シナリオ詳細
United Company of Death
オープニング
●合コンしようぜ! お前の命が担保な!
練達という国は混沌の中でも異端といえる場所である。
様々な世界から流入した技術や知識が、混沌のルールを破らぬ範囲で反映され、それがそのまま国家の繁栄を担っている。然るに、この国を賑わす汎ゆる娯楽は異世界由来であることが多く、それ故に他国から夢を求めてこの国に渡り、夢破れ、魔種となってこの国に仇為した例もあるのだが……閑話休題。
そんな練達を象徴するような文明……というか、文化だろうか。そのひとつに「VR」がある。
「よく来てくれた! 君達は今日この『合コン』でよき出会いがあるだろう! 今後二度と得られぬ出会いもあるかもしれない! なんてったってここは夢の世界、君達の姿は誰にも詮索されることなく誰もが理想の皮(すがた)を被って楽しめる世界! つまり君達を君達たらしめるのはその内面だけなのだから!」
とあるVRチャットルーム……所謂合コン専門ルームのひとつは、今まさに盛り上がりの頂点にあった。
マイクに手が生えただけのアバターが宙を舞い、そこそこ広いルーム内を飛び回る。長口上をたれたマイクは、それを合図として参加者の自由を保証する。
そう、ここは理想の世界だ。個々人の外見は現実非現実入り混じったそれであり、しかし各々はその外見に拘泥せず歓談を続けている。
だから、VRに於ける「ある異常」に気付いた者は、その瞬間までほとんどいなかったことだろう。
「楽しんでるかい? 楽しんだかい? じゃあ……ここからが本番だ。『合コン』の『コン』、所謂コンパは『Company』の略だ。それは知ってるね? じゃあ、合同で会社の、何を競うというのだろうね?」
それは唐突な合図だった、ように思う。
思えばそれが前置きだったなどと、理解できた者はいなかったはずだ。
――突如として、アバター達の頭部に汎ゆる企業のロゴが浮かび上がる。企業の規模は問わずに様々。今まさに歓談していた者が不倶戴天のライバル企業だった者もいるだろう。
「この集まりは『コンパでありコンペ』なんだ。言ってしまえば君達は企業の競い合いのために駆り出された人形なんだよ。君達本人には通達はいっていないだろうけどね!
それで、コンペの内容なんだが……殺し合いなんだ。実は先程、君達のVR上での痛覚スイッチを切った」
マイクの言葉に、アバター達のざわめきが大きくなる。だが、そのざわめきは一発の銃声と絞り出すような苦鳴が断ち切った。
銃声が続く。そこにいたのは、ライバル企業の者と知らず歓談を続けていたカウボーイ風の男だった。
「つまり……俺の会社のヤツだけが残ればコンペは俺達の勝ちなんだろ? そしたらウチの俺にもボーナ」
ス、と言い切る前に彼の首は両断された。
見れば、あちらこちらで殺気に目を血走らせた者達が互いを見合っている。
数十分、否、数分もこの場はもつまい。
かくして先程までの色恋の雰囲気はどこへやら、血で血を洗う殺戮縁起の場へと変貌していたのである。
●合コンに決まってんじゃん。何いってんの?
「私は!!!!! 違う!!!!!」
「なんですか一体。合コンの依頼がほしいと言ったのはあなたですよ?」
メアリー=バーン=ブライド(p3p008170)の心の底から絞り出した叫びに、『ナーバス・フィルムズ』日高 三弦(p3n000097)は首を傾げた。傾げるなよ。絶対おかしかっただろ。
「私が参加したかったのは! 男と女で会話してキャッキャウフフしてあわよくばお友達からいやさ婚姻届からと、そういう合コンだったんです!」
「諦めてください。今回はなんか怪しい催し物を行っている主催者をなんとかしてしょっぴく依頼です。VR空間でこう、派手に立ち回ってあわよくば主催者のアバターをブチ抜けばフィードバックで本人を特定できますので、あとは練達の法執行機関の仕事です」
なんか随分、随分イレギュラーズの依頼として地味だね?
「でもこれ、死んだら当人たちは死んでますよ? 推定被害者数は3桁を降らぬといいますし、それをきっかけにしてか、不自然な成長を見せる企業もありますし……」
マジかよ。そして続いた説明では、どうやらイレギュラーズは招待された私企業のひとつのエージェントに偽装してコンパに参加、キャッキャウフフした後に殺し合いをできるだけ阻止して主催者へ攻撃、戦闘を勝利で、できるだけ惨たらしく殺してフィードバックしたダメージで本人を特定できるようにしてほしい……まあそういう感じだ。
想像が難しいなら「やってることはVRだけど不殺重視どんぱちのあとにボス戦やるぜ」くらいでいい。知識的には。
まあそこのブライダル衣装イレギュラーズ技の一号ことメアリーはさめざめと泣いているが。
「まあとにかくそういう依頼ですので」
「雑ゥ!」
- United Company of Death完了
- GM名ふみの
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2021年04月12日 22時20分
- 参加人数8/8人
- 相談6日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●合コンで不審な声しか出せなくて会費丸損した経験あるやつこの指とまれ(体験談)
「合コンかぁ……召喚前でも経験がなかったし、そういった催しは前から興味があったんだよね」
「合こん…いちゃらぶももいろぱーりぃ! 即ち事実婚のちゃんすッ」
『夜明け前の風』黎明院・ゼフィラ(p3p002101)は合コンそのものは知っていた様子だが、経験に乏しいが故に憧れも強いらしい。この反応がわりと普通な気がする。が、『花嫁キャノン』澄恋(p3p009412)のリアクションは少し違った。否、少しどころでなくブッ飛んでいたというべきか。二足飛びくらいのペースで間合いを詰めに行こうとしている感アリアリだ。ゼフィラは希望ヶ浜で教師やってるだけあって整った麗人然とした格好、澄恋は……いつもどおりだ。
「概要はとりあえず、わかった。コンパは、男女で心的距離を縮める催し。コンペは、会社、企業での競い合い。つまり、合コンとは、一種のスポーツ・レクリエーション、のようなもの、か」
いつもより3割増しでか弱い乙女ライクな雰囲気を醸し出す『金色のいとし子』エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)は、合コン会場にあって人々の耳目を集めるだけの美麗さを醸し出していた。その麗しき金髪のせいもあるのだろう。知識の偏りが深刻だが、一般史観的にこんなもんだと思う。
「本当に今回のイレギュラーズは女性ばっかりなんだね。しょうがない今回のわたしは『ボク』だよ」
結婚願望とか恋愛願望とか練達だからとか理由はいろいろあるが、『赤い頭巾の悪食狼』Я・E・D(p3p009532)の言う通り今回は女性(と性別不明)しかいない。Я・E・Dが男性的な格好で場に現れたのは、全体的に女性優位の合コン会場では結果オーライだったのかもしれない。
「合同コンペだ!ㅤこれはぜひ我が練達宗教法人『羽衣教会』も翼を手に入れるついでに開発した素晴らしいアイディアの数々を発表して……あ、そういうのじゃない。そっか」
『羽衣教会会長』楊枝 茄子子(p3p008356)は常日頃から人々にヒかれてるからこの機会に羽衣教会のよさを伝えねば! とハッスルしていた。凄いな結果が最初から見えてるぞこれ。
「これが……夢にまで見た合コン! あわよくば素敵なお相手を捕獲……もといお持ち帰りでねんごろでゴールインと噂の!」
「まあ結局、事件に巻き込むためのフックに過ぎなかった様子だが……」
「やはり美味しい話には裏がありましたねチクショウめ!!!」
『燃やすのは任せて』メアリー=バーン=ブライド(p3p008170)の期待に目を輝かせた反応に、しかし『Meteora Barista』モカ・ビアンキーニ(p3p007999)は冷静な現実を以て切って捨てた。なお、モカは自分の店である『Stella Bianca希望ヶ浜店』に招待状が届いていたらしいが放置していた模様。そういう意味で、唯一の正規ルートからの参加ということになる。なにそれ全然聞いてないんだけど。まあいいか。
「なるほどなるほど。つまり合図があるまでに籠絡して言うこと聞いてもらえるようにシておけばいいのね。
OK、そういうことなら得意分野よ♪」
「おっと成程そういうテがありましたね、口約束でも契約は成立するからな」
「ピンチはチャンス! 私、頑張ります!」
このテの依頼で一番の問題児はメアリーや澄恋ではなくこの『Sensitivity』Alice・iris・2ndcolor(p3p004337)なのだが、Aliceの主張は……まあ間違っちゃいないのだ。先にある程度籠絡できればいざコンペとなってマジ気味に殺し合いに入る連中が減るという意味では。ただ、花嫁強要系の2人に変な自信を与えてしまったことだけはどうしても罪深いと言わざるを得ない。
契約社会である練達において口約束を軽々にするとは思えないが、デジタル自白剤みたいなの混ぜ初めても不思議じゃない。
「ともあれ、最初は、普通の合コン……だな。穏便に、話を、進めよう」
「穏便にサインを求めるところまで勧めてしまっていいですって!?」
「私の魅力で骨抜きにしてお持ち帰りされれば万々歳ね♡」
「愛称で名乗っても筆跡で地の果てまで追いかけるからな」
エクスマリアが再確認するも、欲に素直な3人はこれを見事に曲解。これから始まる合コンは、コンペに移行せずとも血を見るのではないか――そう、冷静なものなら気付いたであろう。今回ばかりは集めた面子がすこぶるアレだったのだ。
●
「お嬢さん、ボクとご一緒しませんか」
「あら、素敵なお誘いね。大歓迎よ……いい眼をしているわ」
Я・E・Dが声をかけたのは、妙齢の女性アバター。立ち居振る舞いも艶然とした雰囲気をまとった彼女は、Я・E・Dの紳士的な振る舞いに笑みを返しすっと手を取る。開始数分で自然と組んだ両者は、VRとはいえ成程、サマになっていた。
「ごきげんよう、美しいお嬢様。私はモカ・ビアンキーニ、飲食チェーン店の社長をしております」
「ヒぇっ……あ、なんでもありまセン。是非詳しく」
他方、モカの話しかけた少女(童顔な成人かもしれぬ)は頓狂な叫びを飲み込んで彼女に食いつかんばかりの勢いでずいっと顔を近づけた。掴みは上々のようだ。……相手がトレンドに敏いたぐいの人間とは思えないが。
「おにいさん、は……1人?」
「おやおや麗しいお嬢さん、それともご婦人かな。こんなところでは外見も当てにならないね」
「御冗談、が、お上手だ」
エクスマリアは少女的な素振りで男性のもとへと歩み寄る。相手は光栄だとばかりに肩を竦めるが、さりとて相手をただの少女だとはとても思っていない素振りだった。有り体な表現だが『隙がない』。他者に対する観察眼や死角を作らない位置取りなどは、手慣れているとしか言いようがない。これは当たりか、と彼女は周囲に視線を巡らせた。
「私ですか? 教師をしております。ええ、本当に。……いいですよね、あの映画。実は私も、最近観ましたよ」
「分かってくれるひとがいてよかった……! 僕は普通の感性だったんだ!」
ゼフィラは一見普通の教師風の格好で男性と語らい合う。生返事半分、『アレ生徒に勧められたけどあんまりなあ』半分。要はどちらかと言うとあんまり興味ない寄りなのだが、相手のツボに入ったのか一気に会話(一方的)が始まった。どうにもこうにも、ままならない。
イレギュラーズ達がコレを任務として真面目に取り組んでいるのは大体くだんの4人なんだが、他の面々も真面目といえば真面目ではある。
「初めまして私、メアリーと申します。ええ、趣味は家事炊事。 専業主婦として旦那様を支えてみせますわ」
人外要素をほぼほぼ抑えたアバターで一般人相手にアピっていくメアリーの圧しの強さは、どうしても今のうちに1人くらい引っ掛けておきたいという気持ちが伝わってくる。
「この澄恋、家事は勿論研究者として収入がある故、家計の心配なく幸せな家庭を築けますよ」
澄恋はといえば、別の男に対し熱量多めに超速早口でアピールをし続ける。会話のキャッチボールがピッチングマシーンだ。そして一部真偽不明のところはあるが、嘘らしい嘘で翻弄するタイプではないらしい。研究の成果(まつろ)は皆知っているね?
「羽衣教会の会長でーす!ㅤ特技は翼を与えることでーす!ㅤばっさー! ……え足りない? なにが? 胸?」
茄子子は荒ぶるポーズの数々で翼をさずけるアレコレを実演しつつ目立っていた。目立っちゃいたが、明らかに一歩引いてみられている。普通に考えればそれなり整った顔立ちをVR効果で幼く見えないようにしている筈なのに、しかし一皮剥ければやはり羽衣教会の縮合が芽吹くのである。可哀想に。
「私、とても“おいしそう”でしょ? 一緒に“なかよく”なりましょう……どうせだから宿主になってくださる?」
Aliceに至っては居合わせたアバターというアバターにすり寄って自らのギフトで籠絡する気まんまんだった。……だったのだが、お互いVRアバターなので通じるモンも通じねえのだ。これがリアル合コンだったら間違いなくMVP候補なんだけどなーVRじゃあ仕方ねえよなあ!
まあそれでも醸し出す魅力はちょっと性別不明なのがおかしいレベルなんですけどホントなにそれ。下腹部の発光シール本当にリバ倫通ったの? マジで?
「あなたも幸せな家庭を築くのが夢? 奇遇ですね澄恋と結婚しま」
『宴も酣、花も話題も満開歓迎。さあ、君達にはちょっと“なかよく”してもらおうか』
「――チッ、時間か」
澄恋は狙いを定めた相手にここぞとばかりに攻勢をかけていたところで、唐突にハウリングのかかった声が天井側から響いてきた。これが『DJマイク』の声。そしてこれが地獄のコンペティションを始める合図か。
「……残念。名残惜しいけど、ここまでだね」
「本当に、な。会話は、楽しかった」
それぞれの企業ロゴがひらめき、事態を把握したもの、理解が及ばぬ者様々であったが、エクスマリアの相手は前者、ゼフィラの相手は後者であった。娃染暁神狩銀の冷たい刃を素早く弾いた男は、ゼフィラの神気閃光に巻き込まれうめき声を上げる。如何に熟練者といえどイレギュラーズの攻勢に耐えうるかは別問題。
「いいお話を聞けました。お互い生きていたらまた」
モカは襲いかかってきた企業エージェント目掛け鋭い蹴りの連撃を叩き込む。前のめりになった相手の顎を追い打ちとばかりに蹴り抜くことで、大柄な影はそのまま大の字で突っ伏した。……些か強烈過ぎたかもしれないが、生きているようなのでセーフ。
「もっとお話ししたいのは山々ですがよいこのみんなはおねんねの時間です……わたしの夢を見ろよな!」
多分悪夢だろうけどな。
ちょっと離れたところで相手を燃やす1号にちらりと目配せして、“か弱いのに力”な2号こと澄恋は刀で目につくあいてをずんばらばらばら刻んでいく。大丈夫、峰打ちに為損なっている。だが死なない。何故だ。
『ん? ……んんん、ちょっと面白くない流れだね。面白くないよそういうの』
「そう? じゃあ、何も考えられないくらいタノシクしてア・ゲ・ル♡」
DJマイクが怪訝な声音を響かせ、ハウリングエフェクトを伴ってイレギュラーズの元へと向かってくる。殺し切らなかった一般アバター共々始末しようという流れか。だが、その前に立ちふさがったAliceの妄想がマイクを包み込むと、激しい快楽が苦痛と紛う情報量で襲いかかった。それだけでは相手も倒れまい。ここからが、本番だ。
●
「少しは合コンを期待した私の気持ちに寄り添って欲しいものだね」
「穏便な企業コンペなら、私も少しは楽しめたはずなのだけどね」
ゼフィラとモカはそれぞれ、異なる理由でDJマイク(というか黒幕)に憤りを覚えていた。ゼフィラ含む恋愛ガチ(とか機会の薄い)女性陣は機会損失に喘ぎ、モカのような経営ガチ勢にとっては非合法コンペなぞ参加するだけ時間の無駄なのである。信用が地の底に落ちたらどうする。
『騙される方が常に悪い。そうじゃないかい?』
「いや別に。そういうのは騙す方が悪いよ」
DJマイクの詭弁を、ハウリングエフェクトごと吹き飛ばそうとしたのはЯ・E・Dだ。だが、マイクの声や主張そのものが音に載せたスキルであったらしく、本調子での威力は十分に届かなかったらしい。それでも相当な手傷を与えたようだが。
「DJマイク。私一人ならいざ知らず一般人まで巻き込むとは……テメェは私を怒らせた」
「本当だよ! コンペの民もみんなも死なせないように頑張りまくっている会長の立場も考えてよ! 布教しに来たのに!」
メアリーの割とガチめの怒りに対し、茄子子の主張はなんというか、いつもどおりだった。だが彼女の頑張りは確実に被害を減らしている。いいぞその調子だ会長。やればできるぞ。
「皆さんの怒りも温まってきましたね、さあDJマイク覚悟しなさ……ッ!」
場の流れに乗って追い詰めようと前に出た澄恋はしかし、マイクのエフェクター音に痺れたように動きを止めた。全身を駆け抜けるショックに、目を瞬かせて。
「もしやこれは恋!? DJはわたしのことが好き!? なんだ早く言ってくださいよ~」
ああこれイケないスイッチ入っちゃったな。知らね。
「ええっテメェ人様に散々色々やらかしといて澄恋さんにコナかけてんの!?」
「ダメですよメアリー様、DJは私とキスがしたいとオラッこっち向け! 頭と頭をこう! こうだよオラ!」
『痛ッッッたッッッッ』
「ドキドキした? それ恋ですよ。フラフラする? それメロメロの間違いですよ。
出逢いは唐突ですし血が出る程の突撃も誤差、ももいろからあかいろぱーりぃになったのも誤差」
「なるほど、惨たらしいってそういう感じでいいのね♪ 得意分野」
Aliceは澄恋の超次元暴走に己の妄想世界を重ねて叩き込みにいく。メアリーの業火が燃やす、そして燃やす。
「出来る限り惨たらしく、とのオーダー、だった、な。マリアの考えで、添えるほどのことが出来るか、わからない、が」
『ああああア゛ぁ?!』
エクスマリアはここぞとばかりに、マイクの端部に触り逆再生でじわじわと破壊していく。エグい。
「うーん、VRだから、そんなに味を感じるわけじゃないね。まぁ、でも歯ごたえはかんじるから……それなり?」
「あっそうだ(唐突)お付き合いする方には研究披露を……私、人体錬成により孤独に苛まれる現代社会に人の温もりの大切さを再認識させることを目標としておりまして。これは作った腕です。そしてこれは想定外の副産物の謎肉。蠢いて可愛いでしょう」
『ひぃぎゃああああああああああああああああ――――』
齧られ、謎の肉博覧会に巻き込まれ(「お前もこうしてやる」という意思表示か?)され、DJマイクの意志はベッキベキに叩き折られる。
「死なない程度に燃やして差し上げましょう………」
「多分死なせても本人死なないだろう。黒幕っていつもセーフティガードつけているものだよ」
「あっそっかあ♡」
ゼフィラの無慈悲なアドバイス! 残り僅かになったマイクの残骸はこんがり黒焦げ! 操縦者無惨!
「ところでこの被害者を持ち帰っちゃダメ?」
「言質だけ記録(ボイレコ)れないでしょうか」
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
恐ろしい顛末だった。なんだよこの拷問お得セットは。
GMコメント
アフターアクションはそういうもんよ。
●成功条件
・VR空間での合コン参加者7割以上のアバター残存
・上記をクリアした状態で『DJマイク』『ハウリングエフェクト』の撃破
・(オプション)参加者9割以上の生存、『DJマイク』を可能な限り惨たらしく撃破する
●VR合コン
最近の練達のはやりです。
問題になっている件は、コンパでありコンペ、つまりは企業間闘争の具になっているようです。
なお参加者たちはそれを知らされておらず、コンペ合意企業同士をマッチングさせています。
首謀者のひとりが『DJマイク』の中の人みたいです。
彼の合図があるまでは普通の合コン風ですが、合図を皮切りにバトルロイヤルの地獄と化します。参加者は大体30~40人程度、空間はVRなので具体的な限界値はないです。
ただしそこそこ狭い感覚で密集しているようではあります。
●アバター達(一般人)
攻撃手段、スキル等様々。ただし一般人単位なのでそこまで強くはない。一部ガチめのエージェントが混じっており、それらは少々手強いか。
●『DJマイク』
主催者というか、この場での進行役です。
毎ターン『ハウリングエフェクト』を3ずつ追加します。
EXA、神攻、防技高めで、ハウリングエフェクトの残数によって強化されます。
攻撃射程は3~4、マイクとしての特性を生かした攻撃が多く、痺れや麻痺、封印などのBSを蒙ります。
●ハウリングエフェクト(初期5)
DJマイクの声を反映したオブジェクト。被破壊時、周囲2レンジ(識別あり)に『崩れ』などの幾つかのBSをばらまいていきます。
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
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