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シナリオ詳細

ばーがーばっか! ~特異運命座標の新商品開発~

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●理想の新商品を求めて
 現代日本の東京によく似た、とある駅前。
 学生から社会人まで幅広い年代層が駅を利用するため、この周辺は飲食店の激戦区となっている。
 ラーメンから牛丼、ファミリーレストラン、そして……ハンバーガーショップ。
 駅から300歩ほど歩いたところに、その店はある。
 ハンバーガーの店『オールラウンド』は、数年前にオープンしたチェーン店で、できて日が浅いこともあり、ショップそのものは半径20km以内に3件ほどを構える、まだまだ小さな店だ。
 オーナーの芳賀義光(はがよしみつ)は、数年目にして壁にぶち当たっていた。そう、新商品の開発が難航しているのだ。

「ありきたりなものばかりではダメだ。何かこう、人をあっと驚かせるような商品を作らなくては。」

 来る日も来る日も、新商品の試作は続く。
 ある時はバンズの間に挟む鶏肉を、健康志向と称してモモからムネに変えてみたし、またある時は、ヒレ肉のステーキを挟み、挟む野菜をピクルスの代わりにハラペーニョにしてみた。 サイドメニューにもこだわりを持ち、様々なフルーツのイタリアンジェラートを作ってみたこともあった。
 しかし、納得のいく成果は得られない。
「こうなったら、外部の人間を頼るか。……作る人間によって、料理の味は異なるというし。」

 作る人間が違えば。それはもしかしたら画一化された商品を提供するハンバーガーでも、同じことがいえるかもしれない。 
 こうして、新商品開発企画のための短期アルバイト募集のチラシを作り始める。

『商品開発メンバー募集! あなたの商品が全国に?! やりがいのあるお仕事です!』

 一縷の望みを託し、オーナーはチラシを投函し始めるのだった。

●いざ、商品開発へ
「ハンバーガーって体に悪そうな食べ物の代名詞でもあるけど、たまーに食べるととっても美味しいのよね!」
 ポルックスは満面の笑みで、集まった面々にアルバイト募集を見せる。
 チラシの内容は以下の通りだ。

===========================
『商品開発メンバー募集! あなたの商品が全国に?! やりがいのあるお仕事です!』
 ハンバーガーチェーン店「オールラウンド」では、新商品開発のためにあなたのアイデアを必要としています!
 Q:どんな材料を用意してるの?
 A:基本的な材料は勿論、各種取り揃えております。サイドメニューも充実!
【バンズ】
 普通のバンズのほかにも、全粒子、米粉でできたバンズ
【肉】
 牛・豚・鶏の各種部位(ホルモン含む)のほか、ウィンナーやサラミなどの加工肉がございます。また、ジビエなどの他のお肉も必要であれば手配可能です。
【魚】
 タラやサーモンを中心とした白身魚がございます。
 また、付け合わせでオイルサーディンも。
【野菜】
 レタスやトマト、玉ねぎなどの基本は勿論、ニンジンやオリーブ、ピーマンなど、色とりどりのお野菜で商品を彩りましょう♪
【その他のトッピング】
 ピクルスやチーズ、目玉焼きがございますが、厚焼き玉子や納豆など、あっと驚くものを入れていただいてもOKです!
【調味料】
 各種取り揃えておりますので、様々な味付けにチャレンジを!
【スイーツ】
 こちらはサイドメニュー向けとなります。
 シェイクやチョコレート、マシュマロやスムージー等々、あなたのアイデアを活かしてください♪

 Q:材料費の負担はありますか?
 A:材料費はすべて弊社負担! 安心して開発に取り組んでください!
 Q:どのくらいの期間働くのですか?
 A:拘束時間はたった1日! 〇〇駅前の店舗で接客をしながら、開発するのもOKです!

 皆様のご応募、心よりお待ちしております!
 お問い合わせは……
===========================

「なんだか自由に、美味しいものを作れるのは良いことだと思うわ。拘束時間も一日くらいだし、皆の個性が詰まったハンバーガーも食べてみたいな。」

 ぐーっと、腹の虫が鳴く音がする。
 腹ぺこイレギュラーズによる商品開発、いざ、開幕。

NMコメント

 こんにちは、水野弥生です。
この度はリクエストありがとうございます!
ハンバーガーに限らず、ジャンキーな食べ物は私も大好きです。
(ちなみにてりたまが好きです)

【やるべきこと】
 皆様4人で、商品開発(試作)を行ってください。

【商品の提案個数】
 一人当たり最大2つまでとします

【材料について】
 一通りオープニングのチラシでざっと提示はさせていただきましたが、これ以外にも使いたい材料があればオーナーの芳賀さんがすぐに手配してくれます。ぜひいろいろな材料でトライしてみてください!

【作った後】
 オーナーの芳賀さんが、一つ一つ食べて吟味してくれます。
 オーナーの評価ですので、ぜひ皆さん気合を入れて作っていただければと思います!

それでは皆様、頑張ってください。
良きジャンクフードライフを!

  • ばーがーばっか! ~特異運命座標の新商品開発~完了
  • NM名水野弥生
  • 種別リクエスト(LN)
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年07月08日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談8日
  • 参加費---RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

セララ(p3p000273)
魔法騎士
ルアナ・テルフォード(p3p000291)
魔王と生きる勇者
エレンシア=ウォルハリア=レスティーユ(p3p004881)
流星と並び立つ赤き備
御天道・タント(p3p006204)
きらめけ!ぼくらの

リプレイ

 ーーオールラウンド、商品開発当日。
 『魔法騎士』セララ(p3p000273)、『絶望を砕く者』ルアナ・テルフォード(p3p000291)、『至槍の雷』エレンシア=ウォルハリア=レスティーユ(p3p004881)そして『きらめけ!ぼくらの』御天道・タント(p3p006204)は店の中で一堂に会し着々と商品開発を進めている。
「新商品開発かー。」
「僕は2つ考えたよ!」
「コマーシャルも大事でしてよ?」
「他人の好みってのを考慮に入れないといけないから難しそうだよなぁ。こいつは普通の戦い以上に頭使いそうだな。」
「でも、わたしたちの作ったバーガーが商品化されて、皆に美味しいって言ってもらえたらめっちゃくちゃ嬉しいよね! えへへ頑張ろうね!」
「だな。これはこれで楽しそうだ。まあやってみっか!」
 しかし楽しそうに会話しているあたり、雰囲気は和やかに商品開発が始まりそうだ。

 先陣を切って早速商品のプレゼンを行うのはタントだ。指を得意げにパチンと鳴らす。
「オーッホッホッホッ! 今こそ無限に溢れるアイディアを形にするとき! そう! このわたくし!」

 \きらめけ!/
  \ぼくらの!/
\\\タント様!///

「──が! バーガー界に新風を吹かせますわー!」
 クリエイトでアソシエイトなセレブリティに溢れるポーズを取りながら、タントは作成したハンバーガーを見せつける。
 ……盛付け皿が、やたら豪華なのが気になるところだ。
「わたくしの打ち出す路線は、超豪華バーガー! ですわー!」
「いや、ヒレ肉は試したぞ?」
 オーナーの義光は使っている肉質を一瞬でヒレ肉と見抜く。
「のんのん! もっと突き抜けねば!」
 こほん、と咳ばらいをすると、彼女はその突き抜け具合を説明する。
「同じヒレ肉でも、バンズと共に頬張って抵抗無く噛み切れる程の極上の柔らかさを持つ最高級牛肉でなければ! そう、目指すは…フォアグラの柔らかさを持つステーキ!」
 最高級、という言葉にどよめきが起こる。タントは得意げに続ける。
「折角ですので、フォアグラも挟みましょう! 一緒にがぶりと食べましても食感に違和感がない……その一体感こそがバーガーの醍醐味なれば! となりましたら、バンズの小麦やソースにもこだわりませんとね~!」
 さらに、とタントは店舗の一角に目を向ける。
「イートスペースの一席を! 高級レストラン風に! 改装しましたわー!」
 ーーえ?! という声が、店舗中に響き渡る。
 高級な食器にインテリア、銀のナイフとフォークで食べる極上のバーガー……採算がとれるかどうかは別として、皆がごくりと唾を飲む音が聞こえる。
「今やバーガーショップも『体験』を売る時代ですわー! 一席しかございませんので、人気殺到しましても予約待ちということになりますが……。それすらも高級感をいや増すエッセンス! これぞバーガー革命ですわ~!」
 オーッホッホッホッ、と高笑いが聞こえる。
 『体験』を売る、という発想は義光にもなかったらしく、新店舗展開の際には活用したいということだ。

 じゃあ、とルアナが控えめに手を挙げる。
「えーと……大きいってことはそれだけで目を引くと思うの!」
 大きさ、確かにそれは見た目でのインパクトは強いのかもしれないが、いわゆる「特大バーガー」は他のお店でもよく作られているものだ。
「うん。ただ大きいだけだと他のお店でも作ってると思うからね。もうひと工夫したいよね。」
 そういって彼女は大きなハンバーガーを運んでくる。通常サイズのハンバーガーが4つ分くらいの、なかなかに大きいサイズのものだ。
「んとんと…。ハーフ&ハーフぽく、2種類の中身を半分ずつ乗せることにしてっと。でも両方の味が混ざると美味しくないから、中央に細かく刻んだ玉ねぎとかを置いて、ちゃーんと区分けするよ。賢いでしょー!」
 おお、と各メンバーから声が上がる。流石にこの大きさのハンバーガーはなかなか見ることがない。ルアナは説明を続ける。
「半分はハンバーグとチーズとスライス玉ねぎ。肉汁たっぷりでおいしいよ! んーと。ケチャップはお好みでかけてもらうようにしよ。シンプル大事。もう半分はエビカツ! レタスとエビカツとタルタルソース。レモンは要るかな?」
 2つのバーガーの具材そのものはいたってシンプルなもの。しかしシンプルであるがゆえにその大きさと、バンズからはみ出る具がこれでもかと食欲を誘ってくる。
「良いインパクトだが、これ、食べづらいんじゃないかい?」
 義光は少し意地悪な質問を投げる。しかし、ルアナはそのあたりの気遣いも怠らなかった。
「ナイフもつけておくから、皆で切り分けて食べるといいよ! 女の子とか、ボロボロ零しながら食べるのやだもんね。かぶりつくよりは切って食べるほうがいいかなぁ。」
 確かに、普通の大きさのハンバーガーでも、一口が小さい人にとってハンバーガーはなかなかに食べ辛い強敵だったりする。
「なるほど。気遣いが活きる、いい商品だね。ついでに通常サイズのハンバーガーでも、ナイフとフォークを導入してみようか。」
 義光はこの案をかなり気に入ったようだ。
「えー、でも、ハンバーガーって大きくかぶりつくのが醍醐味じゃないの?」
 セララがルアナに茶々を入れるが、それは咎める様子ではなく商品開発そのものを楽しんでいるようだった。
「たまにはいーじゃん! まぁでも、それもよく分かるよ。」
 一瞬頬を膨らませるルアナだったが、すぐにフフッと笑い、メンバーたちの他のバーガーも早く見たいなと席についた。

 茶々を入れた流れで、今度はセララが席を立つ。
「インパクト重視で2個提案してみたよ。1個目はピザバーガーで、2個目はトリプル豆腐バーガー。」
 とろりとチーズが溢れている隙間からトマトやサラミが顔をのぞかせているピザバーガーは、見る者の食欲をそそるジャンクそのものだ。もちろん間に使われているパティは牛ひき肉のハンバーグだ。
「キャッチフレーズは『高カロリーは美味しい。ジャンク×ジャンク、ピザバーガー!」
 オーナー含め、じゅるりと涎が垂れる音が聞こえてくる中、セララは2個目の商品についても説明を始める。
「最近の流行に乗ってカロリー控えめダイエット食品だよ。バンズにはもちふわな豆腐パンを使用。パティにはヘルシーな豆腐ハンバーグ。調味料はもちろんお醤油。これが伝説の! 豆腐で豆腐を挟んだトリプル豆腐バーガーなのだー!」
 和風テイスト、しかも女性受けも間違いないだろう。
「キャッチフレーズは『低カロリーなのに美味しい! 健康を支えるトリプル豆腐バーガー』」
「ほう、キャッチコピーまで考えてきたのか。……ところで、最初のタントさんも言っていたけど、宣伝はどうしようか。」
 義光はコマーシャルの重要性に気づき始めているようだ。セララはそれならと、話を続ける。
「皆の提案もだけど、明らかにインパクトがあって珍しいのを混ぜておくと宣伝になるんだよ。ネットで有名にしていこ?ぬこぬこ動画やちゅいったーに投降だよっ。もちろん食べたら美味しいから!」
「なるほどな。そういったところへの投稿であれば、広告費も抑えられる。だが、それでもお客様は来てくれるのだろうか……?」
 尚も不安な義光に、セララは得意げな顏で大丈夫と声を掛ける。
「それなら必殺技、期間限定だよ。人間は限定って言葉に弱いのだ。販売中止になる前に食べてみようってなるよ。さらに奥義、販売個数限定も組み合わせ!」
 なるほど、数が限られていたら人は集まってくるのか。義光は合点がいったようだ。
「これでどんなイロモノバーガーを売り出しても安心だね。強気で行こう!」
 そう言ったセララの顔も、とても強気で頼もしい。

「では最後に……エレンシアさん、お願いしてもいいかな。」
 義光はエレンシアの商品紹介も促す。
「皆の案もすごくよかったと思うぜ。さて、あたしの案なんだが……」
 彼女が作ったのは、他のメンバーが提案してきたものに比べるとシンプルなものだ。
「まあちょっと奇抜というか目立つ路線ではないと思うんだが、悪くはないと思うぜ?」
 エレンシアは少し緊張した面持ちで、プレゼンを始める。
「まずは1つ目。米粉バンズにレタスと目玉焼きを挟んで……と。それをハンバーグで挟む! 『ライスバーガー』だ!」
 バンズが米粉だからライス、なかなかに洒落が効いているしご飯と目玉焼きの組み合わせも悪くはない。彼女はプレゼンを続ける。
「普通に食べたら手が汚れるだけだから包み紙を巻いて……ちょっとずつ食べる。豪快に食いたい人は包み紙なしでドーンと行ってしまえばいいさ。そしてもう1つは……。」
 バンズの間からは牛カルビとレタスが焼き肉のタレと絡んでいる様子が見える。
「焼いた牛肉の切り身にたれをつけて、それをレタスで包んで……更にそれをバンズで挟んで、と。これだ、『焼肉バーガー』! ほら、焼肉で肉を野菜の葉っぱに包んで食べるって言うのがあるだろ?あんな感じでさ。」
 彼女のイメージしたものは、サンチュで牛肉を巻くスタイルの焼き肉のようだ。バンズにしみ込んだ甘辛のタレと牛肉のうまみ、レタスのシャキシャキした歯ごたえが絶妙なハーモニーを口の中で奏でている。
「シンプルながらに非常に食べやすい、万人受けするいいバーガーだ。最近焼き肉が好きだという女性客も来てくれるだろうし、これはあたるかもしれない!」
 義光の言葉に、エレンシアは得意げだ。
 ふと、彼女のおなかからぐぅーっと腹鳴が聞こえる。
「つーかやってたら腹減ってきたな! なんかシンプルなバーガーが食べたくなってきた! 」
 その言葉に『確かに』と声が上がる。
 義光の提案で、皆で卓を囲んでハンバーガーを食し、商品開発会議は幕を閉じた。
 精一杯考えた後に食べるハンバーガーは、格別に美味しく感じるものだった。

成否

成功

状態異常

なし

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