PandoraPartyProject

シナリオ詳細

<機神再臨>世界介入Ⅰ

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●終わらなかった物語
 とある物語世界。
 そこでは「正義が悪へと打ち勝つ」という形で、一つの物語が終結しようとしていた。
 
 ーー轟、と風が吹き荒れる。
 大規模なクレーターを作ってしまうような、強力無比な攻撃。
 ビームか、或いは爆弾か。それとも鉄拳そのものだろうか。
 何にせよ、それが放たれた後に残った物は……何もない。
 先程の攻撃を放った所謂”巨大ロボット”たる存在ーー機神に備え付けられたセンサー類が、それを示している。
「敵性体”魔神”の反応消失! やりましたね! これでーー」
「ああ。世界は救われたんだ……!」
 感慨深げに、機神の内部中枢でその躯体を操作していたパイロット達が語り合う。
 これで自分達の役目は終わったのだと。
 これでもう、懸念など何一つないのだと。
 機神は封ずる事と決め、魔神は討ち果たした。
 そう語り合い『エンディング』を迎えて、物語の幕は下りる筈だった。
 そして、本が閉じられようとしたその時。
 ーーそれらはやって来た。
 世界を覆い尽くす程の黒い大群。
 本来は存在しないイレギュラーなモノ。
 まさしく、物語世界を喰らう虫食いとでも評するべき存在が。
 そしてそれらは世界を喰らい、物語の”黒幕”ーー機神の対となるもの。
 つまりは倒されるべきものであり、事実倒れたはずのもの……魔神を再現した。
 そうして再現された魔神は、荒廃から再生しかけようとしていた世界を壊し尽くさんと動き始めている。
 ーーだがしかし、その世界を守る者達は既にいない。
 
 ならば。
 イレギュラーには、イレギュラーで対抗すれば良い。
 ーー故に、この世界は今。
 特異運命座標(きみたち)を必要としているのだ!


●「ーーこの本によれば」
「とまあ脚色や僕なりの言い方はあったけれど、この本は大まかにはそう書かれて……いや、そう書き換えられていた訳なんだ。だからこうして、君達に依頼させて貰ったよ」
 境界図書館、その一角にて。
 優雅にお茶会を楽しみながらイレギュラーズへと依頼の内容を語るのは、境界案内人たる『ホライゾンシーカー』カストル・ジェミニ。
 そんな彼へとちょっとばかし胡乱な視線を君達が向ければ、彼は肩を竦めてまた話し始めた。
「物凄くテンプレート的に終わる筈だった物語だったんだけどね。でも、そうはならなかった」
「どうしてそうなったかは分からない。でも、これだけは分かる」
 その台詞と共に、カストルがお茶会のテーブルを囲むイレギュラーズ達を見回した。

「これは間違いなくイレギュラーな事項で、重要な依頼だ。だから物語への介入は、いくつかのフェーズに分けて行いたい」
 物語への介入ーーつまりいつものようなライブノベルを通した依頼を、いくつもに分けて行おうと言うことらしい。
 「手間こそかかるけれど、黒い大群ーー「バグ」と仮に呼ぼう。それらを完全に排除しきるにはそれしかない」
 その言葉に、君達は同意した。
 そういうことなら任せて欲しい。報酬さえあればやってやる。だとか、様々な言葉がカストルへかけられると、彼はほっとしたように微笑んだ。
「ありがとう。じゃあ、今回のフェーズ……もとい依頼について説明するね」
「今回の依頼の目的は、物語世界の『エンディング』直前で封印された存在ーー”機神”の中枢に到達すること」
「やる事は単純だよ。まず機神は、地下の奥深くに直立姿勢で押し込められている」
 超巨大なエレベーターで昇降させたやつだね、と言われて君達はなんとなく納得する。
 一部なんて、なんか巨大ロボみてえだなあとか思った事だろう。
「そして機神内部に侵入する方法だけどーーこれは直接内部……脳に当たる部分に飛ばせるからカット」
 風情もなにもあったもんじゃねえ。
 が、物語とはシーンチェンジで大抵ワープしているものである。これも物語であるからには、つまりはそれが適応される訳だ。
「脳に侵入したら、移動用の通路を通って中枢のある心臓部まで向かう。それ以降は妨害もあると思うけど……とにかく中枢まで辿り着ければミッションクリアー」
「その時点で一旦帰還できるし、所謂セーブも効く。何せこちらが物語の書き換えをカウンターで返している訳だからね」
 なるほど便利なものだ。
 だが、そういう仕様になっているのはこちらとしては大変有難い。
 ならば全力でやってやろうと君達が意気込み。
「うん、心強いね。ーー僕はそちらへは行けないけれど、応援しているよ」
 そうカストルが見送るのを背に、物語世界へと飛び込んで行ったーー。

NMコメント

コウガネと申します。
ラリーを除外するとこれが初めてのLN執筆となります。よろしくお願い致します。

●今回のシチュエーション
 シナリオ目標:機神の内部中枢到達(到達するだけで構いません)
 サブ目標:内部中枢のある心臓へ向かう為に、妨害を跳ね除けろ!

 ・心臓へ向かう道中には「バグ」が大量発生しています。
 ・「バグ」一体一体はLv1のイレギュラーズに負ける程弱いですが、兎に角数が多いです。
 ・一度イレギュラーズ達を視認した「バグ」は、死ぬまであなた達を追い掛けます。
 ・天井の崩落などのアクシデントで通路が塞がった場合、数分経つとバグが瓦礫を退かして追ってきます。
 ・心臓へ向かう為の整備用通路を通って向かいます。戻る事は考えなくていいので、実質一方通行です。天井や壁が崩せます。
 ・通路はバイクや自転車、馬などに騎乗して戦闘出来る広さです。馬車やクルマでもOKです。
 ・ルート上にはいくつかの小部屋がありますが、その最後の小部屋に所謂ボス(エネミーデータに詳細を記載しています)がいます。
 ・小部屋の大きさは長方形であったり立方体であったりしますが、いずれもイレギュラーズが副行動で移動しても動き回れる程にそこそこ広く、通路と同じく天井や壁が崩せます。
 ・機神そのものは直立不動ですが、通路の重力などに関しては問題ありません。常と変わらず地面に足を着けて動けます。
 ・逃げに徹するなどしてしまえば戦闘をする必要は必ずしもありません。中枢到達が目標です。
 ・脳から心臓へ向かうには、イレギュラーズの基本的な機動力であれば「加速系スキルがフルに発動できる程度には」時間がかかるでしょう。但し何か乗り物に乗って移動した場合はもっと早くなります。

●エネミーデータ
 ・「バグ」
  様々な種類の虫をごちゃ混ぜにして二足歩行にさせたような黒い怪物。全長は120㎝前後。
  一体一体は物凄く弱い。近接攻撃しか出来ません。
  気休め程度ですが物攻と反応は高いです。また、機動力は4です。

 ・バグ・コマンダー
  上述した「小部屋の大ボス」。今回の一番の壁。一体しかいません。
  小部屋に巣食う無数のバグを肉壁にしながらイレギュラーズを倒しにかかってきます。
  戦闘能力は高いです。近接攻撃しかありません。
  HPが高い為タフであり、物攻もある程度備えています。機動力は4です。

●その他
 プレイングに記載するスキル略称・プレイングの書き方などは、こちらに分かる形であれば好きなようにして頂いて構いません。
 シナリオに同行しているキャラの呼称に拘りがある場合は、プレイングにその旨を記載して頂けると幸いです。
 プレイングやキャラクターシートにアドリブNGなどの記載のない場合はアドリブやPC間での会話などが発生します。ご了承ください。

 それでは、良き物語になりますように。

  • <機神再臨>世界介入Ⅰ完了
  • NM名コウガネ
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年12月31日 22時00分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

セララ(p3p000273)
魔法騎士
メルーナ(p3p008534)
焔獣
ブラム・ヴィンセント(p3p009278)
エドガー(p3p009383)
タリスの公子

リプレイ

●機神内部・脳
 機械的なドーム状の空間と、恐らくその出口であろう扉の前にイレギュラーズ達は立っていた。
「ここが、今回の依頼の舞台……ってワケね」
 そう一番に発言したのは、赤い髪の少女ーー『焔獣』メルーナ(p3p008534)。
「いいわねぇ、巨大ロボット! まさか本物の中に入れちゃうなんて思ってもみなかったけど、今回ばかりはイレギュラーズやっててよかったって思っちゃうわ」
 普段は刺々しさを表に出しがちな彼女だが、今回の依頼が琴線に触れでもしたのか珍しく嬉しそうだ。
「確かにその通りかもしれないな。ロボットというものーー理解はできるが驚くばかりだとも」
 彼女に同意するように頷くのは、青い騎士鎧に身を包んだ『タリスの公子』エドガー(p3p009383)である。
 彼の言う通り、所謂中世的な世界から混沌へ召喚されたばかりの彼にとってはそこが物語世界であれ混沌であれ驚くべきことばかりだろう。
「そっ、そうだな! 俺は、ちょっとだけ見覚えあるような無いような気はするけど……どうなってたっけな……」
 そしてこれまた召喚されたばかりの旅人であるブラム・ヴィンセント(p3p009278)。
 彼もエドガーの台詞に相槌を返すものの、少し前から自分が置かれた状況に混乱しているようだった。
「ボクは混沌で悪の組織とか古代兵器とかは見たことあるけど、このロボットみたいなものは全然見たことないね。……さて、それじゃあ準備はいいかな? いっくよー!」
 よっこいせ、と羊のジンギスカン、通称ジンちゃんに跨りながらイレギュラーズに手早く確認を取るのは『魔法騎士』セララ(p3p000273)。
 愛と正義の魔法少女として日々戦う彼女は、皆の取り纏めだって大得意なのだ。
 そうしてセララは出発の号令をかけ、揃って心臓へと繋がる扉の向こう側へと進んで行った。

●機神内部・通路
 通路に突入して数分。
 騎乗可能な動物に乗ってきた者とそうでない者に分かれて進む事にしようと決めた面々を迎えたのは、通路一杯に蠢くバグ。
 一体一体の大きさ自体は然程ではないものの、兎に角数が多い。
 それ故『全て蹴散らしていっては時間がかかる』というのが全員の共通した考えであった。
「だが、前も見えないようでは進めんな!」
 エドガーが緊迫したように台詞を吐きつつ、手に持った大槍で敵を蹴散らし軍馬で踏み潰す。
 槍で貫いたバグの重量を介さず、次のバグをまた突き殺すと言ったような槍捌きを披露しながら、前進は止めていない。
 四人の中でも最も早く遠くへ進める故に、尖兵としての任を買って出たからだ。
 だからそう簡単に足を止めてやる訳にはいかないと、エドガーは馬を加速させながら突撃の体勢へと入り。
「私の全力をお見せしよう。 雑兵如きに止められる私ではないッ!」
 人馬一体とならんばかりの勢いで、愛馬と共に突き進む!

 一方で彼と組んだもう一人……セララもまた、己の持つ聖剣技を駆使してバグを排除していた。
 疲れも見せず元気いっぱいに敵を斬り捨てていたものの、そろそろ打開の頃合いだと感じたらしい。
「いくよ、これがボクの聖剣技! ーーセララストラッシュ!!」
 馬上もとい羊上で取った居合の如き構えから、彼女の愛剣たる聖剣ラグナロクを横薙ぎに一閃。
 振り抜かれた刀身から放たれた衝撃波が、遠方の敵までも届き両断するーー!
「よーしジンちゃん、これで存分に走れるねっ! 駆けよ駆けよー!」
 そうして彼女は愛羊を可愛がりながら、エドガーと共に目的地へ駆け抜けていく。
 残りの二人も、ちゃんと追い付いてくるだろうと確信して。

 さて、後方を走るブラムとメルーナの二人へと視点を変えよう。
「くっ、やっぱり試運転もしてないんじゃ無理か……!?」
 外骨格状の戦闘フォームを纏って通路を走り続けているブラムだが、中々スペックを発揮し切れていなかった。
 とは言え戦闘が完全に出来ない訳でもない。
 ブラッディニンジャとして改造された時に強制学習させられたニンジャ手刀やブラッディパンチを無意識の内に活用しながら、近寄ってくるバグを排除しているのだ。
「うおおお、思ったよりでかい! 殴りたくない! 黒光りしてる『G』じゃなくてよかったけど!!」
 嫌そうな声を上げながら疾走を続けるブラムの横で、メルーナもまた走りながらの砲撃を続けていた。

「ああもう鬱陶しいわねえ! どっから湧いてくるのかしら!」
 精密な狙いがどうとかは関係ない、純粋な大火力。
 それでもってバグの排除をしている訳だが……相手の物量が多く手を焼いていた。
 自分たちの背後の天井を崩したり、前方の敵を吹き飛ばしたりと。あれこれと動くうちに少しばかり、ぷつんと来て。
「ちょっとどいてなさい、ブッ放すわよ! ーーいっけええ!!」
 数秒後。ーー轟、と放たれた赤い光の奔流が通路の前方を満たす。
 光が消えた頃には、進路上にいたバグは塵も残さず消え去っておりーーブラムはちょっとだけバグに同情した。
 メルーナ自身も、はースッキリしたと言わんばかりの晴れやかな表情と少しの疑問を一瞬だけ形作ったものの、その少し後には再度真剣な顔で前を向いて先へ進む。
「そう言えばこのロボット、動かせるのかしら……? いやいや、まずは目の前に集中集中っ」
 情報通りならこの先には強敵が待ち構えているしーー何より、他の二人が先に戦っているだろうから。

●機神内部・小部屋
 それからしばらくして。
 先行して進んでいたエドガーとセララが、いくつか通ってきた小部屋の中でも最後のものとなる小部屋の扉へと辿り着いていた。
「ここにコマンダーが待ち構えてる訳だねー」
 そう言いながらジンちゃんから飛び降りたのはセララ。
 これまでの道程を類稀な視力と透視能力でサポートしつつ、露払いもこなす万能な動きを見せた彼女だが、まだまだ気力は十分と言った様子。
「問題が無ければ、突撃して行っちゃってもいいと思うけど……OK?」
「ああ、まだ往けるとも。……しかし私達だけでは些か無謀かもしれない。部屋に入ったら、他の二人が来るまでに雑兵の排除をしておこうと思うのだがどうだろう」
 そんな問いに対して、受け答えるエドガー。
 仲間達を待ち、最終的に全員で撃破するという姿勢を見せた彼に対して、セララもまた首肯で返す。
 肯定で返してくれたことを確認すると、二人揃って部屋の扉を開きーー内部へ突入する!
 そうしていの一番に吶喊したのはエドガーだった。
 軍馬を巧みに動き回らせ、バグの胴体にあたる部位を的確に貫いては倒す。
 或いは複数体を巻き込んで雷のように突撃し、発生した衝撃波でより多くの敵を巻き込んで。
「勇者達の戦いを無意味な物にしないために……! このエドガー、微力を尽くそうッ」
 そう気炎を上げた彼は、まだ攻撃の手を緩めない。
 そのような動きを繰り返してエドガーが陽動を仕掛けたところで、セララが動く。
「まずは糖分補給の、セララおやつタイム!」
 どこからともなくドーナツを取り出しもぐもぐ。
 咀嚼してから飲み込んだドーナツは、美味しさパワーでもって彼女の全力を引き出した!
 そうして彼女の靴の形状がほんの少し変化すると共に、地上から僅か3mにも満たないだろう低空へ浮かび上がる。
 浮遊とも言っていいその力を使い熟しながら、飛び回り斬撃を繰り返すその姿は頼もしく勇敢で。
 まだまだ負けてやる気なんてない、と言わんばかりの勢いを維持し続ける二人の戦いはより激しさを増しーー。

 ちょうどその頃、メルーナとブラムが小部屋へと到達した。
 小部屋の中に素早く入り込んだ二人は顔を見合わせる。……どうやら戦闘が既に始まっていたらしい。
 ちょっと乗り遅れた気がしなくもないなあとか思う暇もなく、メルーナが大声で叫んだ。
「おーーいアンタ達ー! ちょぉっと射線から退いて貰える!? 特にエドガー!!」
 危ないから! と強く主張したそれがどうにか届いたのか、今まさにボス格たるバグ・コマンダーを引き付けていた彼が素早く射線から退きーーそして、魔砲が点火する。
「チャンバー正常、エネルギー変換良好、ターゲットロック……! 撃てェェェッ!!」
 メルーナがトリガーを引いたその瞬間。
 先程通路で撃ち放った魔砲とは比較にならない程の莫大な熱量が小部屋に溢れた。
 撃った当人が、これで生きているなら本当に凄い、と思うくらいに。
 だがしかし。コマンダーは満身創痍ながらも生きていた!
「ってええ、生きてんのかよッ!?」
 ブラムがツッコミを入れてしまうのも無理はないが、もうボロボロである事に変わりはない。
 あと一発叩き込めば終わりだ、と誰もが思う中で。
 ーー最後っ屁と言わんばかりに、コマンダーが素早くブラムへ襲い掛かる。
「っあ、やべ……」
 走馬灯が一瞬過るも、それも束の間。
「<ブラッディ忍法・死骸空蝉>」
 ドロンという効果音と共にエドガーのいた場所に現れたのは、バグの死骸を使った囮。
 あるのは知っていても、ほぼオートで発動したと言って差し支えない忍法にブラムも困惑したがーーこの瞬間こそチャンスである事に、気付く。
「今だッ!!」
 そう声を発したのは誰だったか。
「雷鳴一閃、ギガセララブレイク!」
「何よりも疾くーーソニックエッジ!!」
「今度こそぶっ飛べ、マジックミサイル!」
「ええっと、えっと……! ブラッディナックル!」
 それを考える間もなくーー四者四様、全員分の必殺技全てを食らい、コマンダーは爆散した。


「じゃあこれを心臓に持って行って、何か手掛かりにならないか試してみようかなあ?」
 戦闘から少し経った後。 
 ひとりこっそりとバグの死骸を探りながら、あれこれと引っこ抜いてはバグの正体を探ろうとするセララ。
 たまに漁ったものの中に何かの宝石らしきものが混ざっているがーーそれの正体が明かされるかは、これからのお話。

成否

成功

状態異常

なし

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