単純に管理職に疲れたっス。帰ったら一週間ぐらい食っちゃ寝しまス。……そこ、「更に体重を増やす気か?」とか言うんじゃないっスよー。」
そんな彼女を、シーノは笑って見送る。ある意味これが、一番分かり易いビジネスの形なのかもしれない。
成否
成功
状態異常
なし
NMコメント
こんにちは、NMの水野弥生です。
まずは、この度のリクエスト、ありがとうございます!
一攫千金を狙って影響力を手に入れるアルヨ!
●やるべきこと
実業家の町「ゼニズラー」で、お金を稼ぐことです。
この町では持っている「お金」が影響力の全てです。
ちなみに、このお話は一か月でどれくらいお金が稼げたか、という感じで描写します。
●お金を稼ぐ手段
手段は、株でも不動産経営や企業経営(商売)でも、FXでもはたまたギャンブルでも構いません。
手持ちの初期資金は1000万円です。レートは日本円と同じ感覚で問題ありません。
●お金を稼ぐプレイング例
・飲食チェーン店を作る。この町には日本食のレストランがないから、その方向で!
・1000万円か……3倍にして返してやるよぉ(パチンコへGo)
・今はこの銘柄が得なのか……よし、この株を買おう。
それでは、頑張ってください。
たくさん稼ぐアルヨ!
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