PandoraPartyProject

シナリオ詳細

波打ち際へさざめく悪魔

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●波打ち際へさざめく悪魔
 R.O.Oの海洋であるネクスト、セイラー。
 そのある島の周域では、過去大きな戦いが繰り広げられ、被害も相当な物であった。
 だが……今となっては、その痕跡は殆ど見受けられず、棲まう人々も平穏な生活を過ごしている。
 ……そんな、極々普通の住人達が棲まうツィアーコ島。
 綺麗な海には近海で採れる魚が多いと言う事で……朝も早くから、漁船に乗り込み漁業をする島民達が海岸へと出かけていく。
 勿論いつもなら、ただ船に乗って、近海まで出かけて魚を捕ってくる……という、ただそれだけの行為の筈、なのだが。
『……ん? な、な、なんじゃこれはぁあああ!!』
 朝も明けきらぬ海岸に打ち上げられていたのは、タコと思しき物。
 思しき……というのは、見慣れたタコよりもその姿形が巨大で、タコだがタコともにつかなかった……というもの。
 彼らは海岸に半身出しているが……動いている様子はなく、まるで死んだ巨大タコが打ち上げられたのだろう。
『まったく、こんな巨大タコが出て来たら、漁に出れないべや!』
 仲間の猟師達と共に、砂浜に打ち上げられている数匹の蛸達を、どうにか引き離そうと、数十人がかりで、それらタコ達を海の方へと引っ張る。
 うーん、うーん……と引っ張る島民達……だが、タコは。
『……ウゥォォォン……!』
 と呻き声を上げると共に……タコ達は次々と起き上がり、周りに居た島民達を次々と襲い掛かかっていった。


「あー……そこのねーさん、ちょっといいかい?」
 と、見るからに怪しい風体の男が、セイラーにログインしていた神谷マリア (p3x001254)を手招き。
 一抹の不安を感じつつも、何だか放っておけず……マリアはなーに、と話を聞く素振りを見せると、彼は早速。
「んー、何だ。姉さん、困った島民を助ける事に興味はないかい? 海岸に、狂ったモンスターが現れる……とかな?」
 その話しを聞いて、マリアはふと……そういうのが出るのではないか、と考えて居たのを思い出す。
 それを見透かしたかのように、その漢はR.O.Oのマップを開くと共に、そこから一つの島を指指して。
「この島は『ツィアーコ』島という場所なんだわ……周りを美しい海に囲まれ、美味しい魚たちが近くを泳いでいる……って言う、中々楽園的な場所なんだわ。だが、そんな楽園に脅威が迫ってる、ってな」
「脅威はまぁ、皆が今迄も対応してきた狂王種みたいなものの様だ。普通狂王種は海の中に居るのが普通なんだが、こいつらは何故か波に漂い続け、不意にこの島の海岸に打ち上げられてしまった様でな? ……それを取り除こうとした島民達に怒り狂って襲い掛かってくる、って言う事件な訳だ」
「ま、島民達に一切の非もねえ状態なんだわ。勿論、狂王種が暴れ廻るのを、黙って見ている訳にもいかねえ……よな? ってな訳で、皆この狂王種の討伐を宜しく頼むぜ?」
 怪しい漢はそう言いながら、忽然と姿を消すのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)です。
 今回はアフターアクションを元に、ROOでの狂王種の討伐依頼とさせていただきました。

●ROOとは
 練達三塔主の『Project:IDEA』の産物で練達ネットワーク上に構築された疑似世界をR.O.O(Rapid Origin Online)と呼びます。
 練達の悲願を達成する為、混沌世界の『法則』を研究すべく作られた仮想環境ではありますが、原因不明のエラーにより暴走。情報の自己増殖が発生し、まるでゲームのような世界を構築しています。
 R.O.O内の作りは混沌の現実に似ていますが、旅人たちの世界の風景や人物、既に亡き人物が存在する等、世界のルールを部分的に外れた事象も観測されるようです。
 練達三塔主より依頼を受けたローレット・イレギュラーズはこの疑似世界で活動するためログイン装置を介してこの世界に介入。
 自分専用の『アバター』を作って活動し、閉じ込められた人々の救出や『ゲームクリア』を目指します。
  特設ページ:https://rev1.reversion.jp/page/RapidOriginOnline

●成功条件
 狂王種(8体)を排除しようとする島民達を守りつつ、勿論狂王種も退治する、という事になります。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

●周りの状況
 舞台となる『ツィアーコ』島は人口400人程度、とかなり小さな島です。
 周囲の海は美しく澄み渡り、そこに魚たちが一杯泳いでる……といった具合です。
 そんな島に打ち上げられた狂王種は8体……それを海岸線から引き離す為に、80人程でタコを引っ張って……タコが起こってしまってます。

●討伐目標
 ・狂王種『眠たげな』タコ x 8匹
   この近くの海域に恐らく生息していたでしょう狂王種ですが……寝て居るところを波に流されて、打ち上げられました。
   半分地上ではありますが、戦闘能力には差はありません。
   又、このタコ達……怒りを覚えると不思議な能力で周囲の天候に影響をおよぼすという事が出来る様なのです。
   大雨、台風……と、周りの住民達がそんな悪天候に巻き込まれてしまうでしょう。
   又、8本の触腕をぶんぶんと振り回して攻撃するのと、墨を噴き出しての視界を奪う攻撃です。
   特に触腕を振り回す攻撃が島民達に当たってしまえば即死なので、彼らの攻撃には十分注意して下さい。
   墨攻撃については、範囲に対する暗闇の攻撃、となります。
   尚、タコ達の攻撃には追撃の効果が付いています。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • 波打ち際へさざめく悪魔完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年07月14日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ヴァリフィルド(p3x000072)
悪食竜
神谷マリア(p3x001254)
夢見リカ家
ハルツフィーネ(p3x001701)
闘神
神谷アクア(p3x003529)
ねこの妹
レニー(p3x005709)
ブッ壊し屋
九重ツルギ(p3x007105)
殉教者
崎守ナイト(p3x008218)
(二代目)正義の社長
イズル(p3x008599)
夜告鳥の幻影

リプレイ

●打ち上げられし狂王種
 一面に海が広がるR.O.Oのネクストの一つ、セイラー。
 ゲーム上のこの世界の設定は……過去、大きな被害が出た地域である、という事。
 ……まぁ、イレギュラーズ達が現実世界で過ごし、繰り広げられた事ともほぼ同様な事が起きた、と言う設定になっているのであろう。
「……今や勝手知ったる海洋……にこの世は似ている様ですね。まあ、R.O.Oでは『航海』……でしたっけ?」
 と小首を傾げるのは『ねこの妹』神谷アクア(p3x003529)。
 それに姉であり、今回の依頼を……正体不明の男から託された『怪盗見習い』神谷マリア(p3x001254)が。
「そうにゃねぇ。正直人助けに興味はにゃいけど、マリアを見て強そうだなんて想う奴は面白いにゃねー。もう、しょうがないにゃぁ、マリアがそのタコさんを可愛がってやるにゃ! 丁度かわいい妹もいるみたいだしにゃあ、にゃははは!!」
「……そうですね。まあ、お姉様の妹を堂々と名乗れるのは、悪い気分ではないのですけれど……しかし仮想現実を楽しむというのは私のガラではありませんし、厄介千万なタコに長々と付き合いたくもないのです。さっくり解決してしまいましょう」
 マリアとアクアの、息がぴったりとあったやりとりは、現実世界からの縁だからこそ。
 何は兎も角、今回の相手は、このR.O.Oの世界にも現われてしまった怪物、狂王種の様なモノを退治してきて欲しい、というもの。
 イレギュラーズの皆がログインした、この寂れた漁業の島。
 その砂浜に打上げられたのが、眠りこけていた巨大なタコの形状をした狂王種であり……それを除けようとしたNPC達が、目を覚ました狂王種に殺されてしまう、という具合である。
「……眠りこけて、流されて……この島に流れ着いた、という事ですか……」
 そんな狂王種の動きに『殉教者』九重ツルギ(p3x007105)は。
「まぁ……狂王種にとっては、睡眠の邪魔をされて不機嫌なのかもしれませんね」
 肩を竦めて一言紡ぐと、それに『魔法人形使い』ハルツフィーネ(p3x001701)が。
「……漁師さん達は、単に海に戻そうとしてくれていたのに、怒るとは理不尽な……」
 溜息をつくハルツフィーネに、『夜告鳥の幻影』イズル(p3x008599)も。
「ん……そうだな。狂王種……厄介だ。それも……タコ?? なら、尚更さっさと始末しないとね……なるべく速く片付けて、島の人達が安心して生活出来るようにしてあげないと……」
 と、拳を握りしめる。
 そしてハルツフィーネ、ツルギが。
「ええ。これもある意味自然界らしいのでしょうが、だからといって見過ごせませんよね……新鮮なタコ焼き……」
「ええ、これが人の命を刈りとる理由にはなりませんので、タコさんには速やかに食の糧となって頂きましょう!」
 ……そう、今回はタコ……タコが素材となるモノと言えば、タコ焼き。
 勿論狂王種退治が前提ではあるものの……それよりも食欲全開な仲間達も居る様で。
「HAHAHA、これはこれは今回のmission、会社の新しいBusinessを掴むCHANCEじゃねーの!」
「そうだな、タコ焼きだ!! あの熱々でとろっとした食感、たまんねーんだよな!! 何だかデビルフィッシュとか怖い二つ名がある様だがよ、美味しく料理してやるぜ!!」
「OKOK、タコ漁の始まりだぜー!」
 『正義の社長』崎守ナイト(p3x008218)と『ブッ壊し屋』レニー(p3x005709)が大声で笑い合うと、それにイズルが。
「そうだな……上手く捕まえる為には、大きな樽とか壺とかが必要か? ……それを用意したら、その中にはいってくれたりしないかな……いや、退治するにも困るか、それは……」
 イズルが悩んでいると、『悪食竜』ヴァリフィルド(p3x000072)は。
「タコについてはその生態が分からんからな……その辺りは任せたい所だ。こっちとしては、島民の避難を考えたい所だ。避難させると言っても、周囲は海……高台にある建物に行かせる位しかないかもしれぬか? 島民も、特に疑いもなく指示に従ってくれるのであれば、島民だけでも避難は出来そうではあるが……いや、この血に水竜信仰でもあるのなら、我が水龍でも、その使いだと騙ってお告げのように言って逃がせられるかもしれぬな?」
 色々と考えているヴァリフィルド。
 とは言え今回はタコを引っ張っている島民達が突如襲われるという場面なので、信仰も何も……混乱の境地で上手く行かないかもしれない。
 ともあれ。
「まぁ、いずれにしても、だ。漁で命を落とすのは本望かもしれぬが、海に出る前に死んでしまっては海の男の名折れだ。全力で仕留める事としよう!」
 気合いの咆吼を上げると共に……イレギュラーズ達は狂王種の打ち寄せられた海へと急ぐのであった。

●怒りの矛先
『うわぁああ!! な、何だべこいつらはよぉぉ!!』
『し、知るかよぉ!!!』
 沢山の足を一杯引っ張られ……顔を真っ赤にして大憤怒している、巨大たこ……いや、『眠たげな』タコ。
 邪魔だから、と足を引っ張っていた島民80人は、突然暴れ出す。
 そしてその暴れっぷりと合わせる様に、空はみるみる内に天候が悪化し始める。
 天変地異まで引き起こすタコが暴れ始めた所に辿り着いた君達は、早速。
「Oh……突如たたき起こされたとこ悪ぃが、弱きを護るのがPresident……悪く思うなよ!」
 ニッ、と笑みを浮かべながらナイトがタコにプレジデントなポーズで挑発開始。
 勿論……タコ共がそのポーズを挑発と受け取ったかどうかは分からないけれど、少なくとも島民達よりも目立っているのは間違い無い。
 そうしてナイトがタコの注目を惹きつけてくれた所に、アクアとイズル、レニーとハルツフィーネの四人が島民達に向けて。
「みなさん、あのタコは危険です。これ以上タコを刺激しないで下さい。そしてあの大きな触手の射程からは慣れて、可及的速やかにそこから離れるのです!」
「ええ。これは私たちが何とかするから、十分に離れていて欲しい。後、好奇心旺盛な子とかがここに見に来ない様、そちらも気をつけて欲しいんだ。巻き込んだら大変だからね!」
「ああ! いいか、確かにアンタ達にとって、海に出れない事は死活問題だろう! だが、こいつはアンタ達が手が負えるような相手じゃねえ! とっとと島の高台の方に向かって、安全を確保するんだ!」
「そうです! あなた達は、助けて貰った御礼にタコ焼き作りを手伝うという大事な使命があります。だから速く逃げて下さい!」
 と空と陸の両面から大きな声で呼びかけて、島民達の避難を促す。
 そうしている間にも、タコの軍勢はイレギュラーズ達をターゲットに収め、早速攻撃開始。
「さて……起こらせずに戦うというのはなかなかに難儀ではあるな」
「そうにゃねー。でも島民を護るのがにゃー達の使命。突っ込んで暴れるにゃよー!」
 満面の笑みを浮かべたマリアが、タコの懐に潜り込み、拳の乱舞を繰り出していく。
 そんな先陣切ったマリアに続き、ヴァリフィルドは炎の息吹を敵陣に纏めて吹き放ち攻撃すると、更にハルツフィーネ、ツルギも。
「クマさんによるタコ狩りのお時間、です。がおー!」
「島民達には絶対に手出しさせないぞ!」
 と煌びやかな宝玉が嵌められた盾を掲げて、敵の怒りを買っていく。
 そしてイレギュラーズ達が敵へ先手の一撃を加えて行く中……対しタコ達の反撃。
 まるでゲリラ豪雨の如く、空から大粒の雨を降り注がせつつ、その口元から墨を噴き出して、視界を奪う。
 敵の攻撃が一巡し、次の刻。
 今度はタコ共が素早く動き、その触腕を大きく振り回す。
 一番近くに潜り込んでいたマリアが攻撃を受け……かけるが、そこに。
「たこ如きにリ……もといマリアお姉様を傷元にさせてなるものですか!」
 魔法のステッキから放たれた火花がタコの目の前で弾け飛ぶ。
 更にはレニーが、その攻撃に続いて近接。
「無駄に死ぬ気はねぇ、喰わないといけないからな。その脚を喰らう前に、攻撃をくらってやろうじゃねえか!」
 と食欲を爆発させつつ、敵に渾身の大振りの一撃……を喰らわせると見せかけてのずらしたタイミングで放つ、防御崩させる一撃を叩きつけていく。
 そして、ナイトは攻撃を喰らったタコに、更に。
「社長に撤退の文字はねぇ! ガンガン攻めてくぜ!」
 と攻撃に集中してからの一撃を放つちつつ、ツルギ、マリア、ハルツフィーネの近くへと移動し、回復の範囲に収まる場所へと位置取る。
 そして、村人達に追い縋らないようにタコ達への足止めを中心にイレギュラーズ達が動き回り、数刻。
 何とか島民達が避難完了し、避難を呼びかけていた仲間達も砂浜に合流。
「おまたせしました。島民達は、一先ず大丈夫です」
 とアクアの言葉にニッ、と笑みを浮かべたナイトが。
「よーっし。社長に撤退の文字はねぇ! ガンガン攻めてくぜ!!」
 気合いを漲らせると共に、自分が惹きつけているタコを早速攻撃に集中し、渾身の一撃を叩きつけ、大ダメージをたたき出す。
 そしてナイトに続き、気分上々なマリアが。
「にゃーのブラッドカーニバルを受けてみるといいにゃ!」
 と敵を血祭りに上げる殴打を喰らわせる。
 でも、敵陣のド真ん中に突撃してくるという事は、タコ達の集中攻撃を受ける事にもなってしまう。
 彼女に絡みつく触腕……本来ならば気色悪くて、悲鳴を揚げそうな所ではあるのだが。
「にゃはは! 触手が絡まってもみくちゃになってるにゃよ? んぅ……ちょっと興奮してきちゃ……にゃあああん♪」
 何処か恍惚の表情を浮かべるマリア。
 でも、その猫なで声が、タコ共を一瞬魅了。
 そんなマリアの声にふにゃふにゃになったタコへ。
「……おのれたこ共、お姉様に色目を使わせるとは……叩き潰すのです」
 少し低い声で宣言するアクア。
 魔法のステッキから漏れ出す光が、無差別にタコ共を切りつける。
 そして拘束から解かれたマリアが。
「もうちょっとだったのににゃぁ……」
 と残念そうにぽつり。
「お姉様?」
「アクアそんな目で見ないでにゃ。マリアだって男漁りは好きにゃけど、タコは流石にごめんにゃよ」
 ……この仮想世界だけでない関係が、何となく浮き出ているような気もするが……それはさておき。
 兎も角暴れ廻るタコ共を全て倒さなければ、この地に平和は訪れる事は無い。
 そして一瞬魅了されていたタコ達が何とか正常に戻った所で、今度はハルツフィーネが。
「タコさんを捕らえるクマさんの咆哮なのです。がおー!」
 と両手を挙げた威嚇のポーズでタコ共へ咆哮。
 更にヴァリフィルドは、タコの伸ばした触腕をガブリ、と食いつき、勢いそのままに食い千切る。
 そしてレニーは斬れない剣を鈍器としてドスン、と叩きつけ、ツルギは攻撃の手を多重に加える一閃で、敵を確実に削る。
 そして前衛陣がしっかりとタコ共に攻撃し、多数ある脚を一つずつ、確実に削っていく。
 その一方で、後衛のイズル、アクアの二人は仲間達の体力の状況を常に見極めながら。
「大丈夫か? すぐに回復する」
 と二人手分けして仲間達の回復。
 勿論多脚のタコ達は、連続攻撃を次々と繰り出してくるので、例え一匹だけであっても、体力の減るスピードはかなり速い。
 しかし決して慌てる事無く、確実にタコの脚を削り、手数を減らす様に動き回る。
 ……そして、イレギュラーズ達が敵に接敵してから十数分。
 多数で蠢いていたタコ共も、どうにか残るは後1匹。
 脚ももう2本しかなく……余り動かずに、その場から触腕を伸ばし、反撃を繰り広げていく。
 ……そんなタコに、ハルツフィーネが。
「そろそろ終わりなのです。香ばしく焼きましょう」
 と、クマさんの目から破邪の光線を発射。
 脚にその光線が当たり、ジュゥゥ……と香ばしい音を立てて、蛸脚をこんがり焼き上げ、一つの手を使い物にさせなくする。
 その使い物にならなくなった腕で、どうにか体を支えているが……更にレニーが足元の小石を蹴り上げ、そこに雷を纏わせ放つ一撃。
 その一撃がタコの身体中心部に命中、更に身体を貫く一撃。
『……!!』
 最後に残りしタコは、その巨体をそれ以上維持する事も出来ずに……砂浜の上にばたん、と巨躯を横たえるのであった。

●救われた島
 そして……どうにか全ての供応種達を倒したイレギュラーズ達。
 目の前には、死した骸の供応種達。
「さて、と……これをどうするんだ?」
 とイズルが頚を傾げると、満面の笑みでナイトが。
「勿論、タコパでパーティーだ! 巨大タコ焼きでLuxuryなBusinessと行こうじゃねーの!!」
 とナイトの言葉にこくり、と頷くのはハルツフィーネとレニー。
「そうなのです。働かざるもの、喰うべからず、です」
「ああ。海にいる生き物は何でも喰えるって聞いたしな。狂王種だろうといけるいける! 毒が亞狼と無かろうと、命、懸けるぜ!」
 二人の言葉にイズルは。
「……料理する? 確かに、狩った獲物を無駄にしないのは良い心がけだと思うけど……ええ……」
 と、驚きを隠せない。
 ともあれ狂王種、もしかしたら凄まじい毒を盛っているかもしれない。
 勿論そんなものを一般人に先に食べさせる訳にはいかない、という事で……先ずは普通のタコ焼きに仕上げて、一先ず毒味。
「……うーん……凄く美味しい、って訳までは行かないですね」
「ああ。特に痺れる感じもないし、まぁ……大丈夫そうだな」
 ハルツフィーネとレニーの毒味も完了。
 そして……避難させていた島民達を呼び戻し、いざ、タコ焼きパーティー。
 普通にタコ焼きを作るものもいれば、ナイトの様に奇抜なタコ焼きを作るのも……。
「ナイト社長……ゲーミングたこやき、作りましたが、本当にヒットするのでしょうか?」
「うん。光らせたいとか、ナイトさん正気? ツルギさんも止め……ないよね、うん、わかってた。どうなっても私は知らないからね」
 そう、ゲーミングタコ焼き……タコ焼きの生地に、イズルの作り出したポーションを混ぜて、ケミカルな色合いにしたタコ焼き。
 かなりハイになりそうなポーションを混ぜ込んだタコ焼きは……正直な所、奇抜すぎて島民達は中々食べようとしない。
 ……ともあれ普通のタコ焼きを囲みながら、食べて飲んでの宴会が繰り広げられ、砂浜は一時のお祭りの如き活気に包まれる。
 そんな中、ツルギはふと。
「しかし、依頼主はなぜマリアさんに依頼したのでしょうね? 動機によっては衛兵案件だと思うのですが……マリアさん、どう思います?」
 と問いかける。
 だがマリアは。
「んー、そんなの分かんないにゃぁー♪ ほらほらー、ツルギちゃんも飲むにゃー!」
「お姉様……仲間に色目を使うのも、ダメです」
「えー、つれないにゃー」
 アクアに窘められつつっも、それはそれとして楽しんで居る模様。
 ともあれ、そんなタコ焼きパーティーを島民と共に楽しんでいると、瞬く間に時間は過ぎ去っていくのであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

崎守ナイト(p3x008218)[死亡]
(二代目)正義の社長

あとがき

タコ焼きパーティー!
……いや、狂王種タコ退治、、お疲れ様でした!

……ゲーミングタコ焼きは、食べてみたいような食べてみたくないような……生地にエナドリ入れたらそんな感じになりそうですね?

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