PandoraPartyProject

シナリオ詳細

え、此処は500種類のパフェを全種類食べるまで出られない部屋ですか!?

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●待って、気が付いたら此処にいたんですけど?
「……ん?」
「はあっ?」
 無意識に声が漏れていた。そこには──
「ああ……また、知らない場所か」
 三上 華 (p3p006388)が神隠しかと小さく呟き、ぼりぼりと耳の後ろを掻く。
「でも、今日はなんだ。呂色も一緒か」
 にっと笑う華を黄鐘 呂色 (p3p008738)はじっと見つめる。
「なんだ、俺の顔に何かついてるか?」
「いいや、別に何も。ありのままだよ」
「じゃあ、なんだ?」
 良くわからないな、華はそんな顔をしている。
「覚えのない場所に華がいてオレは何故だか、一瞬、忘れてしまったんじゃないかって思ったんだ」
「そうか……」
 華は頷き、部屋をゆっくりと観察する。ホテルのような作りだが見覚えは勿論ない。ドリンクバーやタッチパネルで操作する端末が一台置かれている。
「まあ、此処に関してはすっかり思い出せないのだが」
「俺もだな。おっ、なんか電話がある」
 華は壁に引っ付いている内線電話に歩み寄る。
「華、大丈夫かい? その電話を耳に当ててしまったら、すぐに呪われてしまうかもしれないね~」
 呂色は切れ長の瞳を細め、楽しそうにしている。
「それなら、どうすんだ」
「そうだね、まずはあの扉を開けてみるかい」
 呂色は扉を眺めた。
「扉って……おいおい、それこそ罠じゃないか?」
「どうかね。じゃあ、一斉に試してみるかい? 何が起きても仕方ないってことで」
「……まぁいい、やろうか。どうせ、何か試すしかないしな」
 妖しく頷き合い、首を傾げる。あれ、部屋にオフトゥンもあるぞ。

●扉を開けようとしたり電話を耳に当てたり
 同時に行動を起こす。
「よし……」
 取っ手を握り、強く押し開ける呂色。
「……もしもし?」
 内線電話に触れ、受話器を耳に押し当てる華。
「……」
 呂色は立ちすくんだ。扉はどんなに強く押してもまったく開かなかった。諦めて華を見れば、華は目を丸くし、扉を指差している。
「!!」
 そう、そこには何故か、六人のローレット・イレギュラーズがきょとんとした顔で立っているし、内線電話からは『此処は500種類のパフェを全種類食べるまで出られない部屋でございます~』と妙に甲高い声が永遠に流れ続けている。

GMコメント

 青砥です。今回の依頼はわっ!? 凄い部屋に皆さんいますね。が、頑張ってください。でも、パフェは美味しいよね!! 私はキウイパフェが好き! あ、他の食べ物も頼めるみたいだね。じゃあさ、私はフライドポテトとたこ焼きがいいなぁ!!!

●目的
 全員で500種類のパフェを全種類食べきるッ!!!!(ドヤァ)

●場所
 練達の何処か。部屋の内装はホテルのようで注文すればパフェ以外のものも手に入ります。また、部屋にはPPP学園テーマソングの入っているカラオケやドリンクバー(お酒ナシ)があります。何故か、オフトゥンが人数分敷かれ、皆様を誘惑しています。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。想定外の事態は絶対に起こりません。

【注意】
 文字数の関係上、メインは皆様が特に食べたいパフェまたは食べたくないパフェがリプレイに登場するかと思いますがアドリブで変なパフェが出てくるかもしれません!! 全員で500種類を完食すればいいので、例えば、いちごパフェ1個を基本は8人で食べる感じです。ただ、パフェを独占したり仲間に任せたり出来ます! 自由に暴れてくださいなッ!

  • え、此処は500種類のパフェを全種類食べるまで出られない部屋ですか!?完了
  • GM名青砥文佳
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年04月07日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談8日
  • 参加費150RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

零・K・メルヴィル(p3p000277)
つばさ
メイメイ・ルー(p3p004460)
約束の力
ミルキィ・クレム・シフォン(p3p006098)
甘夢インテンディトーレ
三上 華(p3p006388)
半人半鬼の神隠し
※参加確定済み※
エリス(p3p007830)
呪い師
オニキス・ハート(p3p008639)
八十八式重火砲型機動魔法少女
黄鐘 呂色(p3p008738)
記憶喪失ゼノポルタ
※参加確定済み※
メルランヌ・ヴィーライ(p3p009063)
翼より殺意を込めて

リプレイ

●見つめ合う、ローレット・イレギュラーズ! 
「なんだ、此処……? ホテル、カラオケ? ん、500種類のパフェ?」
 『恋揺れる天華』上谷・零(p3p000277)がきょとんとする。
「と、鳥カフェにいたはずなのに突然このような甘い罠にかかってしまうなんて!」
 『翼より殺意を込めて』メルランヌ・ヴィーライ(p3p009063)が慌てている。
「んー、ホテルじゃないか? 布団もあるし。まあ、カオスな部屋過ぎてオレにはよく分からないが」
 『半人半鬼の神隠し』三上 華(p3p006388)が言い、「500種類のパフェを全種類食べるまで出られない部屋ってなんだろうね。分からないけど甘すぎるものは任せるよ」
 『記憶喪失ゼノポルタ』黄鐘 呂色(p3p008738) が切れ長の目をすっと細める。
「よっしゃあ、ただ飯もといただスイーツ食べ放題! 夢の時間って奴じゃァないか!」
 テンションMAXな零。もう、何も気にしない。
「わくわくですね! ちょうどお腹も空いていることですし頑張って完食しましょう!」
 『呪い師』エリス(p3p007830)が端末を手に取り、「よし、始めよう。すぐに。はやく」と『八十八式重火砲型機動魔法少女』オニキス・ハート(p3p008639)が言う。
「どれから食べようかなー? ボクの知らないパフェもありそうだから楽しみだよー♪」
 『ミルキィマジック』ミルキィ・クレム・シフォン(p3p006098)がニコニコ。
「メニューがえいえんに……続いて、います、ね。考えた、かたは……てんさい、でしょう、か……」
 『あたたかい笑顔』メイメイ・ルー(p3p004460)が言う。期待いっぱいの瞳はキラキラで羊耳がぴょこぴょこ動いている。
「仕方ない、食べまくりましょう! わたくし達の地力勝負……負けられない!」
 メルランヌの声に皆がおーと叫んだ。
「呂色、他にも人が巻き込まれてくれて本当に助かったな。二人だったら最悪、出れなかったかもしれない」
 目を細める華。
「ああ、みんなで美味しく食べてさっさと出てしまおうか」
 呂色が言い、ふっと笑いあう。華やかで賑やかな思い出になりそうだ。

●食べますYO!
「デラックスケーキパフェを頼んだぜ! チョコケーキ、シュークリームにビスケット、バニラアイスのスペシャルパフェ!」
 胸を張る零。
「スイーツ系のパフェ、だ、大好き、です……」
 メイメイが小さな声で言えば、オニキスがビスケットを食べる。
「このビスケット、はちみつが練り込まれている」
 今度はビスケットでバニラアイスをすくい頬張る。
「オーソドックスな苺&プリンも最高よ!」
 負けじとメルランヌが叫んだ。
「俺、プリン食べてぇ!」
 零が興奮で立ち上がり、オニキスとメイメイはそわそわ。プリンは四種類&大粒の苺。
「どうぞ、最高のパフェよね」
 メルランヌは柔和に笑う。
「ボクが頼んだヨーグルトパフェも食べて欲しいよ!」
 ミルキィが笑う。
「みかんが美味しそうだね。それに甘さ控えめそうだな」
 呂色がヨーグルトパフェに興味を持つ。
「うん、さっぱり風味の物を選んでみたんだよ!」
「それならオレも食べれそうだね」
 呂色は頷き、笑みを浮かべる。
「うわっ!? パフェのチョコケーキ、めっちゃ美味い!」
 零は驚く。天国かな、此処は。
「美味しくて手が止まらないわよね。ねえ、パフェってこんなに美味しかった!? チャイプリン、バナナプリン、カスタードプリン、チョコプリン……どれも美味しいわよ!」
 メルランヌが高速で手を動かしている。
「チャイプリンおいしい」
 オニキスが秒でチャイプリンを完食する。
「プリンがめっちゃ濃厚なのに飽きない! むしろ、飲みてぇ! あ~、前いた世界ではちょいちょい開拓してたなぁ……そのせいで、金欠になったりして」
 懐かしそうにパフェを食べる零。
「おい、しい、です……シュークリームにバニラアイス、が……あい、ます。ヨーグルトパフェは、何個、でも食べれそう、です……メルランヌさまのパフェも、プリンが……滑らかで、苺は、甘くて……幸せ、です……」
 感動のメイメイ。
「ええ、専門店として何処かに出店してほしいくらい! お茶も美味しいわね」
 あたたかな緑茶を飲み、ホッとするメルランヌ。ドリンクバーなのに零が緑茶を入れると味が違う。
「ヨーグルトパフェ、酸味とみかんの甘さがいいね♪ 呂色君も食べて食べて!」
 ミルキィに促され、呂色はヨーグルトパフェを口に運ぶ。
「美味しいね、これは好きだよ」
 もう一口。うん、悪くないね。
「それは良かったよ!」
 言いながら、うずうずするミルキィ。
「さっぱり系からって思ってたけどみんなのパフェ、食べたすぎるよ!」
 ミルキィは頬張り、笑顔を向ける。

「華さん、どうしました?」
 エリスが尋ねる。
「まだ、オレ自身の好みが分からなくてな」
 何を食べるべきか悩んでいるらしい。
「では、私と一緒にいちごパフェを食べませんか? 甘くて美味しいですよ!」
「甘い……味がはっきりしているやつの方がわかりやすいから好きだ」
 エリスが食べるより先に華はいちごパフェを一口。
「美味しいな、いちごも甘い」
 青い瞳が細められる。
「先にズルいです、私も食べちゃいます!」
 エリスが楽しそうにいちごパフェを一口。
「美味しいです、こんなに甘いイチゴは珍しいですよ!! 品種なんだろう! 帰宅してから調べないとです。華さんも協力してくださいね」
「え、オレ?」
 エリスにたじたじの華。ただ、居心地はとても良い。
「そうですよ!」
「えー……あー、光栄だな」
 困ったように華は無意識に呂色を見るが、一瞬、目が合った呂色はニヤニヤし、何食わぬ顔で二個目のヨーグルトパフェを食べている。
「いちごパフェいただくよ♪」
 ミルキィが近づき、一口。
「いちごがほんと美味しいよ! ボク、いちごパフェが一番、好きなんだよ♪」
「美味しいですよね!」
 盛り上がるミルキィとエリス。

 ローレット・イレギュラーズはパフェを食べまくっている。オレンジパフェ、バナナパフェ、チョコパフェ、抹茶パフェ。
「甘さが心地よいです」とエリス。合間に珈琲と水をゴクゴク。
「ボク、抹茶パフェとチョコレートパフェが気に入ったよ♪ 苦味と甘さが絶妙だし定番は美味しいね♪」とミルキィ。
「……うーん、美味しいけどそろそろな」
 華が腹をさすり、ドリンクバーのレモン汁をマンゴーパフェにぶっかける。
「あ、こっちの方が食べやすいな」
 華は呟く。呂色は肉まんパフェをもぐもぐ。
(肉まんが三つあるだけだがこれはサイドメニューではないかい? まあ、美味しいからいいかな)
 そう、食べきることが重要なのだ。
「お、ワッフルパフェじゃん! こちとらいつでも腹ペコなんだって食ってやるよ! モチモチワッフル、美味すぎじゃねぇ!?」
 零が叫ぶ。
「ブルーベリーソースが、絶品……です」とメイメイ。
「わたくしはバナナパフェとチョコパフェを交互に食べるのが好きかも」
 メルランヌが笑う。
「良いですね、口の中でチョコバナナパフェです」
 真似するエリス。メルランヌは嬉しそうだ。
「フランスパン、置いておくからな」
 ギフトの力。零は味変のタイミングを見計らい、フランスパンを置けば、瞬時にオニキスがもぐもぐ。
「……美味しいよ。むしろ、十本くらい出してほしい」
「急に大忙し! てか、今、生クリーム頼んだ!? 凄くない!?」
「普通、かな。もっと食べれるよ」
 オニキスはフランスパンをちぎり、生クリームにディップ。
「最高の組み合わせでうれしいよ。幸せかな」
 オニキスはクールに言い放ち、零を照れさせる。
「今度はあまじょっぱいのが良いわね」
 あたたかな茶をすするメルランヌ。冷えすぎないよう体温調節&変化球のみたらし味で塩気を確保する作戦。
「バニラは何にでも合うわよ」
 呟けば、食いしん坊組(オニキス、エリス、ミルキィ、メイメイ)が群がる。バニラとみたらしが良いコンビ。
「ふぅ、五人だとあっという間よね」
 空になったパフェを見つめ、メルランヌはメニューを。
「ロシアンたこ焼きですって? 当たりには辛いのが入っているの? ふふ、面白い。さぁ、一斉に食べましょ!」
 メルランヌの言葉にオニキス以外の全員が頷き、一斉にたこ焼きをパクリ。見つめあう。
「く、唇が痛い~!」
 当たったのはミルキィ。唇が腫れ上がっている。
「あ、わっ! ミルキィ様! これを!」
 慌ててレモネードを手渡すメルランヌ。ミルキィはすぐに飲み、舌を出す。
「辛い~~! でも、このレモネード美味しいね♪」
「ミルキィ、さま……苺と、カスタードクリームのミルフィーユパフェ……最高、です……だから……」
 メイメイがミルキィの口にパフェを。
「ありがとー、美味しいね♪ メルランヌちゃん、凄いよ、このパフェ!」
 ゆるふわに微笑むミルキィを安堵の表情で抱きしめるメルランヌ。そして、すぐにおかしくなったのかくすくすと笑いあう。

●食べてますYO!
 甘い、しょっぱい、甘い、美味しいの無限ループ大作戦のメイメイ。
「ポテトサラダを、パフェに………? これは、アリです、ね……」
 メイメイの言葉に反応する華。
「オレも食べてみたいな」
「は、はい」
「お、ねっとりで美味い」
 にっと笑う華。顔が良すぎる。その横でオニキスがフライドポテトを頬張っている。
「Lを4つ!?」
 またしても零がツッコミ。
「塩気大事。それにロボだから。太らない」
「それいいな!」
 言いながら、フライドポテトを笑顔で摘まむ零。
「できたて最高です。別腹ですね!」
 一気に四本頬張るエリス。
「本当に皆、頼りになるな……しかし本当に色々な味がある。ストロベリールビーチョコレートミント、なんてのは甘そうだとわかるからいいがバニラニンニク納豆ってなんだ? 食べ物か、これは?」
 華は言い、目があった呂色とミルキィを呼び寄せる。呂色は豆腐チゲパフェを一人で食べている。
「えっ! わっ、美味しそ……? え?」
 ミルキィがバニラニンニク納豆に首を傾げ、呂色は溜息をついた。
「ミルキィさんとオレで甘い方と凄いパフェを食べればなんとかなんだろ、多分。呂色は沢山食べるし凄いパフェ専門な」
 咀嚼。ストロベリールビーチョコレートミントは美味しい。でも、バニラニンニク納豆って。うっ、パセリが入ってやがる。見れば、真顔のミルキィ。表情ひとつ変えない呂色が何だか、狡く感じる。
「食べたな」
 呂色に頷く華とミルキィ。ぐったり顔。呂色は熱い烏龍茶を飲み、口直し。勿論、零が入れたお陰でとても美味い。
「美味、しい……です」
 メイメイも零が入れた緑茶を飲み、エリスがサラダを食べる。
「豚カツのパフェ……エビフライのパフェ……ハンバーグのパフェ……」
 おかず系パフェを攻めるオニキス。
「うん、意外といける。おいしい。普通に。ハンバーグの肉汁と豆乳アイスがぴったり」
 幸せオニキス。ふと、呂色と目が合う。
「オレも食べようかねぇ」
「いいよ、こんなに美味しいと人と食べるのがいい」
 オニキスが言い、全員で実食。
「このアイス、粒粒ですよ」とエリス。
「も、もしかして……お米が、入って、いる……かも、です」とメイメイ。
「エビフライがさっくさくで生クリームに合うね!」とミルキィ。
「豚カツとグレープフルーツが美味しいなんて」とメルランヌ。

 食べ終え、少し休息していると──
「ところで誰かPPP学園テーマソングは歌わないのかい? オレはぜひともみんなの歌声を聞いてみたいな。勿論、オレは歌わないけども」
 呂色がにゅっと笑う。
「いや、歌えし。ああでも、腹が膨れてきたから休憩がてら歌ってもいいかもしれないな。オレは歌わないが」
 目を細める華。視界に体操と筋トレをするエリスが映り込んだ。
「なら、わたくしが歌うわよ!」
 メルランヌだ。マイクを手に躍り出る。
「こ、コスプレ、姿です……」
 驚くメイメイ。
「制服姿かっこいいね☆」
 ミルキィが笑う。メルランヌはPPP学園の制服に身を包んでいる。似合うスラックス。
「聞いてください、トキメキ!ケイオス☆ハイスクール!」
 踊り、歌いだすメルランヌ。

 目を開ければそこは
 夢の続きみたいだった
 目を閉じても月曜は
 まだ終わりそうにない
 
「は? 歌上手くね!? え、プロい!」
 騒ぐ零。途端に部屋がライブ会場に変わる。そして──
「さぁ、フライドポテトパフェとポテトチップパフェ、せんべいパフェを頼むわよ!」
 歌い終え、汗だくのメルランヌが叫んだ。
「私わかるよ。塩分は大事……!」とオニキス。
「ジャガイモは案外甘味と相性がいいしね! しょうゆとせんべいのカリカリもきっと面白いわ……! んっ、熱々のポテトにソーダアイスのしゅわしゅわが最高!」
 興奮気味のメルランヌ。
「砕いたポテトチップスとレモンシャーベットの組み合わせが斬新で癖になります!」とエリス。
「ぜ、全部、美味しい、です。甘くて、しょっぱくて……」とメイメイ。
「零君は野菜パフェだね☆」
 ミルキィが言う。
「え、いや、これはバーニャカウダでは? え、やっぱり、パフェ!? 何これ!?」
 メニューを三度見する零。
「あ、普通に美味いわ」
「うん、サラダって感じのパフェだよ♪」

「甘い」
 パンケーキパフェに顔をしかめる呂色。
「華、一口いるかい?」
「ん? どうした? 一口?」
「好みではない味に当たってしまってね」
「なら、貰うか。おっ、甘いな。うーん、じゃあ、これと交換してくれ。甘くはない、と思う」
 コーヒーゼリーパフェを手渡す華。
「ありがとう、苦みが美味しいな」
 呂色は満足そうにコーヒーゼリーパフェを食べ、華の横顔を無意識に眺める。
 
 メイメイはふかふかオフトゥンを見つめ葛藤する。眠い。でも、ぐぬぬぬぬぬ。
「みなさまで、眠り、ませんか……?」
 勇気を出すメイメイ。
「賛成です! 食べ続けるのも意外と体力を消費するので」
 エリスが目を擦る。
「うん♪ 時間制限があるわけじゃないんだから最後まで美味しく楽しく食べてクリアしないとだね!」
 ミルキィの言葉にエリスが動いた。天使の福音と最早言霊となったその声は味方の苦境を強制的に救う。
「宿では? 一周回って宿なのでは? 消灯!」
 零の叫び声とともに明かりがパッと消える。

●眠りから覚めて
「すっきりしたね♪」
 ミルキィが嬉しそうに零が入れたほうじ茶を飲んでいる。辺りはスパイスの香り。
「カレーを食べると元気になれるしほんと、このパフェ美味そうだよな。コーンフレークの代わりにライス! どろりと濃厚カレーってのがまた……は? いやこれカレーライスでは!? え、カレー味のパフェ? そっかぁ……いや良いけどさ、カレーは好きだし……てか、同じの二つきてるんだけど! ん? こっちは激辛シーフードカレー?」
 目を丸くする零。
「カレーパフェ。どうしてそうなった。あとは……ラーメンパフェ。そうはならんでしょ。怪しくなってきた……変わり種メニューの実験か何かかな……?」
 オニキスは呟き、ラーメンパフェを一口。
「……? 焼きそばたべたい」
 いまいちらしい。
「……辛そうな匂い、です……で、でも……が、がんばり、ます………えい! ひえっ……」
 顔をしかめるメイメイ。華はラーメンパフェを食べ、首を捻った。
「此処でアイスを食べるのってとても背徳の味よね」
 メルランヌはオフトゥンの中で林檎アイスを食べ、幸せそうに笑っている。

●なんだかんだでラスイチ
「これは部屋から脱出させない為では?」
 唖然とするエリス。デカ盛りいかの塩辛パフェが目の前に。
「実は美味いかもしれねぇ。呂色、ミルキィ、一緒に食おうぜ!」
 零が言う。
「うわ、生乾きの洗濯物を腐った牛乳と塩辛で洗った感じだよ!」
 解説し終え、ソファから転げ落ちる白目のミルキィ。呂色は無言で食べ進めている。
「あっ、あっ、まじぃよぉ!」
 零は三口目で限界を迎えバッタリ。それを見たオニキス、エリス、メイメイ、メルランヌが好奇心に負け、ぱくり。
「~~ッ!?」
 ドリンクバーの強炭酸を連打し、涙目で飲み干す。これは濡れた犬の味がする。
「呂色、そんなに駄目なのか?」
 華が尋ねる。
「メロンとスイカが塩辛と生クリームに混ざり合って食べにくい……一緒に食べるかい?」
 スプーンを向ける呂色。
「一口なら」
 あーんされパフェが舌に触れた瞬間、華は顔を歪ませる。

 それから──
「ごちそうさまでした」
 呂色の言葉に皆、ほっと息を吐いた。どうにか、呂色が完食したのだ。拍手喝采。同時にロックが外れ、扉がばんと開いた。
「お疲れ、もう当分パフェは見なくてもいいな」
 華が溜息をつく。だが──
「こんなにいろんなパフェがあるなんてすっごく楽しかったよ♪ よーし、帰ったら早速、パフェの再現に挑戦だー☆」とミルキィ。
「ん、お腹いっぱい。たのしかった。またやってくれないかな……今度はケーキ500種とかで」とオニキス。ぎょっとする華に呂色が近づく。
「お疲れ様だ。ただちょっと口直しに別のものを頼んでいいか? 例えばラーメンとか唐揚げとかポテトとか」
 うんうんと頷く塩辛パフェを食べた人達。
「嘘だろ?」
 驚愕する華の横でふと気が付くメルランヌ。
(今更だけど代金はわたくしたち持ちでは無いわよね?)
 首を傾げれば、ふわりと春の匂いがした。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 お疲れさまでした!!! 料金は0円でございます!!!! 

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