PandoraPartyProject

シナリオ詳細

カバディカバディカバディカバディィィィィ!

完了

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●カバディカバディカバディ
 ここはある部族が住み着いている神秘の森。
 鳥の鳴き声が響き渡り色鮮やかな蝶たちが足を踏み入れる者を歓迎する。
 そんな森に身を潜め息を殺している者が数人。
「とうとうここまでたどり着いたね。今度こそあの果実を持ち帰ってやる」
「馬鹿野郎! 声を殺せ! また奴らに気付かれたいのか! はっ!」
 森の奥から子気味良いリズムで太鼓の音が聞こえてくる。

「カバディカバディカバディカバディ」

「クソッ! 気付かれた! 行くぞっ!」
潜んでいた草むらから飛び出し全速力で駆けだす男の視線の先には神秘的な一本の樹とそこに生る果実。
「カバディ! カバディ! カバディ!」
 しかし男の突撃は独特な衣装を身にまとった七人の部族によるタックルで止められる。
「畜生ー! だが俺に気を取られていていいのかな!」
 タックルによって止められた男は光に包まれると樹から一定範囲離れたところに瞬間移動させられながらもニヤリと笑った。
「そこだっ!」
 最初に突撃した男が出てきた草むらから離れた草むらから小柄な子供が飛び出す。
始めの男を捕えるために集まっていた部族はその奇襲に対応できず樹への接触を許してしまう。
「や、やったよ父さん! 実を取ったよ!」
「早くこっちに来るんだっ!」
 果実を手にして喜ぶあまりその場で立ち止まってしまった子供を父親が叱咤する。
 しかしその歓喜のために緩んだ一瞬は部族には十分すぎた。
「カバディカバディカバディィィィ!」
「ぎゃー!」
 子供も父親と同じように捕えられ瞬間移動させられた。
 その手に果実は無かった。
「ごめん……父さん」
「いい、気にするな」
 クシャクシャと子供の頭の雑に撫で手を引いて家へと帰る。

 親子が家に帰ると食卓には質素な食事が並んでいた。
「何してんだよ母さん! 寝てなきゃダメだろ!」
「これくらいは大丈夫よ……ケホッケホッ」
 母親がせき込むのを見て子供は布団へと母親を寝かせる。
 母親は痩せこけており顔色は悪く何らかの病にかかっていることは明白であった。
「あのね母さん、今日は惜しいところまで行ったんだよ! もうすぐだからね、あれさえあれば母さんは治るんだから」
「ケホッ、無理しなくていいんだよ。あんたたちに何かあったらいけないんだから」
「いいから寝ててよ母さん」
 その夜親子は次の作戦を練るため話し合っていた。
「ダメだよ父さん、それじゃまた追いつかれて終わりだよ」
「もうどうしたらいいんだ……思いつく作戦はあらかた試したがダメだった……」

●ステップバイステップ
「というわけなんだ」
「というわけなのよ」
 集まったイレギュラーズの周りをクルクル回りながらカストルとポルックスが今回の依頼を説明する。
「攻略の仕方は君たち次第!」
「でもカバディって何でしょうね?」
 若干目が回ってきたのか歩みが怪しくなってきた二人は徐々に速度を落としながらイレギュラーズの肩を叩く。
「ともかく行ってらっしゃいイレギュラーズ!」
「カバディカバディ!」
「それ気に入ったの?ポルックス」

NMコメント

 皆さんこんにちは。カバディ、じゃなくて南瓜です。
 なぜカバディなんだって?思いついたから仕方ないじゃない……

■目的
 神秘の樹に生っている果実を持ち帰ること

■場所
 木々生い茂る密林の中にある開けた草原で中央に神秘の樹が育っています。

■敵
 部族×7
 常にカバディしか言わない人たちです。回避と機動力に優れています。
 神秘の樹に近づく侵入者目掛けてタックルしてきます。
 タックルされ捕まると草原の外側に瞬間移動させられてしまいます。
 たとえ果実を確保していても移動させられてしまえば初めからです。

■その他
 部族に直接攻撃をしようとすると不思議な力で無効化されます。森の部族だから。
 二人以上で草原に入ると突如部族に増援が来ます。森の部族だから。
 基本的にコミュニケーションは取れません。森のry
 砂で目つぶしや障害物を作るなどの小細工は使えます。
 
ではよい旅路を!

  • カバディカバディカバディカバディィィィィ!完了
  • NM名南瓜
  • 種別ラリー(LN)
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年07月09日 18時10分
  • 章数1章
  • 総採用数8人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

冬越 弾正(p3p007105)
終音

 なんという美しい家族愛! 清き魂はイーゼラー様に捧げるに値する尊きもの。絶望で汚れる前に何とかしてやろう。
 『Nine of Swords』冬越 弾正(p3p007105)は絶響戦鬼『平蜘蛛』を構え密林を進む。

 可能な限り隠密に神秘の樹へ近づくのは大前提として……部族の声が聞こえて来たら、そこからが本番だ。

 彼らのルールがもし、バベルにかけても俺達の知るスポーツと似た物なのであれば――
 レイダー(攻撃側)が攻めに回れるのはキャント(「カバディ」と連呼している状態)のみ!
 
 絶響戦鬼『平蜘蛛』が独特な機械音を響かせ、森閑爆波を放ち部族達の足元で爆発を起こす。
 無音の爆発を森の部族が感知できるはずもなく周りが土埃で覆われた。
 巻き上がった粉塵で咳き込んでしまえば、キャントアウトするだろうという弾正の作戦だったが、狙い通り爆発の中心部にいた部族の口の中に土埃が入り込んだ。
「ガバディカバゴッフェグッフェグホ」
 咳き込んだ部族は謎の光に包まれ草原の外へはじき出された。
 しかし全員を巻き込むことはできず数人は残ってしまう。
 残った部族が弾正を捕えんと獣のように襲い掛かるが、爆発で全員を倒せるとは弾正も考えてはおらず、すぐさまディスペアー・ブルーで魅了を付与し、惚けた隙をついて果実をもぎ取る。
 慌てて体勢を立て直し追いかけようとする部族だがそのころには弾正は草原の外まで駆け抜けていた。

成否

成功


第1章 第2節

リュグナー(p3p000614)
虚言の境界
郷田 京(p3p009529)
ハイテンションガール

「カバディってイマイチどういう目的の競技かわかんないんだよねー? なにをすれば勝負がついて、なにをすれば勝てるの? って、言ってる場合じゃなかったねー、あっはっはー!」 
 そう言いながら神秘の樹を守護する森の部族たちの前に現れたのは『ハイテンションガール』郷田 京(p3p009529)であった。
 即座に京の周りを部族たちが取り込むが当の本人は気にした様子もなく笑いながら包囲網の隙間を縫うようにすり抜ける。
 確かな技術で妨害を躱しながら果実に迫る京だが確かな連携で部族たちも追いすがる。
「ホンットになんなのアナタたちー!! チカンー、ヘンタイー、ヘンシツシャー、きゃーーー!!! アタシが可愛いからって追っかけちゃやーよ……って、わわ、怒った? 怒っちゃった??」
 後方から追いかけてくる部族に軽口をたたく京に対しこちらの言語が通じているのかはわからないがイラつきのようなものが感じられるようになったカバディの掛け声。
 そんな状況に潜むもう一人の侵入者『虚言の境界』リュグナー(p3p000614)。
 京が侵入したと同時に草原に入り込み、増援に来た部族に紛れて果実を持ち帰る作戦に出たリュグナーは見事に部族に擬態し、京を追いかける集団の後方でチャンスをうかがっていた。
 その増援ももう一人の侵入者が見当たらず京を捕えようとしている為、通常よりも京の負担が大きいがその程度で止まるようなものではない。
「カバディ! カバディ! カバディ! カバディ!」
(今は、我は森の部族……誰がなんと言おうが森の部族なのだ……)
 心の中ですら自己暗示で森の部族になりきるリュグナーを見破れるものは存在しなかった。
「よっと! 果実ゲットぅ!」 
 華麗なフットワークで神秘の樹までたどり着いた京は果実をもぎ取ると草原の外へダッシュした。
 京が草原の外へ抜け出したことで部族は肩を落とし神秘の樹の守護に戻ろうと振り返るとそこにはこっそり果実をもぎ取っていたため遅れたリュグナー(森の部族のすがた)が。
 両者の間に沈黙が流れる。
「カバディ……」
 悲しそうな顔をして残念だったなという風に仲間の輪に紛れようとするが、この期に及んで騙せるわけもなく。
「カバディカバディカバディカバディィィィ!」
「カバディー!」
 両者の追いかけっこが始まった。
 しかしリュグナーとて歴戦のイレギュラーズ、逃げ切ることは難しいことではない。
 草原の外へスライディングをすることで部族から逃げ切ることに成功する。
「カバディィィ!」
 両手でガッツポーズをして勝利を挙げるリュグナーだったが心を森の部族にしたままだったのが不幸だった。
「んなろー、もはや手段は選ばぬ! 木ぃ蹴り倒して道を塞いじゃおう、うりゃー!! てりゃー!! どっせーい!!!」
 まだ部族が追ってきていると勘違いした京が蹴り倒した木の下敷きになった。
「カッ……バッ……」

 

成否

成功


第1章 第3節

わんこ(p3p008288)
雷と焔の猛犬

 草原の外の茂みで鋼鉄の獣が唸りを上げる。
「キャヒヒヒ、バイクがNGとは言われてないぜ? 行くぜ我が愛車・ファブニール!! 文明の利器と自然の文化、どちらが上か勝負と行こうや!!」
 まずはアクセル全開、向こうが事態を察知する前に全速力で樹まで向かって果実をもぐ!
 突然の侵入者に気付いた部族たちが慌てて陣を組もうとするが、すでにわんこの乗ったファブニールは土煙を上げながらトップスピードに達しており到底間に合うわけもなく神秘の樹へ到着されてしまう。
 しかしその後が正念場。部族の陣が完成し、こちらは進路反転のためにいったんスピードがゼロに戻る。
 バイクに乗ってようがタックルされればやり直し……ならば!
 まずはそのまま反転、草原の外まで極力距離を稼ぐ!
 スピードがまだ遅い上に直線機動じゃ間違いなく捉えられマスガ、むしろそれが狙い。
 バイクにタックルされる寸前で座席の上に立ち上がり、果実を上に放り投げて空中で一回転! 一張羅のパーカーをたなびかせながら重力から切り離されたような軽業でバイクを飛び降り、落ちてきた果実をキャッチしてそのまま走って脱出デス!!
 これでバイクも返ってくるし、わんこ本人はタックルされず脱出可能って寸法よ!
 わんこの制御から離れたファブニールは宙に舞うわんこに呆気にとられていた部族に突っ込みボウリングのピンのように吹き飛ばした。
「ミッションコンプリートデス!」

成否

成功


第1章 第4節

ヨハナ・ゲールマン・ハラタ(p3p000638)
自称未来人

 それは異様な光景だった。しかしどこか神秘的でありどこか情熱的でもあった。もはや他者が介入することはできないことは明らかであり、今この時この空間は何人たりとも侵せぬ絶対領域足りえたのだ。

 ヨハナと森の部族の探り合い。先に仕掛けたのはヨハナだった。
「かばでぃっ! かばでぃばっ! でぃばかばでぃっ!
かばでぃかばかばヨハナ・ゲールマン・ハラタかばでぃかっ!」
 己の名を名乗り威圧するヨハナに一瞬たじろぐ様子を見せる部族だがそれだけでは止まらない。こちらも負けじと声を張り上げる。
「カバディカバディ!カバディカバディカバディ!」
 そこからは激戦であった。ヨハナが攻めに回ればうまく守りを固め、攻めの合間にリズムを崩し部族が攻める。
「かばでぃかばでぃかばでぃ、かばでぃっ!
 かばばでっでぃば…かばでぃっ!」

「かばでぃでぃかぃばぃでーでかばでぃっ!
ばっ? ばかっ???? でぃばぃでぃっ!
ばばででばばっかでぃっ! ばばっ!」

 戦いが続けば続くほど徐々にお互いがお互いのリズムを把握し膠着状態に陥った頃、ヨハナが打開の一手を放った。
「かばでぃっ!(強く)」
 それは観客が居ればのちに神の一手と称されてもおかしくはない一手は戦況を大きく動かした。
 
「かばでぃかばでぃかばでぃかばでぃかばでぃっ!
かーばかばばでぃっ! かばばっ? でぃでぃっ!」

 そしてその結末を知るものは果実を持ち帰ったヨハナだけが知っている。 

成否

成功


第1章 第5節

ノア・マクレシア(p3p000713)
墓場の黒兎
襞々 もつ(p3p007352)
ザクロ

「もつですよ!!!」
 茂みから元気にもつが飛び出し大きく息を吸い込み高らかに叫ぶ。
「カバディカバディカバディ!!!」
 そして捕まえられるものかと神秘の樹に向けて全力疾走。

(果実をもぎ取って逃げる……うん、わかりやすい。頑張ろう)
 都合よくヘイトが向いたもつに駆けつける部族たちの死角からそろりそろりと樹に近づくノア。
「カバディ……カバディ……」
 どのような意味があるかわからないがとりあえずカバディと唱えつつ隠れて少しづつ進んでいく。しかし増援に駆けつけた部族の視界にノアが移る。ターゲットがノアになり部族がタックルを仕掛けてくるが、類まれなる反射神経を持つノアは余裕をもって躱す。
(ああ、そうだ。タックルされたら戻されるのなら、僕以外のものを盾にしたらいいよね……?)
 躱されたと分かり反転して突撃してくる部族の前にアンデッドになりそこなったモノでできた盾を生み出して身代わりにする。
 タックルを受け止めた盾は役目を果たしてその場で崩れ去った。
「うん、いけそうかな」

「うっわ何ですかあの機動力もしかしてバケモンですか!?」
 大きく注目を集めたもつは予想をはるかに上回った部族の俊敏性に翻弄されていた。
 しかしもつも翻弄されているだけではない。周囲に漂う霊魂を味方につけることで妨害工作を試みる。
「きっと……死んだ親切な誰かさんが、ぜぇぜぇ最短距離と妨害をやってくれるでしょうげほっ」
 息絶え絶えのもつが呼び出した親切な誰かさんが見つけたのは先ほどノアが身代わりにして崩れた盾の成れの果て。それが意思を持ってふよふよよ宙を漂ってもつを追い詰める部族に襲い掛かった。
「ないすですっ! あっちょっとふらふらしてきました……」
 体力に限界が近づいてきた頃、もつは果実に手が届くほど神秘の樹に近づいていた。
 そして同じタイミングで果実に手を伸ばしていたノアと目が合った。
「む、そこのおにくさん。目的は一緒みたいですし協力しませんか」
「おにく……? うん、協力は賛成だよ……」
 即興でパーティーを組み、帰りの道を協力することにした二人。
 ノアが迫ってくる部族の前に死体の盾を作り出しタックルを止める。
 そうしてタックルを受け止めてバラバラになった盾の残骸を霊達が浮かせて部族の妨害へと再利用していく。
「これぞ環境にやさしいリサイクルですね!」
「リサイクル……なのかな?」
「腐肉を見ていたらお腹が減ってきましたね……たまには苦みもいいものです」
「お腹壊すよ……?」
「カバディカバディカバディ!」
 呑気に会話する二人に部族たちが威嚇するが死体に翻弄されて動こうにも動くことができない。
 そこから大きな障害もなく二人は草原の外へと脱出することができた。
「ふぅ、疲れましたー」
「そうだね……」

成否

成功


第1章 第6節

祝音・猫乃見・来探(p3p009413)
優しい白子猫

「カバディ……カバ……カバ、さん?」
 なるほど、部族の人達はカバさんが好きなんだね、果実もカバさんの好物なのかな、と非常に子供らしい思考をする祝音の間違いを訂正する者は今ここにはいなかった。いや、もしかしたら本当にカバが好きなだけの優しい部族なのかもしれないが真相は誰にもわからない。

「僕は猫さんが好き、です。だから、僕は猫さんで対抗する!」

 草むらに隠れて進みつつこっそりあちこちの草同士を結んでおく。
 投げられそうな砂か砂利も確保。
「カバディカバディカバディ!」
「ねこさんなこさんねこさん!」
 部族たちに発見されたら立ち上がり、砂と砂利を部族の人の近くに投げ足止め・目くらまししつつ進む!
 その時には相手のカバディの声に負けないようにねこさんを主張していく。祝音だけを見ればその光景は微笑ましいものであったが、後ろから追いかける部族と目に砂を食らい地面に悶えながら転がる部族が一気に珍妙さを加速させた。

「ねこさんねこさんねこさんねこさんねこさん!」
 祝音を追いかける部族の人を走って誘導してさっき結んだ草で転ばせる。原始的だが確かに有効な手段を用いて部族を無力化した祝音は復帰するまでの間に神秘の樹へ駆け寄り果実を奪取、あとはわき目も振らず逃走する。

 ふぅ、果実を持ち出せたらねこさんねこさんねこさんじゃなくて村の人に渡すんだったっけ?
 その後祝音はしばらくねこさんが抜けなかったという……

成否

成功

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