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シナリオ詳細

ビアガーデンにおいでませ!

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 異世界、平行世界、あるいは――混沌世界によると、境界世界。
 それら世界に数多ある『現代日本』と呼ばれる国の、四季折々、津々浦々の風景の一つ。

―――(見開き巻頭カラーページ)―――

『初夏のビアガーデン開催!』
・明るいうちのビールは最高! 昼から飲めるビアガーデン!
 初夏と言っても暑さの増してきた昨今、アルコールが入ってしまえばより体温が上がるばかり。
 そこで! 会場を湖のほとりにしちゃいました。水着を着用すればすぐに飛び込めるし、急な悪天候でも気にせず飲めます!

・有名所から世界各地のクラフトビールまで! あらゆるビールの博覧会!
 とりあえずビール! これ基本です。運転手の方でも楽しめるよう、本格ノンアルビールも完備。
 もちろん、お子様にはソフトドリンクもご用意しております。

・おつまみはセルフで! BBQ焼き放題!
 お肉も野菜も魚介も焼き放題のBBQプラン! スイーツだって焼けちゃいます。
 釣り道具の貸出もあるので、湖で釣り上げた獲物をそのままON! なんてことも楽しめます。
 ※雨が降っても大丈夫なように、コンロは開放的な東屋に設置しております。

・夜は星を見上げてしっとり……(※有料オプション)
 浴衣着用で大人の時間。寝転べるベンチで星を見上げながら、ゆったりとビールを飲みませんか。


 境界案内人カストルは、ぱらりぱらりと、興味深そうな瞳で本を捲る。

「へえ、ガイドブックみたいな本だね。潜った人の意見を反映して、より良い世界を目指してるんだ」

 どうやら『現代日本』に酷似した世界の運営の為に、イレギュラーズの行動を収集・分析して内容を更新する、といったことを定期的にやっているらしい。その更新日が近付いているのだとか。

「他からの意見が無いと世界そのものが停滞してしまうみたいだ。中での費用はタダにしてくれるみたいだし、ちょっと息抜きついでにお手伝い、なんてどうかな。誰か誘ってみるのもいいかもね」

 お土産話を楽しみにしてるよ、とカストルはにっこり微笑んだ。

NMコメント

※挨拶※
PPPでは初めまして、日方架音と申します。
四季折々を感じられる依頼が好きですので、まずは駆けつけ一杯、このような形となりました。
よろしければ、夏本番の前に楽しんでいってくださると幸いです。

※目標※
ビアガーデンを楽しむ。湖のほとりでただただビール飲んで騒ごうぜ、というだけのノベルです。
夜はオプションですので、希望者のみどうぞ。もちろん、お金はガイドブック持ちです。特にプレイングに記載がなければスルーします。
なお昼間は水着、夜は浴衣となります。レンタルですのでお好きなタイプをお選びください。その他釣り道具やちょっとした遊具などもレンタルできます。

※世界観※
現代日本です。特にファンタジーな部分は『今のところ』無いです。
途中で通り雨に降られる可能性もあり。特にプレイングに記載がなければスルーします。

※敵&NPC※
特にいません。
強いて言うなら、湖の魚やスタッフといったところでしょうか。必要ならば自由に設定してください。

※その他※
お誘い合わせの場合は、互いの呼び方の記載をお願いします。

  • ビアガーデンにおいでませ!完了
  • NM名日方架音
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年06月08日 22時10分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

リサ・ディーラング(p3p008016)
蒸気迫撃
リディア・T・レオンハート(p3p008325)
勇往邁進
トスト・クェント(p3p009132)
星灯る水面へ
皿倉 咲良(p3p009816)
正義の味方

リプレイ


 湖に暑めの陽射しが煌めく。降り立った世界の、視界の大部分を占めるビアサーバーもまた、冷えた汗で飲み頃を主張して。

「かーっ! ここの方はよく分かっているっす! 全力で楽しむっすよー!」

 もう我慢できない、とばかりに『ザ・ハンマーの弟子』リサ・ディーラング(p3p008016)は雄叫びを上げ突撃した。光の速度で駆けるツナギっぽい水着に負けじと、『正義の味方(自称)』皿倉 咲良(p3p009816)も大地を蹴った。

「BBQするよ! 肉! 肉!!!」

 甘い物も考えているけどそれはそれ。別腹を埋めるには本腹を満タンにしなければ。ウキウキの|スクール水着《境界世界の趣味》と少しばかり進路をずらして、縦ストライプのビキニが走る。

「いやっほぉぉぉう、海だー! じゃなくて、湖だー!!」

 バカンスっぽい仕事に張り切る『勇往邁進』リディア・T・レオンハート(p3p008325)の手には釣竿が。鍛えた漁業スキルが、光る湖面の下の魚影を的確に捉えている。そして数歩遅れてのんびりと。

「面白い世界だねえ、訪れるひとのために世界ごと変わっていく、なんて」

 『微睡む水底』トスト・クェント(p3p009132)は、|馴染みのないサーフパンツ《水中生活な海種なので》姿で楽しそうに目を細める。この境界世界とも、道行きを共にした皆とも、素敵なご縁だと思うから。思い切り楽しもう、と見上げた空は、青く澄み渡っていた――



 サーバーから麦色の神水が飛び出してくるのを、大ジョッキで優しく受け止めて。

「さって、目的通りビールビール! かんぱーい!」
「面白い世界と、素敵な出会いに!」
「いえーい、カンパーイ!!」

 リサの音頭で一斉に打ち鳴らされる麦色のグラス達。

「サイダーだって酔えちゃうよ! ……ってアレ? リディアちゃんも未成年じゃ」

 負けじと一気飲みする未成年の咲良がふと首を傾げるのへ、口の端の泡を丁寧に拭ったリディアはフッと微笑みグラスを差し出す。

「わぁ、りんごジュースだ……!」
「うふふっ、泡はゼラチンなんですって」

 なかなか面白いモノを見付けた、と脳内メモする飲食店店主の横ではさっそく煙がもくもく。

「ひとまずビールの後は肉っす!」
「どんどん焼いちゃおー」
「うめー! からの追いビール!」
「焼けたそばから頬張って、ビールで流し込む!」
「「いえーいさいこー!!」」

 すでに|出来上がってる《まだほろよい》成人組。その焼き方にキラリと目を光らせ、トングを両手に構えると。

「こう見えて飲食店の店長さんである私です! 焼き加減などはお任せ下さい! ていや!」
「「「おおー!!」」」

 パスタで言う所のアルデンテ、緑茶で言う茶柱――リディアの手により絶妙な感じに焼けていく肉達を、全員夢中でうまうま頬張っていく。

「あ、お肉無くなっちゃったね! 取ってくるよ!」

 足取りも軽く肉を取りに行った先。肉も野菜もバランス良く乗せていく咲良の目の前にふと、パイナップルが目に入る。そろそろ考えていたレシピをやろうとお盆に乗せれば、空いた隙間に見えたのは。

「愛しの粗挽きウィンナー様……!!」

 お盆が一枚、ウィンナー祭りになりました。店長がこれまた絶妙に焼いてくれてる横で、咲良はさっそくパイナップルを焼き始める。

「おっ? 皿倉さんなにやってるんすか?」
「わわっ、焼きパイナップルですか!?」
「へぇ、パイナップルを焼くんだ。初めて見たなー」

 興味津々な三人へ、たっぷりとシナモンを振りかけた出来上がり熱々を差し出す。

「何か不思議なのっすねー……あふっ! 口の中でとろけるっすー!!」
「すごい、シナモンも合って本当にお菓子みたい!」
「これは盲点でしたね……ウチのお店でも出そうかな……!」
「ふふふー、我が家の定番だったんだ!」

 粗挽きウィンナーを両手に頬張りながら照れ顔の咲良に、後で詳細レシピを聞こうとリディアは脳内にメモ。あっという間に平らげて。

「他にも焼いたらおもしろいもの、あるかなー?」

 ご新規を探しに行こうとするトストの足を、ボチャンと跳ねる音が止めた。

「釣りたてのお魚とかいいですね!」
「じゃ、腹ごなしも兼ねて釣ってみよっか」

 いったん遊ぶには程良い頃合い、と湖に向かう一行。途中で走り出したリサは、パッパとジャケットを脱ぎ捨てて――

「ダイブ!! あぁぁぁー、最高っすー……」

 見た目は完全に温泉のオッサンムーブ。浅めの所でぷかぷかと浮いたり沈んだりしているのを横目に、三人は釣竿をキャスト。直ぐに入れ食いになる|釣り得意組《漁業スキル持ちと海種の勘》を余所に、咲良の竿はピクリとも動かない。

「むむむー、こうなったら直でいっちゃうから!」

 ドボンと潜った先に大きな魚影が誘うように揺れる。必死に追いかけ、伸ばした腕が後少し――

 ガゴッ!!!!

「「|もがぁーーっ《いたぁーーっ》!?」」

 頭と頭がクリーンヒット! 仲良く目を回して沈んでいく咲良とリサを待ち受けるように、湖底でナニカが光る。そんな事があったとは露知らず。

「野生の川魚は、お刺身にできないのが残念ですねぇ……」
「次は海も行きたいねー。お、油あったまったみた――うん?」

 溜息を吐きながらも流れるように大量の魚を捌くリディア。その手際を串打ち魚の焼き加減を見ながらビール片手に鑑賞するトストの視界の端で、湖面が盛り上がり始める。

「わわ、大きい……っ!」

 流石に手を止めたリディアの目の前、長い首がグイっと伸びてきて。

「無理っす……納期無理っす……」
「うーんうーん、まだ食べたい……」

 うなされる二人組をポイと落とす。

「やぁ届けてくれたの? 助かったよ……食べる?」

 故郷の知り合いの知り合いにこんな子居たかも、とネッ〇ーに串焼き魚を差し出してみる海種。ふんふんしてぱくり、と食べた長い首はカッと目を見開いて。

 |アオォォン《うっまぁぁ》!!

「何っすか!?」
「遅刻ちこくー!?」

 びっくりして跳び起きた二人を押しのけ、長い首が次を催促する。

「えーっと、揚げ立て食べま――わわっ、お皿に山盛りが一口で!?」
「たくさん釣っといてよかったねー」

 飲食業の腕の見せ所、とばかりに張り切るリディアは次々と魚を調理していき。漂う香りに何が何やらわからない二人組のお腹が盛大に音を立てる。水滴ぷるぷる、頭を振ったリサは重々しく頷いて。

「よくわかんないっすけどこれだけはわかるっす――とりあえずビール! もっかい乾杯っすよー!!」
「「「いえーい!!」」」

 高く打ち鳴らされたグラス達が、中天を越えた陽射しに眩しく輝くのだった。



 夜。湖水に冷やされた風が涼やかに昼の火照りを冷まして。

「ふ~……お昼の熱気も良いですけど、こうやって涼しい夜風に撫でられるのも、なんだか素敵ですね……」

 美味しいご飯の御礼にと背に乗せてくれた遊覧ネ〇シーに寝そべり、満天の星空を眺める一行。

「浴衣ってのも面白い服だね」

 持ち上げた腕にはためく袂を不思議そうに眺めるトストの浴衣は、大欠伸するオオサンショウウオ柄。

「帯きつく締めすぎちゃったかも……?」
「ちょっと引っ張るっすか?」

 大きなお星様柄の咲良が帯をもぞもぞするのへ、隣のリサが起き上がって問いかける。その紺地に花火柄を見て。

「そうだ! せっかくだからさ、花火やろうよ!」

 まだまだ遊び足りないJKが叫べば、どうぞどうぞとばかりに頭上から花火が降ってくる。

「花火もあるなんて準備万端すねー。あ、〇ッシー君は打ち上げ花火どっすか?」
「手持ち花火もいろいろ種類があるんだね」

 クネクネ蛇玉の行方をリサが真剣に観察したり、走り回るネズミにリディアが悲鳴を上げたり、ネッ〇ーが打ち上げたパラシュートを取ろうとしてトストが落ちかけたり。一頻り楽しんだ後、JKは拳を高らかに上げて。

「線香花火、誰が1番長持ちするか勝負だー!!」

 どんどんパフパフ。長い首も含め一列に並んでしゃがみ、せーので火をつける。

「どこまで長く咲いているか、負けなああああああ! 落ちたああああああ!」
「焦らず触らず揺らさああああ落ちちゃったああああ!!」

 蒸気機関だったら勝てたのに、などと意味不明な供述と共に呆然とするリサと。真剣な顔で手をプルプルさせるお約束をかました咲良がほぼ同時にアウト。

「パチパチしてきたねぇ。指先から太陽を提げてるみたいで、面白いや」
「綺麗……小さいけれど、一生懸命輝いて……まるでヒトみたいですね……って、落ちちゃった」

 あはは、と笑う横顔を星明りが幻想的に照らす。

「長い短いじゃなくて、皆違って、皆良い――」
「良い感じ風に纏めてるトコ悪いっすけど」
「勝負は勝負ですからね」
「ちぇ~……」

 ジト目の二人にぺろりと舌を見せ。それから三人は健闘するトストを囲む。

「そーっと持ち続けるのって緊張する……あっ」
「「「あーー!」」」

 最後の最後で光る玉が落ちたと同時、夜空でも幾筋か星が落ちた。しゃがんだ体勢からまた寝転んで。

「うふふ……皆さんと一緒に来れて良かったです。また一つ、大事な思い出ができちゃったな」
「夏を先取りって感じの1日だったねぇ。楽しかったな!」
「こんな機会があったら、また遊びたいね!」

 これからも楽しいことが沢山ありますように、咲良の早口が三回、夜空に溶けて。しばらくまったりとすれば、もうそろそろ帰る時間。リサは大きく伸びをして立ち上がり。

「やー楽しかったっすね! という訳で〆はやっぱりコレっすよ!」

 さぁさぁ皆様お立合い。並々と注がれた|ジョッキ《黒ビール》が二つに|グラス《子供黒ビール》が二つ、それから|ビール樽《〇ッシー用》も一つ。それぞれ高々と掲げて。

「「「「楽しい出会いにかんぱーーい!!!」」」」

 今日何度目かの軽やかな音が、湖面を遠く滑って行った――


 ――ちなみに。線香花火対決、落とさなかったネ〇シーの優勝でした。

成否

成功

状態異常

なし

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