＜Common Raven＞煌めく光の下で

オープニング

●＜Common Raven＞
　大陸中央部に広がる砂漠地帯。
　幻想王国と鉄帝国に隣接したその地帯の一角には、様々な遺跡が点在している。
　そんな遺跡群の一つ『FarbeReise』には、『願いを叶える宝』が眠っており、学者達が永らく調査を行っており、最近『鍵』がある事が判明した。
　その情報を届けたのは、パサジール・ルメスの民であるレーヴェン・ルメス。
　そして、その情報が届けられたラサ傭兵商会連合、『赤犬』ディルクからの遺跡探索の依頼が発せられる。
　Farbe Reiseの遺跡内に存在する、願いを叶える宝『色宝』。
　これを悪用する者達が出る事を見越し、この『色宝』をネフェストで管理する事を決定し、その確保をローレットが確保してくれる事が一番問題が起こらないであろうという考え。
　更にはラサを行き来する商人や冒険者、傭兵達に色宝を確保し、ネフェストへ届けた者へ金一封を周知する事で、持ち逃げされる事も防いだ。
　……そんなラサの作戦により、色宝は着実に、ネフェストへと集まりつつある。

●煌めく光の下で
　様々な『色宝』が集まりつつあるネフェストの一角で、『パサジールルメスの少女』リヴィエール・ルメス（p3n000038）が。
「センパイ、センパイ！　イレギュラーズのセンパイ！！　ちょっと話を聞いて貰えないっすか！？」
　と、ちょっとばかし騒がしく、ラサにて『色宝』探しに手を貸して貰っているイレギュラーズ達を集めている。
　ちょっと困った風な彼女の仕草に、足を止めてくれたイレギュラーズ……そして話を聞こう、と立ち止ってくれた所に。
「ああ、ありがとうっす！　今回も『色宝』の回収依頼なんっすけど……どうもそれを妨害しようとする、困った輩がいるんっすよ」
「その困った輩は、もうセンパイ達も聞いているかもっすけど……『大鴉盗賊団』の奴らっす。こいつらは、頭領のコルボの命で『色宝』をセンパイ達の手から掠め取ってこい、と言われて居る様なんっす」
「勿論、手をこまねいているとそのまま『色宝』が奪われかねないっすから、センパイ達には『色宝』の回収と、『大鴉盗賊団』の撃退をお願いしたいっす！」
　そしてリヴィエールは。
「正直まだ『大鴉盗賊団』の実体は分かって無い所が多いっすけど……でも、色宝を奪われる訳にはいかないっす。本当、宜しく頼むっす！！」
　と拳を振り上げ気合いを入れるのであった。

参加者 : 8 人

冒険が終了しました！　リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧（8人）

リプレイ

●星の灯りの下で
　無垢なる混沌、大陸中央部に広がる砂漠地帯、ラサ。
　その一角に点在する遺跡群『Farbe Reise』。
　遺跡の奥深くに眠る秘宝『色宝』は、願いを叶える力を持つと言われており、最近、ラサの学者達の研究ターゲットになっていた。
　……しかし、願いを叶える『色宝』の噂を聞きつけ、我が物にしようとする『大鴉盗賊団』の存在。
「どこもかしこも色宝色宝と騒がしいこと。とはいえあんまり後手に回ると知人の狐が卒倒しそうだしね……」
　溜息をつく『月夜の蒼』ルーキス・グリムゲルデ（p3p002535）。
　それに『紅眼のエースストライカー』日向 葵（p3p000366）も天を仰ぎながら。
「本当っスよね。まーたあの盗賊団っスか。よく懲りもせずに来るもんだ」
　と肩を竦める。
　『大鴉盗賊団』……最近ラサに出現し、頭角を現しつつある盗賊団の一つである。
　ただ、他の盗賊団との大きな違いが一つ。
　彼らは明確に『色宝』の力を知り、その力を利用しようとしている。
　更にはその力を部下にも利用を許可する事で、その士気を上げているのだ。
「大鴉盗賊団ねぇ……どっちが先に手に入れるか、ってんならまだ分かるけど、わざわざ私たちを狙い撃ちで掠め取ろうとするなんざ、良い度胸にも程があるわ……覚悟して貰うないとね！」
　と『焔獣』メルーナ（p3p008534）が拳を握りしめると、それに葵と『トリックコントローラー』チェルシー・ミストルフィン（p3p007243）、『砂食む想い』エルス・ティーネ（p3p007325）の三人も次々と。
「そうっスよ。後から来てパクってくような汚ねぇ奴らに渡す物はねぇっつぅの」
「お宝に眼のくらんだ盗賊……私を昔攫った奴らを彷彿とさせるわね。またうかり魔剣が刺さっちゃうと思うけど、これはまぁ仕方ないわよね？」
「そうね。別に構わないと思うわ。大鴉盗賊団はここでも邪魔をする……全く、困ったものだわ。でも、絶対渡したりしないんだから！」
　三者三様の思いが巡り、そして『ローゼニアの騎士』イルリカ・アルマ・ローゼニア（p3p008338）も。
「盗賊か……前居た世界では、三桁単位であの世に送ったけど、こっちで戦うのははじめてかも？　ま、今でも嫌いだから徹底的にぶっ潰そう。八つ当たりでごめんね？　向こうの世界の盗賊を恨んでって事で」
　肩を竦めつつも、一際気合いを入れる。
　そしてチェルシーが。
「そうね、仕事はきっちりとするわ。私も盗賊を倒して報酬を得るのが目当てだから、これがウロボロスってやつかしらね？」
　と笑うと、それに『琥珀の約束』鹿ノ子（p3p007279）が。
「ウロボロス……ッスか？　……ちょっと分からないッスけど、でも盗賊を倒せば報酬を得られるのは間違いないッスし、頑張って行くッスよ！」
　笑顔で元気よく拳を振り上げる彼女に、ルーキス、葵も刺激されるが如く。
「それじゃ手早く片付けて、きっちり管理してもらうとしましょうか。法螺吹きのお陰で今日もイレギュラーズは忙しいねぇ」
「そうっスね。まぁさっさと色宝を回収して、思いっきり潰してやるッスよ！」
　とそれぞれが気合いを入れて、イレギュラーズは月夜に輝く遺跡の入口へと急ぐのであった。

●簒奪者
　そしてイレギュラーズは、月夜の光の下の、湖の畔へと到着する。
　湖面は微かに揺れており、穏やかに流れている。
　……だが、そんな湖面をじっと見据えると、湖面の下にゆらり揺らめく洞窟の穴。
「ったく、水中に入口があるとかやめて欲しいんだが。俺のお気に入りの一張羅がびしょ濡れになっちまうじゃあないか」
　と、『貧乏籤』回言 世界（p3p007315）が不満を口にする。
　……とは言え、他に洞窟の入口があるとは聞いていない。
　つまり湖に飛び込み、洞窟の入口に向けて泳ぐほかには無い訳で。
「不満を言ってても始まらないッスよ！　ほら、行くッス！」
　鹿ノ子は胸元に『ディープ・グリーン』の宝石が輝き、更にはその周りには『フクロウの目の護符』を張り付け、洞窟探索の準備は万端。
　彼女が先行して潜水開始すると、他のイレギュラーズも次々と潜水開始。
　……そして、仲間達が先行していくのを見ていた世界は。
「まぁ……一張羅というのは嘘だけど、帰りもここを通るのかと思うとなぁ……今から嫌になってくるぜ。でもまぁ……仕方ねえか」
　諦めたように、世界は準備を整えていく。
　……だが、皆が皆、水がと言うという訳ではなく、エルスは。
「み、ず……」
（「どっ、どうしよう……水は……っく、苦手なんて言ってられないわ。ラサの為だもの！」）
　水に対する恐怖はあるものの……ここは超えなければならない壁。
　そして周りをキョロキョロと見渡して。
（「……あっ！　よし、世界さんにこっそり着いていきましょう！　……見つかったら揶揄われそうだけど！」）
　と、、メルーナは世界の後をついて、離れないように全力で足を漕いで進水。
　……そして洞窟の入口を潜り縫えると、上方に向けて道は延び、そこには空気が満たされた空間へと到達。
「……ぶっはぁ～～……！！　誰よ、こんなとこにお宝隠した馬鹿は！！　あーもう、びっしょ濡れじゃないの……最悪！！」
　と、ブルブルと身震いしながら、耳や尻尾の水気を飛ばすメルーナ。
　まぁメルーナは泳ぎ委が苦手という訳ではなく、背中に背負った大砲が、とても重かったという理由がある。
　そして、次々と水の中から顔を出して、第一関門を突破してくる仲間達に。
「ふぅ……取りあえず第一関門突破っスけど、みんなびしょびしょっスね」
　身に纏った水気を振り落とすようにしながら、苦笑する葵。
　そしてエルスは……かなり精神的には来ている状態ではあるものの、どうにか乗り越えてきて。
「よし、乗り切れた……」
　と安堵の溜息。
　それに世界が。
「おや、結構疲弊している様ですが……大丈夫でしたか？」
　と尋ねると、顔を紅くさせながらエルスは。
「ぇ……あ、な、何でもないわ！！　ほら、盗賊達に色宝を奪われない為にも、早く行くわよ！！」
　と言いながら、進路を指指す。
「そうだな……と、ちょっと待ってくれ。一応、暗所だからな、出来る限りの準備を整えておきたいからな」
　と世界は、携行品の中からナイトゲイザーを取り出し、目に刺す。
　更には簡易式召喚陣から炎の精霊を召喚し、精霊を光源の代わりに使用する。
　一方でイルリカは、バジリスク・サイトで暗視を同じく得て、暗所の視界を確保。
　続いてチェルシーも、発火で灯りを付けて照明の対処。
　一方葵、ルーキス、エルスの三人は、暗視の能力を発動し、視界確保。
　……つまり、この場に居る全員が暗視の力を手にしており、暗所の対策は完璧。
　更には鹿ノ子が、ハイセンスを発動し、周囲に対する警戒網を張り巡らせて。
「良し。それじゃ皆、行くっスよ！」
　と葵が仲間達の先陣を切り、洞窟の奥へと進み始めた。

「……っ」
　そして暫し先陣を歩いていた葵が、ピタリ、と立ち止まる。
　立ち止まったところに、更に鹿ノ子がハイセンスで周囲の状況を察知。
　……シィィ、シィィ……という何か動物の様な鳴き声が、進路の先の方から聞こえてくる。
「恐らくモンスターっスね。取りあえず警戒して進むっス。出来れば反撃される間もなく倒したい所っスからね」
「ああ、野良モンスターなんかに遅れを取ってたまるっもんかってんだ！」
　メルーナが気合いと共に、大砲を構える。
　そして、ジリジリと敵に近づいていき、遠距離攻撃が届く範囲で。
「っし、それっじゃ始めるよ！」
　と、先陣を切って魔砲を撃ち抜く。
　更にはルーキスが。
「やれやれ……折角の住処を荒らして悪いねぇ。でも、先に行かなきゃいけないんだ。さっさとどいて貰うよ」
　と、チェインライトニングを放ち、チェルシーも紫電刻印に電気が伝うカースチェインソードをテクニカルに翻す攻撃。
　そして鹿ノ子も『星の型「天涙流星」』を繰り返す。
　そして生き延びた敵に対しては、エルスの双鎌、衣類かの焔華皇扇、葵のパーフェクトバウンス等が次々と決まり、蜥蜴達を殲滅していく。
「んー……そこまで耐久力がある蜥蜴って訳じゃなさそうっスね。まぁ、この先も油断せずに行くっスお！」
　との葵の言葉に頷き、そしてイレギュラーズは立ちはだかる蜥蜴たちを確実に殲滅しながら先を急ぐのであった。

　そして、イレギュラーズ達は洞窟の最奥部へと辿り着く。
　目前には……暗視と灯りを灯す中に浮かび上がる、洞窟に入ってきた時のような地底湖の姿。
「お、ここの様っスね？」
　と葵の言葉にイルリカが。
「その様だな。取りあえず、色宝確保をしないとな……この地底湖の中にある、だったか？」
「そう……だったわね。誰が取りに行く？」
「ん……それじゃ俺が行くッスよ！」
　手を上げる葵に、イルリカやメルーナも。
「一人じゃ大変だろうし、地底湖も広そうだから、私も手伝おう」
「んー。私も手伝うわ。水中行動は得意だしね」
　と手を上げ、そして三人が次々と、地底湖へと飛び込んでいく。
　地底湖の中をくまなく探し……岩陰で、僅かな光りで瞬く『色宝』を見つけ出すはイルリカ。
「……」
　ただ見つけた後にすぐ確保する様な事はせず、三人は出来る限り近づいて、地上へと浮上。
「これ、かしら！？」
　とイルリカの手に握られていたのは、乳白色に淡く輝く指輪。
「へぇ……すごいわね。一度本物を見て見たかったけど、安心させるような輝きなのね」
　と小さな感動を覚えるルーキス。
　そしてイレギュラーズ達は集まり、外から見えないようにして手を開き、改めて『色宝』の輝きを確認。
（「……これが色宝、か……」）
　と、しっかり世界はその目に焼き付け、それを幻影で作り出す。
「さて、と。それじゃこれはオレか世界、どっちかで補完しておく事にするっスよ！」
　敢えて周りに聞こえるように声を上げる葵。
「それじゃ、これは頼むよ」
　と、世界が作り出した幻影を、手渡す仕草をする。
　一方で、本物の『色宝』は、メルーナの手の内に軽く握りしめるようにする。
　そしてイレギュラーズ達は地底湖から、再び洞窟への帰路を取る。
　……と、そこに。
『その『色宝』はオレ達のもんだ！！』
　と、手に松明を持ち、真っ正面からダガーを投げ放ってくる、『大鴉盗賊団』達。
　ターゲットとされたのは葵……しかし、素早い動きでパッ、と回避する。
　と、それと同時にその手に持った宝飾品の『ハイジャンパー』の石の部分だけをちらりと見せるようにする。
『やっぱりあいつが持ってるみたいだぞ！』
『分かった、あいつを集中攻撃だ！！』
　更に怒濤の勢いで、葵に攻撃を集中させる盗賊達に対し、葵はすぐにそれをポケットの中に入れて隠す。
「見つかったスか！？」
　と驚いた様な仕草をする。
　そして、更に盗賊達は次々とタガーを投げたり、近接して切り刻もうとしてくる。
　そんな盗賊達の不意打ちに対し、チェルシーは後ろに下がりながら。
「そらっ、凍っちゃいなさいよ！」
　と、ソード・グレイシアを迎撃に放ち、更に葵もパーフェクトバウンス。
　二人の迎撃に、マジか、とばかりに目を見開き、僅かに混乱。
　しかし躊躇する事無く、更に前衛のエルスの双鎌、イルリカの焔華皇扇が次々と切り刻み、更には後衛のルーキスと鹿ノ子が間合いを取りつつ。
「さーて悪いけど手加減は無しだ。頑張って抵抗してね」
「そうッスね！　終わりの見えぬ連続攻撃にいつまで耐えられるッスかね！？」
　遠距離からのシムーンケイジと、星の型「天涙流星」の連続攻撃。
　そして世界が、仲間達に対しイオニアスデイブレイクで耐久力を向上させる」。
　……そして、実際に『色宝』を持ったメルーナは、その『色宝』を確りと懐に隠した上で。
「さて、お出ましね……それじゃあ、行くわよ」
　仲間達より目立たないように、ちょっと控えめにチェインライトニングを砲身から撃ち放つ。
　次の刻、流石に本来、大鴉盗賊団の行動は、イレギュラーズよりも遅い。
「嗚呼～絶望の海よ～！」
　と、ディスペアー・ブルーで敵を魅了していくチェルシーに対し、葵もパーフェクトバウンスを重ね掛けし、盗賊達の体力を全体的に削っていく。
　一方、世界は後方から。
「良かったなお前等！　ひ弱な眼鏡モヤシを倒せば簡単に狙いの品が手に入るんだぜ！　なかなかどうして楽な仕事じゃないか！　ご立派な盗賊様様が脆弱な術師に勝てない訳なんてあるわけないもんな！！」
　と幻影で作った指をを大きく掲げて叫ぶ。
『ぬ！？　あいつの方が『色宝』だと？』
『いつの間に……いいや、あいつを集中攻撃だ！』
　葵から世界へとターゲットをシフト。
　勿論、世界の所に行き着くには前に立ちふさがるイレギュラーズを越えていかなければならないので、半数程度が前衛と真っ正面から対峙し、攻撃にて惹きつける。
　そして、後方からダガーを投擲し、世界に向けて投げ放つ。
　……しかし、世界を護るようルーキスと鹿ノ子が間に立ち塞がる。
　そして鹿ノ子が、敵の持つ灯を星の型「天涙流星」で攻撃し、灯りを消すと、ルーキスもチェインライトニングで灯りをメインターゲットに仕掛ける。
　当然灯りがなくなれば、投擲武器の命中力は大幅に減少する訳で……敵後衛は再度灯をつける事になる。
　その間は敵の手数は減る事となるので、その間に敵前衛を集中砲火で攻撃。
　イレギュラーズ達は暗視の対処がほぼされている為、灯りがなければかなりの分がある。
　……そして、そんなイレギュラーズの大量攻撃の前に、耐えきれずに倒れていく大鴉盗賊団。
　残り数体にまでなると……流石に勝ち目無しと判断。
『クソッ……！　ずらかれ！』
　と舌打ちし逃げようとするが、咄嗟に鹿ノ子が花の型「胡蝶嵐」で、手近な一体を不殺の一撃で気絶させる。
　又、別の敵にはイルリカのショウ・ザ・インパクトにて足止め効果を付与し、立ち止らせ、又メルーナのチェインライトニングが、敵を感電させてその場に足止め。
　足止めされた敵の前に回り込み……生き残った全ての盗賊達を、殺さないように注意しながら、着実に気絶させて行った。

●星を見上げて
　そして、『大鴉盗賊団』達を、全て退治したイレギュラーズ達。
　30人居た内の数人は、どうにか気絶状態で踏みとどまり、命の鼓動は微かに残る。
「……さて、と。それじゃ息がある盗賊達は腕をしっかり縛り上げて、と……」
　とエルスがてきぱきと敵を捕縛していくと、メルーナが。
「ん……こいつらをどうするつもりなの？」
　と言うと、それにエルスは。
「罪人はちゃんと裁かなくちゃ！　大鴉盗賊団についても、もしかしたら何か情報を得られるかもしれないでしょ？」
「あー……確かにそうね。それじゃ足も縛っておきましょ。下手に暴れられると困るしね」
　メルーナも手伝い、気絶した盗賊団達を完全捕縛。
　その一方で、徹底的に抵抗した結果、死した盗賊達を簡単ではあるが、弔うルーキス。
　眼を閉じ、手を合わせた後。
「ふぅ……やれやれ。たかが指輪一つに躍起になっちゃってまぁ……」
　肩を竦めて溜息を一つ吐く。
　そして……エルスとメルーナがしっかりと縛り上げた後。
「さて、と……ハイエナ宜しく他が嗅ぎ付けてこないうちにさっさと戻ろうか？」
　とルーキスの言葉に、葵が。
「そうっスね。それじゃコイツらはオレと……世界、一緒に頼めるッスか？」
「ん……ああ、分かった分かった」
　数珠つなぎに繋いだロープの端と端を持って、来た道を戻るイレギュラーズ。
　……出る時も当然、水中を通る訳で……その時に呼吸を出来ず、目を覚ます盗賊達も多数居たのだが……手足縛られていて、ちょっと溺れてしまう。
　そんな酷い目にあっても尚、彼らの罪人の証に変わる事は無く。
　取りあえず命に問題無い事を確認した上で、イレギュラーズ達は大鴉盗賊団を粛々とネフェストに向けて連行していくのであった。

成否

成功

ＭＶＰ

なし

状態異常

なし

あとがき

盗賊退治に参加頂きました皆様、ありがとうございました！
排水トラップの様な出入り口は、盗賊達にとっても半死半生、こりごりな目に遭ってしまいましたが、これくらいの方が罰としては良い……のかもしれません？