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シナリオ詳細

うきの雲色をした幼鳥よ、もちづきに羽搏け

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


⚫︎白羽の昔話

 その昔、長雨による水害に苦しむ村があったという。
 天からの恵みも過ぎれば毒で、続く不作に悩んだ村は山頂にある神社へ貢物を運ぶことにした。
 口減らしも兼ねて食べ盛りの子供を——つまり、生贄である。
 村人達は小さく尊い犠牲を悼みながらも、例年より穏やかに揺れる金色の穂波に安堵した。
 翌年、当然のように押し流された田畑に絶望した彼らが次の生贄を求めたのも仕方のないことだった。

 山を下り、平地を拓き耕して生きることを選んだ者達が作った村。
 いつしか参拝する者もなくなり、山に置き去られ、名も忘れられた古い神社。
 とうに御祭神など御座す筈もない。
 ご利益なんてとんでもない。
 水害が起きなかったのはただの偶然に過ぎなかったのだ——けれど、村人達はそんなことを知る由もなく、毎年、生贄を運んだ。
 奇跡的に雨の少ない年も多かったが、大きな被害が出れば足りなかったのだと人数を増やし、すっかり慣習として根付いてしまっていた。

 長雨の季節が近付くと、子供が生贄に決まった家には矢が射られるようにもなった。
 誰もが村のためだと口を閉ざし、どうかうちではありませんようにと我が子を抱き締めて目を瞑った。
 屋根に刺さった真っ白な矢羽は、寝ない子を叱る文句にも使えない程に恐れられる対象だった。

 変化が起きたのは何年目のことだったか。
 作物が立派に実った田畑に大群の白鳥が飛来して食い荒らすようになった。
 今度はどうしたものかと頭を悩ませた村に、ある夜、月のように眩い白鳥が舞い降りた。
 その口から語られた神の不在、そして——食害を齎す白鳥の正体。
 なんと、生贄にされ、餓死していった幼子達の魂だというではないか。
 鎮めるためには彼らを正しく家に帰してやらなければならない。
 それには御祭神が不可欠であり、その役目を白鳥が担う代わりに『魂帰り』の儀式は毎年執り行うこと、以降に飛来した白鳥は絶対に狩ってはならないことを約束させた。
 村人達はこれまでの無責任な行いを心から悔い、涙を流した。

 白鳥はまず餅屋に大きな餅を搗かせ、それを山頂の神社まで運ばせた。
 山頂では黒胡麻を擦り、細かく分けた餅に塗す。
 大きな親餅から作られた子餅。
 灰色は白鳥の子供の色。
 これを依代に、荒御魂となった彼らを幼子として家に帰すのだ。
 満月の晩、村中の人間を集めて境内から撒いた餅をそれぞれ持ち帰り、その家で最も若い者が食べた。
 それはいのちを繋いでいく儀式でもあった。
 次の年から徐々に田畑を荒らす白鳥は数を減らし、ほとんど害を及ぼさなくなり、ひどい水害もあまり起こらなくなった。

 穀物を司る精霊であった白鳥は、今では『もちづきさま』と呼ばれ、大事に祀られている。
 子餅を食べた者は一生食に困らないとも言われ、都会に出て行った若者が帰省した際には胡麻餅を食べさせ、より良き地への飛翔を願いながらも里を大事にするよう教えられる。
 村の餅屋の屋号『白羽』は『もちづきさま』そのものを現すほか、生贄の風習(白羽の矢)があったことを伝える戒めでもあるのだそうだ。



⚫︎昔話のその先に

「もちづきさま、優しすぎるよねぇ。自分は縛り付けられちゃってるっていうのに、余所へ出て行くのを許すなんてサ!」
 真っ白な鳥の描かれた本を読んで聞かせた案内人の少年・Wächter(ヴェヒター)はけたけたと笑う。
「その結果、人手不足で今年の儀式に支障が出てるっていうんだから手伝ってあげるしかなくない? もちづきさまのために、いやまぁ別に村人のためでも何でも動機は任せるケド」

 曰く、村長と餅屋の先導で山へ入り、山頂まで真っ白な親餅がのった神輿を担ぐ人員が足りないらしい。
 整備こそされていてもそれなりに傾斜のある山道。村を発つのは昼頃で、着くのはどんなに早くとも夕暮れ時になるだろう。ただ登るだけならともかく、足腰の弱ったお年寄りでは無事に運び終えられるか。賭けにしてはどうにも部が悪い話だった。
 上京で若者が減ったことや幼い子供がいる家は担ぎ手を出してはいけない決まりがあるのも原因だが、それは儀式が失敗しても良い理由にはならない。
 遠方の息子娘に帰省を呼び掛けてはいるもののスケジュール的に厳しく、来られる者も夜の儀式本番までに間に合わせるので精一杯だそうだ。

「そこでイレギュラーズの皆々様の出番! 儀式のことを人伝に知ってたテイでも、たまたま近くまで観光に来てたのでも、諸国漫遊中に立ち寄ったのでも、設定はお任せで。もちづきさまは外から来るものも拒まないから……なんたって優しくからネ☆」

 全員で担ぎ手をしても良い。足りない2人分だけ補助、残りは山頂で親餅を小分けにしたり、黒胡麻を塗した子餅を袋詰めにしたり、といった手作業に専念しても構わない。とにかく人手が要るのだ。
 コレが餅屋さんの地図ねー、と村の中心に大雑把に丸を付けられた紙切れを渡したWächterは本をパラパラ捲る。

「さてさて、出発の少し前くらいに餅屋さん達と合流するカンジで行ってもらおっかな。あ、先に交流とかしときたい人がいれば朝からでもOKだからねぇ? それじゃあ、いってらっしゃい☆」

NMコメント

前回の鯛焼きから続いてなんだか和菓子が食べたい氷雀です。
私の胃袋の問題であって、特に続きものとかでは無いので気にせずご参加くださいませ。

⚫︎目標
『魂帰り』の儀式を無事に終える

OPの通り、最低2名は神輿の担ぎ手をお願いします。
出発前、到着後の行動はフリーです。

その他、餅の準備、後からやって来る老いた村人達の登山を手伝う、など。
儀式のためにやれること、やりたいことをご自由に。


⚫︎世界観
ややファンタジー混じり、ほぼほぼ現代世界。
もちづきさまの大らかで包み込むような性質のおかげか、村人達もそのような気風で、不思議なことに対する許容範囲は広め。
もちづきさまの奇跡だとか御加護だとか説明すれば大体の魔法っぽいことは受け入れられる。
しかしそれらを貶すような言動には厳しい。信仰心に厚いのです。

⚫︎村についてのイメージ
山を背にした小さな村。
最寄駅からバスをいくつも乗り継がなけれはいけなかったり。
高速道路を降りてから更にぐるっと山を回り込まなければいけなかったり。
都会の喧騒は遠く、主な産業は農業で、目立った名物も無い。
電気やガス、水道、インターネットなどのライフライン整備は最低限。
村境に流れる豊かな川の水、深い緑が生む新鮮な空気、それらをいっぱい吸った作物は美味しいよ。
そんな、ちょっとだけ時代に取り残された感じのある田舎です。

⚫︎『白羽屋』
村の大事な儀式に代々携わってきた餅屋さん。
杵と臼を振るう腕はまだまだ現役で、足腰もしっかりしたお爺ちゃんです。
現在、都会の和菓子店で修行中の跡継ぎがいますが、どうやら帰省遅刻組のようです。

⚫︎儀式の日程
朝:餅屋にて親餅を搗く
(※特に明記なければPCは昼前合流)
昼:神輿を担いで出発
夕:山頂の神社に到着
  子餅の準備
  村人達の登山開始
夜:村人達も神社到着
  餅撒き後、揃って下山
  子餅を食して終了

餅を撒く場合は境内の裏手にある泉で身を清めること。
残念ながらPCは撒かれた子餅を食べられません。外部からのお客様用に取り分けたものをどうぞ。

  • うきの雲色をした幼鳥よ、もちづきに羽搏け完了
  • NM名氷雀
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年07月09日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ラダ・ジグリ(p3p000271)
灼けつく太陽
ニル(p3p009185)
願い紡ぎ
キルシェ=キルシュ(p3p009805)
光の聖女
ノット・イコール(p3p009887)
想いの届人

リプレイ

⚫︎雨季に餅搗けば

 天気は曇り。降らないだけ良しと言える灰色空の下、静かに活気付く村に見慣れぬ者達の来訪はすぐに知れ渡った。
「どうも。私達はのんびり各地を回っていてね、お邪魔しているよ」
 『剣砕きの』ラダ・ジグリ(p3p000271)が好意的に声を掛けてくる村人に対応する後ろで、雑な地図と睨めっこする『リチェと一緒』キルシェ=キルシュ(p3p009805)。隣を歩く『はらぺこフレンズ』ニル(p3p009185)が尋ねた。
「白羽屋さんはこの道で合っていますか?」

 ぶわり、と開いた戸から餅米を炊く甘い蒸気が溢れ出す。中には割烹着姿の老女が数人と、優しげな面差しの老人——場を仕切っている彼が主人か。
「お餅のおじいさん、ルシェ達がお手伝いするわ!」
「素人だから荷物運びや洗い物しか手伝えないけど、それを対価に見学させて欲しいな」
「お餅をつくのははじめてなので、教えてほしいです」
 物怖じしないキルシェが先陣を切り、ラダとニルが続く。
「こりゃまた随分と可愛らしいお手伝いさんだ」
 あたしらも負けちゃいられないね。振り向いた老女達の活力に満ちた笑い声。
「杵は任せられないけれど、やらなくちゃならないことは沢山あるから助かるよ」
 のんびりとした調子の餅屋に手招かれ、割烹着に袖を通して早速お手伝い開始だ。
 浸してある餅米を竈で蒸しては臼へ運ぶ。搗く量が多いので必然回数も増えるため、老女達はその助っ人だ。若いのがいると楽でいいわ、と手順を教える傍らで手も口も動かしている。
 餅屋がまだ粒の残った餅米を杵で捏ねるのを見ながらラダが問う。
「大将、跡取り決まってるのかい?」
「うん。今夜には顔を出す予定だよ」
 そりゃ将来が楽しみだ、とラダも嬉しくなるような声音だった。
 始めは機嫌を伺うように、そして徐々に力強さを増す杵捌き。餅米から餅へ変わっていく様にニルは見入ってしまう。
「もちもち、びよーんって! すごいのです! 力のいるお仕事なのですね」
 杵の重さで落とすだけだよ。そう謙遜するが振り上げる筋力と具合を見極める技術、それから老女が入れる合いの手の的確さは、丁寧に搗き上げて滑らかに纏まった餅を見ればわかる。
「これなら、もちづき様も思わずにっこりするわね!」
 おや、と餅屋。飛び入りの客人であるキルシェが謂れを知っているとは思わなかったらしい。
「なんでも儀式には重要な意味があるらしいね。ボクも混ぜて貰ってもいいかな」
 目配せひとつ、戸口に立っていたのは『特異運命座標』ノット・イコール(p3p009887)だ。
「安心するための儀式と言うのは酷であればあるほど、報われるはずだという錯誤を産みやすい」
 それならば。ノットは大袈裟に悲しむのでも憐れむのでもなく言葉にする。
「無念に失われていった命のためにも、しっかりと彼らの要求に対応してあげなくちゃ、ね」
「……手伝ってもらったばかりで悪いんだけれど、君達に折り入って相談事があるんだ。聞いてくれるかい?」



⚫︎憂きの百千憑き

 真っ白な親餅をのせて準備万端の神輿の周りには村の長役と餅屋、担ぎ手の村人が4名。そして彼らと握手を交わす助っ人がふたり。
「若者不足……どこの世界も技術発展すると発生する人口問題だね」
「なに、荷物を担いで長距離を歩くってのはよくやってるからお手のものさ」
「ニルの背だと難しそうですし、他の道具とかを運びますね」
「ルシェもニルお兄さんと頑張るね! ラダお姉さんとノットお姉さんお願いします!」
 残る小さなふたりは、細々とした器具を詰めた荷車を交互に引くことになった。
「それじゃあ、出発しようか」
 餅屋の号令で神輿一行は山へと入っていく。
「……おや、もちづきさまが力を貸してくれているのかな。優しいね」
 高さ調整のためにノットはほんの少しだけ宙に浮く。やや不自然な格好だが、感心な若人だから気に入られたんだろう、と村人達はむしろ嬉しそうだ。
「余所者が担いでもいいっていうのはちょっと意外だったな」
 後ろを歩く長役がラダに答える。
「必要なのは弔う心です。そもそもにして、もちづきさまが善意の余所者だったのですから、外から来た者も、出て行く者も、全ては縁の巡り合わせでしょう」
 荒御魂の依代である親餅を山頂へ運ぶこれはかつての再現でもある。だからこそ、幼子のいる家からは担ぎ手を出さないのだ。
「良い所だね」
 時折休憩を挟みつつ足並みを揃えて登って行けば開けた視界。眼下には川に挟まれたこじんまりとした村の全貌がある。薄暗い中にも青々とした田畑と、人々の何気ない営みが。
「確かに都会と比べたら不便だろうけど、ボクはこういう所も好きだな」
「そうだね。私の故郷とは雰囲気が違うけれど良い所だ」
 昔話を聞いた時は思わず額に皺が寄ったし、関わる誰もが納得してるなら飲み込もうとも思ったけれど。そんなふうに前置きしながらラダは言った。
「故郷を愛し、けれど愛しすぎはせず。私はこの気風好きだな」

 雲の隙間で陽がゆっくりと傾き始める頃、鳥居を抜けた一行は山頂へと到着した。古びた神社の前に神輿を下ろすと村人達が口々に述べる。山場はこれからだが難所は越えられた、ありがとう、と。
「ルシェはまだ元気だからお手伝いするの!」
「これから子餅に分ける作業があるんですよね?」
 神輿を担げなかった分、やる気満々のキルシェとニル。
「ボクは設営でも手伝おうかな」
「私はこれから登ってくる爺様婆様方の補助に回ろう」
 ノットもラダも休むつもりは無かった。



⚫︎浮き雲と望月と

「子餅は小さい子が食べることもあるのよね?」
 道具を手に取ったキルシェに餅屋は頷いて返す。
「じゃあその子が笑顔いっぱいで食べられるように、小さめで、まんまる可愛いの作らなきゃ」
 子餅を丸めながらニルは考える。
「最初から小さく作るのではなくて、おっきいのをみんなで分けるのが、大事なのでしょうか?」
「子供がみんな親から生まれるように、親餅に宿った魂をひとつずつ子供に還してあげるんだよ」
 ニルには難しい感覚だったが、餅屋が愛おしそうに餅に触れる手と瞳の温度から伝わるものはある。
 和やかな雑談に手も進む。進んでしまう。キルシェの前には大人が食べるには控えめな子餅ばかり。そこでふたつずつ袋に詰めて灰色の雪だるまにしてみる。
「これならもちづき様もきっと喜んでくれると思うの!」

 雲に移る茜色は消え、電気ケーブルが渡されて少ないながら提灯の点った神社の境内に村人達が姿を現す。
「お疲れさまよ! さぁ、一息ついてちょうだい」
 登りきったところで振る舞われる冷えたお茶に老人も子供もほっと安心した顔になる。その中に混じった仲間へキルシェが駆け寄った。
「ラダお姉ちゃんもお疲れさま!」
「あぁ、これで全員無事に着いたかな」
 幾度も往復した道と境内とを見渡せば、ドンドンドンと重い太鼓の音が儀式の始まりを告げる。さあもう一仕事だ、とラダはこの日のために建てられた櫓へと向かった。
 一生食に困らない。それも食事を必要としないニルきはよくわからないことだ。けれど——
「かなしいことやくるしいことがないように、っていうのはわかります」
 ——もちづきさまのご加護とか、想いがちゃんと届きますように。櫓の下に集う彼らへ。それから今は遠く離れた人達へ。餅屋や長役と共に浄められた正服に身を包み、いつかの餅撒きよりもずっと真摯な思いを込めて放った。
「そっか……もちづきさまはもしかして、これを見たかったのかな」
 ノットはその様子を下から見学して呟く。
 村人達は顔を上げ、手を伸ばし、わあわあと歓声が響く、一番儀式らしくて祭りのように賑やかな光景だ。昔話のような、他者に不幸を押し付けあう陰鬱な姿はそこには無い。
「こうやって村のみんなが笑顔で一堂に会する姿を……ね」
「この後、お家帰ってから食べるのね。食べた人も、その家族も、もちづき様も喜んでくれると嬉しいなぁ」
 一生懸命作ったんだもの。月明かりの下、キルシェはしっかり見届けた。お手製の雪だるま子餅を拾った幼子が母親に見せた、夏空のような笑顔を。

 そうして拍手でもって締められた餅撒きを、村人の持つ明かりが列を成し、葬列のようでまるで真逆の、晴れ晴れとした未来へ続く帰り道を、雲間から覗く望月が見守っていた。

 下山した村人達がそれぞれの家へ入っていくなか、来客用の子餅を携えた餅屋が孫を連れて挨拶に訪れる。
「本当にありがとう。こんなお礼しか出来ないけれど、ゆっくり食べていってね」
 夜は冷えるから。そう言ってあたたかなお茶も添えてくれた老人に、4人は感謝を述べて頂くことにした。
「なるほど……混沌にもどこかに探せば似た食べ物とか有るのかな? 探してみるのも楽しそうだね」
 不思議な食感に舌鼓を打つノットに、まだまだ元気なキルシェがわたしもわたしもと続いて頬張った。ニルは胡麻のくっついた彼女の口元を拭いてやりながら感慨深そうだ。
「みんなで食べるお餅、ニルたちがお手伝いしたお餅はとっても『おいしい』ですね」
 食事の味はわからなくても、その場に満ちる空気の味は感じられる。やわらかくて優しくて『おいしい』のだ、と。
「これを依代に荒御魂となった犠牲者が幼子として家に帰っているのなら、食べた若者が村外に出るのも雛の巣立ちと同じのように思える」
 手の中の雛色をした餅を見つめるラダ。
「白鳥は村に縛られているのではなく少しずつ解放されているのかもしれない。だからいつか祭が途絶えたとしても、それは鎮魂が終わっただけなのかもな」
 そんな日が来るまで長生きしないとだよ、と朗らかに笑う餅屋にニルが尋ねる。
「来年も、人が必要なら、お手伝いに来ますよ。跡継ぎの人とかもいるなら、いらないでしょうか?」
「いやいや、大歓迎だよ。まぁだ頼りないからねえ」
 風貌を裏切る豪快さで老人は孫の背を叩くのだった。

成否

成功

状態異常

なし

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