PandoraPartyProject

シナリオ詳細

宝と共に、宝と眠り

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●宝と共に、宝と眠り
「……う、うぅ……ん……」
 船の上で、意識を失っていたのは……年の程20歳位の女性が、ゆっくりと身を起こす。
 ……結構長い時時間気絶していたのだろう……甲板に設置していた部分には血が巡っていなかったのか、暫しの間、痺れが取れない。
「い、いたたた……うう……な、何なのよぉ……」
 とうっすら涙を零した彼女。
 痺れた部分に血を巡らそうと、体勢を変えようとするのだが……後ろ手に縛られていているのに気づく。
「え、な、何なのよ!? こ、これ……そ、それに……ここ、何処……っ!?」
 全く身に覚えのない事態、更に周囲に広がるのは、全く見覚えがない……だだっぴろい海原。
 船に揺られ、陽が照りつける……そんなの、おかしい。
 佐伯製作所という所で『ゲームのテストプレイヤー』として、ヘッドセットを被ったところまでは覚えていた。
 でも、それから先の記憶が飛んでいる。
 少なくとも、今目の前に広がる大海原は、ネットとかで見た事は有るけれど、そんな所に居なかったのは確か。
 ……そんな、意識を取り戻した彼女へ。
「おうおう、どうやら起きたようだなぁ?」
 と、ぞろぞろと姿を現わすのは、筋骨隆々な海の男達。
「な、何なのよ? 私に何をしようとするのよ!?」
「はっはっは。まぁ、ゆっくりしようや。てめぇが俺達の求める情報を持ってるのは間違いねえんだしよ?」
「ああ、そうだなぁ! ま、逃げようだなんて思わねえこった! 逃げりゃ、てめえを海の獣に喰わせてやるからよぉ! はっはっは!!」
 豪快に笑う彼らの意図を理解も出来ず……男達に囲まれるという恐怖に、彼女は涙を零すしかできなかった。


「お願いします……だれか、助けて下さい……!」
「あの子は家でとか、失踪する様な子じゃないはずなんです……きっと、何処かで苦しんでいる筈なんです! お願いします……あの子を、助けてきて下さい!!」
 連日、希望が浜地域のニュース番組で報道されている、悲痛な声。
 希望が浜地域で連日報道されている、行方不明事件である。
 極々普通に通っていて、何か悩みを抱えていそうでもなかった生徒達。
 何の変哲も無い日常を送っていた彼らが学校にも、家にも帰らなくなった……そんな行方不明事件が何件も発生している。
 そんなニュース番組の流れるカフェ・ローレットより、綾敷・なじみが。
「最近、行方不明事件、多いよねぇ……怖いよねぇー……」
 テレビを見ながら、笑う彼女。
「でも、この事件……あの世界が関わっている様なんだ。もーみんなも知ってるよね? 『Rapid Origin Online』、通称ROO,っていうゲーム」
「多分、だけどね? 失踪している子達はこのROOの世界から帰ってこれなくなってるんじゃないかなー? どうしてなのかはちょーっと解んないんだけど、物理的にどっかに拘束されていたり、ね?」
「みんなもROOにログイン出来るんでしょ? ログインして、ちょちょいっと解決してくれば、きっと親御さん達も喜ぶと思うんだよー。こんな事件ばっかりだと、気も滅入っちゃうしさー、みんな、ちょっといってきてもらっていいかなー?」
 正直、雲を掴むような話。
 だが、ROOの世界にログイン中の『プレイヤー』が閉じ込められている、という話は色んな所から聞き及んでいるし……なじみの言うのにも、そんなに不思議な点はない。
「という訳で……みんな、宜しくね!」
 となじみはひらひらと手を振り送り出すのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)です。
 とうとう始まりましたROO……気がついたら全く知らない世界に居た、なんていうのはちょっと憧れる所もありますね。

 ●ROOとは
  練達三塔主の『Project:IDEA』の産物で練達ネットワーク上に構築された疑似世界をR.O.O(Rapid Origin Online)と呼びます。
  練達の悲願を達成する為、混沌世界の『法則』を研究すべく作られた仮想環境ではありますが、原因不明のエラーにより暴走。情報の自己増殖が発生し、まるでゲームのような世界を構築しています。
  R.O.O内の作りは混沌の現実に似ていますが、旅人たちの世界の風景や人物、既に亡き人物が存在する等、世界のルールを部分的に外れた事象も観測されるようです。
  練達三塔主より依頼を受けたローレット・イレギュラーズはこの疑似世界で活動するためログイン装置を介してこの世界に介入。
  自分専用の『アバター』を作って活動し、閉じ込められた人々の救出や『ゲームクリア』を目指します。
   特設ページ:https://rev1.reversion.jp/page/RapidOriginOnline

 ●成功条件
   縛られ、囚われている希望が浜の生徒さん『田邊・あかり』(ROO世界では『光の探求者』アカリと名乗っている様です)を救出する事です。

 ●情報精度
   このシナリオの情報精度はBです。
   依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
   ROO世界に『テストプレイヤー』として参加していた、希望が浜の学生であるアカリが、ネクストの『セイラー』世界にログインし、そこから抜け出せない状態となっています。
   彼女のログインポイントは、『お宝がある』と言われていた無人島……そこのお宝を求めてきた海賊達。
   お宝がない事に逆上し、彼女が『お宝のありかを知ってる』として、彼女を拘束してしまいました。
   その為彼女はログアウトも出来ず、ROOの世界でずっと囚われている状態……となってしまっています。
   
   彼女を捕縛している海賊船へと乗り込み、立ちはだかる沢山の海賊共を全て倒す必要がありますが、
   しかし海賊達は自分達の身に危機が迫れば、彼女を殺す事も厭いませんので、身を呈してでも守らなければ、彼女の死は免れないでしょう。
   
   尚、海賊船については、結構大型の船の様で、30人位の乗組員では十分に動き回る事が出来るでしょう。

 ●NPC情報
   『田邊・あかり』
     希望が浜の学生です。
     テストプレイヤーとしてROOに潜入してみたはいいものの、ログインした際に頭を岩にぶつけてしまい、打ち所が悪くて気絶してる間に海賊に囚われてしまった……というちょっと可哀想な子です。
     彼女は海賊船の船室に両手両脚を縛られて拘束されており、能動的な行動は一切取れません。
     また成功条件に上げている通り、彼女が救出出来なかった場合は『失敗判定』となります。

 ●討伐目標
   ・宝に飢えた海賊達 x 30人
     海賊船に潜入すると、彼らは襲撃を仕掛けてきます。
     ただ、残数10以下になれば、すぐに船室に戻り、あかりを人質にして『ここから去れ! さもなければ殺す!』と言ってくるでしょう。
     彼らの武器は、毒が塗り込まれた『短刀』と、ショート・ボウ、長剣。
     又2人だけ『回復』魔法が使える海賊が紛れ込んでいる様ですが、他の海賊達と姿形は似通っているので、傍目から判断するのは難しいと思います。
     ただ、回復が使える海賊達は体力が少なく、その他の者達は体力は多めでしぶとい様です。

※重要な備考

 R.O.Oシナリオにおいては『死亡』判定が容易に行われます。
『死亡』した場合もキャラクターはロストせず、アバターのステータスシートに『デスカウント』が追加される形となります。
 現時点においてアバターではないキャラクターに影響はありません。

   それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します

  • 宝と共に、宝と眠り完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年05月22日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (8人)

トリス・ラクトアイス(p3x000883)
アリシア(p3x004649)
デッドリーヘブン
アウラ(p3x005065)
Reisender
タント(p3x006204)
きらめくおねえさん
リュティス(p3x007926)
黒狼の従者
ロロン・ホウエン(p3x007992)
カラミティ・クリエイター
ルイズ・キャロライン(p3x008702)
必ず、絶対にその首を
アズハ(p3x009471)
アルコ空団“路を聴く者”

リプレイ

●広がる海原
 ここ最近に、希望が浜地域で頻繁に報道されている、学生達の失踪事件。
 その事件の元凶と言われているこの世界……『R.O.O(Rapid Origin Online)』。
「あら……早くも行方不明者を発見出来たのね?」
 と『カラミティ・クリエイター』ロロン・ホウエン(p3x007992)が少し驚いた表情を浮かべると、それに『クレイジーメイド』アリシア(p3x004649)も。
「そうですねぇ……まぁ、確かにログインした状態で囚われてしまえば、そこから出れなくなるって言うのも納得出来る話です。彼女を連れ帰らなければ、失踪事件も解決しませんし、彼女も酷い目に合わされてしまうでしょうね」
「そうね。バックアップなしの死亡がどんな結果になるのかちょっと興味はあるけど……」
 一瞬、不敵な笑みを浮かべるも、周りの視線に気づいたロロンは首を振って。
「そうね、救出のためにログインしたことを忘れてはいないわよ? さて、一つ暴れるとしましょうか」
「ええ! 思いっきり暴れると致しましょうっ!」
 と、ロロンとアリシア二人が、思いっきり気合いを入れる。
 ……ちょっとばかし、二人の気合い入りまくりの言葉に一抹の不安を感じつつ、『AzureHarmony』アズハ(p3x009471)が。
「ええっと……そうだね。でも、初戦闘の相手はまた海賊かぁ……それに、本当に仮想世界に囚われるなんて現実にあるんだな……」
 正直な所、現実と仮想の区別が付かないくらい、リアリティに溢れる仮想世界、R.O.O。
 こんな世界で、海賊に囚われた彼女……周りに知り合いがいる訳でもなく、救いの手を差し伸べて貰える見込みもないとなれば……最早絶望的な状況であった。
「航海で海賊、そして囚われの女性……まあ、捕まった人はお気の毒様ね」
「そうね……小汚い海賊共に捕まるなんてご愁傷様……しかし……不幸中の幸いでしたね? 本来であれば、貴女の不幸は更に続きがあったと言うのに……」
 『Reisender』アウラ(p3x005065)に、『かんがえちゅう』ルイズ・キャロライン(p3x008702)が肩を竦める。
 更に『きらめくおねえさん』タント(p3x006204)が
「ううん……腹いせに捕まえて、人質にして、それなのに殺すのも厭わないなんて、随分と理屈の通らない相手ねぇ……これもゲーム故かしら?」
 と首を傾げると、アウラが更に。
「そうね……でも、ここで死んでもデスカウントがたまるだけで、現実世界で死ぬ訳じゃないんでしょう? その捕まった人も死んだ所で何か問題があるのかしら? 例え電脳世界でも、その世界で生きている事に変わりは無い、という事かしら? それで害を被ったら元も子も無いと思うんだけど」
 と思慮する。
 それにトリス・ラクトアイス(p3x000883)と『黒狼の従者』リュティス(p3x007926)も。
「まぁ……私達には害がないとは言われて居るけど、テストプレイヤーである彼女達にそれが通用するかは正直解らないしね。それに思ったよりテストプレイヤーの行方不明者ってたくさん出てるし、その上専門の研究者じゃなさそうな人が多い感じ。当初は安全な予定だったのだから仕方ないのでしょうけれど」
「そうですね……今回は人攫いですか……確証もなく攫うなど、程度がしれますね……」
 辛辣なリュティスの言葉に、トリスは。
「ま、海賊達からすれば、お宝に目を眩んだんだろうね……ここが物語として考えるのなら、普通に宝も存在しそうな感じはするけど」
 それにアウラが。
「まぁ彼女の救出がオーダーな以上、きっちり助けるけどね?」
 と頷き、そしてルイズとアズハも。
「そうですね……少なくとも命は無事で返しますよ、多分ね」
「ええ。海賊を倒して灯さんを助けに行くぞ……!」
 と、各々気合いを入れると共に、宝に飢えた海賊の乗る船に向けて、船を借りて出航するのであった。

●命を借りる
 そしてイレギュラーズ達の船が海原を進み行き、数時間。
 海は荒れることもなく、順風満帆に針路を進み行くと……水平線の先に、次第に姿を現わす大型船。
「あれが……その船かな?」
「うーん……どうかなぁ? でも、大型船って言うから、そうかもしれないねぇ」
 トリスの言葉に、アリシアが目を凝らして小首を傾げる。
 更に船の速度を上げて、その船へと接近していくと……船の帆に、海賊船で良くあるドクロマークを発見。
「これはこれは……ここまで解りやすい海賊船はないわねぇ」
「そうね……襲いかかってくるものなら、仕掛けてみろ……とでも言いたげですね」
「ええ……まぁ、30人という大所帯ですし、気持ちが大きくなるというのも、理解は出来ますね……」
 タント、リュティス、ルイズが言葉を紡ぎつつ、今回のポイントを改めて纏める。
「今回の救出対象である、アカリさんは船室に拘束されている様です。そして彼らは10人を下回ると彼女を人質にしてしまうので、少々面倒になりますね……まあ、私達の役割は単純で明快。その辺の身体に生っている首を、片っ端から斬り落として収穫するだけ、と……大変ありがたい事です」
 とルイズの言葉に、トリスは。
「そうだね。そういえばアカリさん、確保さえすれば帰還は出来るのかしら……?」
 ふと、首を傾げるが、それにアリシアは。
「うーん……どうなのかなぁ? まだあんまり情報は無いから解らないけど、でも簡単にログイン出来るようなら、捕まっててもログアウト出来ちゃうんじゃないかなぁ?」
「……そう言われればそうだね。拘束を解いてログアウト出来ればラッキー、位に考えておこうか」
 トリスとアリシアの会話、そしてリュティスが。
「ええ。後は……敵の数が15人以下にまで減りましたら、私とアズハ様でタイミングを合わせ、船室に一気に突入しようと思います。それで宜しいですか?」
 と問いかけると、アズハ、ロロン、アウラも。
「うん、その作戦で問題無いよ」
「半分に減ってきたら、人質の保護優先ね、了解……まぁ私、多分悪目立ちするでしょうから、海賊達の惹きつけについては任せて貰っても構わないわ
「解った。逆に私は気づかれにくいと思うから、不意を突いて攻撃する事に集中させて貰うよ」
 そして……イレギュラーズ達の船は、海賊船の後方から距離を詰め……飛び乗れる位まで接近。
『……ん?』
 その気配に気づいた海賊が、ふと振り返った所に、早速アリシアが。
「お宝キュンキュン☆胸が躍るのピュアマイハート♪ あなたの宝は私の虜♪ 遺体は宝箱にしまってあげる♪ お宝大好き海賊さん、自分がお宝になって大満足♪」
 とバーサーク☆アイドルを発動し、海賊達の注意を一挙に惹きつける。
 更にタントが。
「さぁて! おねえさんと遊びたいのは何方かしらぁ?」
 と、胸を強調するポーズで、唇をチュッととがらせてキス音を鳴らし、更にその後ろからトリスがギターを掻き鳴らして、一気に敵の注目を集める。
『な、何なんだこいつら……? ……もしや、お宝を狙ってきた横取り野郎か!』
『かもしれねえ……返り討ちにしてやるぜ!!』
 そんなイレギュラーズ達の動きと挑発に、早速海賊達はすぐに頭に血を上らせて武器を取る。
 そして次々と海賊船へと乗り込んでいくと、それを撃退しようと前へと進む。
「……見る限り、まだ全員では無さそうね? もしかしたら船室の中で待ってるかもしれないわね」
 と敵の数をカウントした上で仲間達に合図。
 それにアリシアが、先ほどの踊りから流れる様に。
「さぁ、始めさせて頂きますよっ!」
 と大量の火薬が詰め込まれた提灯に火をつけ、ぶん投げる『燃え燃えキューン!』を発動。
『な……っ!?』
 流石に初っ端からぶっ放されるなんて思って居なかった様で、目を見開く海賊共。
 更に続いてリュティスが貫く『アクティブスキル2』で連鎖的に数人を貫いていく。
 二人の攻撃に続き、タントは自らの親指の節を咬み、しゃくり、という林檎の幻想を奏でて。
「--さぁ、常若の楽園へ墜ちなさいな」
 と『ティル・ナ・ノーグで甘噛み』を発動し、先陣を切った海賊共に恍惚を付与。
 続きルイズは、ショート・ボウの持ち主と、短刀を持った敵を間に挟むように一を微妙に変えて。
「……首が飛ぶのを、整列して待ってくれれば話は早いですが……まぁ、大人しくなんてしてもらえませんよね? ……ならば、こちらは順番に首を刎ねていくだけです」
 と『初手にて首を』の一閃を海賊の首に放ち、斬り付ける。
 その一撃を喰らった海賊は……頚がぽとん、と落下。
『ひ……っ!?』
 目の前の仲間の首が落ちるだなんて光景……想定などしている訳も無く、悲鳴と共に目を見開く。
 しかし周りの仲間達から。
『その位で怯んでんじゃねえぞ、この腰抜けがっ!!』
 と発破を掛けられる。
 僅かな動揺は見えるが……そこですぐに尻尾を巻いて降参はしない。
 むしろ士気を高めた彼らが、怒濤の勢いで毒の塗り込まれた短剣の一閃と、ショート・ボウの後方射撃で攻撃を重ねていく。
 ……そんな海賊達の攻撃をアリシアが真っ正面で対峙。
 そしてアズハが『アクティブスキル2』で範囲に傷付け、更にロロンは『アクティブスキル3』で自己強化を付与しつつ、『山動地喰』で甲板を大きく揺さぶっていく。
 最後に、トリスが攻撃を受けたアリシアへ『アクティブスキル2』で回復を飛ばし、戦線を維持し、次の刻。
 イレギュラーズ達の実力に多少押され気味ではあるものの、海賊達は。
『ふざけやがって……絶対にぶっ殺してやる!!』
 更に憤りを覚えつつ、苛烈な反撃を開始。
 そんな敵の攻撃に対しても、アリシアは。
「さぁ、一先ずお茶でもっ!」
 と『粗茶でございますっ!』で熱いお茶をぶっかける。
『っ、あっちいだろうが!』
 とそれに更に憤る海賊。
 アリシア一人を十数人の海賊達が瞬く間に包囲。
 左から、右からボッコボコに集中攻撃……更に後方からのショート・ボウ使いもそこに攻撃を放ち続ける。
 ……流石にそんな集中砲火の前には、アリシアはかなりのダメージが及ぶ。
 そんな彼女への攻撃集中を引き寄せようと、タントが。
「もうっ、誰かおねぇさんを押し倒せる人はいないのぉ?」
 と口にしつつ「きらめくおねえさん!」で、ほんのりピンクの光を全身から発しながらスカートのスリットから脚をチラリちらつかせ、色っぽく。
「おねぇさん、つまんなぁい」
 と吐息を吐く。
 ……そして、そんな二人へ更にトリスが『アクティブスキル1』で範囲回復を行い、体力を回復させる。
 更に二人に彼女に攻撃が集中している所に、残る仲間達がどんどんと攻撃を重ね、一人、また一人……と海賊達を討ち倒していく。
 ……ただ、中々ペースが上がらない状態に。
「ああ……面倒だ……じれったい……早くしてくださいね……私のか細い理性の糸が、切れて飛んでしまう前に……」
 内心苛立ちをルイズは呟きつつも、的確に一匹ずつ首を刎ねふ。
 そして……敵の数を確実に減らして行き……どうにか15人程を仕留めた所で。
「……そろそろ頃合いですね……アズハ様」
「ああ……了解」
 と短く頷き合い、二人一端敵から距離を取る。
 そして……アリシアが『ここがイイんですか?』を発動し、敵を更に惹きつける。
 しかし不幸な敵の渾身の一撃が命中してしまい……流石に倒れるアリシア。
 その間に、さっと船室へと向かうリュティスとアズハ。
『っ……何だって!?』
 驚き、追いかけようとする海賊数人。
 だが、回り込んで立ち塞がるトリスとロロン。
「行かせません……!」
「そうね。私達の目的は彼女を救うことだもの……邪魔したいって言うのなら、私達を倒して行きなさい!」
『ふざけやがって……!!』
 更に憤り、暴れ廻る海賊達。
 その動きを少しでも制限する様、その脚に『追尾式高威力炸裂弾』を撃ち抜いて足止め。
 そして……仲間達が足止めしている間に、リュティスとアズハは船室へと急ぎ……両手、両脚を縛られている『アカリ』の元へ。
「……ここでしたか……急いで外しましょう」
「ああ、解った」
 急ぎ手枷、足かせを破壊し、彼女の拘束を解く。
 しかし、目は覚まさない……ただ、うっすらと呼吸はしている。
「無事な様ですね……取りあえずここは私にお任せ下さい」
 リュティスが彼女の傍らに立ち、そして……アズハは来た道を戻る。
 勿論、彼女を奪取しようと海賊達がイレギュラーズ達を振り切ろうとするが……イレギュラーズ達の追撃の手は決して及ばず。
 そして……30人の海賊達達は数十分の内に、全て骸となるのであった。

●出れない扉から
 そして……無事にあかりを救出したイレギュラーズ達。
「アカリさん……大丈夫?」
 と、軽く肩を揺らしながら、優しく声を掛けるアズハに、アカリは。
『……う、うぅ……ん……っ……!?』
 ぼんやりと目を覚ました彼女。
「意識を取り戻したようですね……お怪我はございませんか?」
『は、はい……えぇと……その……? あ、ありがとうございましたぁ……』
 自分の置かれている状況に混乱しながらも、ぺこり、と頭を下げる。
 そんな彼女にアズハは。
「ええっと……アカリさんは、テストプレイでここにログインしたんだったよね? ここでログアウト、出来そう?」
『その……ちょっと、解らないんです……気がついたら……船の上でしたし……』
 本当に申し訳なさそうなアカリに、アウラが。
「そう……でも、そもそもテストプレイヤーと言っても、ログインしてもはい終わり、って訳じゃないんでしょう? ログインして何をするつもりだったの? 宝探しでもするつもりだった? あの海賊みたいに、大海原に無人島。そしてお宝、なかなかロマンを感じるシチュエーションだけど、ねえ?」
「そうね。宝の在処、ねぇ……知って居る、持って居るじゃなくて、お宝とアバターデータが混ざったりしてないかしら? もし、貴方自身が宝箱なら、殺されたら財宝がドロップしていたかもしれないわね……」
 アウラとロロンの言葉……そしてロロンがそっと、アカリの肩に腕を回してくる。
『え、えっと……?』
 きょとんとしているアカリにロロンは。
「……鍵開けスキルとか持ってる人、居ないかしら?」
 と仲間達に問いかける。
 でも……残念ながらちょっと居ない様だし、更に彼女も。
『あの……ほ、本当に解らないんです……! テストプレイに参加したのも、ただ単に面白そうだなって……自分の想像する姿になれるゲームだからって、友達に誘われたからですから……』
 真摯に話す彼女の言葉には、とても嘘をついている様には見えない。
「取りあえず、船の上でぱっ、とログアウトするって事は出来ないみたいだね? サクラメントに行けばいいのかな?」
「ええ……そうですね。ここでは落ち着いて……という事も出来ないでしょうから、一端私達のログインしたサクラメントまで戻りましょう。そこで出来なければ、アカリ様のログインした所で良いかと思います」
「そうねぇ……それじゃ、さっさと戻りましょうかぁ……」
 アズハ、リュティス、タントらの言葉に頷き、そしてイレギュラーズ達はログインしたサクラメントへ。
 彼女を見守り、彼女の姿がサクラメントへと吸い込まれていくのを見届けると、皆も一安心し……そしてイレギュラーズ達もログアウトしていくのであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

アリシア(p3x004649) [死亡]
デッドリーヘブン

あとがき

ROO世界の冒険、皆様お疲れ様でした!
テストプレイに誘われただけの彼女も被害者でしょうか……。
彼女がこの先、VRゲームにトラウマを受けないといいですね。

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