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シナリオ詳細

赤い炎鳥と青の神鳥

完了

参加者 : 3 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

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 その鳥は空を飛べなかった。親が死に、自身も翼を怪我したことで飛べなくなった。その結果、その鳥は空を臨むことすらも恐怖したままであった。だが、ある人物との出会いがその鳥を変えた。その人物はマスターと名乗り、空を飛べなくなった鳥に力を与え、炎の翼を与えた。そしてとある島に連れて、その鳥が飛べるように訓練させていき、ついに飛べなくなった鳥は炎鳥として復活を果たした。しかし、炎鳥は気づいていなかった。自身の身がこれまでの、神鳥の子としての身とは大きく変わってしまったことを。そして、知らず知らずのうちにマスターと呼ばれる人物に忠誠を誓うようになったことを……

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 神鳥ペンエラはその気配を感じた。その気配は、すでに滅んだと思っていた自身の兄弟達の気配によく似ていた。だが、自身の勘が告げた。それはかつての兄弟とは似て非なる気配だと。また神鳥としての勘はこう告げた。それはこの世界には本来いない、自身よりも強大な力を持つ存在だということを。そうして神鳥ペンエラは決意する。この世界における緊急時のための措置をとり、自身の兄弟と思われるそれを倒すことを…

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「ペンちゃん……本当にこの時が来たんだね」
 神鳥であるペンエラを愛称で呼ぶその少女の名はカノン。彼女は現在、神鳥に仕える神官としてペンエラのお告げや話をを聞いたりしているのだ。だが、神鳥に仕える神官の本来の役目はそこでは無い。神鳥と心を通わせた神官は世界の危機の際、自身の身を神鳥に捧げることで神鳥に更なる力を与えることができるのである。だが、その力が使われたことはこれまでにはほとんど無かった。だが、ペンエラは薄々気づいていた。自身が神鳥の座に就くことになった要因である人の手によるランティの死、そしてデマによる兄弟たちの乱獲。それらはこのような事態が起こり、力を使うことを予告していたのかもしれない。そのようなことはさておき、ペンエラとカノンの決意はすでに固まっていた。一人と一羽は、自身の身を犠牲にしてでもこの世界を守り切ることを決心していた。

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 さて、ここまで来て残念な話だ。この後ペンエラはカノンの命も使って神鳥としての真の力を使って炎鳥と戦うんだが、炎鳥のあまりの強さに苦戦を強いられてしまっている。もしかしたら、このままだとペンエラが死亡し、世界が滅ぶ可能性があるんだ。そこで、君たちにはペンエラの援護や強化と、可能であれば炎鳥を撃破してほしい。炎鳥はかなりの強敵だが、真の力を解放した神鳥ペンエラと共に戦えば勝てると信じているよ。じゃあ、君たちのご武運を祈ろう。

NMコメント

やあやあ、桃山シュヴァリエです。そういえばこのシリーズもついに三作目です。また、この話は別の話ともリンクしているので、その話に登場した方々も来ていただけると嬉しいですね。

今回の目的
 今回の目的は神鳥ペンエラと炎鳥との戦いにて神鳥を強化したり、炎鳥に攻撃するなどして炎鳥を撃破してください。念のため言っておくと、識別のない広範囲に広がる攻撃スキルなどは使用しないことがおすすめです。

登場キャラについて
 神鳥ペンエラ、カノン
  二人とも『迷子の神鳥と少女の行進曲』(https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/3467)の登場キャラ。なお、その時の話から二人とも成長した模様。

 炎鳥
  前の神鳥であったランティの子供の一人。ペンエラの生き別れの兄弟。マスターと呼ばれる人物によって炎の翼を得るが、その代償に正気を失って実の兄弟に牙をむくことになる。

  • 赤い炎鳥と青の神鳥完了
  • NM名桃山シュヴァリエ
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年11月18日 22時15分
  • 参加人数3/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 3 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(3人)

ロレイン(p3p006293)
回言 世界(p3p007315)
狂言回し
星影 昼顔(p3p009259)
陽の宝物

リプレイ


 境界図書館から転移したイレギュラーズを待ち構えていたのは、ペンエラに使える新館となった少女カノンだ。彼女はイレギュラーズを前にこう言った。
「イレギュラーズ、ですね。実は前にもあなたたちのような方々にペンちゃんを助けていただきました。そして、またこうして助けていただけることに、感謝しております」
 カノンからの純粋な謝辞を聞いた後で『貧乏籤』回言 世界は返事をする。
「まあ、俺はこう見えて何度か世界とやらを救ってはきているからな。安心してほしい」
 こう自信がある世界に対して『得意運命座標』星影 昼顔は緊張していた。
「うわぁ……本当に世界が滅ぶ戦闘かぁ。拙者はレベル1だから期待はしてほしくは無いが、神鳥と世界氏には頑張ってもらわねば……」
 その後イレギュラーズらの自己紹介を終えた後、カノンに状況を説明した。
「では現在の状況ですが、今は炎鳥はこの世界には来ていないようです。ただ、それも時間の問題でしょう。そして私はすぐにでも儀式を行ってペンちゃんを強化しないといけません。なので、それまであなた方は待っていてくださいね」
 どうやら、決戦までは時間があるようだ。イレギュラーズの面々は準備にかかっていった。


 そして暫くして、イレギュラーズはカノンとは別の神官に案内されて、とある平野に来ていた。
「なるほど、これが真の力を解放した神鳥というわけか」
「かっこいい……」
 イレギュラーズの前に現れたのは真の力を解放した神鳥ペンエラだ。巨大な体躯のペンエラだが、その身体が蒼い炎のようなもので覆われている。ちなみに、真の力を解放できるのは心を通わせたカノンだけであり、そのカノンがいまさっきペンエラにその身を捧げたため、これで強化を行う方法はなくなったわけであるが……
「あとは拙者たちが頑張れば……」
「ああ、今回だって世界を救えるはずだ」
 この場で、侵略者である炎鳥と戦うのは神鳥ペンエラだけではない。そんな、戦う者たちの絆が感じられる風が昼顔のギフトで吹き始めたころだった。
「来ましたぞ!恐らくあれが炎鳥でしょう!」
 空から現れたその鳥は、翼だけでなく全身が赤い炎で覆われており、まるで赤くなった今の神鳥といってもいいような姿であった。
「しかし、これだけ高いところを飛んでいるとなると、神鳥に乗せてもらうことになるかもな……」
「じゃあ神鳥、拙者らの乗せてくれる?」
 昼顔のお願いに神鳥は鳴き声で返した。恐らくは了承したのだろう、神鳥はイレギュラーズを乗せて炎鳥のもとへと向かっていった。


「それじゃあ、行くよ!」
「ああ、始めようか!」
 まずは昼顔の軍師としての才と世界のイオニアスデイブレイクによる強化だ。これによってイレギュラーズと神鳥はさらなる強化を得ることとなった。だが、それだけで炎鳥が敗れるはずはない。昼顔はエネミースキャンや戦略眼を使って神鳥に攻撃を避けるよう指示をしたり、避けきれなかった場合は神鳥によるバリアや世界による回復で立て直しを図っていった。そうして戦闘が進んでいった頃であった。
「へえ、お相手さんもそろそろ本気みたいだな」
 炎鳥は上空に移動して、巨大な火球を生成していた。どうやら、この攻撃で戦いにけりをつけるようだ。
「なら、拙者らもとどめと行こう。ただ、拙者には期待しないで。この戦いは、神鳥が自分自身で倒すものだと拙者は思っているから」
 こうして、イレギュラーズと神鳥による最後の攻勢が始まるのであった。


 その鳥は、昔は空を飛ぶことも難しく、むしろ上を見ることや空を臨むことも怖かった。だが、成長し、空を飛べるようになったことでその恐怖は薄れて、空の頂点を目指してひたすら飛ぶようになった。だが、人間によって親がである神鳥ランティが死に、また自身も翼を怪我したことで再び空に恐怖を覚えるようになった。だが、マスターはそんな自分に力を与え、再び空を飛べるようにした。そんなマスターの願いをかなえるため、その鳥、炎鳥はたとえ自分の兄弟に牙をむけてでも、マスターのためにこの世界を滅ぼして、不安因子を減らそうとしていた。だが、いざ戦うと見慣れない者たちも神鳥とともに戦っていた。なるほど、これがマスターが一番に警戒しており、またサンタやリオンを倒したイレギュラーズとやらだ、と炎鳥は察した。そして戦ってわかった。こいつらは確かに強い。だが、それでも自身の最大攻撃を受ければ、例え神鳥によるバリアを張られても勝てるだろう。そう信じて上空で最大攻撃を放とうとしたが……

 突如、自身の視界が黒く塗りつぶされた。

 生成の途中であった巨大な火球はそのまま自分に落ちてきて、キューブごと焼き尽くす。だが、その熱さを感じるよりも、キューブ内にいることによる苦痛が炎鳥を蝕んでいく。そして……

 バリアを張った状態での神鳥による体当たりを食らい、ついに炎鳥は空から落ちていったのであった。


「どうやら終わったみたいだな……」
「では拙者は炎鳥のところに行きます。もしかしたら話ができるかもしれないから……」
 戦いを終えて、昼顔は倒れている炎鳥に近づいた。
「ねぇ、飛ぶのは楽しかった?気持ちよかった?」
 その言葉は、再三飛べなくなった炎鳥に対する嫌味や嘲笑でもなく、翼を持てど飛べなくなった昼顔の、純粋な疑問であった。
 その質問を聞いて、どうするんだ。炎鳥の目はそう聞いているように昼顔は感じた。
「聞いてどうするのかって?……僕自身にもわからない。唯、君が肯定するのなら。もう一度飛べるようになるのも悪くないのかなって」
 そう昼顔が呟くと、炎鳥は立ち上がった。再び戦うのか、世界はその場に駆け寄ろうとしたが、神鳥はそれを制した。
「えっと……背中に乗れ、ってことかな」
 自分に向けて背中を見せている炎鳥の意図をくみ取った昼顔は、炎鳥の背中に乗った。不思議と、背中でも燃えている炎に熱さは感じなかった。そして炎鳥は最後の力を振り絞り、マスターのためではなく、たった一人の少年のために空を飛んだ。
 炎鳥は、なけなしの力で可能な限り、昼顔に空を飛ぶことの快感を教えていった。飛ぶ速さに緩急をつけたり、上空から一気に下降してフリーフォールを味わせてみたりと。まるで自分が飛べなくなる分まで飛んでほしいと。そう伝えるかのように。炎鳥は自分の命が燃え尽きるまで、昼顔に空の楽しさを教えていったのであった。


「はあ、あの魔法使いがいなかったとはいえ、まさか人数が少ないながらも炎鳥を倒すなんて……」
「嬢さん、さっきから気配と殺気が駄々洩れだよ」
 一方その頃、残っていた世界は自分たちを見ていた存在に話しかけた。
「あら、バレていたのですね。では、ここで自己紹介を……ご主人様に使えしメイド、シホ、とでも名乗っておきましょうか」
「なるほど、シホね……それで、要件はなんだ?場合によってはこの俺が戦うが……」
「まあ、戦いたいのもそうなんですが、せっかくいくつもの世界を救ったとかいう貴方がいることです。ここで戦っては恐らくやられてご主人様の情報を吐かされるだけです」
 シホは、いくつもの世界を渡り歩いていた世界のことを知っており、警戒していた。まるで、いつか自分たちの障壁になることを予期していたかのように……
「それに、貴方はこの後また私たちの邪魔をしてくるでしょうから、丁度いいでしょう。いいことを教えてあげますね」
「へえ、次の依頼へのヒントとかだったら有難いね」
「次の依頼、ですか。まあ、あの地に送ったのは私たちの中でも力はかなりのものですが、知性はそんなにあるわけではないのであなたなら楽勝でしょうね。ですが、例えあの地の物を手に入れたとしても状況は大きく変わりませんし、私たちも攻撃の手を緩めません。そして、ご主人様のほうもあるお方と話を進めているようですし……と、少々喋りすぎたようですね。では、私はここで退散させていただきましょう」
 そうしてシホはどこかへ消えていった。世界は彼女の言ったことに行き場のない不安を覚えながらも、次の依頼のことを考えていた。

成否

成功

状態異常

なし

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