PandoraPartyProject

シナリオ詳細

大好きが溢れてく

完了

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 とある世界には、ひとりぼっちの神様がいました。
 神様は何でも出来るので、自分以外の何かを作ろうとしました。
 けれど神様がひとりぼっちだった時間はあまりにも長く、自分以外の何を作ればいいのか分かりません。

 そこで神様は、別の世界からお客さんを呼ぶことにしました。
 お客さんから『大好き』を集めれば、きっと素敵なものが作れる。
 大好きの光をいっぱい集めて、まずは世界をきらきらにしよう。
 そのきらきらがきっと素敵なものを作るきっかけになるはずだから。
 そう信じて、神様は空へと呼び掛けたのでした。


「来てくれてありがとう! 今日もあなた達には異世界へと向かってもらうね!」
 弾むような声と共に、境界案内人・ポルックスがイレギュラーズに笑顔を向ける。
「この世界にはひとりぼっちの神様がいて、あたな達からお話を聞きたいって言ってるの。テーマは『大好きなもの』みたいだね」
 神様は今後の世界創造のため、様々なアイデアを集めたいらしい。
 今回の話はその足掛かりのようだ。

「大好きなものだったら何でもいいよ。好きな食べ物や生き物、風景に誰か大切な人……どんなことでも神様のためになると思うから、どんどん話して欲しいな」
 内容は大好きなものなら何でも構わない。
 純粋に大好きなものでも、少し人には言いづらいものでも、神様は素直に聞き入れる。どれもきっと新鮮な刺激になるはずだ。
 物体でも人物でも概念でも、思うままに話していけばきっと神様のためになるだろう。

「話してもらった大好きな気持ちは、綺麗な光になって神様に吸い込まれていくんだって。あなたの大好きがどんな光になるのか、それも楽しみだね!」
 神様も光のような姿をしているとのことで、話していけば世界はきらきらとした輝きで溢れるかもしれない。
 そうしてひとりぼっちの神様の世界はどんどん色を帯びていくだろう。
「楽しくお話ししてきてね。それじゃあ、行ってらっしゃい!」

NMコメント

 こんにちは、ささかまかまだです。
 のんびりお話系のシナリオです。
 一章で完結する予定です。

●目標
 神様に『大好きなもの』の話をする。

 大好きならばなんでも大丈夫です。シリアスでもコミカルでも。
 大好物やお気に入りの時間に風景、或いは大好きな人について。
 楽しくお話ししていただければと思います。
 同行していないPCさんについてはぼかした感じの表現になります。ご了承下さい。

 また、話が終わるとその時生じた感情や言葉が光として溢れます。
 どんな色や形の光が溢れるかも考えてみると楽しいかもしれません。特に記載がなければこちらがフィーリングて描写します。

●この世界について
 光の玉のような姿をした神様以外は存在していない世界です。
 辺りも真っ白ですが、不思議と目がチカチカしたりはしません。
 話すときは神様と一対一になりますので、まわりは気にせずお話下さい。

●サンプルプレイング

 大好きなもの?
 うーん、僕は朝焼けを見るのが好きだな。
 あの世界が水色に包まれる、明け方のあの時間も好き。
 そのまま起きてるのも、寝ちゃうのもいいよね。


 ネコチャン!ネコチャンが好き!
 あのふわふわもふもふ最高だよね!!
 ぷにぷにの肉球に踏まれたい……お腹に顔埋めるのも最高……。
 ネコチャンは至高の生き物なんだよ!この世界にもネコチャンを作ろう!!!

  • 大好きが溢れてく完了
  • NM名ささかまかまだ
  • 種別ラリー(LN)
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年04月19日 21時35分
  • 章数1章
  • 総採用数4人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

耀 澄恋(p3p009412)
六道の底からあなたを想う

 大好きなものを教えて欲しい。そう聞かされた瞬間、『花嫁キャノン』澄恋(p3p009412)の頭の中に浮かんだものは一つだった。
「プロ花嫁のわたしの大好きなものは勿論旦那様です」
 永遠の愛を手にするべく、澄恋は常に努力を続けている、
 けれどそれが好機に繋がっているかというと、また別の話になってしまって。
「才色兼備で嫋やかなハイパーウルトラ乙女のわたしですのに、何故か運命の相手と出会うことなく今日となってしまいまして……ですが、ヒントは身近な所にありました」
 思い出すのはJK達の「アンタかれぴっぴつくらないの?」という言葉。
 そう、答えはこれだ。
「と、いう訳で実際に作ってみました!」
 笑顔と共にと取り出されたのは二本の腕のようなもの――旦那様・試作品だ。
「まだ試作品なのですが、美しいでしょう? ちゃんと発話もできるのです」
 挨拶を促されれば、旦那様・試作品達は不可思議な言葉を流していく。礼儀正しい旦那様達だ。
「わたしの理想の黄金比をこの旦那様という作品に込めてますからね。好きな人がいるとそれだけでどんな苦難だって乗り越えられますし、人生が楽しく美しく、そして最高なものになりますよ!」
 実際、この旦那様の存在は間違いなく澄恋を支えているのだろう。
 彼女の活き活きとした表情が何よりの答えだ。
「ぜひ神様も恋人をつくってみてくださいね!」
 その言葉を受け、神は情熱の炎のような光を零していた。

成否

成功


第1章 第2節

黒影 鬼灯(p3p007949)
やさしき愛妻家

「大好きなものを語る、か。ほのぼのとしていて良いな」
 妻である少女人形・章姫と共に、『零れぬ希望』黒影 鬼灯(p3p007949)もまた世界へと降り立つ。
 語られる言葉を待つ神へ向け、まずは章姫が笑顔を咲かせた。
「大好きなもの? 鬼灯くんよ! 抱っこしてくれる腕も撫でてくれる手も私を見てくれる目も私を呼んでくれる声も優しい心もぜーんぶ大好きなのだわ!」
 ちょっとだけ早口で紡がれた言葉は、それだけ章姫の感情が溢れているのだろう。思わず鬼灯の顔にも笑顔が咲いた。
「ふふ、嬉しいな。俺も章殿のことが大好きだ。薔薇色の頬もふくふくとした小さな手も全てを包み込む慈愛の色の海も何もかもが愛おしい」
 そっと章姫の手を取って、思い出すのは嘗ての記憶。
 硝子の中から章殿を連れ出したあの日から、沢山の出来事があった。
 辛い思いも怖い思いも沢山させてきただろう。そのことを後悔したことだって何度でもある。けれど、それ以上に。
「……どんなことがあろうとも、それでも貴殿と共に過ごせることの喜びがそれを上回ってしまうのだ」
「私だって同じ気持ちなのだわ」
 二人の喜びを示すかのように、周囲に溢れたのは薄紅色の光だ。
「……おお、これは言葉に色が着いているのか?」
 不思議だけど、優しくて暖かな光景。それはこれからの二人の道行きを照らしているかのようだった。
「これからも、永遠に共に居よう。章殿」
「ええ、鬼灯くん。約束よ!」

成否

成功


第1章 第3節

フラン・ヴィラネル(p3p006816)
ノームの愛娘

 異世界へ降り立った『青と翠の謡い手』フラン・ヴィラネル(p3p006816)の前では、神様がふわふわと浮いている。
 そちらへ笑顔を向け、フランも早速大好きを語り始めた。
「あたしの好きなものは甘い物! チョコにー、ケーキにー、パフェにー、おまんじゅうにー……いっぱいあるんだぁ」
 甘いお菓子と共に思い出すのは昔の記憶。合わせてフランの言葉は続く。
「昔から甘い物は大好きだったんだけどね、森の中はすんごいお店なんてなくて。よく食べてたのは、お母さんの作ったタルトとかケーキとかかな?」
 母親の作る甘いもの好きだったけれど、憧れがあったのは森の外だ。
「あたしにとってね、本の中で出てくるような『宝石みたいなケーキ』とか『旅人が持ち込んだ和菓子』っていうのは夢の話だったの」
 だけど、それは夢じゃなかった。
 空中庭園へ呼ばれ、幻想王都を訪れ、そこからは驚きの連続だった。
「おっきなお店のものにはびっくりしちゃった! 今も色々食べられるけど……食べ過ぎないように注意してるんだー」
 えへへ、と微笑みつつ、フランはポケットへと手を伸ばす。
 そこにあったのはチョコが一欠片。
「神様も一緒に食べられたらいいなぁ……」
 チョコを片手に肩を落とすフランを、薄い橙色の光が包む。
 フランの言葉から、想いはきっと伝わっているのだろう。
「……ありがと、神様!」
 それがなんだか嬉しくて、フランはまた柔らかな笑みを零していた。

成否

成功


第1章 第4節

イズマ・トーティス(p3p009471)
青き鋼の音色

 大好きなものを教えて欲しい。
 神様からの問いかけに、『青き鋼の音色』イズマ・トーティス(p3p009471)は柔らかく笑みを浮かべ言葉を紡ぐ。
「……音楽、だな。聴くのも奏でるのも好きだよ」
 そう呟いたところでふと気付く。そういえば、自分は音楽というものの何処が好きなのだろうか。
 改めて語ろうと思うと、これがなかなか難しい。

「理由は二つあって……一つは、音楽は伝えたり繋げたりするところかな」
 音楽というのは時に言葉より雄弁だ。
 奏でる者と聴く者、双方の想いや想像力が乗った時に生まれる旋律というのは心地よい。
 その表現に浸るのも良し、共に聞いたり奏でることで意志を繋げられるのも素敵だろう。
「あともう一つ。音楽は流れ続けてなきゃいけないんだ」
 音楽にも始まりと終わりがあるけれど、それが途中で途切れたのならその曲はそこでおしまい。
 二度と同じ旋律というものは生まれないだろう。
「そう思うと意外と儚いよな。でもだからこそ、ハーモニーやリズムが流れるその一瞬を大事にしたくなるんだ」
 今まで奏でてきた曲や聞いてきた曲を思い返し、その儚さや美しさに想いを馳せる。
 そんなイズマの表情は、何よりも嬉しそうだった。

「生まれては過ぎてゆく一瞬の響きを余すことなく楽しむ……音楽は最高だよ」
 だから、この世界にもいつか沢山の音楽が響きますように。
 そう願うイズマの周りを、音符のように鮮やかな光が跳ねていった。

成否

成功


第1章 第5節

 イレギュラーズから『大好き』を教えてもらった神様の周りには、ふわふわと光が浮かんでいる。
 この暖かな光を元に、色々なことを学んでいこう。
 そして――大好きが溢れる、そんな世界を作っていこう。

 素敵なことを教えてくれたイレギュラーズに感謝しつつ、神様は更に世界へと光を広げていった。

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