PandoraPartyProject

シナリオ詳細

おふとぅん おふたぁ おふてすと

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 とある平和な日。
 日は眩しすぎず、風は心地よく、今日も飯が旨い。
 そんな昼下がりのギルド・ローレットでの出来事である。
「皆さん、依頼なのです!」
 ばばーん!
 『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)は、そんな効果音の鳴りそうな仕草と共に依頼書をあなたたちに突き出した。
「「「…………」」」
 集められたイレギュラーズたちは一様に押し黙る。
 ある者は食い入るように、
 ある者は怪訝な顔で、
 ある者は目を点にして、
 ある者はコケそうになりながらも──その依頼書を見つめていた。

『拝啓 イレギュラーズの皆様
 皆さま初めまして。私、とあるやんごとなき御方に仕える執事セバスにございます。
 此度の依頼、受けていただき感謝の念に堪えません。
 
 前置きはここまでに。今回、こうして依頼を出したのは他でもありません。
 皆々様には、森にいる鳥を────集めてきていただきたいのです。
 生死は問いません。しかし、傷は一切付けないでいただきたい。
 難しいことは分かっています。ですが、これは絶対条件です。
 なぜならこの鳥は、たった1つ。主へ至高のものを作るのに使うのです。
 もうお気づきになられている方もいるでしょう。そう。
 ──オフトゥンです。
 主人が最近、これを溺愛致しておりまして。何でも離れられない魔力があるとかないとか。
 私が集めてもいいのですが、どうやら森には危険が付きものな様子。
 どうか私の主人のため、ひいてはオフトゥンのため。
 ご助力のほど、よろしくお願い致します。

 執事セバス』

 なるほど、分かるがわからん。そう言いたげな重苦しい(?)雰囲気が春の空気を蝕んでいく。
 いろいろときな臭いことも起きているこの混沌において、道楽に贅を尽くすのもいかがなものか。しかしそのような貴族が少なくないのもまた事実だ。まさに混沌、カオスである。
 「ようは森で鳥を乱かk……捕獲するだけの、簡単なお仕事なのです! 皆さん、頑張ってください」
 そう締めくくったユリーカは依頼書をしゅぴっと手渡すと、タタタッと忙しそうに走り去ってしまった。
 ぴゅう、と春先の冷たい風がイレギュラーズたちの間を吹き抜ける。
 ……嗚呼、今日も飯が旨い。

GMコメント

 初めまして、鉈(なた)と申します。
 最初の依頼ということで、今回は愛すべき温もりのための依頼を出させていただきました。
 おふとぅんの最上級、至高の「おふてすと」目指して頑張って下さい!
 宜しければご検討の程、よろしくお願い致します。

●成功条件
 最低でもオフトゥンが作れるだけ。
 可能ならできるだけ多くの鳥を「傷付けず」に集め、納品すること。
 鳥の生死は問わない。

●現場
 すぐ近くにある森の中です。昼になると鳥の群れが集まってきます、ぴよぴよ。
 足場が悪い以外、特に危険はありません。
 そう、足場が悪い以外は。
 軽率にコケます。木の根とか土の凹凸とか邪魔です。ご注意を。

●標的
 ・鳥
 どこにでもいるふわもふもっふもふ。
 魔物でも何でもないので、ただの鳥頭。賢くはありません。
 しかし道端の鳩を見れば分かるよう、逃げ足はピカイチを誇っています。
 具体的には空飛んで逃げます。ぼくわるいとりじゃないよ。
 森という環境で、どう大量に捕まえるのか。考えていただければと思います。

●補足
 行動、台詞共にアドリブ描写が入ることが十分にあり得ます。アドリブNGの場合、プレイングにその旨を明記していただけるようお願い致します。
 また、アドリブはOKだけれど、これはやらせないで欲しい! などありましたら可能な範囲で対応しますので、プレイングやステータスシートにてお知らせください。

 大切なのは勢いと出来心。ふわもふを一網打尽にしてくれることを期待しています。

 それではよい冒険を。至高の温もりの中でお待ちしています。

  • おふとぅん おふたぁ おふてすと完了
  • GM名
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年05月23日 22時00分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

Suvia=Westbury(p3p000114)
子連れ紅茶マイスター
リノ・ガルシア(p3p000675)
宵歩
シルフォイデア・エリスタリス(p3p000886)
花に集う
カイン=拓真=エグゼギア(p3p001421)
特異運命座標
ブーケ ガルニ(p3p002361)
兎身創痍
ヨルムンガンド(p3p002370)
暴食の守護竜
弓削 鶫(p3p002685)
Tender Hound
ノースポール(p3p004381)
差し伸べる翼

リプレイ


 その昔。名も知られぬ何者かが、それを作り出したという。
 曰く、その温もりはどんな財よりも素晴らしい。
 曰く、一度捕まれば抜け出すことは叶わない。
 曰く、それには不思議な”魔力”がある。
 曰く、曰く、曰く。

 それの名は、おふとぅん。
 その最上級であり、最高級である。
 伝説の”おふてすと”。
 これは、その”おふてすと”を創り出す為に奮闘した、イレギュラーズたちの物語である──。

●ひとまずは
 規定の集合時間よりは少し早い時刻。
 心地良い風が周囲の草を揺らした。
 季節の花が咲き乱れ、蝶や蜂が群がる様はすっかり春の陽気だ。
 それに加え、太陽は程よい暖かさを森へと届けている。
「ここで横になったら寝てしまいそうなのです……」
 『花に集う』シルフォイデア・エリスタリス(p3p000886)は、ぽかぽかと当たる陽にふにゃっ、となりながらも”おふとぅん”へと想いを寄せていた。
(ふわふわのおふとんがあれば、多少いやな事があっても忘れてしまえるのです。ふわふわ、おふとん……)
 ただただ優しく体を包み込むあの温もりは、至福の一時だ。
 ……勿論、その礎となる鳥たちに対して何も思わないではないのだが。
 だがそこは仕方ない。
 あの依頼書を書いた執事の思いに免じて。
 どうか、許してくれますように。

 心の中で手を合わせるシルフォイデアのすぐ近くで。
 『聡慧のラピスラズリ』ヨルムンガンド(p3p002370)は長閑な森の光景に目を細めながら、ぽつりと呟いた。
「ふわふわのオフトゥン……いいよな……」
 どうやら目に映っているのは森の風景でも仲間の顔でもなく、おふとぅんのようだ。
「あれは、極楽そのものです……」
 それに答えたのは『Tender Hound』弓削 鶫(p3p002685)なのだが……こちらもふわふわおふとぅんを想像したのか、うんうんと頷いている。
(あの温もり、心地良さ……最高です)
 ほんわか鶫である。
 しかしそんなほんわりした空気の中、唐突にヨルは訝し気な表情を浮かべた。
「主の為とはいえ……至高のオフトゥンなんて作ったら、主が出てこなくなっちゃうんじゃないか?」
 至極もっともな意見である。
 執事的にはそれでいいのだろうか?
 主が起きてくるように、至高のモーニングティーでも淹れるのか?
 至高のモーニングティー、至高の朝食、至高の……。
 ……このご時世におふとぅん作りに精を出すような道楽貴族だ。何を考えているかなんてさっぱり分からない。

「仮にも貴族様なら仕事の一つくらいあるはずよね?」
 当たり前、といえば当たり前のことを疑問符付きで口にしたのは『宵歩』リノ・ガルシア(p3p000675)。
 だがこの混沌において、その疑問符は正しい意味合いを持つ。
 
 ”腐って”いるのだ。

 貴族は数多いが、その中で真面目に貴族としての役割を自覚しているのは果たしてどれほどか。
 今回依頼してきた貴族はどうなのか定かではない。
 どちらにせよ、イレギュラーズたちのすることは「依頼の完遂」から変化しないのだけれど。

「でも、ふかふかのお布団って良いわねぇ。やっぱり良質な睡眠には良質な寝具じゃなきゃ」
 夜行性故に少し気怠げではあるが、リノもおふとぅんを思い浮かべて思わず笑みが零れる。
(自分のを用意する訳じゃないから少ぉし残念だけど)
 それでも、報酬と肉のことを考えれば頑張れるというものだ。

 全員が集合したところで、イレギュラーズたちは森へと足を踏み入れた。
 後世に(道楽貴族の家系にだけ)語り継がれる「おふてすと創造者」たちの英雄譚は、ここから始まったのだ。

●れっつらおふとぅん
 森の中でも一際巨大な木。
 樹齢がどのくらいになるのか想像もできないほどの大木に、『年中ティータイム』Suvia=Westbury(p3p000114)は自然会話を試みていた。
 長く森にある木であれば、鳥が集まる場所を̪知っているのではないかと思ったのだ。
「ありがとうございます」
 話を聞いた木にきちんとお礼を言うと、Suviaは周囲の面々に頷いて見せる。
 予想は正しかった。
 長年そこに存在している大木は、その周囲限定にはなるものの、環境を知り尽くしていて……鳥の集まる場所などを細かく把握することができたのだ。
「今調べて来たが、その場所ならこの辺なんてどうだ? 罠も見つかり難い」
 そう言って攻略本に書き込んだ情報を元に提案したのは『特異運命座標』カイン=拓真=エグゼギア(p3p001421)。
 この世界をゲームだと思っている彼だが、だからといって手を抜くことはない。むしろゲームだからこそハイスコアを取りたいと思っているくらいだ。
 百聞は一見に如かず。
 空中歩行バグ(※飛行)を駆使して調べて来た地形情報とSuviaが大木に聞いた情報を照らし合わせ、罠を張るのに効果的な場所を割り出す。
(ゲームにしては原始的な気もするが……これがリアル志向ってことか)
 全てはハイスコアを目指すため。やるからには徹底的に、だ。

 少し離れた場所の上空。
 羽で飛行しながら、シルフォイデアは精霊との意思疎通を試している。
 Suvia同様、森や風の精霊たちに鳥のたくさん来る場所や、よく食べているものを教えてもらおうとしているのだ。
「川辺に、あの木の近く。枝、それに根元……鳥さんたちも、たくさんいるのですね」
 たくさんの精霊から情報を聞き出したシルフォイデアは、このことを伝えるべくまた地上へと舞い戻る。
(罠を張るのも楽じゃないのです)
 羽ばたいた風で、近くの枝や草がカサカサと揺れた。

 『兎身創痍』ブーケ ガルニ(p3p002361)は、皆から聞いた鳥が集まるスポットに果物やお菓子を手際よく置いていく。
 集合する前に、町で購入しておいたのだ。
「羽根布団を森の鳥の羽根で作らはるなんて、流石お貴族様。かなわんわぁ……」
 羽根布団は、通常なら水鳥の羽を使うはずなのだ。
 それを森の鳥の羽根を使うなんて……貴族様の考えることはなかなかに分からない。
 そんなことを考えながら、枝葉の間、根、地面に餌を均等に設置。
 そして勿論、餌を置くだけではない。
 彼はトリモチ代わりの【べとべとしたもの】を取り出すと、ちょうど餌を食べる時に留まるであろう枝や木の根に塗り付けていく。
 森の鳥は、足の強くないものが多い。鶫のモンスター知識でも、その情報は正しかった。
 足を封じてしまえば、後は回収するだけだ。
 べとべとしているのを軽く触れて確認すると、ブーケは笑顔で一つ、頷いた。
 これなら逃げられることはないだろう。
 さて、時間は……
「そっちはどうなん? 終わりそうやの?」

「はい、こっちもそろそろ終わりそうです……!」
 罠の作成をしていた『ゆきのはて』ノースポール(p3p004381)は、ロープを編む手を止めずにそう返事を返す。
 Suviaに教わりながら作っていた罠はもう完成間近だ。
 名付けて『餌を食べてる隙に上から網を被せて一網打尽!』作戦。
 ……いや、罠なのだけれど。
(鳥の獣種としては、ちょっと複雑だけど……依頼だしね。割り切っていかなきゃ)
 よし、と。最後のロープを結び終える。
 逃げられない程度に、尚且つ多くを捕まえられるようにと考えて作ったそれは、想像よりも立派にできたようだ。
「よし、終わりました……! 誰か手伝いはいりますか?」
「それなら、こちらをお願いします」
「はーい、今行きます……!!」
 畳んだテントを手にした鶫の後ろを付いていくノースポール。
 
 森は雨も降る様子は無く、ぽかぽかと暖かい。
 鳥が来るには絶好の天気だ。

 罠の設置は終わった。後は、鳥が来るのを待つだけだ。

●おふたぁ
 ピピピッ、ピピピピッ。
 ピピピピピピッ。

 太陽が生き物の形に陰る。
 餌場にしている森に近づく、鳥の群れがあった。
 それなりに大きく真っ白なふわもふ集団。
 その集団は我先にと森の中へ突入……しなかった。
 それもそのはず。
 戦闘能力を持たない故に外敵の多い鳥たちは、野生の勘だけは鋭いのである。
 いつもと森の様子が少しだけ違うことに気づいてしまったのだ。きゅぴーん。
 が、しかし……。

 ピピッ?

 一羽のふわもふが疑問の声をあげた。
 森の中に、仲間が一羽。既に餌をつついているのだ。

 ジュリリ(あっ、なんだろこれ。食べてみよっと)
 ジュリ! リリリ!(わぁー! おいしい! すごくおいしい!)
 ジュリリリッ!(みんなもたべにおいでよ! はやくしないとなくなるよ!)

 鳥の姿。シマエナガに変化したノースポールである。
 なかなか寄ってこない鳥たちをおびき寄せるため、野鳥になりきっているのだ。
 そんな姿をみた鳥たちはというと──。

 ピピピッ!!!!!(なくなる!! なくなっちゃう!!!!)

 餌を前にしてまで警戒するほど、頭は良くないらしい。
 今度こそ我先にと森に降りてくるふわもふたちを尻目に、ノースポールはそっとその場を離れる。
 ────作戦成功だ。

●おふてすとへの道
 ピピッ、ピピピッ。
 たくさんの鳥たちを従えて森の中を移動するのはヨルムンガンドだ。
 事前に大量に用意した餌を適度に撒きながら、少しずつ罠の方へと誘導していく。
「さぁ……鳥たち。たくさんお食べ……! まだまだあるからなぁ……!」
 最初に差し掛かったのは、土や草に隠された罠────通称、トリモチ網糸。
 着地した鳥が動けなくなるよう、細い糸で編んだ網にトリモチがぺたぺたと塗られている。
 製作者はSuvia。罠設置は伊達ではない。
 鳥たちが気づくのは、足元の餌を頬張り終わった後だ。
 そして後から回収に来るSuviaによって、現実を知ることになる。

 ピ?(あれ? 動けない?)
 ピピ?(あなたも?)

 その罠に引っかからなかったふわもふだけが、餌を撒くヨルムンガンドへと引き連れられていった。
 それでも相当な数がいるのだが。
 イレギュラーズ特製、スペシャルトラップツアーの開幕だ。


 撒かれる餌をつつく道中。
 道の脇の枝葉から、何やらいい匂いが漂ってくる。

 ピ?(なんだろう?)

 一羽が様子を見に行けば、なんと。
 美味しそうな餌が山盛りになっているではありませんか!

 ピピピピ!

 気づいたふわもふたちが一斉に餌へと群がっていく。
 しかし、無念。突如暗くなる視界。

 ピピ!? ピピピ!?

 慌ててももう遅い。
 すぐ近くに忍んでいた鶫は、枝葉でカモフラージュしたテントを回収した。
 呑気に中に入ってしまった鳥を一網打尽にするテント型トラップだ。
「思ったよりも上手くいきましたね」
 少し開けた場所まで来ると、テントから一羽ずつふわもふを取り出し、〆ていく。
 暴れられると羽根が傷ついてしまうからだ。致し方ない。
「これもオフトゥンの為。ごめんなさいね?」
 彼女もまた、オフトゥンの魅力には勝てないということなのか。
 鳥もまさか自分がオフトゥンのためにこうなってしまったとは思いもしないだろう。
 ふわもふよ、許してください。
 どうか安らかに、オフトゥンで。


 少しだけ離れた場所。
 そこで繰り広げられているのは、ちょっとした運動会だ。
「ほら、逃げちゃダメよ」
 トリモチから運よく逃げたふわもふを獣の如く敏捷な動きでジャンプキャッチしたリノは、その場で鳥を〆ていく。
 彼女の森を走る動きに淀みは無い。
 傭兵であり、狩りをする獣種である彼女にとって。森を走って非力な鳥を捕まえることなど訳ないのだ。
 〆た鳥を順次、用意していた袋に放り込んでいく。
 木と木の間に用意していた罠にも、ふわもふは大量だ。
「……何だかお肉屋さんにでもなった気分だわ」
 一匹ずつ鳥を〆ながら、思わずそんな感想を漏らすリノだった。


 ヨルムンガンド一行(命名)が最後に差し掛かったのは、投げ網ポイント。
 地面には既に大量の餌がばら撒かれている。
 
 ピピ!(おいしい!)
 
 上手く一か所に鳥が集まるよう、考えられて撒かれた餌に誘導されるように集合するふわもふ。
「そこだ!」
 ばっさぁ!
 カインが投下した網が広がり、集まった鳥たちに覆い被さった。
 これにはふわもふたちもビックリである。

 ピピピ!!?(なんだなんだ!?)
 ピピ!!(網だ!! 罠だぞ!!!)

 運よく端の方に居た鳥が数羽、空中へと脱走する。

 ピピッ!(俺はもういい、逃げろ! ロバート!)←※妄想です
 ピッ! ピピピッ!(くっ、すまん! 俺だけでも逃げ延びてやる、巣に帰ったら結婚するんだ…!)←※妄想です

 盛大にフラグを立てたふわm……ロバートがそう思ったのも束の間。
「逃がしません」
 羽音がしたかと思うと、視界が突然ぐらりと揺れる。
 空中でトリモチに囚われてしまったのだ。

 ピピピピ!(な、なんだ! やめろ! 俺は帰るんだ!)←※妄想です
 ピ! ピーッ!(ロバート! ロバートォォオ!)←※妄想です

 シルフォイデア特製、Y字型トリモチラケット。
 飛行しながら振ることによって空中の鳥を捕まえられる優れモノだ。
「助かった、サンキュな」
「お互い様なのです」
 二人の見事な連携プレーによって、その場に残ったふわもふは全て捕まったのだった。

●集合場所で
 集合場所では、何故か鍋にお湯が並々と沸かされている。
「やっぱり、この方がよう取れるなぁ」
 湯につけたふわもふからトリモチを取っているのはブーケ。
 そもそも羽毛に使う羽根を毟る前には、熱湯につけるという下処理がある。
 トリモチを取ったり、血を濯ぐにも便利なのだし、下処理も兼ねて浸けてしまおうという寸法である。
「おつかれさまです、どうですか?」
「ああ、順調やわ」
 〆た鳥を持って様子を見に来たSuviaは、関心したように頷いた。
 メイドという職柄、鳥を〆るくらいは簡単にできるのだが。流石にオフトゥンの下処理までは知らなかったのだ。
「すみません、お願いします!」
「任せてなぁ…!」
 罠を巡回してきたノースポールから、ヨルムンガンドは回収された鳥を受け取る。
 鳥の獣種である彼女に気を使っているのだ。
 ノースポールもそれが分かっているのか、小さく頭を下げる。
「あと何羽必要なのかしら? それとも終わり?」
 大量の鳥を〆た肉屋さんリノは、流石に少し疲れたのか誰ともなくそんなことを口にした。
「……ん、このくらい集まれば大丈夫ですね。十分です」
 これに答えたのは鶫だ。
 彼女は事前に、どのくらいの鳥が必要なのかを調べてきていたのだ。
 少しほっとした様子のリノ。だが……
「取ってきた。これで最後か?」
「これだけお願いするのです」
 どさっ。
 カインとシルフォイデアが、何かを彼女の前へと積み上げる。
 袋に入って置かれた大量のふわもふたちに、リノは少しだけ顔を引き攣らせるのだった。

●おふてすと・その後
 ”おふてすと”は無事、完成。
 道楽貴族は今回の仕事にかなり満足したようだ。
 また、ヨルムンガンドが執事に教えた「炬燵」に多大な興味を示したのは、言うまでもない。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

おふとぅんの材料集め、お疲れ様でした。
ふわもふたちを一網打尽にした数々のアイデア、お見事でした。

おふとぅん貴族は今回の仕事ぶりをかなり気に入ったらしく、今後ともローレットに依頼を出すとのことです。
また機会がありましたら、よろしくお願いします。

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