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シナリオ詳細

《狐の嫁入り 第十三幕》狐人達のバレンタイン

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

■バレンタインという風習がなかった世界
「バレンタイン?」
「お母様、それは一体?」
 獣人達の世界にある堅牢な城塞都市。そこに住まう狐人の少女カイとオークの少女ティティスは、カイの母親であるメルティに呼び出されていた。
 都市の長であるスーラクの家族たる邸宅は立派なもので、幾人もの使用人も仕えている。彼ら彼女らに普段は雑事を任せ、メルティは優雅な暮らしを送っていた。
 が、本日はそんなことはあまり関係ない。
「私も友人様より聞いただけの話なのですが、来たる14日。この日は殿方に愛を込めてプレゼントをする日だそうです」
 彼女のいう友人様……イレギュラーズ……は様々な世界、文化を知っている。この世界の住人たる彼女らには知り得ないような事も。
 地球世界ではメジャーな行事であるバレンタインもこの世界には存在せず、偶々一人のイレギュラーズが語った事でメルティのみが知り得た事である。
「本当はチョコレートなるものを送るらしいのですが、この街にはありません」
「ちょこれーと……」
「なんだか素敵な響きだね」
 半分獣である獣人達だからか。チョコレートを食べる習慣はなかった。ココアは飲んでるのに。
 されどその甘美な響きは世界が違えど共通なようで。ティティスは目を輝かせていた。一方のカイはどのようなものだろうかと首をひねる。
「甘いお菓子だと伺っております。なので、私達でこっそりと作って、皆様を驚かせてみましょう?」
「えっ」
「えっ」
 どこか悪戯っぽい笑顔を浮かべたメルティの提案に、カイとティティスの表情が凍りつく。この箱入り娘たるメルティは、当然家事などからっきし。癒し手としての魔術技能は素晴らしいのだが……。
 余談だがティティスは普段から父親の為に料理をしているし、カイはメイド達と一緒にお菓子を作ったりしている為に腕前はそこそこ。
 ……なのだが……もう一人問題児がいた。
「話は聞かせて貰ったのだ!」
「ミャーコ!?」

■男性達の胃袋を守れ
「……うん、まあ、今回はカイさんからの招待状ね」
 いつもの見慣れた本を片手に、何故か表情の硬い境界案内人のポルックスがイレギュラーズに説明する。
「メルティさんとミャーコちゃんの暴走を止めながら、お菓子作りを手伝って欲しい、だそうよ」

NMコメント

 バレンタインだからね。以下略です。
 今回はギャグ寄りのシナリオになる予定です、多分。どう足掻いてもシリアスや戦闘にはならないです、ええ。
 ということでオーダーは【甘いお菓子を彼女達と一緒に作る】です。以下登場人物と補足事項。

■メルティ・ルークス
 自分が料理できないのを無自覚な箱入り娘様。その癖チャレンジ精神旺盛。目を離すとどんな材料を使っても臭うおはぎができるというある意味凄い才能の持ち主。
■カイ・ルークス
 母とは違って料理できる箱入り娘。真面目で勤勉なのでメイドから教わっていたそうな。放っておいても無難に作ってくれるでしょう。誰に作るのかは……。
■ティティス
 狐人に变化してるオーク娘。すごく器用で普段から父娘二人暮らしの食卓を切り盛りしている為に腕前は良い。けども目上の人たるメルティには強く出れないので……。
■ミャーコ
 山猫の獣人娘。野生児。放っておくと一番やばい奴。その辺で採った得体のしれない何かを持ってきたり暴れたりするのでなんとかしてあげて下さい。ティティスを姉と慕う。

 台所はルークス家のものを使います。道具はだいたいどんなものでもあると思って下さい。電化製品も魔力で動きます。
 チョコレートはこの世界には存在していませんので、普及させてみても良いかもしれません。

 それでは楽しく(?)お菓子作りに励みましょう!

  • 《狐の嫁入り 第十三幕》狐人達のバレンタイン完了
  • NM名以下略
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年02月15日 22時15分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (4人)

嶺渡・蘇芳(p3p000520)
お料理しましょ
ニゼル=プラウ(p3p006774)
知らないこといっぱい
フィーア=U=ツヴァンツィヒ(p3p008864)
実証・実験
星影 昼顔(p3p009259)
陽の宝物

リプレイ

■レッツ、クッキング!
「皆様お忙しい中すいません。お呼び出ししてしまいまして……」
 礼儀正しく深々と頭を下げる狐人の少女、カイ。彼女の前には今回集った四人のイレギュラーズが立っている。皆、料理……お菓子作りには何かしらの思い入れがあるようだ。
 ルークス家のキッチン。領主の家であるからか立派な邸宅の一室は、やはり綺麗に保たれている。先程から何度か顔をあわせるメイドや執事達使用人が普段から手入れしているからだろう。
 なお、カイの背後では母親であるメルティが気合を入れて、既になんらかの作業を開始しようとしているが……今はまだなんとかティティスが止めている。
 このままでは大惨事確定である。想いを伝えるとか日頃の感謝とかそういう問題ではない。
「そうねー、誰かの為に作るっていうのはとても素敵な事よねー。じゃあ、メルティちゃん、一緒に作ってみましょー♪」
 『お料理しましょ』嶺渡・蘇芳(p3p000520)がニコニコと人当たりの良い笑顔を浮かべながら、メルティの隣に立つ。
「ええ、よろしくお願いいいたしますわ」
 こちらも流石のお嬢様か。きちんと礼を返し笑顔を浮かべる。これで一つの問題は解消されたであろう。もう一つの問題はまだ解決していないが……。
「でも、チョコレートはないのよねぇ」
「ああ……チョコレートなら僕が用意してあるよ」
 『陽の宝物』星影 昼顔(p3p009259)が手に下げていた袋からチョコレートを大量に取り出す。きっとないと困るだろうと予測していた彼の気配りだ。
 初めてチョコレートを目にするカイ、メルティ。そしてティティスの三人は興味深そうにそれを眺める。やはりお菓子に夢中になるのはどこの世界の女性も一緒なのだろうか。
「少し味見してもいい?」
「ええ、どうぞ」
 見知らぬ少女ティティスから顔を近づけられ、内心ビクビクしている昼顔だが。なんとか平静を保ち返事を返す。
(これがあれば流石に最悪の事態は避けられるはず……)
 彼の脳内では、かつての思い出がフラッシュバックしていた。愛する母親だが、料理が壊滅的だった事を。今回彼がここにいるのは、メルティの姿が母親に被るところがあったからなのかもしれない。
「あ、私も味見するー」
「食べすぎちゃ駄目ですよ?」
 『実証・実験』フィーア=U=ツヴァンツィヒ(p3p008864)がティティスにつられてチョコレートを口に運ぶ。その様子に思わず注意するのは『知らないこといっぱい』ニゼル=プラウ(p3p006774)だ。
 フィーアにしても、そしてニゼルにしてもチョコレートはほぼ未知の存在。ここからどのようになっていくのだろうか。
「ふんふん……苦いのもあるけど、物凄く甘いね」
「これはココアよりも甘いわね……」
「イチゴよりももっと……こんな甘いのがあったのですね」
 この世界の住民三人が、初めて口にするチョコレートを一口、味わいながらも検分する。料理のできるティティスやカイもだが、メルティの評が普通なのは決して味音痴だからではないのだ。
 何故か壊滅的に料理が下手なだけで。
「そういえばミャーコさん、ですか? あの方は?」
 キョロキョロと周囲を見回すニゼル。彼女が暴れないように相手をしようと思っていたのだが、姿が見えない事に気づいた。
 フィーアも昼顔も蘇芳もその言葉でようやく気づく。一人少ないと。
 ティティスが視線を床に落とし、窓の外を指差す。そこには猫の尻尾を揺らしながら、庭を駆け回る少女が一人。
「ああ……僕はちょっとあの子のお相手をしてきます。こちらは任せますね」
「はーいお任せよー」
 蘇芳が手を振ってニゼルを送り出す。放っておいても良かったかもしれないが、汚れたらそのままキッチンに突撃してきそうな気がしたので、彼に任せておくことに。

「チョコレートはただ湯煎して固めればいいってものでもないからね」
「ふむふむ。高温に弱くすぐ溶けるどころか焦げてしまう、と」
 ミャーコが外にいるので、昼顔は予定を変更。初めてチョコレートを見るカイとティティスを相手に、下ごしらえの手順を説明する。
 とはいえもともと料理できる二人だ。昼顔の解説を真面目に聞き、余計な事はせずにきちんと手順を踏んで調理をすすめる。
「と、まあ偉そうなこと言ってみたけど、料理に大切なことは二人ならわかるよね」
「ええ。食べてくれる人の事を考える心です」
「愛情、だね」
 臆面もなくそう言い切る少女二人。ティティスは普段から父親の為に、カイも時折だが家族に振る舞う事を考えれば自然とも言える。
(ああ……母さんにもこんな心があればなぁ……)
 ちょっと遠い目をする昼顔であった。母親の本心は今となっては知る由もないが。

「はい、メルティちゃん、フィーアちゃん。私のいうことはちゃんと聞いて、余計な事はしないでね」
 変わらぬ笑顔の蘇芳だが、何故か威圧感がある。それは気の所為ではない。思わずメルティが姿勢を正す程であった。
「材料は、純ココアが200gに牛乳200ccと生クリームが50cc、蜂蜜が200gよー」
 領主の家ということで、材料もふんだんに揃っている。何故ここまであってチョコレート本体はないのかは世界の不思議だが、口に出しても解ける訳ではないので飲み込んでおく。
 まずは角パットにクッキングシートを切り分けてきっちりと敷き詰める。流石にこの程度ならばメルティにもどうこうできる訳がない。
 隣でフィーアも楽しげな表情で同じように敷いている。うんうん、と頷き蘇芳が次の手順を説明。
 牛乳と生クリームを鍋に入れて温め、後に蜂蜜を入れて溶かす。
「火の扱いには気をつけてねフィーアちゃん」
「はーい」
 元気な返事を返すフィーア。年齢差もあり、娘のように可愛く思える。
 メルティへと視線を移した蘇芳だが、その表情が一瞬固まった。勝手に彼女がココアを入れようとしていたからだ。
「はい、ストップ。勝手に進めないの」
「え、でももういいかしらと思って……」
「進めないの」
 料理には並々ならぬ情熱を持つ蘇芳だ。素人が向上しようとする心意気は買うが、まずやるべきことは先人の説明をきちんと聞き、手順、用量を守り、慣れる事だと彼女は思っている。
 だからこそ、メルティの行動には過敏だった。にこやかな笑顔は崩れないが、迫力は増している。
「は、はい……」
 お嬢様、完全敗北。

■野生児の心
「ミャーコさん、何してるのかな?」
「む、誰なのだ?」
「僕はニゼル。ティティスさんに呼ばれて来たんだ」
 最初は警戒心をむき出しにしていたミャーコだが、ティティスの名をニゼルが口にすると安心したようだ。見せていた牙もすぐに隠れる。
「おねーちゃんの知り合いなのか。ミャーコもよろしく頼むのだ」
「うん、よろしくなのです」
 既に泥まみれになっているミャーコの手だが、ニゼルは気にせずに握手する。古い友だちを思い出すようで、親近感が湧く。
「おねーちゃん達が料理をするというのだ。ミャーコがいいもの持っていくのだ」
 そういう彼女の服のポケットには、いくつかの草が詰め込まれていた。見覚えがあるような、ないような草達。
「それは?」
「体にいい草なのだ。これを使って料理すると元気いっぱいになるのだ」
 口調や行動は野生児のそれだが、ミャーコはミャーコでティティスの事を慕っているのだ。姉と慕うからこそ、元気でいて欲しいという彼女の優しさなのだろう。
 ニゼルはその想いは素晴らしいと思うが、それをそのまま持っていくのは流石にまずいかなぁとも思い、一つ提案する。
「そうだ、今は冬だからちょっとむずかしいかもだけど。お花も一緒に持っていくのです」
「おねーちゃんはそれで喜ぶのか?」
「喜ぶのです、きっと」
 それなら探すのだ、と駆け出すミャーコの後を追いかけるニゼル。これで料理の邪魔はされないし、彼女の欲求は満たされる。いい事づくしだ。

■この世界初のチョコレート
「うん、これで基本形は完成だね。応用としては苦味を増したり、イチゴを混ぜたり。ケーキやクッキーにもできるよ」
「いいですね、ケーキ。次はそれにしましょう」
「クッキーもいいね。普通にクッキー焼いてから溶かしたチョコレートを塗ればいいのかな?」
 昼顔とカイとティティスは問題なくチョコレートを作り上げていた。早速次への構想を練り上げている。
 一方問題児のメルティを抱える蘇芳、フィーア組だが……蘇芳の努力と、フィーアの和みがあってか。なんとか形にはなったようだ。
「うん、初めてでこれなら上出来よー。お疲れ様ー」
「楽しかったー。……あれ、メルティさん、何を……」
 蘇芳が後片付けをしている間に、影でメルティがこそこそしているのを見つけたフィーアが声をかける。メルティの手には何故か米の塊が。
「おはぎのあんこの代わりに使えないかしらこれ?」
「……どうなんだろう? でも物は試しって言うからやってみよー」
 その後二人が大目玉を食らう事になるのは言うまでもない。

「おねーちゃん!」
「ミャーコちゃん、せめて泥落としてから……ああ、遅かった」
 泥まみれのミャーコがニゼルを伴い厨房に駆け込んでくる。後でメイド達の仕事が増えるのは、仕方ない事としておこう。
 そもそも家主の一人であるメルティが彼女を注意しないので……。
「ミャーコ、また泥んこになって……」
「おねーちゃん、これあげるのだ」
 ティティスの苦言を物ともせずに、ミャーコが差し出すのは白い小さな花。ニゼルと二人で探し出してきたものだ。
「バレンタインは、大切な人に贈り物をする日、だからね。こういうのもありだよ」
 昼顔の言葉にティティスは顔を綻ばせる。
「そっか……ありがとう、ミャーコ」
「でも、ミャーコちゃん。貴女はまず体を洗ってきなさいな」
 蘇芳のこめかみがぴくぴくしていたのはきっと、気の所為ではないだろう。ニゼルと昼顔は顔を見合わせ、黙っておく事にした。

成否

成功

状態異常

なし

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