PandoraPartyProject

シナリオ詳細

集え、勇者候補生たち

完了

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オープニング

●レベル1から始めよう

 ザワザワ、ソワソワ。
何やら落ち着かない様子の群衆が何事か囁きあっているが、『静粛に!』という声が、場の空気が一気に引き締まり、一同の背筋がピンと伸びた。
どうやら、彼らの眼前に現れたのは、上司に当たる人物らしい。
彼の話は、とてつもなく長い身の上話から始まり……。

「……という訳で! 今日ここに集まってもらった勇者候補生の君達には、たいっへん! 期待しているのである!」

 話し始めてしばらくした後、胸と腹を張った恰幅の良い男は、規律よく並び立つ者達に堂々とそう語る。
それを聞く者たちは大半を男性が占めているが、女性も少なからず存在している。いずれにせよ、この場に活気のある若者達が集まっているのは、ひと目見れば分かることだろう。

「君達の中の誰かから偉大なる『勇者』が生まれることを、我々は切に願っている。が、この中には剣を持つのも初めての者も多いだろう。そのような者を、無責任に最前線に送り出すような真似はせぬよ」

加えて、こうも続けた。

「また、既に狩りなどで剣を振るっていた者も、慢心することなかれ。……先の勇者候補生達も、そうやってゴブリン一匹の前に油断し、命を落としたものも居るのだ」

だからゆめゆめ、鍛錬を怠らぬよう。
この兵舎は、君達の為に存分に開放しよう。
繰り返しになるが……君達には、期待しているぞ。

男の演説は、そうやって締めくくられた。

●未来の勇者に餞を

「……という訳でね、皆には『勇者候補生』達の指導にあたってほしいの」

 境界案内人から告げられた仕事内容は、次のとおりだ。
曰く、今回イレギュラーズ達が訪れる世界は、剣と魔法のファンタジーの世界……仮名を【ドラグナー】としよう。

そこでは、『魔王』と呼ばれるものが、世界を支配するために着々と力をつけており。
それに立ち向かうために、『勇者』なる者達を育成してほしいという。

「皆なら、戦いも慣れたものだと思うけれど、ここにいる人達はそうじゃないから……優しく、指導してあげてね」

そう言って、マチネは貴方達を送り出した。

NMコメント

どうも、なななななです。
今回は一章構成のラリーになります。
以下、詳細になります。

●ドラグナー

 今回、皆様が赴く世界の仮名です。
ゴブリンあり、オークあり、ドラゴンありな剣と魔法のファンタジーな世界になります。
テレポート魔法、魔法の街灯などは一般的に広まっていますが、科学技術、医療はあまり発達していないようです。

現在、この世界には着々と『魔王』の侵略の手が迫っており、それに立ち向かうための兵隊として、はるか昔、魔王を打倒した者たちの伝承をなぞり、『勇者』を育成しています。

今回イレギュラーズは、勇者達を育成する兵舎に、教官として潜入する形になります。

●目的

『勇者の指導をすること』です。

戦闘訓練、キャンプ設営のコツ、皆の志気を上げるようなキャンプ飯の作り方、罠の解除方法……勇者達の役に立ちそうなことなら何でもアリです。
皆様の得意なことを指導してあげてください。


以上になります。
どうか、勇者達を導いてあげてください。

  • 集え、勇者候補生たち完了
  • NM名ななななな
  • 種別ラリー(LN)
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年06月04日 21時35分
  • 章数1章
  • 総採用数2人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

バク=エルナンデス(p3p009253)
未だ遅くない英雄譚

「良いか若人、儂の話を聞き漏らすでないぞ」
「は、ハイッ!」

 バクの前に居住まいを正すのは、槍を握りしめた者、真新しい鞘を携える者、盾を背負う者と様々だ。
バクに促された青年は盾を構え、彼はその後ろへと立つ。そしてバクに呼ばれた乙女は、勢いを持って槍を突き出していく。盾の少年の手は頼りなく震えるが、バクはその後ろから優しく声をかけた。

「さて、盾持つ者よ。攻撃はただ受けるに非ず。背を守る為に足を止めるは必須。しかして全て受け止めるは骨が折れる」

故に、行うは流す事。
槍や矢のように一点突くは篭手や盾を得物に添わすようにし、ソレと動きと同じ方向へと動かし流せ。
剣や槌は側面や柄を叩くように弾け。その折、肘と膝はある程度曲げ柔軟性を保て。
盾とは守るのみならず時間を稼ぐも大事ぞ。さすれば後は味方が叩いてくれよう。

 その言葉の通り盾を斜めに受け流せば、槍の乙女は転倒。剣の好青年も続いて見事な太刀筋を見せるが、素早く押し出された盾に弾かれてしまった。

乙女や好青年は勿論、それらを指導どおりにいなした盾の少年すらも、驚きに目を見開き。一様に、バクの方を見つめた。

「……どうした童? 儂はまだ立っておるぞ?」

 一件してバクの方が幼く見えるにも関わらず、どこからその風格が出ているのだろう。
そんな疑問さえ抱かぬ程に、若人達は皆、バクの言葉に従い、実践し、時に物事を尋ねながらも、訓練に励むのだった。

成否

成功


第1章 第2節

雪梅(p3p008787)
特異運命座標

 野外に集まるのは、若き勇者候補生達。そしてその輪の中心に居るのは、彼等と近しい年頃の娘……雪梅だ。彼女が教えるのは、大好きだったばぁばから教わった料理の一つ。

「ご飯食べたいけど、疲れて作る体力がない! 昨日はたくさん食べすぎて軽いものが食べたい、なんて時の材料簡単なご飯をお教えしますね」

ズバリ、草粥です!

「疲れたを理由に食事を抜いてはいけません。粥は簡単でアレンジはたくさんできます!」

 あるものは米を丁寧に研ぎ、あるものは彼女に言われた通りに薬草を刻み、またあるものは火起こしの準備をしたりと、順調に料理の準備が整っていく。
やがて、米と水のたっぷり入った鍋が、火にかけられた。

その時間を利用して、今回調理に使った薬草や、食べられる野草についての知識を、皆に伝えていく。

「草粥は縁起物で邪気を払ってくれるんですよ」

そうしている間にぐつぐつぷつぷつと、鍋の中で米が踊り始めた。
米のいい匂いに思わず、若者達はゴクリ、生唾を飲む。

やがてそこの目にも鮮やかな緑が加わり、草にもしっかり火が通ったのなら。

「はい、完成でーす!」

一つの鍋を囲み食事をする彼らの表情は、一様に朗らかだ。

「……仲間とご飯を分け合って食べることは
交流を深めるだけでなく、生きる上での充足感を満たすことができるんです。これからも、一人じゃなく誰かと美味しいご飯を食べてくださいね」

彼女の言葉に、勇者候補生は深く深く頷いた。

成否

成功


第1章 第3節

イレギュラーズの指導を受け、若者達はより一層、自己鍛錬に励む。
皆一様に、その目に希望の光をと宿しながら。

……この先、ここにいる若者達の中から、真の勇者が生まれ得るのか。

その答えを知るものは、まだ、この世界の何処にもいない。

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