PandoraPartyProject

シナリオ詳細

トナカイさんの勧誘

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

■今回もサンタクロースさんからのご依頼です
「うむ、もうすぐクリスマスじゃのぅ」
 白ひげを蓄えた老人が、赤い衣装の手入れをしながら誰にともなく口にする。もうすぐ12月25日。世界の子供たちが待ちわびていたクリスマスである。
 彼はサンタクロース。神秘に満ちたこの世界では、子供たちのサンタクロースを信じる心が、彼という存在を作って支えている。故に彼は一年に一回、子供たちに恩返しという名のプレゼントをするのだ。
 神と天使から与えられた玩具工場でプレゼントを作り、一夜で配って回る。一時期は色々とトラブルもあったが、『子供たち』の協力もあって今では平穏無事だ。
「おじいさん、呼んだかしら?」
 そのトラブルの一因であった少女……のように見える人形……が、老人の部屋へやってくる。名前はアリス。人間に捨てられた事を長年恨みに思い、その執念で自我と命を得た人形だ。恨みを完全に捨て去る事はまだできていないが、今は落ち着き、サンタクロースの手伝いをして暮らしている。
「おう、アリス。毎日ありがとうの」
「どうってことないわ」
 人形のはずのアリスの頬が、少し赤く染まったのは気の所為であろうか?
 そこを触れるのは野暮だなと考えたサンタクロースが本題を切り出す。
「今日はトナカイくんを呼んできて欲しくての」
「トナカイ?」
「うむ。やはりクリスマスにはトナカイくんに頑張ってもらいたいからの」
 空を飛んでソリを引くトナカイはトナカイなのかという疑問はあるがさておき。確かにサンタクロースといえばトナカイである。それはアリスにもわかった。
「いいわよ、行ってきてあげる」
「怪我をしないように気をつけてのー」
 怪我? と首をかしげるアリス。トナカイを連れてくるだけなのに大袈裟な……という考えは現地で粉砕される。
「でかすぎでしょう!?」

■赤鼻のトナカイとアリス
「ということで、アリスちゃんがピンチらしい」
 境界案内人のカストルが苦々しい表情でイレギュラーズに説明する。何人かはこのアリスのことを知っているのか、急がなければと慌てている。
「落ち着いて。このトナカイは普通のトナカイじゃなく、魔物なんだ。吹雪を起こし、剣を操るトナカイ」
 それはトナカイじゃないというツッコミが上がったが、華麗にスルーされる。
「凍らされてオブジェにされないように気をつけてね」
 なるべく温かい格好を。そう締めくくってカストルはイレギュラーズを送り出す。

NMコメント

 今作は以前の拙作【おもちゃの叛逆とサンタクロース】からの続きですが、前作を読まなくても大丈夫です以下略です
 今回は人形少女、アリスと一緒にトナカイを説得(物理)してください。以下味方NPCと敵詳細

・アリス
 今回は味方。恨みつらみを魔力に変換して行使する人形少女。結構強いです
 特殊能力:玩具使役・玩具支援を持ちます。オールドワン・レガシーゼロ・その他自己申告次第でウォーカーとグリムアザーズは彼女の支援魔法を受けられます。彼女が玩具・機械であると認識できれば支援されます。

・赤鼻のトナカイ
 二本足で立つ筋肉ムキムキのトナカイ。それはトナカイじゃない
 氷の剣と盾を持ち、魔法で吹雪を起こすという魔法剣士タイプ。必然的にフィールドは極寒地域となります。
 吹雪を扱う関係で【凍結系無効】【炎系に弱い】という特性を持ちます。うまく弱点を突けば有利に説得(物理)ができるかもしれません。
 普通に人語を喋れます。やっぱりトナカイじゃない。

・サンプルプレイング
 前衛としてアリスを守る。オールドワン、機械系だから仲間だ。支援頼むぜ!
 吹雪だろうが負けてたまるかよ!

 以上となります。
 この世界の子供たちが待ちわびるクリスマスの為に、人肌脱いでくださいイレギュラーズ。本当に脱ぐと凍えてえらい目にあいますが

  • トナカイさんの勧誘完了
  • NM名以下略
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年12月21日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (4人)

セリア=ファンベル(p3p004040)
初日吊り候補
回言 世界(p3p007315)
貧乏籤
シェリオ・アデラ(p3p007986)
癒やしの魔法人形
コルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)
慈悪の天秤

リプレイ

■名前は大事ですか?
「あ、あなたたち、人間……!?」
 吹雪荒れる極寒の大地。少女人形のアリスの下に駆けつけたのは四人のイレギュラーズ。驚愕に目を見開くアリスと、対照的に豪快に笑うトナカイ……のような何か。
「んじゃま、颯爽と駆けつけてアリスちゃんとやらのピンチを救うとしま……デカくね? なんで二本足で立ってんの?? 恵まれた体しすぎだろぉこいつぁ……」
 シスターらしからぬ口調と得物を手に、キメようとした『シスター』コルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)が唖然とする。人形であるアリスの背は小さい。が、それを抜きにしてもこのトナカイのような何かは大きい、大きすぎるのだ。
「筋肉ムキムキで二本足で吹雪を起こす魔法剣士トナカイ……」
 一体なんと呼称すべきなのか。『初日吊り候補』セリア=ファンベルは小首をかしげる。嵐の夜にちなんでストームナイトとでも呼ぶべきかしらと呟いているが、その名前は危険が危ない。
 隣に立つ『貧乏籤』回言 世界(p3p007315)も呼び名で頭を捻っていた。
「ふぅむ、赤鼻のトナカイか……となれば名前はルドルフ一択だな」
 名前がそんなに重要なのだろうか。というか、恐らく固有名詞はすでにあるはずなのだが……それに突っ込む者はここにはいなかった。何故ならツッコミ役は今ここでボケている世界なのだから。
「はじめまして、アリス! おれはシェリオ、魔法人形のシェリオだよ」
 一方、『癒やしの魔法人形』シェリオ・アデラ(p3p007986)は元気よくアリスに笑顔を向ける。自己紹介に人形、と入っていたこと。そして纏う気質からなんとなく同族だと感じたアリスは幾分表情を和らげる。
「え、ええ。よろしく……って言ってる場合じゃないでしょ」
「くふふ……サンタのじいさんもついにボケたか? お前達五人で俺の相手をする、と?」
 ぶん、と剣で空を切り払いながらトナカイが笑う。その理由はただ一つ。
「誰も俺の剣を受け止めれそうにない、ひょろっちいのばかりではないか!!」
 そう、アリスを含めて五人全員が後衛。前衛で戦える者がいないのである。これではただ蹂躙されるのみ、普通であれば、だが。
 だがそこは可能性の塊のイレギュラーズ。それくらいの事は折込済みなのである。
「御託ばっかり並べてないで、かかってきなぁ!」
 銃口をトナカイに向けて、コルネリアが叫ぶ。その声が開戦の合図。

■魔術師(タンク)
「どれ、軽く捻ってやる!」
 完全に油断しきっているトナカイは、無造作に剣を薙ぐ。それだけの動作だが、トナカイの体格と剣の大きさにより結構な暴力となり一行に襲いかかる。彼にしてみればその一振りだけで腕の一つは斬り落とすつもりであった。
 しかし、予想外の光景が吹雪の中で広がる。
 世界の腕が、なんの変哲もない人間の腕が、巨大剣を受け止めていたのだ。
「……ただのもやしではなかったか」
「それなりには痛いけどな」
 防御術式を全開展開した世界の肉体は、並の盾や鎧よりも頑強だ。その上彼自身が高位の術士である為にちょっとやそっとの傷はあっさりと塞いでしまう。
 今こうして一言交わしている間にも、わずかに開いた傷口を強かに塞いでいく。
「ならば次はもう少し強く……むっ!」
「そっちばっかり見てると怪我するぜっ!」
 世界を盾に、離れた位置からコルネリアが銃弾を一発打ち出す。貫通性能に優れたその弾丸は、トナカイの手にある氷の盾を貫き、穴を開けて彼方へ飛んでいく。
 甘く見すぎた、と盾を構え直すトナカイの周囲に舞う雪を、魔力の弾が溶かし彼を包囲していく。
「雪は冷たいですのー!」
「冬の湖に氷が浮いんたー!」
「寒すぎて水が凍るど!」
 何かを勘違いしたセリアが、(本人的には)熱い迷言と共に魔力弾をトナカイにぶつけていく。誰かツッコミを、早く。
 しかし発するセリフがギャグでも、攻撃はシリアスだ。真面目なのだ。先のコルネリアの弾丸で穴の開いた氷の盾はもろくも崩れ去っていく。
「皆、強いなー!」
「あなたも強いのでしょう? ほら、支援してあげるから見せてみなさい」
 三人の動きに目を輝かせるシェリオを叱咤するように、しかしその一方で彼の支援を行うアリス。彼女に頷きを返し、手にした瓶を掲げる。
 その瓶からは吹雪の中においてなお、輝く光の束が溢れ出し、トナカイの角に絡みつく。
「お、おお……!?」
 何か不思議な力が働いたのか、バランスを崩し膝をつくトナカイ。しかしただの剣士ならばこれで隙ができようものだが、ただの剣士ではない。
「思ったよりはできるようだな……よかろう、ここからは本気で相手する!」
 トナカイの気合に応じるかのように、吹雪がさらに猛烈に、五人の体力を奪うべく吹き荒れる。

■吹雪を越えて
「アリス、俺にも何か支援をくれ」
 全員の身体を凍りつかせる寒さを、真っ向から癒やしの術式で和らげながら世界はアリスに声をかける。しかし、アリスは首を振る。
「駄目よ。あなた、人間だもの」
「実はこう見えて有機素材と未知のテクノロジーを使って作られたロボットなんだ……。え? 嘘を言うなって? ホントホント。セカイ、ロボット、ウソツカナイ」
 とってつけたようなロボ語を口にするが、アリスの目は吹雪よりもなお冷たかった。仕方なく秘蔵のお菓子で買収しようとするが、それも断られる。なお、しっかりお菓子は取られた。
「私の気分の問題じゃなくて、私の力は人形使役だもの……残念ながらさっきから試してるのよ。それで効果がないって事は、あなたは人間」
「……なるほど。ってしっかり菓子は取るのかよ」
 まだあるからいいけど、と。吹雪に凍えながらも世界はごちる。震える身体を手でおさえ、ゆすりながらも襲いかかる剛剣は受け止めなければならない。彼が倒れれば総崩れになってしまうだろう。
 余裕あるように見えて、実際ないのだ。シェリオの回復支援も全力で行使して貰っている。
「世界、大丈夫かい?」
「ああ、まだいけるさ」
 シェリオの方を向き直さず、世界が応える。
「トナカイ、君は別に怒っている訳ではないのだね」
「おう、たまには身体を動かさんと鈍るからな。クリスマス前の肩慣らしよ」
 その割には本気だよなぁ、とぼんやり思いながらも。そこを言い出すとキリがなさそうなので飲み込んだ。
「アリスちゃん、生身は支援してくれないの!?」
「だから無理だって言ったでしょ!」
 トナカイへ銃撃を繰り広げながら、コルネリアは叫ぶ。一方のアリスも、黒の呪いをトナカイに降り被せながら吠える。人間への恨みは薄れたとはいえ、それとこれとは無関係なのだから仕方ない。
 シスター服の上に着込んだスーツのおかげで幾分かは寒さに耐えれているが、それでも厳しくなってきている。時折身体が勝手に震え、狙いが定まらなくなるのに苛立ってくる。
「転んだスケーターを助けーたー!」
「今年は暖冬って油断とう!?」
「逆に寒いわっ!!」
 相変わらず熱い(寒い)ギャグと共に魔法弾を連射していたセリアに、ついにコルネリアが突っ込んだ。この寒さ、恐らくセリアのギャグの威力のせいで1割増しくらいになっていたのではないだろうか。
 しかしギャグは寒くとも、彼女の実力は本物。何発目かもわからない魔弾を受けたトナカイの、角が折れた。
「っつ……! ……くはは、俺の負けだ。シンボルの角が折れるくらいやられちゃあな」
 この一言で吹雪は止み、ようやく五人は人心地つくことができた。

■それでは良きクリスマスを
「ホーホッホッホ、皆、お疲れ様じゃの」
 戦闘が終わったところにサンタクロースが暢気にやってくる。あまりのタイミングの良さに世界とコルネリアは、『図ったなこのじいさん』と内心毒づくが、口にはしない。大人だからさ。
 でも、子供は口にする。だって子供だもの。
「お爺さん……あなた、こうなるってわかってたわね?」
 アリスがジト目をサンタクロースに向ける。いつぞやの邪気も漏れ出ているが、概念存在たるサンタクロースには通じない。
「ホッホ、去年はあの二人に相手させてたんじゃが、物足りんと言われておってのぅ。君たちが来てくれてよかったわい」
「そっか、役に立てたなら良かった!」
 邪気のないシェリオが、皆に温かい紅茶を配りながら笑顔を見せる。彼のその笑顔だけで救われた気になれるのは、不思議なものだ。
 世界秘蔵のお菓子も交え、休憩を入れる。
「そういえばトナカイさん、あなたのお名前は?」
 頃合いを見計らって、セリアが当初からの疑問をぶつける。
「ルシフェル、だ。こう見えて天使の一人なのでな」
 最後の最後でとんでも爆弾を投下された気分になった四人であった。

 別れ際にサンタクロースからプレゼントの入った箱を渡される四人。中身は開けてからのお楽しみ。
 サンタクロースとアリス、そしていっぱいのプレゼントを乗せたソリを、ルシフェルは担ぎ、空を舞う。
「……ああ、ありゃトナカイじゃねぇな」
 とは誰の言葉であっただろうか。

成否

成功

状態異常

なし

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