PandoraPartyProject

シナリオ詳細

学園の遅延探偵イレギュラーズ

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●本日の事件現場
「い、イヤァーーーー!!!」

 とある境界世界のとある学園。ちょっと在校生徒及びスタッフの人数が多すぎて無関係の人がしれっと入り込んでてもしばらく誰も気づかないくらいデカイ以外はなんの変哲もない普通の学校。
 いつもと変わらないちょっと退屈な、だからこそ掛け替えのない青春の日が今日も過ぎ去っていく、はずだった。ある教室から、一人の女子生徒の悲鳴が上がるまでは。

 惨劇の予感に、いつもと変わらないはずのチャイムの音がどこか不気味に響いていた。

「何があった!?」

 駆けつけてきたのは阿桑揺・セナ(あくわゆる・せな)品行方正、成績優秀、スポーツ万能を地で行く学園おヒーローだ。さらには不正やらなにやらを許せない正義感でもあるので、いかにも何やら事件でございという悲鳴が聞こえてきたら彼がいの一番に反応するのは当然のことだと言えた。

「セ、セナくん……」

 セナの問いかけに、青ざめた顔で女生徒が応じる。彼女の名は、塗巣稀・ティタ(ぬすまれ・てぃた)。もちろん彼女が悲鳴の主である。

「もう一度聞くぞ!何があったんだ!?人が死んでいたのか?!爆弾を見つけたか!?学園地下の封印が解かれ古代殺戮王『キルゼムオール』が復活したのか!?!!?」
「びっくりするくらい治安が悪い想定だね……この学校地下にそんなのいるの!?」

 居るかも知れない。ライブノベルは自由だ。

「想定を下回って申し訳ないんだけど……私の体育館シューズが盗まれたみたいなの……」
「なんだって!?ティナちゃんの体育館シューズが盗まれた!?なんてことだ、人のものを盗むなんて許されない!必ず犯人を見つけ出してその血で贖わせなければ!!」
「どんな世界観で生きてるのセナくん」

 いきり立つセナにティナは少し冷静になってくる。だが、セナの大声に、何が起きたかを理解した周囲はヒートアップしてくる。

「なるほど、どうやら私の出番のようですね」
「院手くん!?どこから出てきたの!?」
 これはセナと毎回テストで成績トップを争う院手・リオン(いんて・りおん)。

「ぬぅん、久しぶりに”指導”滋賀院おある状況になってきたようだなぁ……」
「槍杉先生!?」
 これは行き過ぎた生活指導で懲戒免職(クビ)秒読みと名高い生活指導教諭、槍杉・デス(やりすぎ・です)。

『オォォォ、ニンゲン、滅ボス……』
「誰!?」
 これは古代殺戮王『キルゼムオール』。

「わんわん!」
「あ、かわいい」
 これは迷い込んできたワンちゃん(茶柴)。

「ぬぅ……ティタちゃんの体育館シューズを盗むなんて……許せないでヤンス!!!!!」
「た、体育館シューズペロペロ之助!」
 これはこの事件の犯人。

「これだけ人が揃っていれば必ず犯人は見つけ出せる!みんな、力を合わせて頑張ろう!」
「私は帰っていい?」

 駄目です。
 というわけで、事件ですよ。

●境界図書館にて
「まぁ持ち物検査すれば一発で犯人がわかるわけだけど」

 身も蓋もねぇことを言っているのは境界案内人、カストルである。

「例によって一発で解決されちゃうとなんやかんやで世界が滅ぶからなんとか引き伸ばしてほしいんだ」

いつもならこのへんでなんやかんやの説明をしろ的な抗議の声が上がるところだが、今回は違う。

「ふふふ、このうさみみ探偵にお任せなんだよ!」
自信満々に胸を張るのはコゼット (p3p002755)。

「えぇ、なにせ私達は」
 キメ顔で腕を組むウィズィ ニャ ラァム (p3p007371)。

「この事件のプロだからね!」
 溌剌な決めポーズのフラン・ヴィラネル (p3p006816)。

 なんのプロなんですかね。まぁこの3人は以前も似たような依頼に参加しているのでなれているというのは間違いないのだろうけど。

「あぁうん。そうだね。よれじゃあ、よろしくね」

 そんなこんな。なんとなく適当なカストルの声とともに3人のめい探偵となとなんか近くに居たので巻き込まれたイレギュラーズは事件現場に向かうのであった。

NMコメント

 リクエストありがとうございます!!!!!!
 書いてて楽しいけどネタがあんまり思いつかないシリーズなのでリクエストしてもらって非常に嬉しかったです。

 というわけでこんばんは、小柄井枷木でございます。今回は学園モノってことで人死が出てもアレかなってことで窃盗事件にしてみました。

●シナリオの目的
ここままだとすぐに犯人が見つかってしまうので、なんやかんやと理由をつけて解決を先送りにすることです。的はずれな推理をしたり、関係ない人を連れてきたりそのへんの石ころを証拠だと言い張ってみたり、急に宇宙人が来襲したり、とにかく何してもいいんで事件を引っ掻き回してあげてください。

●事件の舞台
 とある学園です。めちゃくちゃでかいので知らない人が紛れ込んでても誰も木にしません。要するに皆さんが学校にいる理由について特に理屈をこねる必要はないです。まぁ着てみたかったら制服とか着て出てきてもいいんじゃないでしょうか。
 大きな学園なので、なんか変な生徒や先生が居たり、変な教室があったり、変な備品があったり、変な生き物を飼っていてもおかしくないです。要するに皆さんのプレイング次第で何でも生えてきます。

●関係者
 阿桑揺・セナ(あくわゆる・せな):学園のヒーロー、成績優秀な正義感です。このままだと探偵役としてあっさり事件を解決してしまいます。

 塗巣稀・ティタ(ぬすまれ・てぃた):体育館シューズを盗まれた被害者です。勢いで書いたら常識人がこの子しか居なくなってたのでツッコミ役として生かしてあげてください。

 院手・リオン(いんて・りおん):インテリ眼鏡です。多分頭はいいですが、皆さんのプレイング次第ではアホにもなりえます。シュレディンガーのインテリ。

 槍杉・デス(やりすぎ・です):やりすぎることで有名な生徒指導の先生です。デスって名前をつけた親は何を考えていたのでしょうか。

 古代殺戮王『キルゼムオール』:古代文明アトランティスを滅ぼした後勇者に学園地下に封印された魔王です。

 ワンちゃん:かわいい。

 体育館シューズペロペロ之助:説明いります?

 人はムダに多いですが、ほしければプレイングでもっとたくさん登場人物をでっち上げてもいいし、逆に邪魔だなって思ったら触れないでおけばリプレイには出てこないです。

 事件の概要については概ねこんな感じです。あとは皆さんの好きなように料理してあげてください。
 それでは、良き推理を!

  • 学園の遅延探偵イレギュラーズ完了
  • NM名小柄井枷木
  • 種別リクエスト(LN)
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年07月14日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

コゼット(p3p002755)
ひだまりうさぎ
※参加確定済み※
フラン・ヴィラネル(p3p006816)
ノームの愛娘
※参加確定済み※
ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)
私の航海誌
※参加確定済み※
橋場・ステラ(p3p008617)
夜を裂く星

リプレイ

●真実はいつも一つかもしれない
 さて。

「ワンワン!」
「わぁー、ワンちゃんかわいいねぇ」
「パン食べるかな?」
「グォオオ……ワンチャン……ナデタイ……」
「ヒュー!この可愛さは体育館シューズをペロった時の幸福感に匹敵するでヤンス!」

 学校に犬が紛れ込んだらみんな全力でちやほやするよね。それはたとえ体育館シューズが何者かによって盗まれるという事件が起こっていたとしても変わらない。だってワンちゃんはかわいいから仕方ない。ネコちゃんと違って構っても逃げないでむしろ懐いてくるし。
 なので、

「えぇ!?ワンちゃん、まさか体育館シューズペロペロ之助がシューズを盗んだのを見た!?」

 例えば、フラン・ヴィラネル(p3p006816)がなんか生徒の中に紛れ込んで決定的な証言を得ていたとしても誰も気が付かないのだ。

(…この事件、終わらせていいの?)

 そんなフランであるが葛藤している。すぐにでも事件を解決できる証言は得た。ワンちゃんに証言能力があるのかなんて野暮なツッコミはゴミ箱にダンクだ。────だがそれでいいのか?

(あたし達が境界図書館で「事件はない!?」ってお願いして見つけてもらった事件だもん、そんな簡単な事件であるはずないよ!)

 そう、これは彼女たちが望んだ事件。安楽椅子に座ったまま解決するのはいささか勿体ないというものだ。

「この簡単な事件、あたしが4000文字もたせてやr「はなしはこのウサ耳で全て聞かせてもらったよ…!」ぐわー!」

 ガッシャァアアアアン!!

 フランが決意を表明していたところに背後の窓がブロークン。そこから教室に舞い込んできたのは、そう。

「うさ耳探偵、コゼットさんじょう!」

 毎度おなじみコゼット(p3p002755)だ。

「ああああああ!あっしの命が零れ落ちるでヤンス!!いくらぺろっても鉄の味しかしないでヤンスゥ!!」

 いつも通り、何の罪もない(仮)人物にガラスの破片をぶちまけるのも忘れない。
 しかし今回はいつも通りのようでいていつも通りではないところもある、それは、

「とあー!!」

 ガッシャァアアン!!!コゼットに続いて隣の窓もブロークン。飛び込んできたのはポリススーツに身を包んだ二人の少女with馬。ウマぁ!?

「動くな!デトロイト市警、じゃない、警察だ!」
「イケ女刑事、ウィズィニャラァム!」

 とまぁ飛び込んできたのはウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)と橋場・ステラ(p3p008617)です。びしぃっ!とかっこいいポーズを決めているが、君らこの惨状どうするつもりだ、馬が窓破りに巻き込まれて倒れているフランを突っついているじゃないか。何か言うことはないのか。

「あっ!?フランさんが下敷きに!?
くそっ、キルゼムオールめ…絶対に許すものか!」
「エッ」

 人のせいにするんじゃないよ。馬に巻き込まれたけど大丈夫ですかフランさん。

「痛かったから、ちょっと保健室行ってくるね!」

 結構大丈夫そうですね。まぁそんな感じでフランさんは一回保健室にどうぞ。

「あ、今1251文字だよ」

 教室を出しなにそんなことを言うフラン。カウントありがとうございます。

●真実はいつも一つかもしれないけど嘘ならいくらでも作れる
「貴様らァ!!教室を荒らしおって!!指導だ、指導!!!」

 ここで槍杉先生、キレる。当然だと思います。指導のために乗馬鞭をどこからか取り出しパシィン!と鳴らして威嚇を、今回馬特集かなんか?

「ちがうんだよ、槍杉先生!!」

 コゼットはそれに反論。何も違わないと思いますが。

「どういうことだ!?」
「これは……キルゼムオールくんがやれって脅してきて……!」
「エッ」

 これは困惑するキルゼムオール君。

「なんだとぉ!?貴様、とんでもない不良生徒だな!指導だ!」
「エッ、エッ」

 これは疑うことを知らない槍杉先生。

「貴様は反省文だ!指導室に行くぞ!!!」
「エ~ッ!?」

 連れられて行くキルゼムオールくん。コゼットは悪は滅びたとばかりに汗ををひとぬぐい。本物の悪はこいつだと思います。

「ふぅ……さて、あらためましてこんにちは、探偵部のコゼットだよ」

 コゼットは改めて生徒たちに自己紹介。そしてそのままつかつかと歩みを進める。どこにって、ワンちゃんのほうに。

「それでこの子が探偵犬の………ごめん、そういえばうちには探偵犬なんていなかった
きみ、どこの子? まいごかな、よしよーし」
「……何しに来たの!?」

 なでなでもふもふ。急に来た探偵が場を荒らした挙句に犬にかまいだしたらそれは突っ込みを入れる。ちなみにこれはようやっと発言できた今回の被害者ことティナさん。

「よし、皆の気がそちらに向いている隙に…」

 そしてこっちは流れを無視してマイペースにことを進めるウィズィ。

「オホン、捜査協力者は集まったかね、ステラ刑事」
「はい!まずは現場検証と情報収集が必要、と思ってティタさんの交友関係者をお呼びしてあります」
「えっ?」
「担任、クラスメイト、部活動の顧問、ご家族etc、より取り見取りです」
「待って、家族呼んじゃったの!?」
「…うん!素晴らしい手際だ!さすがステラちゃん刑事!かわいい!有能!すてき!」
「ありがとうございます!人が集まりすぎちゃって現場検証は無理ですけど」
「あんまり有能じゃない」
「それはさておき、聴取タイムです。人数が多いのでそこの眼鏡さん他もちょっと手伝って下さいね、やれ」
「素人に仕事押し付けるのは刑事としてどうかなぁ!?」
「やれやれ、仕方ないな」
「院手君も乗らないで?!」

 しばし事情聴取タイム。巻きでお願いします。

「というわけで、これが情報をまとめたものです」
「うむ、ご苦労」

 鷹揚に頷きなんか紙の束をステラから受け取るウィズィ。

「ふむ、さて、被害者について集まった情報を統括すると…塗巣稀・ティタ16歳、5月3日生、A型、両親妹と4人暮らし、陸上部所属、趣味はサイクリング、恋人無し、キス未経験、今日のパンツは水色の花柄、ベッドの下に秘蔵の…「ちょっと待てェ!」」

 資料を読み上げるウィズィにティタさんのインターセプト。

「流石にご家族まで集めると、ベッド下の秘密まで丸裸ですか」

 感心したような顔で言うステラであるがそのご家族まで集めてきたのはこいつである。

「それではこの得られた情報から、ティタさんの盗まれた体育館シューズの右足側が何処に行ったのか検証しましょう」
「私のプライベート情報しかなかったんだけど!?」

 そろそろまとめに入ろうかというウィズィの発言である。ここからまとまるんですかね?

「私が思うに」

 とりあえず一番槍はステラさん。

「何故セナさんは封印の存在を知って居たんですか」
「えっ、俺!?」

 ここでオープニングでは目立ってたけど今まで空気気味であったセナくんに飛び火。まとめる気ねぇな?

「ティタさんも知らなかったのに?まさか封印を解こうとしていたのではないでしょうか」
「違う!俺は、俺の一族は代々あの封印を守って……」
「クラスメイトの知らない真実が」

 セナの反論。ティナのぼやき。それらを歯牙にもかけずにステラの推理は続く。

「そう、その解除の為の触媒としてティタさんの体育館シューズを!」
「なんでそうなったかなぁ!?」
「何故って……何か、お友達になってあげたかったとか、そういうハートフルなやつではないでしょうか?」
「動機がふわっとしすぎじゃない!?じゃあ証拠は!?」
「証拠は……さっき鉛筆転がしでそう出てたので」
「適当!!」

 ステラの見事の推理にティナさんは不満が隠せないようだ。

「ふっ、甘いね皆…あたしは真実に気付いてしまったよ!」

 と、これは保健室から戻ってきたフラン。

「マダ反省文オワッテナイ……」

 ついでに連れられてきたキルゼムオールくん。律儀に書いてたんすね。

「保健室帰りの途中に呻き声が聞こえて、これはなんやかんやのあはんうふんチャンスだって覗きに行ったら」
「なんやかんやとは」
「なんやかんやはなんやかんやだよ!人来ちゃう///だよ!!」
「あ、はい」

 ここ、伝統芸能。

「そこの扉についてたダイヤル錠を『801』にしたら封印が解けたんだけど…なんとこのキルゼムオールさんを倒す為に必要なアイテムの一つがティタさんの体育館シューズだったんだよ!
ティタさんが聖女の生まれ変わりだってこと、ペロ之助は気付いてたんだよね?
それに賢者リオンさんのメガネ、色んな意味で魔法使いの槍杉先生の魔法のリコーダー(生徒のもの)、そして封印の人柱(上半身裸で十字架に磔にして包帯と鎖と黒い羽を散らす)に必要なセナさん!
ほら今だよ!皆の心を一つにキルゼムオールを討つんだ!」

「突っ込みが追い付かないから一息に喋らないで!?」

 これはティタの渾身の叫び。

「ふっ、今回もあたし達ってば天才…」

 こっちは自分の推理に自信たっぷりのフラン。

「あっ!ここに居たのか!反省文はできたのか!?」
「スイマセン、引ッ張ッテ来ラレテ……」

 これは先生に見つかったキルゼムオール君。

「なるほど……」
「なにが!?」

 そしてこれはこれらの推理を聞いて自分の結論を導き出したウィズィ。

「恐らく、私がたまたま持っていたこの左足側の体育館シューズが大きな手がかりになってくれる筈です!」
「犯人見つかったんだけど」
「きっとこのシューズと同じ臭いを放っている人が犯人に違いありません!」
「何言ってんの!?」
「クンクンクンクンスハスハスゥーーーッッ」
「何しちゃってんの!?」

 ぎゃーすか。騒いでるその後ろで。

「ふむふむ、人がいっぱいいたから遊んでほしくて来たんだね、かわいいね、遊んであげようよ」

 コゼットはワンちゃんとほのぼのモフモフ空間を展開して、

「って、急に走り出してどうしたの?まるで何かの臭いを察知したみたいだよ……!」

 ワンちゃんの牙が体育館シューズペロペロ之助に突き刺さるまであと10秒……!

成否

成功

状態異常

なし

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