PandoraPartyProject

シナリオ詳細

《狐の嫁入り 第十二幕》少年達の挑戦状

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

■己の力を知りたい者
「なあ、じいさ……いや、団長」
「珍しい。お前がそんなに改まって話とは」
 狐人を中心として、近頃ますます賑やかさを増す城塞都市。都市の治安を守る騎士団の見習いとして修行の日々を過ごす少年ギルは、団長であるスーラクを呼び出していた。
 普段ならば身内であるきやすさから『じいさん』と呼ぶ彼だが、今回は珍しく真剣な顔つきでスーラクを見据える。
「俺に稽古をつけてくれ」
「なーに言っとる。直々に稽古をつけて欲しければもっと精進しろ」
 一刀両断である。普段は飄々としているスーラクだが、実際のところは街の長として政に精を出し、一方で騎士団長として騒ぎを収める荒事担当もこなしている程の実力者だ。
 そんなスーラクだからこそ、当然人並み外れて強い。魔術方面を使っているところを見たことがある者はいないが、彼は武術だけで十二分に強いのだ。
 だからこそ、彼に稽古をつけてほしいとギルは願うのだが。
「それに俺は魔法は使わん。お前は両方を学びたいのだろう?」
「それは、そうだけど……」
「それならば騎士団の連中で良いだろうが」
 この騎士団の面々は武術、魔術を均等に扱える者が多い。どちらか一方に秀でた者の方が少ないくらいだ。それ故に、ギルの師となり得る人物はそれなりにいる。
「でも、何か足りないんだ。俺はもっと強くなりたい!」
「戯け。お前一人強くなったところで何にもならんわ。もっとチームワークというものをだな……お、そうだ」
 そこまで説教しかけたところで、いい事を思いついたとばかりに手を叩くスーラク。
「こういう時の友人、仲間だろう? お前はカイ達を呼んでこい。俺が相手を見つけてきてやる」

■白羽の矢が立ちました
「皆いつもお疲れ様。またいつもの獣人の世界からの招待状よ」
 見慣れた本の見慣れないページを捲りながら、境界案内人のポルックスは集まったイレギュラーズ達の顔を見渡す。
 割とこの世界からやってくる招待状はろくでもない事も多いのだが……。
「ギル君、知ってる人もいるかしら? 彼に稽古をつけて欲しいとスーラクさんからの依頼なの」
 最近何か焦っている風もあるという彼に、仲間の大切さをもう一度教えてやって欲しいとの事だ。
「彼にだって仲間は、友人はいるのにね。一緒に冒険をした素敵な仲間が」

NMコメント

 寒い日が続きますが皆様お元気でしょうか、以下略です。
 今回は騎士見習いの少年、ギル。彼の仲間達とのチーム戦による模擬戦を行って頂きたく思います。
 なお、模擬戦なので全員の通常攻撃、攻撃スキル、ダメージを伴う状態異常全てに【不殺】効果が付与されております。そこのところは気にせず思いっきり戦って下さい。
 以下敵概要

・ギル
 二刀流で戦う魔法剣士。魔法はまだ苦手なままだが、頑張っている模様。
 しかし頑張りが空回りして周囲との連携がうまくいかない状態に。
・カイ
 両手持ちのランスで戦う僧侶娘。僧侶ってなんだよ。
 周囲への気配りが上手。回復魔法に特化しているが攻撃魔法もそれなりに。
・ギルダスjr
 素手で戦うパワフルな猿人の若者。話を聞いて森から出てきてくれた友人思い。
 無口だが周囲との連携を取るのは得意。タフなので前衛を張る。
・ティティス
 相変わらず狐人に变化しているオークの娘。かなりすばしっこく器用。
 今回は連携重視と聞いて、ボウガンによる援護射撃を主軸に。

 フィールドは騎士団が所有する練習場になります。障害物などなく、かなり自由に動き回れます。

 以上となります。
 可能であるならば、参加者の皆さん同士で連携プレイを考えて頂き、ギルに仲間の大切さを叩き込んでやって下さいませ。

 それではよろしくお願いいたします。

  • 《狐の嫁入り 第十二幕》少年達の挑戦状完了
  • NM名以下略
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年01月16日 22時10分
  • 参加人数4/4人
  • 相談4日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (4人)

セリア=ファンベル(p3p004040)
初日吊り候補
回言 世界(p3p007315)
貧乏籤
ジュルナット・ウィウスト(p3p007518)
風吹かす狩人
ボディ・ダクレ(p3p008384)
激情のエラー

リプレイ

■少年への教導
「皆さん申し訳ありません。お忙しいところ無理を申しまして……」
 深々と頭を下げる狐人の少女カイ。見た目はしおらしい僧侶なのに、その手に持つのは両手持ちのランスである。アンバランスだ。
 さておき。今回集まったイレギュラーズ達は、城塞都市の長スーラクからの依頼で少年少女達との模擬戦を行う事に。騎士団が所有する練習場は綺麗に整備されており、障害物もない。支障は何もなさそうだ。
「私達で良ければ全霊でお相手を致します」
 こちらも丁寧な物腰で返すのは『痛みを背負って』ボディ・ダクレ(p3p008384)だ。少々珍妙な見た目ではあるが、言動は紳士的である。
「チームワークだの仲間の大切さだの、ロンリーウルフな俺からは遠い話なんだが……」
 ぼさぼさ頭を掻きながら『貧乏籤』回言 世界(p3p007315)はぼやくが、その実一番パーティーとして重要な役割を担っているのがこの男である。その事を口にすれば「そんなはずはない」って言うのが世界という男なのだが。
「うまくいかない時期ってあるよね。どうしても。うん」
 努力が報われない娘、『初日吊り候補』セリア=ファンベル(p3p004040)はこっそりスーラクから聞き及んでいたギルの現状に共感する。
 ただ彼女の場合は、努力が報われなくてもめげる事なく前を向いて歩けるのが強さなのだが。ギルはどうなのだろうか、と。
「さあ、おじいちゃんたちも連携頑張ろうネ!」
 『風吹かす狩人』ジュルナット・ウィウスト(p3p007518)は元気に声をあげる。普段は自由気ままな狩人である彼だが、戦場では話は別だ。後衛である彼がその腕を思う存分振るう為には、前衛で敵を抑える役目が必要。それをよく知っているからこそ、ギルに教えてあげなくてはと意気込む。

「ギル、余り出過ぎるなよ」
「ああ、わかってる」
「本当にわかっているのかなぁ?」
 一方の少年少女達。妙に雰囲気がおかしいギルを心配してか、ギルダスJrが声をかけるがギルは振り向きもしない。いつもならば、憎らしい笑顔を浮かべて「おうよ!」と返してくるのだが。
 ボウガンの機構を確認しながらティティスも呆れ半分といった感じでため息を吐く。小さな頃から一緒だった四人だからこそ、息はあっている。これからも一緒に支え合っていける、そう彼女は信じていたのに。
「さあ、試合開始といこうぜ!」
 訓練用の剣を構えたギルが、誰よりも早く駆け出す。

「だぁらぁっ!!」
「甘いっ!」
 勢いよく振り下ろされたギルの剣を、世界の不可視の魔具が防ぐ。剣を受け止めた体勢のまま世界の身体が光を放つと、他の三人にも光の加護が降り注ぐ。
「なるほど、加護魔法ですか。ですが、それなら」
「私の出番っ!」
 破魔の矢を番えたティティスが、すぐさまに術者たる世界へ矢を放つ。世界自身の加護は破れる音と共に消え去るも大した問題ではない。彼の狙いは他の仲間を援護する事なのだから。
「ちょっと横っぱらから失礼するわよ!」
 世界と鍔迫り合いの体勢になったギルの側面から、セリアの精神の弾丸が放たれる。目の前の世界しか見えていなかったギルは回避も防御もままならずにまともに食らう事に。
「カイ、ギルを頼む。俺はあの男を抑える」
「わかりました!」
 状況を判断したギルダスJrが吹き飛んだギルの代わりに世界の前に立つ。改めて眼前で見るとやけにでかく見えるな、と世界は内心冷や汗をかく。
 大振りに振り抜かれる拳。いかな世界の強固な防御といえど完全に防ぎ切るには至らない。
 しかしコレでいい。イレギュラーズの目論見まで後少し。
「さぁて、ちょっと張り切っちゃうヨ!」
 雨の如く降り注ぐのはジュルナットの矢。すばしっこいティティスはいち早く動作を察して横っ飛びに逃げる。カイとは反対方向に。
 ギルダスJrは世界の前に。ギルはセリアの魔法で傷を負い、ティティスはジュルナットの矢で距離をとった。カイは今ノーマークだ。ギルへの回復に意識が向いている。
「今です!」
 沈黙を保っていたボディが、その巨体に似合わぬ速度で走り抜ける。まずはギルダスJrに速度を殺さず、むしろ増して拳を叩きつける。
「ぐぅっ!!」
 流石のギルダスJrといえど、この破壊力には怯む。足に力を入れて踏みとどまるが、すぐには反撃に出られない。
「まだまだっ!」
 追撃が来ると思い身構えるギルダスJrだが、ボディの、イレギュラーズの狙いは彼ではない。疾風の如く姿を消したボディが次に姿を見せたのは、カイの背後だ。
「えっ!?」
「少し痛みますが、我慢してくださいね!」
 飛び蹴り。ボディの体重に、速度をかけた強力無比な一撃はカイの身体を折ってしまうかのような威力を叩き出す。
「カイちゃん! こ、のぅ!」
「誘いに乗るなティティス!」
 親友のピンチに怒るティティスが、ボディに対して二発の矢を叩き込む。ギルダスJrが制止しようとするが一足遅い。その矢はボディの身体に深々と刺さるものの、すぐに世界が治してしまう。
「く、そ……カイ、大丈夫か」
 先にカイの治癒魔法で回復したギルが、頭を振ってから今度は逆にカイへの回復に回る。しかし、そんな彼の背中に容赦なく叩き込まれるのはセリアの精神の弾丸だ。
「悪いけども、戦いだからね。隙を見せたら容赦しないわよ」
 ちょっと卑怯な気もするけど、と小声で付け加える。そもそもにして少年少女達は歳の割に強いとはいえ、イレギュラーズ達よりは劣るのだ。それに加えて連携が取れていないとなれば敵ではない。
「意識がバラバラだ……くそ、仕方ない」
 ギルダスJrがなんとか劣勢を取り戻そうと、自陣深くに踏み込んだボディをまずは抑えるべく世界の前から歩を進める。
「おっと、世界クンをフリーにするのカイ? それじゃ、おじいちゃんも遠慮しないヨ?」
 ギルとカイは回復魔法を掛け合っている為に距離が近い。二人に向けて矢の嵐を降らせつつ、素早くティティスへの牽制球も忘れないジュルナット。
「くぅぅ……なんなのあの人!?」
 ジュルナットから時折飛んでくる矢に集中を途切れさせざるを得ないティティスが悔しげに声をあげる。いかな器用なティティスとはいえ、二つの技を同時に扱うなどはできやしない。
 それでも負けたくない一心で、声をあげる。
「ごめん、ギルダス君。今度は大丈夫!」
「おう!」
 ジュルナットの矢を足に受けながらも、ボディの足を殺すべく矢を放つ。ギルダスJrもそれに続いてボディに殴りかかる。
「おっと、これは危ない」
 意識を取り戻したカイへ猛追を繰り出していたボディが、膝を射抜かれ、ギルダスJrに殴り飛ばされ勢いが削がれる。
「ギル、私は、大丈夫、だから……」
「……わかった!」
 かろうじてランスを杖にして立っているカイに諭され、ギルもボディへの攻勢に加わる。訓練用の剣でだが、胴へ一閃。強い踏み込みと共に繰り出す。
「へぇ……中々やるじゃないか。しかし、まだまだ」
 されど、ボディのダメージはすぐに世界が治していく。完治とまではいかずとも、動くには支障がない程度には。
「私を忘れて貰っては困るわよ!」
「おじいちゃんもネ!」
 イレギュラーズも連携ならば負けてはいない。セリアとジュルナット。この世界においても少しは名のしれた二人が同時にギル目掛けて攻撃を放つ。
 その後も数度、攻防を繰り広げ……。

■個人よりも大切なもの
「ちっくしょう……じいさんもこんな強い相手連れてくるなんて卑怯だぜ」
 大の字に寝転がったギルがぼやきながら、世界の治療を受けている。カイは自身の回復で精一杯だったのだ。
 模擬戦を終えて、少年達は皆疲れ果てたようで。休憩をとっている。
「だけど、強い相手だからって逃げる訳にはいかないでしょ?」
 騎士だったらさ、とセリアがどこか意地悪く語る。ぐっ、と言葉に詰まったギルが上半身を起こし、もういいと世界の治療の手を止める。
「遠慮せずに受けとけ。若い頃の怪我はきちんと治さないと歳とってから変な事になるぞ」
 と、世界からの忠告も刺さり、ギルはもう反論する元気もないようだ。
「実力差はさておいて。今回どこが悪かったかはわかるわよね?」
「ギルクンは自分だけでなんとかしようと頑張ッタ。けど、それがいけなかったのサ」
 セリアとジュルナットに諭され、自分の行動を振り返るギル。確かに今回は、真っ先に斬りかかってしまった。本来ならば、相手が強敵とわかっていれば。後衛のティティスに搦手を放って貰って出鼻を挫いてから動くべき。癒し手のカイが倒れればそれまでなのはわかっていた事なのに。
「しかし、実力差と言いますが。君たちの連携攻撃は中々でしたよ」
 実際にティティス、ギルダスJr、ギルの同時攻撃を受けたボディが実感を込めて語る。もっと練度を高めれば、絆を深めれば十分に強敵にも通じるでしょう、と。
「ただ一人強くなっても、より強い敵が現れればそれまでです。ですが、仲間がいれば、違うでしょう?」
「スーラククンだってとても強いケド、騎士団の皆に後ろは任せているダロウ?」
「仲間、か……」
 ギルが、幼馴染の三人の顔を見渡す。三人とも、頷きを返す。
「よっし、そうと決まれば絆を深める為に飯でも食いにいこうぜ。ギルの奢りでな」
「あ、それいいわね」
 世界の提案にセリアが乗っかる。ティティスもいいなー、と乗り気だ。
「え、ちょ、待って!? 俺そんなに金ねぇよ!?」
「私が半分出すわよ、もう……」
「はは、友人というのはいいものですね」
 慌てるギルに、呆れるカイ。二人の様子を見てボディは笑う。自分にも友人というのがいたのであろうか、と。

成否

成功

状態異常

なし

PAGETOPPAGEBOTTOM