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シナリオ詳細

【オネエヤクザと不思議な塔】とバレンタイン

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

■乙女達が華やぐ季節
「今日も街は平和ね、いいことだわぁ」
 まだまだ肌寒い日々が続くが、謎の巨大ダンジョンタワーの下に位置する街は人々で賑わい熱気に満ちていた。この街に住み、ダンジョンの踏破を目指しながらも街を守る。言動は荒々しいが非道はしない、人々の相談役にして纏め役として慕われるヤクザの頭。明はこの日はパトロールの日と決めていた。
 今日もさしたる問題はなし。街は平和そのものである。大きな伸びを一つした明は、何か甘いものでも買って帰ろうかと思い立ち、行きつけの店へと足を運ぶ。
「どーう、大将ー? 儲かってるぅ?」
「おう、明サンか! お陰様でなぁ!」
 恰幅の良い、豪快な笑いを浮かべる店長とは仲良しだ。いつも特製のクッキーを振る舞って貰っている。
 しかし、今日はいつもと何かが違った。商品棚を見て明が首を傾げる。
「あらぁ? 大将、今日はチョコはないのかしら?」
 そう、チョコを使ったお菓子が軒並みないのだ。店長の作るチョコはこれまた絶品で、明はいつも二つは買って帰り、息子と食べるようにしている。
 チョコがない事を見抜かれ、店長がバツの悪い表情を浮かべる。
「あー……ほら、もうバレンタインだからなぁ……」
「あ、なるほどぉ。材料がないのね?」
 そう、バレンタインだ。世の乙女達が色めき立つのはこの世界でも同じらしい。材料があれば作れるのだが、カカオの生産場所はこの地からは遠い。
「そうだわ。あの塔の中にカカオが生ってる場所があるのよ、採ってきてあげる!」
「え? そ、それは助かるけど……いいのかい?」
「いいのよぉ。私達の仲じゃない」
 名案だと手を叩く明に困惑しつつも、渡りに船だと喜ぶ店長。店側は材料が手に入り商品が作れる、明はそれを買う事ができる。ギブアンドテイクというものだ。

■塔の中はどうなっているのだろうか。
「皆は知っているかな? 不思議な塔と、そこを登っているヤクザ一派の話なんだけど」
 境界案内人のカストルの説明に、一部のイレギュラーズは知っている様子の反応を見せる。それなら良かったとカストルは言葉を続ける。
「そのヤクザの頭領、明さんが街のお菓子屋さんの為にカカオを採りに行くんだってさ。そう難しい話でもないようだし、お礼目当てに遊びに行くのもいいんじゃないかなってね?」

NMコメント

 何でもう一つバレンタインシナリオ書いてるんだろう以下略です。
 思いついたからね、仕方ないね。一応拙作「オネエヤクザ」系列の続きですが、前作を知らない方でも大丈夫です。
 今回のオーダーは『明と一緒にダンジョンへ赴き、カカオを採ってくる』事です。以下説明。

・味方NPC
■明
 オネエ言葉で話すヤクザ。でも人当たりは良い。腕っぷしもとても強く、怪我の心配とかは今回はありません。
 談話を楽しみながらカカオを採りましょう

・フィールド
 不思議な塔の8階。
 登れば登る程敵が強くなる謎のダンジョン。しかし目的地は8階なのでそんなに敵は強くないです。
 何故かカカオが採れる森型フィールド。結構質は良い。不思議。

・エネミー
 小猿達×無数
 力はそんなにないけども、悪戯好きの小猿達です。木の上からカカオを投げつけてきたり、冒険者のアイテムを盗もうとしたりします。
 ですがちょっと闘えばすぐに怯えて逃げ出します。無数にいるので一時的にしか追い払えませんが。

 以上となります。
 今回は基本的にほのぼの、時折ギャグみたいな空気の予定です。
 街のお菓子屋さんの為に一肌脱いで働いてくれるイレギュラーズ、どうぞよろしくお願いいたします。
 あ、お礼として美味しいチョコクッキーやチョコケーキが出されるようですよ。

  • 【オネエヤクザと不思議な塔】とバレンタイン完了
  • NM名以下略
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年02月17日 21時55分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (4人)

ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)
天穹を翔ける銀狼
回言 世界(p3p007315)
貧乏籤
カイン・レジスト(p3p008357)
数多異世界の冒険者
橋場・ステラ(p3p008617)
ジョーンシトロンの一閃

リプレイ

■いざ、不思議な塔へ!
「あらぁ。手伝ってくれるの? 一人でも大丈夫なのにぃ」
 塔の入り口でヤクザの頭、明を呼び止める事に成功したイレギュラーズ4人は手伝いを申し出る。屈強な肉体を揺らしながらオネェ言葉で喋る彼は、にこやかに笑っていた。
 ヤクザとは名ばかりに人当たりの良い彼らしい反応といえるだろう。
「なに、一人では運べる量にも限度があるだろう?」
「俺達もおこぼれに預かりたいからな。気にするなよ」
 『天穹を翔ける銀狼』ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)と『貧乏籤』回言 世界(p3p007315)の男二人が、普段は見せないような笑顔で明に笑いかける。
 何故こんなににこやかなのか。彼らは大真面目にこの後に提供されるであろうお菓子が目的だからだ。本当に美味しいお菓子は大人も子供も、性別も超越して皆を等しく魅了するからね。仕方ないね。
「ヤクザ、ですか? ……なるほど、暴力集団ではなく所謂任侠道、という物でしょうか」
 初めてヤクザというものを目の当たりにした『ジョーンシトロンの一閃』橋場・ステラ(p3p008617)は明の事を観察するように明を見つめる。もっとも、彼はこの程度気にはしないが。普通のヤクザならば怒鳴られているところであろう。
「このお嬢ちゃんお坊ちゃんもお手伝い? 余り危険はないとはいえ、魔物も出るのよぉ?」
「大丈夫、僕はこれでも冒険者さ!」
 明に心配されるが、大船に乗ったつもりでいてよと自らの胸を叩く『数多異世界の冒険者』カイン・レジスト(p3p008357)
 彼はその言葉通り、幾多もの冒険を乗り越えてきた熟練者である。見た目には少年だが、侮れるものではない。
「頼もしいわねぇ。それじゃ、お言葉に甘えちゃおうかしら」
「ああ、任せておいてくれ」
 流行る気持ちを抑えながら、努めて冷静にゲオルグが明と握手を交わす。その手だけで、相当の修羅場を越えてきたであろう事がゲオルグに伝わる。
 一体何が、彼をここまで押し上げたのだろうか。
 その疑問を置いて、塔の入り口へ入る。慣れた様子で明が操作盤を触ると、一行の姿は入り口から消えて……。

■猿、猿、猿!
「はーい、10階に到着よー」
 そこはカカオの木どころか、植物一本も生えていない湿地。イレギュラーズ達はその景色にしばし唖然とするが、明は気にする事なく下り階段に足をかける。
「ここは5階毎の転送装置しかないのよぉ。ちょっと手間だけど、歩いていくわ」
「あ、そうなのです? なら仕方ないですね」
 ファミリアーで喚び出した鳥を伴いながら、ステラが明の後ろに続く。カインも罠に警戒しながら二人を追いかけ、ゲオルグと世界は後方に注意を配る。
「やあねぇ、そんなに気張らなくてもここは大丈夫よぉ」
 にこやかに笑う明。9階は不思議な事に海岸線沿いの砂浜といった風景であった。一つ一つの階層が全く違う様相を見せるからこそ、『不思議な塔』なのだとイレギュラーズ達は実感する。
「明さん、大丈夫とは?」
 ちょっと小走り気味に明を追いかけ、カインが質問する。冒険者の基本中の基本の心得として、ダンジョン内では常に罠を警戒すべきだと知っている彼ならではの質問だ。
 しかし、その言葉に明は手を振って声をあげる。
「10階より下は罠が一切ないのよぉ。いわば、駆け出し戦士達の修練場ね」
「なるほど。そのようなものまで用意してあるとは……ますますこの塔を作った者の真意が気になるな」
 ゲオルグが周囲をぐるりと見回してから、顎に手を当て考え込む。最上階が何階なのかも未だわかっていないこの塔は、いつ、誰が、何の目的で作られたものなのか……。
「何か言い伝えとかはないのか?」
「神が至宝を収めたとかそんな程度よぉ」
 足元から突如現れた蟹の魔物を、蹴り飛ばしだけで文字通り一蹴した明が世界の質問に応える。どうもよくありがちな伝承程度しかここには残っていないようだ。
「ですが、それでも明さん達はここを登っているのですよね?」
「ええ、そうね。……っと、着いたわよ」
 ステラの質問にどこか表情に影ができた。……のも一瞬。9階から8階へと降りた一行の眼前に広がるのは鬱蒼とした森。丘陵を際限しているのか足場が少し斜めになっているのも感じられる。
 カカオが自生しているからか、少し湿っぽい。
「今日は雨降ってないわね」
「え、雨が振るんですか?」
 塔の中だというのに。しかし見上げる事で木々の隙間から僅かに見える頭上の景色は、確かに青空を覗かせていた。
「天候の変化まで……一体どういう仕組みなのだ」
「塔の中っていうのは間違いで、一階毎にワープ装置で違う場所に飛んでいたりしないか、これ」
 世界の突拍子のない想像だが、現在仕組みや構造が明かされていない塔となれば、一笑に伏すのもおかしい話になる。
 入り口にはワープ装置があったのだから、不思議な話ではないのだ。
「あ、あの木がそうかな?」
 カインが指差す先には、たっぷりとカカオの実をつけた木々が生えている。しかし、同時に生物の気配が周囲に満ち始める。
 8階に現れた侵入者を敵と見なす、原住民達の気配が無数に。
「数、多いですね。だからといって派手にやりすぎるのも問題ですか」
 がちゃん、と巨大な魔道具を開きながらステラが戦闘体勢に入る。しかし、強力すぎる範囲攻撃を使ってしまい、カカオを粉々にしてしまえば本末転倒であろう。
「なぁに、まだ木までは距離がある。この位置で応戦すれば大丈夫だろ」
 白衣のポケットから手を出した世界が、白蛇を呼び寄せる。普段は面倒くさがりの彼だが、甘いものの為だから今回はやる気満々だ。
「怪我の事は案ずるな。私がすぐに治す」
「頼もしい言葉ねぇ。それじゃ、食前の運動といきましょうか!」
 ゲオルグの声に合わせて、コキリと指の骨を鳴らした明が吼える。彼に合わせたかのように、無数の猿達が一斉に木から飛び降り姿を見せる。
「冒険者の道具を奪おうだなんて、絶対に許せない、絶対にだ!」
 黄金の儀礼剣を鞘から引き抜いたカインが叫ぶ。冒険者たる彼は、冒険中にアイテムを失う事による危険性を熟知しているからこその怒りだ。
 襲ってきた無数の猿だが、逆に好都合。世界の白蛇が飛びかかり、数多の猿を締め上げ牙を突き立てていく。カインが放つ光は敵を裁く帯となり、猿の姿を飲み込んでいく。
「はぁぁっ!」
「いいわねぇ、お嬢ちゃん! 後で一勝負してみない!?」
 魔道具を鉄拳に変えたステラが、範囲攻撃の波状からすり抜けた猿を殴りつけていく。その姿に、同じように自らの拳で応戦していた明が、猛る。
「うむ、一先ず敵の姿は消えたか。今のうちに採取をしてしまおう」
 ほんの少しの消耗も、後方に控えるゲオルグが即座に補う。彼の言う通り猿の姿は消えた。カカオを集めるなら今がチャンスだろう。
「あ、僕が登ってくるよ」
 と、身軽なカインが木に手をかけ、カカオを集めようとする。
 ひょい、ひょいと登っていき、手が届くと思ったカイン。しかし横合いから、別の実が飛んでくる。
「いたっ!?」
「あ、おいあそこ!」
 世界が指差す先に、先程とは別の猿がカカオの実を手に笑っているのが見える。小憎らしい笑顔だ。
「くそぅ、ここじゃ反撃もしづらい……!」
「そいつらは相手しなくていい。早くカカオを採ってしまおう!」
 木を登っている最中のカインは手が塞がっている。反撃もできない。しかし下からゲオルグが回復と同時に声を飛ばす。
 更に別の木には明も登っている。確かに猿は放っておいてカカオを集めるほうが早いだろう。
「あ、こらてめぇら!」
 しかし一行がカカオを集めだすと、背後からやってきた猿が悪さをし始める。今また世界の白衣のポケットからお菓子が一つ盗まれた。
 ステラがすぐに取り押さえ、取り返す。しかしその隙にまた別の猿がカカオを持ち出そうとして。
「悪戯猿め。これ以上は許さんぞ」
 ゲオルグも攻勢に移り、カカオを守る。
 こうして、大した怪我はないものの……精神的には疲れ果てた一行。しかし、しっかりとカカオの実は持ちきれる限界まで持って帰還する。

■そして数日後
「おお……これがそうか!」
 カカオがチョコレートになるまでに、数日かかる。その間明の家で厄介になった一行は、ようやく目的の物を目の前にする。先の言葉は目を輝かせたゲオルグのものだ。
 チョコレートをふんだんに使ったケーキ。パンダの模様に見立てたクッキー。等など。
「ふふ、お店の人も喜んでたわよぉ。遠慮しないで食べてちょうだいな」
「作る工程まで見させて頂いて……こちらこそお礼を述べたいです」
 明の用意した紅茶を、それぞれのカップに淹れながらステラも満足そうに笑う。この数日毎日店に顔を出し、加工の過程を見せて貰っていたのだ。
 元いた世界ではじっくり見る余裕もなかった事。好奇心は満たされ、美味しいものもこうして食べれる。満足だ。
「うぅむ、うまい。バレンタインやクリスマスなんて縁がないと思っていたが……今じゃ最重要イベントだな」
 ケーキを切り分け口に運びながら、眼鏡の奥で世界も笑う。独り身故にリア充爆発しろとか呪った日もあったが、遠い過去の事だ。
「チョコはいいよ。冒険の疲れを癒やすのに甘いものは本当にいい。僕の冒険者セットにも……え、聞いてない?」
 カインの薀蓄を聞くものは残念ながらここにはいない。
 何故ならば、今は冒険の時間ではなく。平和なお茶の時間なのだから。

成否

成功

状態異常

なし

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