PandoraPartyProject

シナリオ詳細

奴らは身ぐるみ剥いでいく

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 ネオ・フロンティア海洋王国(通称:海洋)の首都中央島から船路で1時間程度、そこに海洋でも観光地として名高い楽園島は位置している。
 どこまでも続く白い砂浜、澄みきったコバルトブルーの海。クリアすぎる空気――その空間は、まるで作り物の世界に迷い込んだかと錯覚させられるほどに透明感が満ち溢れてピュアで、楽園島のビーチは中央島周辺という利便性もあいまって、シーズンともなれば国内外から観光客が押し寄せる一大リゾート地である。
 現在楽園島は、来るべき夏、海開きを目前にして不穏な空気に見舞われていた。

「異常発生ですね。例年に比べて発生率が多すぎます」
 職員が報告する。全裸で。
「人手が足りそうにありません!」
 手で大事なところを隠しながら。
 楽園島観光案内所の一室。全裸だったり服が乱れてたりする職員たちの顔は暗い。
 本格的夏シーズンの到来を控えたこの時期、楽園島は毎年、賊退治を行う。観光客を被害から未然に防ぐため、観光地としての安全性アピールのためにとりおこなわれる島の一大行事、裏の海開きである。
 例年通りなら島民の手だけで充分に事足りていたのだが……。
「仕方ない。応援を頼もう」
 島長兼所長は決断を下した。全裸で。


「蛸賊退治~!?」
 集まったイレギュラーズの面々は、聞きなれない言葉に声をあげる。
「そうなのです。盗賊でも山賊でも海賊でもなく、蛸賊なのです!」
 『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)がエッヘン、と胸を張るように応える。
 どうやら海洋の楽園島では毎年この時期、蛸賊退治を行っていたが、大規模召喚の影響か今年は蛸の大量発生で住民だけの手におえないから力を貸してほしい、ということらしい。
「要はタコ退治ってことだろ? そんなの簡単じゃねえか」
 イレギュラーズの問いに
「タコさんたちは、身ぐるみ剥いで持って行っちゃうのです。だから、蛸賊なのです……」ユーリカは少し恥ずかしそうに答える。
「え……それって!?」
「つ、つまりですね。水着とか着てるものとか装備とか、そういうものを一切合財脱がせて奪って持って行っちゃうのです!!!」
 ユーリカはモジモジしながら、それでも言い終えた。最後のほうは、少しだけヤケ気味に声を張り上げて。実に情報屋の鑑である。
 要は水着やら着衣やら鎧やらを脱がせて奪っていく蛸の集団を退治してくれ、ということだ。
「ヌーディストビーチにしたら解決するんじゃないか?」
「はわわ、エッチなのはダメなのです……」

 楽園島には海洋の有力者、ソルベ・ジェラート・コンテュールの別荘もある。依頼成功のあかつきには、ソルベ卿の覚えもめでたいだろう。こうしてイレギュラーズ達は依頼に向かったのだった。

GMコメント

 蛸です。触手です。触手祭りなのです!
 全年齢版だけどな!(ここ大事)
 どうも、茜空秋人です。

●情報確度
 Aです。想定外の事態は起きません。絶対に起きません。
 ポロリなどは想定の範囲内です。起きます。絶対に起こします。

●依頼成功条件
 タコ20匹以上の退治。
 失敗したら、楽園島はヌーディストビーチになるかもです。

●水着
 水着着用の義務はありませんが、水着は貸し出されます。自前で用意しても構いません。
 替えの水着も海の家にて御用意して御座います。安心して脱がされてください。

●必須項目
・『水着着用』の有無。
・脱げた際、着替えの有無(つまり全裸で戦うかどうか)。
・脱げたときの対処法。隠すか隠さないか、等。

●ロケーション
 海岸――浅瀬(平均身長の人で足がつきます)での島民たちとの共同作業となります。島民の参加者は基本男性です。若い女性が参加する筈ねえ! セクハラになります!
 イレギュラーズの相手は当面20匹少々の集団になります。

●蛸賊
 触手1m程のタコです。基本的に海から上がってくることはありません。
 海中で、触手と吸盤を駆使してイレギュラーズ達に絡みついてきます。が、基本的にダメージは大したことありません。だたしBS【呪縛】効果があります。また、離れるときに水着、着衣などを奪っていこうとします。
 彼らの目的は水着、着衣を奪うことです。基本的に全裸の相手は攻撃(強奪)対象になりません。ただし、攻撃されたら反撃はありえます。
 また、水着など脱がせやすい対象から襲う傾向があります。
 基本的にイレギュラーズを倒せるほどの攻撃力はありません。
 ただし全身鎧など、極めて着脱に難しい装備の場合、大量の蛸に圧し掛かられて溺れるなんてことは起こりえます。

●その他
 ネタ依頼です。それなりの覚悟でご参加お願いします。
 戦闘もダイス判定よりロールプレイを重視しての描写になります。
 『触手に絡まれてるリアクション、台詞』『水着が脱げた際のリアクション』等、想像を駆使したイロモノプレイングを期待します。ただし、全年齢版の範囲内で! 18禁は御法度なのです!

●アドリブ
 アドリブ描写が用いられる場合があります。
 プレイングやステータスシートにアドリブ度合、『アドリブNG』等記入くだされば対応いたします。

  • 奴らは身ぐるみ剥いでいく完了
  • GM名茜空秋人
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年06月19日 20時40分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

猫崎・桜(p3p000109)
魅せたがり・蛸賊の天敵
デイジー・リトルリトル・クラーク(p3p000370)
共にあれ
巡理 リイン(p3p000831)
円環の導手
パティ・ポップ(p3p001367)
ドブネズミ行進曲
ラデリ・マグノリア(p3p001706)
再び描き出す物語
アルテミア・フィルティス(p3p001981)
銀青の戦乙女
クリュエル・テュポネス(p3p002595)
誘惑する蛇
イーディス=フィニー(p3p005419)
翡翠の霊性

リプレイ

●海の家にて悲喜交々
 ……まさか女性がこんなに来るとは?
 イレギュラーズ達を出迎えた楽園島観光案内所職員一同は内心の動揺を隠す。ほんと吃驚だよ!
 楽園島で例年行われる裏の海開き――蛸族退治はある意味汚れ仕事だ。水着を奪う蛸の退治なのだ、当然女性の参加者など皆無に等しい。にも関わらず我らがイレギュラーズ、実に8人中7人が女性という事態に驚愕と同情を禁じ得ない。
「何で、男は俺しかいないんだろう……」
 ……ああ、物凄く動きづらい仕事になりそうだとイレギュラーズ唯一の男性、『信風の』ラデリ・マグノリア(p3p001706)が零す。
 ラデリは狐の獣人である。だからだろうか、老若問わず女性の裸体を見ても別に喜ばしいとも嬉しいとも思えなかった。更にいうと、女性が男性に裸体を見られた時に悲鳴を上げたりする理由も分からない。しかし、何故か女性の裸を見たら変質者扱いされるのは知っている。だからこそ、視界に入っただけでやれ変質者扱いされるのは嫌だとしみじみ思った。
「そもそも脱がされるリスクを知りながら、なぜ女性参加者がこんなに多いのかが分からない……」
「女の姿で来る羽目になるたぁな……。ほんと、面倒なギフトだわ」
 ラデリに相槌をうつように、イーディス=フィニー(p3p005419)が溜息一つ。
 50%の確率で日毎に性別が入れ替わるギフト持ちのイーディスは、今日は白のビキニがよく似合うボーイッシュな女の子の姿だ。
「占い……なんか酷そうな未来が見えちまったけど当たるも八卦! 要は脱がされる前に倒していけばいいんだろ? 大丈夫、行けるはず……!」
 ジプシーであるイーディスの占い通りに多分酷いことになりそうだが、それでもポジティブに「何事も成せば成る」と自身を奮い立たせるている。
「なんなのこの依頼……!? いや、詳細を読まなかった私も悪いんだけどっ!」
 勢いだけで討伐依頼に喜び勇んで参加したのは『円環の導手』巡理 リイン(p3p000831)だ。後悔しても後の祭りであるが。
「ともかく、受けたからにはしっかり仕事して帰ろうっ! うん!」
 と、貸出の水着を物色するリイン。活動しやすくなるべく脱がされにくそうなものを探しつつも「あ、どうせなら可愛いのがいいな!」なんて女の子らしさがダダ漏れている。「保険も大事っ!」と着替え分までしっかり確保している。

「くっふっふ、妾のないすばでぃで真夏の視線を独り占めなのじゃー!」
 途方にくれる仲間を尻目に、盛り上がっているイレギュラーズもいる。黒のビキニをまとった『大いなる者』デイジー・リトルリトル・クラーク(p3p000370)は、一足先に夏の海を満喫する気満々だ。『壊れないバベル』が無情にも『ないすばでぃ』を『平たい胸族』と変換するが、彼女は全く気にしない。
「うむ、今回の趣旨じゃな。勿論、賢い妾は準備も抜かり無しなのじゃ! 海辺のタコ焼きパーティーの開催なのじゃー(ドンドンパフパフ)」
 準備万端、BBQセットにタコ焼きプレートを持ち込んでいる。蛸の特徴をもつ海種のデイジーに対し『共食い!?』と、イレギュラーズの心が一つになったとか。
「ちゅー、今回は、水着を持ってきたでちー。これで、夏の祭りに出るでちー」
 『ドブネズミ行進曲』パティ・ポップ(p3p001367)も、水着が取れたところで「ぶっちゃけ、ただの巨大なネズミとちてちか見えないでちけどね」と気楽なものだ。
「ちょれにちても、ここが、今回の敵の出てくる場ちょでちね。タコが服を取りまくるって、色々と困るでちよねー。とりあえぢゅ、どー見ても、卑猥なことになりちょーでちからねー」
 それでも人間たちのフルチン姿を思い浮かべ「なんてゆーか、いやーな感じでち。ちゃれになってないでち」と、依頼には前向きなパティだった。

●白い砂浜、青い海、そして大量の蛸
「身ぐるみを剥いでく蛸賊退治ねぇ……。幾ら数が多いといっても、所詮は蛸じゃないの……?」
 遠浅の海に群れる蛸、蛸、さらに蛸。その眼前に広がる嫌いな人にはとてつもなく悍ましいだろう光景にも全く怯むことなく、『青き戦士』アルテミア・フィルティス(p3p001981)が凛として気丈に言い放つ。競泳水着を着た彼女は、武家出身。蛸如きに怯えたりすることは決してないのである。
「蛸賊……みんなが困ってるなら、退治しないと……。戦闘終了後はタコ料理三昧かな……とても、楽しみ…… 」
「身ぐるみ剥ぐって聞くと野盗なイメージだけど……これは蛸だねー。楽しい海水浴の為にさっさと退治しちゃおう♪」
 白ビキニの二人、『誘惑する蛇』クリュエル・テュポネス(p3p002595)、『特異運命座標』猫崎・桜(p3p000109)も特に動じることなく実に頼もしい。

 今回の依頼は島民たちとの共同作業である。
 イレギュラーズは20匹程の群れに狙いを定めた。さあ、饗宴の始まりだ。
「心機一転! がんばりますっ!」
 まずはリインが魁た。愛用の白い大鎌『輪廻終結』を両手で振り回し、蛸の群れに突っ込む。ちなみに選んだ水着は、大鎌に合わせたのか白のワンピースだ。
「1人あたり2、3匹だし、いけるいけるっ!」
 それにしても強奪が主目的だなんて、許せないタコ達ですよねっ! ぷんすこ。力任せに蛸を一刀両断、真っ二つにする。大鎌を振るう白い死神の降臨であった。
 しかし一番槍もとい一番鎌である。真っ先に蛸に狙われたのもまたリインだ。
 ぬるぬるした動き、ぬるぬるした触手。その存在全てが気持ち悪いぬるぬるが、リインを襲い締め付けぬるぬるする。ぬるぬる、ぬるぬる。
『ぞわぞわっ!』リインは身悶えた。
 何事もなく、全てを楽に倒し切れるといいけど……! そんなリインの願いは、儚く散ることになる。
 後には顔を真っ赤にし、着替えにと海の家へ駆け戻るリインの姿が残ったのだった。

 アルテミアのレイピアが――稲妻のように鋭い刺突が蛸を襲う。
 持ち味の速度を活かし縦横無尽に蛸を血祭りにするアルテミアであったが、やがて一匹の触手に絡め取られてしまう。
「ひゃッ!? このッ、どこ触ってるのよこのエロ蛸ッ!!」
 触手がアルテミアに弄るように、彼女の胸を強調するかのように食い込む。必死に恥ずかしさに耐え振りほどこうと抵抗するアルテミアだったが……。
「……!?」
 二匹、三匹と囲まれた末に、ついに水着を剥ぎ取られてしまった。
 ポロリ。
「嫌ァッ!」
 脱いだら凄かった!!!
 絹を裂いたような悲鳴を上げると、顔を真っ赤にしたアルテミアは大事な場所を腕で隠し猛スピードで海の家目指し駆け込む。
「見ないでーッ!」
「ンッ!?」
 島の男性が一直線に走る彼女のコース上に居たのは偶々であり、反射的に悲鳴と同時にアルテミスの手が出たのは仕方がないことだ。シュバリエとして剣を振るう彼女も、年相応に純情可憐な乙女であった。双方にとって不幸な事故としか云えないが、気絶した男性の顔は何故だかとてもいい笑顔だった。

 パティもまた、複数の蛸を相手に奮戦していた。
「お邪魔なタコは、一気に片付けるでちー!!」
 至近距離に詰め寄っての紫電一閃。群れ相手に範囲攻撃はとても有効で、パティのナイフの一閃は数匹の蛸をまとめて削り着々と確実にダメージを与えていく。
 身長80cmのパティが、1mをゆうに超える蛸に負けじと奮闘する様はとても勇ましいものだった。
 しかし悲しいかな、数の暴力である。
 一匹の蛸にまとわりつかれるのを皮切りにパティは触手地獄へと堕ち、複数の触手に絡まれ水着を弄られはじめる。
「ちゅー!? やめるでちー!」
 身体の自由を奪われたパティは必至で声をあげるが、成す術もなくそのまま水着を脱がされる。
「……なんてゆーか、はじゅかちいでちー!!」
 一糸纏わぬ、文字通りに生まれたままの濡れネズミがそこに居た。海水を吸い重く張りつく毛並の中から、二つの円らな瞳を大きくパチクリさせた濡れパティはとても可愛らしいネズミだった。
 そして、脱いだことにより触手から解放されたパティは、逆襲の一閃を蛸に振るい始めるのだった。

「やれやれ……とても面倒だ」
 イレギュラーズ唯一の男性ラデリが視界のはしばしに映る仲間たちのあられもない姿に、目のやり場に困りながらうんざりするように呟く。
 いつものモノラルを外し、日差し対策のサングラスをかけたラデリ。愛用の帽子も避難させ、ついでに浮き輪を抱えての本気モードの海仕様だ。
 蛸と一定の距離を保ちつつ遠距離、中距離から毒を使った攻撃を仕掛けるラデリだったが、すぐに距離を詰められ蛸に囲まれる。
「ああ、頼むから脱がされないでくれ、って、無理な話なんだろうなぁ……」
 その通り、無理です。
 にゅるり。ラデリの思いも虚しく、粘液まみれの触手が襲う。
 にゅるり。ラデリも抵抗するが、触手に捕まった状況では思うように身体を動かすのもままならず、浮き輪と水着を奪われてしまう。
 なんていうか……とっても……立派な狐でした。
 着替えに海の家に戻ろうと、開き直って何も隠さずにラデリが振り返る。
 そこには銀の耳に尻尾――一人の狐少女、桜が立っていた。全裸で。
(騒がれるのは嫌だ、金切り声とか聞きたくない……)
 ラデリはふと、そんなことを思わずにいられなかった。

「!?」
 桜は不幸体質である。色々と不幸な目に合いやすい。
「絡まれなければどうという事はない、なんだよ♪ ……って、数が多くて避けきれないー!?」
 白のビキニも、戦闘開始直後に奪われてしまった。
「にゃー!? 簡単に取られた!? ぎ、ギフト使って水着着てくるー!?」
 取られなければどうということはないと着替えは用意していなかった桜だが、いざ取られてみるとそのままという訳にもいかず、全力で海の家に戻るとギフトを発動させる。桜のギフトは幻の衣装を自由に着てるように見せかけることができるのだ。ただし、幻だと見破られると効果はなくなる。
「ふぅ、これで安心なんだよ。改めて蛸狩り再開だよ!」
 だがしかし、桜は周りにギフト宣言してしまっていた。故にギフト効果は発動していないのだが、桜はそれに気づかない。気づかないまま全裸で戦場へと駆け戻ると、そのまま目に入った蛸に絡まれている仲間――ラデリの救援に向かったのだが……今一歩、間に合わずに。
 全裸の狐族が向き合う形になってしまった。
(あ……とっても、もふもふしてる……)
 声に出せずに、桜は心中そんなことを思うのだった。

「このスケベタコめ。纏めて〆てタコ焼きにしてやらぁ!」
 イーディスが積極的に蛸の頭部――目と目の間の急所を攻める。
「タコを〆る時って、確かココを狙ったよな?」
 蝶のようにステップを踏み、蜂のような格闘で奮戦するイーディスだったが、彼女もまた触手――数の暴力の前に屈してしまう。
 ぬるり。最初は腕や膝下。うざったそうに振りほどくが、触手の勢いは止まることを知らない。
「ひゃんっ!? こ、こらっ、んなとこに絡みつくなよ!?」
 ぬるり。ぞわり。触手が太ももに絡み、イーディスは思わず内股になる。
「ゃ、内股はやめ……ひんっ」
 そんなこと言われても、触手が止まるはずもない。思うように抵抗できないイーディスから、もてあそぶように白のビキニを剥ぎ取ってしまう。
「ぁ、あわわわわっ。こら、返せ! 返せってばー!」
 顔を真っ赤にし、左手で下を隠しつつ前屈み、右手で必死に蛸から水着を奪い返そうとするイーディスだったが。
「お、お、お前ら……全てッ! 刺身にしてやらぁあああ!!」
 元来、喧嘩っ早い性格である。羞恥全開のあまりぷちっとキレると、もう隠すそぶりも見せずに蛸に対して暴れ始めた。
 ……おや? 肝心な所に謎の逆光が! 全年齢仕様の不思議な現象ですね!

 蛇少女のクリュエルは序盤、海岸線から離れ砂浜からの攻撃に徹していた。
 海から上がってこない蛸の特性を利用した安全策だったが、射程内から蛸が消え、仕方なしに海に入る。
 海に入った途端にクリュエルの露出の高い白のビキニは、蛸賊の格好の目標になった。待ってましたとばかりに襲い掛かる蛸の群れ。衝撃で一匹吹き飛ばしたものの、たちまち触手に絡まれてしまう。
「……ちょっと……敏感だから……困る」
 触手にうねうねと蹂躙される蛇少女は、実にいい絵面だった。
 水着を奪い取り満足したような蛸に対し、クリュエルは奪い返そうと衝撃を放つのだった。全裸で。

「材料のタコどもの捕獲なのじゃ!」
 いつの間に目的がすっかりタコ焼きと化してたデイジーは、海に飛び込むと組んず解れつ大暴れしていた。
「タコの丸焼きの出来上がりなのじゃ♪」
 焔式で蛸を焼きご満悦のデイジーだったが、やはり触手に絡まれると黒のビキニを奪われてしまう。
「くっふっふ。かかったのタコどもめ!」
 しかし全く恥じ入ることなく、逆にデイジーは得意げだ。
「なぜなら、妾の完璧なないすばでぃに見られて恥じ入るところなぞ一つも無いからの! とくと見るが良いのじゃ!」
 ざばーっと立ち上がったデイジーの下半身は、8本の触手――つまり蛸と化していた。あと胸には謎のワカメ。謎の全年齢仕様ワカメってやつですね!
「お主ら、なっておらんのう。触手とはこう使うのじゃ!」
 8本の触手を振り上げ、デイジーが蛸に襲い掛かる。
 ぬめぬめ。ねっちょり。ぐるぐる。ぎゅぎゅー。
 気が付くと攻守交代、デイジーの触手が纏わり締め付け絡みつき、負けじと蛸の触手が悶えながら抵抗し、地獄絵図もとい触手天国と化していた。
「にゃー!?」
 絡まれていたデイジーを助けようと傍に来ていた不幸体質の桜が、お約束のように触手天国に巻き込まれたりもした。

●色々と酷い
 競泳タイプからビキニに着替えて復帰したアルテミアが、怒髪天で黒い笑みを浮かべる。
「ぶっ飛べエロ蛸共ォォッ!!!!」
 剥ぎやすい水着での登場で再びアルテミアに群がってくる蛸賊に、怒り任せで加減なし容赦なしの騎士の雷なる一突きが襲い掛かる。数匹の蛸が息絶えた。
「ちゅうううっ!」
 パティの喧嘩殺法が蛸に決まる! 全裸で。
「僕の必殺の蹴りだよー♪」
 桜が蛸を蹴り上げる。回し蹴りを食らわせる! えっちなうさぎさん(狐だけどな)が、ぴょんぴょこ飛び跳ねながら蹴りまくる。全裸で。だけど本人は気づいてないから大丈夫!
「おらおらぁっ!」
 イーディスが蛸をド突きまわす! 全裸で。
「くくっ、まだまだ未熟な触手じゃの!」
 触手魔人と化したデイジーが触手を振り回す! 全裸で。
 そこに着替えを終えたリインやラデリ、クリュエルが加わったり再度脱がされたりと、ひたすら混乱を極めていたのだが、蛸賊が一匹、また一匹と斃れるにつれ戦況は収束していく。
「なんとか終わったでち」
 最後に20匹目の蛸を仕留めると、パティが呟いた。

「大漁大漁なのじゃ♪ タコ焼きパーティーなのじゃ♪」
 蛸賊掃討が終わると、打ち上げに島民も巻き込んでデイジー念願のタコ焼きパーティーが催された。
「この蛸がいなければ酷い目に会わなかったんだよ! 怒りの食卓だよー!」
 桜も怒りを食欲にかえ、恨みをぶつけつつ食べる。
 当初は「ここのタコって食べれるのかな? あ、食べる方は好きですよ!」と疑問を呈していたリインだったが、いざ食べてみると非常に満足げな表情を浮かべている。
(毒、使わないほうがよかったかな……)
 ラデリが自分が倒した蛸を選り分けて、こっそり処分する。
「おいちいでち!」
「これが楽しみだった……」
 食いしん坊のパティ、クリュエルもとても大満足だ。
「つ、次こそはまともな依頼に入るんだ、俺……タコオイシイ」
 実に酷かった戦闘を思い出し、時折顔を赤くしつつももしゅもしゅと蛸を食べるイーディス。とてもご満悦な様子だ。
 その一方で、アルテミアは隅の方で暗い雰囲気で蹲っている。
「蛸に辱められてあられもない姿を見られて……、いっそ殺してぇ……」
「……」
 世話好きなラデリが近づき、そっと彼女にタコ焼きを差し出した。紳士な狐だった。

 Congratulations!
 こうして酷い依頼にもめけず、イレギュラーズの奮闘により依頼は達成されたのである。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 イロモノ参加ありがとうございます。お疲れ様でした!
 白ビキニ、好きな人が多いですね。僕も大好きです。黒のビキニも競泳水着もいいですね。スク水がなかったのが残念ですが!
 水着コンテストが楽しみです。
 それではまた機会があれば、よろしくお願いします。

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