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シナリオ詳細

対忍々は滅びぬ。何度でも蘇るさ! ~残党の光彩・復活のたけしチルドレン~

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●なんでやねん!

 ――対忍々(たいにんにん)という魔物をご存知だろうか?

 それは一言でいえばスライムである。だが、ただのスライムではな……え、この始まり方前回もなんか見た事もある? 気のせい気のせい。ともあれやたら強くて迷惑だったスライムは数多のイレギュラーズの犠牲……もとい活躍によって。
 豊穣の地にて滅びた。
 暴食の限りを尽くし、悪の道を突き進まんとした悲しき存在は――ついに終焉を――

「迎えた筈なんじゃなかったの?」
「さぁ……一体全体どういうことなのか……」

 ここは練達。その一角たる下水道の中だ。
 渦中を警戒しながら歩を進めているのは黒影 鬼灯 (p3p007949)が率いし『暦』の一員たる文月に葉月。二人がここへと訪れたのは頭領たる鬼灯から指令を受け取ったからだ――
『なんでもあの対忍々の血肉の一部を奪取していた研究者がいたらしい――悪用されてはどんな事態になるか分からない。至急真偽の程の調査に向かう様に……んっ、なんだ睦月? 何? また帳簿が合わないと? なぜか理由不明な晴れ着が――? いや全く何も心当たりなど、待て睦月! 話を――! とにかく二人は先に行け! 俺も後でうわっ』
 そんなこんなで睦月に詰め寄られていた頭領の未来はともかく。
 練達入りした二人は早速対忍々の所在を突き止めるべく調査を――していたら五分ぐらいで変なスライムの暴走により壊滅した研究所がある情報を入手していた。うそぉん……
 半信半疑になりながら研究所を訪れてみれば、なにやら下水道の方へと這いずった様な跡を見つけた二人は噂の対忍々がここにいるのではないかとほぼ確信して、しかしこの目で確かめる為に突き進んでいた訳である。
「ねぇ葉月ぃ……帰ろうよ……ていうか嫌な予感が……」
「そういう訳にもいかないだろう。せめて姿を確認せねば」
 薄暗い中。文月の袖を掴む葉月を宥める様にしつつ、さてどうしたものかと思考する。
 この下水道、思ったより広い。どこまで繋がっているのか知らないが……あてもなく探索していては時間がかかる所か迷ってしまいそうだ。そもそも先述した様に本当に対忍々がこの先にいるかも分かっていない……
 一旦戻って報告だけするのも手だ。
 探すにしろもっと人数が多い方がいいし、頭領達も来るのであれば……

「んっ?」

 瞬間。葉月が『何か』の気配を感じた。
 薄暗い眼前の果て――何かがいる気がする。
 鼠か。それとも……いや!
「対忍々、か――ッ! 構えろ文月! こちらを窺っている気配が……!」
「ね、ねぇ葉月……対忍々ってさ。今まで一体でしか現れてないんだよね?」
 震える文月の声。それは一体何を意味していたのか。
 ……今まで幾度かイレギュラーズ達は対忍々と接触した事があったが、それらは全て単一で現れていた。エンペラーにしろノーマル対忍々にしろ……しかし文月は素早く察していた。
 この先にいるのは――『一体』だけではないと――!!
「な、なにぃ――!! まさかこれは」
 叫ぶ声。しかし、葉月が気付いた時にはもう遅く。
 エンペラーの血肉が分裂し生み出された――
 『たけしチルドレン』の波が、襲い掛かってきた。


 葉月と文月が下水道に侵入して暫く。
 遅れるような形で件の研究所(廃墟)へと辿り着いたのはイレギュラーズ達だった。
「……既にもう嫌な予感しかない」
「絶対いるよおおおおあいつら、絶対滅びてなんかいないんだあああ」
 げんなりした顔で(恐らくスライムが暴れたであろう)研究所跡を見据えるはリウィルディア=エスカ=ノルン (p3p006761)とラズワルド (p3p000622)だ。所々に残っているなんか、こう。粘液の跡は……あいつら滅ぶのホントに?
「そもそもなんで練達の研究者がスライムなんて求めて?」
「さて……しかし練達だからな。きっと碌な目的ではないのだろう」
 時折ぶっ飛んだ発想もするのが研究者の性であるのか――? 伏見 行人 (p3p000858)は睦月の追求から逃れてきた鬼灯と合流し、このような事態に何故陥ったのか思案を巡らせて。
「……んっ? いまなんか……葉月お兄ちゃんたちの声が聞こえたような……?」
 同時。気のせいかな? とマンホールを覗き込むのは逢華 (p3p008367)だ。
 なんか悲鳴のような感情だった気が……
 いやあの二人は優れたコンビネーションを発揮する、俊敏たる者達である。まさか対忍々の残党如きに捕まっているような目にあっているまい!
「さぁ――て。三度目の正直……いや四度目の正直ってやつかしらね……!」
「前回がファイナルじゃなかったのかな???」
 往くゼファー (p3p007625)と錫蘭 ルフナ (p3p004350)。
 下水道に降りれば――薄暗いが、流石練達というべきか、何カ所か電灯がともっているようだ。万全を期すなら灯りを持っていた方がいいかもしれないが……まぁ完全に暗闇という訳でもないのは幸いか。
 ともあれ。

「感じるわ……たけし。貴方の子供達が……いるのね」

 同時。アリス (p3p002021)はカーチャンの勘として確信していた。
 この先にいる、と。
 豊穣の地で果てた――たけしの子供達が、きっと――

GMコメント

 ファイナルって言ったじゃないですか――!!!!!
 リクエストありがとうございます、以下依頼です!

●依頼達成条件
 復活の対忍々を撃破せよ!

●フィールド
 練達の下水道。
 なにやら電灯? らしきものが点々とあるので、薄暗いですが完全に暗闇ではありません。
 なので灯りなどがあるとより見えやすくなるでしょう――尤も、それはスライムにとっても……?

 結構広い空間です。延々と、どこまでも広がっているかのような錯覚を得ます。
 後述のチルドレンたちは葉月たちとどこかで追いかけっこしてます。いえーい。

●対忍々チルドレン×無数
 通称たけしチルドレン。ちっちゃいスライムが沢山います。
 戦闘能力的にはホント全然大した事がありませんが、取りつかれると一定の確率で行動不能状態に陥る事があります。移動できないし攻撃も出来なくなるような状態です。一体に取りつかれた程度では滅茶苦茶低確率ですが、十体、二十体と取りつかれると……

 なお、ノーマル対忍々と同様にチルドレンたちも衣類を食してきますが。
 理由不明なのですがチルドレンたちは衣類というよりも。
 ぱんつを集中的に狙ってきます。
 ぱんつです。ぱんつぱんつ。
 当然人肉とかを食したりなんてしません。彼らもベジタリアーン!

 彼らは元々『新春へっちスライム・エンペラー対忍々の最後』で滅びた筈のエンペラー……の欠片から生まれた者達です。
 本来ならそのまま朽ちていくだけの筈だったのですが、練達のアホ……もとい研究者が何を考えたのか回収。
 複製しようと実験してたら案の定暴走して研究所は壊滅しました。どうして……
 なお別に死人は出ていたりしないです。全員ぱんつ食われてるけど。

●葉月&文月
 『暦』の一員にして双子。葉月が兄で、文月が弟。
 優れたコンビネーションによる二人一組での連撃が強力……なのですが……?
 シナリオ開始時は下水道のどこかにいます。チルドレンたちに滅茶苦茶追われてます。
 なんぼなんでも数が多すぎて押されている様です。
 このままでは捕まるー! いやー!

●情報精度
 このシナリオの情報精度はA?です。
 想定外の事態は絶対に起こりません。たぶん。

  • 対忍々は滅びぬ。何度でも蘇るさ! ~残党の光彩・復活のたけしチルドレン~完了
  • GM名茶零四
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年02月28日 22時30分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費---RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ラズワルド(p3p000622)
あたたかな音
伏見 行人(p3p000858)
北辰の道標
アリス(p3p002021)
オーラムレジーナ
錫蘭 ルフナ(p3p004350)
澱の森の仔
リウィルディア=エスカ=ノルン(p3p006761)
叡智の娘
ゼファー(p3p007625)
祝福の風
黒影 鬼灯(p3p007949)
やさしき愛妻家
逢華(p3p008367)
Felicia

リプレイ


 『希望ヶ浜学園高等部理科教師』伏見 行人(p3p000858)は思考する。
 ――俺たちは確かに奴を葬ったはずだった。あの豊穣での激闘で。
「だが……因果がまた俺たちと奴を結びつけた。
 俺たち…… Taininnin-Response-Teamとな」
 多分即時解散した方がいいと思うTeamだ……行人さん大丈夫? 何か変な物食べてTaininninに侵食されてない? まさか貴方、たけしを……!
 冗談はともかく! 下水道を進むTeamはとりあえず文月たちを探していた。
 この下水道のどこかにいるであろう彼らを。
『文月さんと葉月さん大丈夫かしら……』
「そうだな……彼らならば割とピンピンはしてると思うがそれも時間の問題。一刻も早く見つけてやらねば――三度に渡る惨劇が四度目にまで到達してしまう」
 下手すると五回目があるんじゃないかとか不安になって来るのは『零れぬ希望』黒影 鬼灯(p3p007949)だ。が、とにもかくにもまずは双子との合流を目指そう。彼らが追われていると想定すれば、彼らとの合流こそがTNN撃滅にも繋がる。
「偶発的に生まれた生物が二度出る時は三度来るし、なんならファイナルの後にもリターンズとかアルティメットとかメカ、新説とか続々生まれるものだ。そう、例えばそれはサメ映画だったりゾンビ映画だったりでよくある……」
「最後だと思ったら最後じゃないのはまあ、物語のお約束よねえ。なんかちょっとでも伏線があればそれで作るとか……とりあえずこいつ持ち込んだろくでなしは後でシメるわ」
 やめるんだ『澱の森の仔』錫蘭 ルフナ(p3p004350)よ! シリーズものとして凄い事になっている事に言及するのは! まぁ確かにメカとかアルティメットとか帰ってきたとか付ければ幾らでもパターンはあるけれど!
 そんなルフナに同調するのは『never miss you』ゼファー(p3p007625)である。ただ、まさかTNNでそんな事が発生するとは思ってもいなかった……どこのバカなのだ持ち込んだのは。
 とはいえ――ボヤいても仕方ないのは確かである。
 TNNを止めねば将来、またどんな存在になるか知れたものではないのだから。下手をすれば第二・第三の量産型たけしが生まれるという可能性も……
「まあ油断しないに越したことはないけど、相手はたけしじゃないからね。たけしは豊穣の地で死んだんだ。もう生き返らないんだよ……なのに練達のアホ……もとい科学者たちが余計な事をするから……」
 くっ。全くどうしてこんな事に……『銀なる者』リウィルディア=エスカ=ノルン(p3p006761)はなんだか頭痛に苛まれそうだった。まぁとりあえず鬼灯同様に双子を探したい訳だ、が。
「でもどうやって探そうね。多分ある程度は倒しながら逃げてる筈だし、破壊痕なんかを探しながら音を聞いて……って所かな?」
「まぁそんな所でしょうね。幾ら訓練を受けた忍びとはいえ、此の状況で完全に無音で行動し続けることは出来ないと思うわ……ていうかたけしに追われてるならきっと余裕はないでしょうしね」
 リウィルディアの言に次いで、今までの経験からしみじみと語るゼファー。
 耳をそばだてて戦闘の音やら叫び声やら犠牲になった声やら、或いは対忍々の蠢く音を探れればと……向こうにしてみれば音を自重する必要などなさそうだから。
「しっかし下水道ってロケーション最悪だよね。臭いし、暗いし、音は反響するし、なんでこんな所にいるのさ。たけしの子供ならもっとのびのび青空の下を走り回りなよね」
 思わず鼻をつまんで喋るのはルフナである……まぁ本当に公道や公園を走り回るたけしチルドレンがいてもそれはそれで嫌な光景な気もする……
 ともあれ耳を澄ませて周囲を窺う。彼らが此処にいるのはまずもって間違いないのだ……『Felicia』逢華(p3p008367)も双子のお兄ちゃん達を探すべく気配を探り。
「うーんとりあえず目印だけ付けておこうかな。迷ったら困るしね」
 同時。『流転の綿雲』ラズワルド(p3p000622)は壁にナイフで傷をつける。簡易的なメモの様なものだ。ここには来た、という事が後で分かればいい。無駄な歩みをしなければ良いのだ。
 ――と。そうしていたら、なにやら『音』が聞こえた気がする。
 まさかTNNか? それとも双子達か?
 思わず取る戦闘態勢。流石皆さん、TNNとの戦闘には慣れてますね。

「――来るわ」

 直後。言を紡いだのは『グランドJ( 'ー`)し』アリス(p3p002021)である。カーチャン!
 彼女には分かっていた。近い。彼らが……たけしの子供達が来るのだと。
「やだぁ! という事は実質わたしの孫じゃない! ばぁば、お化粧適当で来ちゃったわ、ちょっと時間を頂戴! え、ダメ? もうすぐそこにいるの? やぁん、元気一杯な子供達なんだから!」
 其れに、ふふっ……たけしったら、実は奥手に見せかけて良い子が居たのね。
 カーチャン嬉しいわ、ぐすっ。感動の涙が溢れちゃう。
「さあ、ばぁばに良くお顔を見せて、名前を教えて」
「頭領――!! 粘着生物に、粘着生物に文月が――!!」
 手を広げて孫(?)を迎え入れんとするアリス。
 眼前にはスライムの大群。逃げる葉月に、飲み込まれている文月。文月ィ――!
 ああ――これがTNN依頼のいつもの始まりである! なんて依頼だ!


 嗚呼たけし。
 たけしよたけし。
 嗚呼たけし。

 ――アリス、心の俳句。

 たけしチルドレンと(絶対嫌だったけど)激突したイレギュラーズ達は対応に追われていた。章殿だけは守らんとする鬼灯。CERO対策で頼りになるシャイニング精霊を飛ばす行人。あらゆる本能を用いて避けて逃げて捕まりたくないラズワルド。
 しかしその中でもアリスは落ち着いていた。どころかまるでTNNに優しく語りかける様に。
「……そう、パァルに、あなたはアクアマリン、そっちのおちびちゃんはエメラルドと云うの(*云いません)。うふふ、逢えて嬉しいわ……え、そっちのジュエリが長女なのね?(*違います)目元とか、たけしそっくり。その美しい小さな御手手はお母さん似なのかしら?(*何を云ってるかわかりません)」
 目元には潤んだ様子。指先で掬うのは、涙か。
「嗚呼もうごめんなさいね。わたし、お母さんなのにあの子の事、何も知らなかった。
 ……紹介、して欲しかったな。屹度たけしも照れ臭かったのでしょうけれど」
 私アリスさんのTNNリプレイ何度も書くけど、何度書いても私自身何書いてるのか分からん……??? はっ。リアル地の文はともかくアリスはTNN達を抱きしめ、語らっていた――無敵か?

「はい! 多かった、思ったより多かった! ていうか何よこの数正気!?」

 直後。何故か落ち着いているアリスとは別に、ゼファーは流石にこの数には驚いた。
 ――いや、だが別に何も取り乱すことはない。全て覚悟していた事。
 ぱんつを溶かされ肌を晒そうと。
「何を恥ずかしがることがあるのかしら……!
 服が無くなった程度で――恥ずかしがるような所なんて私にはないッ!!」
 駄目です! それでも謎の光さんに残業してもらいます!!
 ゼファーは逃げない。むしろ豁然とチルドレンに立ち向かう様に――往く!
 謎の光さん! 早く来てくれ――!
「……えーっと待ってほしい。もしかしてこの数を? 全部? えっ本当に僕たちだけであのチルドレンを殲滅するのかい? ちょっとまってこれは国家規模で対処するべきなんじゃないかな? めっちゃいるんだけど?」
「はぁ、バカなの。バカだね、バカだったから壊滅するんだよねぇ……こんだけ作って、しかも何? 犠牲者は全員ぱんつ食われてたって? 誰、チルドレンの教育したヤツ……ヘンタイじゃん……」
 ともあれリウィルディアとラズワルドはもう一周回って困惑していた。
 覆いつくすかの如きTNNの数。今まで何度も奴とは戦ってきたが……これだけの数を一度に相手にするのは初めてである。
「くっ。後ろに下がりたいけどそう言ってる場合ではないね……とにかく少しでも数を減らして行こうか――うわ、しまっ、あっこら足に取りつく、なぁ! 離せー! 離れろ――!!」
 リウィルディアは足元からよじ登ろうとしてきた個体に一撃。
 たったそれだけでTNNは砂と消えた――けれどまだいる。めっちゃいっる。飛び跳ねるラズワルドは捕まらないようにしつつ個体共を纏めて薙ぎ払い――でもまだ来る。やめろ! ぱんつフェチなんかに捕まってたまるか! あ、お尻に!
「うわああああッえい! くそ! ぜぇったいに、捕まってやるもんか!」
 即座に弾いてダッシュダッシュ。ぱんつはやらない!
「しかし……今回から好みというかそういうのも出てきたのか? 今までは衣類を満遍なく好んでいた筈だが……練達が引き起こしたコイツは、とんでもないムーブメントを起こしてしまいそうな……そんな予感がする」
 もしかすればこれは練達の調整の結果かもしれないと行人は震撼する。
 いやとにかく今は女性陣を守らなくては。名乗り上げる様に。フェミニストを気取るつもりはないが、逢華ちゃんはまだ若いし、リウィルディアさんもカミングアウト勢だし。良い経験だって言えないだろうと思うから――
「こいTNN……俺が相手だ。俺が始めた物語だ!!」
 往く。スライムの群れに――ああ呑み込まれた――!
「これで文月君に次いで、行人さんまで犠牲に……! しかし僕の勘では文月君は既に呑まれてると思ったけど、やっぱりその通りだったね。なんかそういう絵が見えた気がしたんだよね」
「たすけて――!!」
 直後。うんうんと頷くのはルフナである。助けてと文月に乞われるけど、近付いたら僕も呑み込まれるし仕方ないね。予測していた事と手遅れな事は……違うんだ……!
 ともあれYNN達の勢いだけは本物だ。
 ――屈する訳にはいかない。だから、皆を鼓舞する様に活力を振舞おう。

「尤も……僕はスパッツ派だけどね……!!」

 誰もがぱんつを履いてると思ったか? 馬鹿め――それは偏見だ。
 世の中にはスパッツ派もいるのだという事をしれ、ぱんつの尖兵共。
 ……そうか……ルフナ君はぱんつを履いてなかったのか(メモ)
「頭領! このままでは……流石に押し切られるかと……!」
「ふっ。落ち着け葉月。成程……この数は流石にTNNの未来を感じさせるが……しかし、幾度奴らを相手にしたと思っているのだ。対策をしていないとでも思っていたのか? 葉月は手を緩めずに連撃を頼む――文月も助けてやってくれ」
 無理かもしれんが、という言葉は呑み込んで。章殿に近付いてきたTNNを蹴り飛ばして鬼灯は準備する。準備とは何か――? こんな事もあろうかと用意していた最終兵器。
「――くらえ! ぱんつの波を! これぞ勝利への道筋……!!
 そんなに下着が好きならばこれでも死ぬほど食っていろ!
 ギルオス殿のぱんつ(闇市で仕入れた)をな――!」
 何してるんだ鬼灯ぃぃぃ!!(報告書を読んだギルオスの叫び) 一体どこからこんな数を揃えたのかって――? 闇市で仕入れたんだよ、なぁ行人殿。
「よし! これで引き付ける事が出来る筈だ、今のうちに一気に攻める!」
「ジュエリ――まって、お話して! 家族写真を、家族写真をばぁばに見せて――!!」
 鬼灯の放り投げたぱんつを追うパァルにアクアマリンにエメラルドにジュエリ。
 育ち盛りの子供達はばぁばよりもご飯が優先なのか……悲しみに包まれるアリスはそれでも、孫との交流を諦めないのであった……!


 鬼灯の投じた計略によりTNNでは混乱が巻き起こっていた。
 皆で分け合うTNN。熾烈に奪い合うTNN。独り占めするTNN。隅っこで食べるTNN。
 そんな彼らへと紡がれるは強烈な攻撃。
「覚悟完了? キミらチルドレンこそ、覚悟はできてるよねぇ? 人のぱんつを狙っておいてタダで済むなんて思ってないよねぇ……? 一族まとめて同じところに還してあげるからさぁ!」
 ラズワルドの一閃。動きが鈍っている今のうちに掃除するのだとばかりに。
 というよりも焦っていた――それは何故か? だって。
「…………合体とかしないよね?」
 お腹一杯に成ったらなんか突然変異するとか。その……お約束というか……
 ないよね? たけしは大きくなったけど、まさかね?
「ふぅ、ふぅ……やれやれ、ようやく一息落ち着いたかな……! ふふっ、でも上手くやれれば問題なさそうだね。はたき落とすのも十分できるみたいだし、これで――」
 瞬間。自らの足に取りついてぱんつを狙って挙がってきた個体を総て落として。
 リウィルディアはある意味安堵する――これならなんとかなりそうだ、と。
「まぁ万一の事は考えておいた……中に入ってきても無駄さ。しっかり対策は練って来たんだからね――ふふん」
 ちょっと物を変えておいたのだと自慢げに。
 だから大人しく、無駄を悟って消えるとい――――んっ?

「……霜月さんに、洗濯お願いできるかな。うん」

 気付いた事からは眼を逸らし、また昇ってきたTNNを打ち落として。
「やれやれ、しかし暴食は悪い事だと学んでほしいね……君達の父親は、暴食が原因で滅びたというのに……」
 服を食べる時はゆっくりと食べるのが重要なのだとルフナは語る。
「いただきますとごちそうさまも忘れずにね。
 ぱんつを作ってくれた職人さんに感謝しながら食べるんだ」
 まさかぱんつ職人も食用として使われているとは思っていないかもしれないけれど、という言葉は一応呑み込んだ。ともあれ、そろそろ文月君がかわいそうなので助けるとしよう。葉月がなんとかどうにか出来ないかと奮戦しているが、ああいうのは範囲攻撃でなければ。
 光の翼がTNNを砕き、そして味方たる文月には当たらず。
「もう一押ししておこうかしらね――そーら私の紐パンよー!」
 直後。ゼファーの手に握られているのは――えっ。ゼファーさんの!?
 解説しよう! 下着に執着するなら下着を囮に振り払う事も出来る筈だと、彼女も考えていたのである! その為、今日のはパンツを下ろさずに脱ぐことが出来る――容易い紐で来ていたのである! 予め緩めた紐をするする……っと。
「ええ? 何? 紐は締め付けが優しくて、肌に痕も付かないから結構良いのよ。だから今回がどうのこうのというよりも別に普通よ普通! さぁ! ってことで双子の片割れを助ける為の犠牲になってきなさい!!」
 シャイニング精霊さん、万が一の時は宜しくお願いします!
 ゼファーの投擲に伴い救われる命が一つ。紐パンは……人の命を救うんです……!
「わー! ありがとう――!! 葉月、やったよ――!!」
「馬鹿! まだ終わってないぞ、奴らが食い尽くしたらまた今度はこっちだ!」
 泣いて葉月の方へと駆け寄る文月だが、安心するにはまだ早い。
 今ルフナとゼファーにより救助出来たのも、TNNの統制が乱れているが故もある……奴らが再びこちらに照準を合わせる前にもっと数を減らしておかねば――!
「捕まえた……みんな……俺ごとやれ!!」 
 同時。そう言うのは、行人である。
 彼は奥へと入り込んだ。鬼灯の投げたぱんつを掲げ、TNN達を誘導して……なんて絵だ。
 さすれば集合するTNN達。こ、これは……!
「行人殿! まさか!」
「今しかないんだ……こいつらを殲滅するのは!」
「馬鹿な! そんな奥へといけば、行人殿(のパンツ)も――!」
 鬼灯がTNNを吹き飛ばしつつ行人に声をかけるが、彼はもう覚悟を決めている様だった。
 例えぱんつを失おうと――シャイニング精霊さんがきっとなんとかしてくれる――
「女の子の下着を簡単に奴らに晒す訳にもいかないだろう。これでいいんだ……!」
「え、私今投じたんだけど、私は?」
「やってくれ皆! 俺なら――大丈夫だから!」
 彼の。彼の意思を尊重すべきなのか。
 時間はない。ギルオスのパンツは食い散らされ、もはや猶予はなく。
 だから――込めよう、力を。
「ねぇ、あなたたちが迫害されない地でも探してあげたいんだけど、そういう希望は……ンン――パンツか――――パンツが食べたいか――――そっかぁ……」
 でもバァバノーパンだからなぁ。
 アリスはTNNと語らい、やっぱ駄目っぽかったので。
「え、ローレットへの報告書……? 『今の所、害はなさそう』で良いでしょ。
 もう研究所も壊れてるんだし――盛大にやっちまいましょう!」
 よーし最後は派手に行くわよー! ばぁばが装備するは火炎瓶。
 投じて生じる炎の渦に、うわあああTNN! ジュエリ―!! 行人――!!
「行人殿――! その雄姿、忘れないぞ――!」
 そして一斉攻撃。
 下水道に――光が包まれ――

 やがて全てが静寂を取り戻した時、TNNはそこに存在しなかった。

 終わったのだ……これで、チルドレン達は……今度こそ!
「……本当に終わったのかな、これで?」
「僕達はただ――それを信じるしか出来ないね――」
 リウィルディアが語り、ラズワルドが静かに呟く。
 さらばたけしよ。さらばたけしチルドレンよ。
 永久なる静寂の中に――眠り給え――



 ――Taininnin is never die... See you next!!

成否

成功

MVP

伏見 行人(p3p000858)
北辰の道標

状態異常

なし

あとがき

 >Taininnin is never die... See you next!!

 こら――!!!

 リクエスト、ありがとうございました!!

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