＜マジ卍体育祭2020＞特待生チーム対抗障害駅伝

オープニング

●題材の多重追突事故
『皆さん、お元気でしょうか！　バテてませんか？　寒さにやられてませんか？　マジ卍体育祭は未だ興奮が冷めやらぬ中、この競技をお届けできることを我々は光栄に思います！』
　マジ卍体育祭。文化祭から間をおかずして開催予定だったこのイベントは、しかし謎の台風（夜妖）によって阻まれ、今日という日まで延期された経緯がある。それだけに、開催実行委員会は気合を入れて準備をし……そして、この競技に限って言えば相当な準備時間と希望ヶ浜を巻き込んでのものだった分、影響があったりなかったりしたのである。
『そんな次の競技は「チーム対抗障害駅伝」！　障害物競走とリレー、そして特待生と一部教師の皆様に参加頂く関係上、「リレーでは尺が足りない」という大人の事情より駅伝形式となっております！
　ルートは学園内でのトラック数周の間で簡単な障害を経て希望ヶ浜市内に、各所に設置された障害とチェックポイントを回って再び学園へ！　この流れを前半・後半で2度行い、色分けされたチーム毎の得点を加算することとなります！』
　因みに、この『チーム分け』は完全に自己申告制であるらしく、紅白の他にそれぞれ様々なカラーを名乗ってもいいらしい。かなり自由度の高い競技のため、エキシビションマッチに近いと言えよう。
『ですが注意事項が一つあります。同じ色のチームメンバーで複数名の参加を確認できない場合、1人で丸々一周走りきらないといけない、という事態も有り得ます。奇をてらって自分の力に頼るか、はたまた仲間を募って襷を繋ぐかは特待生諸氏の意気込みと戦略によります！』
　まあ大分ざっくりとしているが、こういう競技なのである。

●障害図（飽くまで一例です）
『さて、今回の障害走ではまず、400mトラックで文字通り障害、つまりハードル走に挑んでいただきます。ハードル数個ごとにインターバルがあり、その間にネットくぐりなども含まれます。
　ネットは普通より重く、ハードルも倒れにくくなっているため蹴散らしての前進は不可となりますのでお気をつけください！
　トラックから脱したら市内へ、商店街方面に進んでいただき各々の商店で個別に出される課題をクリアしていただきます。こちらは選択自由！　3つほど障害突破で商店街エリアはクリアです。
　そこから参りまして橋の上、高所平行棒を通過することになりますが……落ちたら川！　大幅なタイムロスが見込まれますので慎重にお願いします！
　その他、障害を経て学園に戻ってきてトラック1周でゴール！　これが前半戦となります！
　前半戦の結果如何で後半戦への影響が大となりますので、皆様ご注意下さい……それでは、競技開始です！』

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第2章

第2章 第1節

●前半結果（実況つき）
「さあ、というわけで鉄帝よりお招きいただきましたわたくしJ・K・平林、元プロデス・テニスプレイヤーのSさんを解説に迎えてお送りいたします駅伝実況、前半が終わりましたがSさん、如何でしょうか？」
『はい、今回は駅伝という体裁をとっておりますがイ……特待生の皆さんは個人技に長けた方々が多く混戦模様となっております。ここで注目すべきは【カ――』
「おっとここで速報です。【カラスジェットブラック】、パン屋のパンを食べ荒そうとしたことでレギュレーション違反及び妨害行為と認定され失格処分がくだりました！」
『え、ええぇ……？　これはいけませんねぇ』
「その他チームは順当に障害をクリア、平均台は妨害合戦になると思いきや自分の実力を見よとばかりの超絶クリーンな展開で転落者なし！　素晴らしいスポーツマンシップです！」
『注目はなんと言っても【わさび色】でしょうか、チームプレイが光ります。第2走者のフィジカルとテクニックの両立による平均台疾走は見事でした』
「【純白】【ラサレッド】のスピードこそ控えめながら安定した走りと【瑠璃】の体力と魅力によるゴリ押しも中々のものでしょう。こうなるとやはり――」
『ええ、【青】の上体を一切動かさない安定した百合歩きは圧倒的でした。美少女用語「範食い（ぱんくい）」とゲーミング美少女ぶりは素晴らしいものがありました。ハンデなのか10先（10本先取マッチ）を挑まれたのは大変なタイムロスでしたがそれでも負けていません』
「【漆黒】は出費が痛そうですが、総合的には無難な走りを見せています。Sさん、こういうケースが一番ダークホースなのでは？」
『違いありません。【漆黒】だけにダークホースですかハハハ』
「ハハハ」

●障害駅伝前半戦結果
１．【青】
２．【わさび色】（+20秒）
３．【瑠璃】（+10秒）
３．【ラサレッド】（±0秒）
５．【純白】（+30秒）
６．【漆黒】（+20秒）
－・【カラスジェットブラック】（失格処分）


　2章は「障害駅伝・後半戦」です。ルール補足。

●後半戦ルール
　学園外周５周してもらいます。
　その間、外周コース内にランダムで『罰ゲーム男』（黒タイツに罰ゲーム内容が張り紙された変質者）が現れますので逃げ切って下さい。捕まると罰ゲーム。
　２章よりの参加者は【漆黒】と同時スタート（【青】から８０秒分のロス）となります。
　なお、失格となった【カラスジェットブラック】に関しては別チームとの合流は可。同一PC別色申請は不可となります。
　希望ヶ浜学園はデカイので外周も相当な距離になります。１人で走るとなると相当キツいぞ！
　２節以降が公開されてから新規チームに合流する、既存チームに合流、新規チームを敢えて立てて捲る。なんでもできるぞ！

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第2章 第2節

●実況（地の文）は平林さんです
「わかっていましたよ。自分に期待されている役回りなんて他の選手を引き立てる噛ませ犬。全力出して醜態晒して無様に負ける、そんな勝利した者を生み出すための踏み台だって……」
「そ、そんなコト無いよ虚さん！？　……でも、そうだね。流石ゴリラフレンズの【青】、ナックルウォークから百合歩きまで完璧だなんて！　でも負けないよ！」
　おっと虚選手は早速のネガティブムーブ！　フラン選手の動揺も当然といえば当然か！　果たして虚選手は競技中に前向きにはなれないのか？　周囲の空気が重い！　クッッッソ重い！
「嘘でしょ！【青】の人のあの動きありえなかったゾ！？　それにいつの間にか【わさび色】に抜かれてるし！」
「ふふん、まだまだ負けないよ！　私はアスリートだからね！」
　だがここにきて【わさび色】に捲られた瑠璃選手のやる気が天井知らずだ！　フラン選手に対する宣戦布告、しかしフラン選手どこ吹く風――強い！
「……え、なに？　会長最初からわさび色だったけど？　みんなラストスパート頑張ろうぜ！」
　おっと、茄子子選手はここにきて【純白】のタスキとはちまきを【わさび色】に塗って、おーっと審判団の登場だ！　即座にタスキとはちまきが交換されました！　寝返り工作は失敗だ！
「え、だめ？　……はい」
「茄子子さんも頑張ろうね！　私（ゴリラ）は誰からの挑戦も受ける……ウホ！」
　フラン選手はアスリート顔負けの気合とゴリラもかくやと言わんばかりの所作が完璧です！　流石のゴリラ力（ぢから）！
（でもこのままじゃ絶対【青】とか【わさび色】に追いつけない！　というか会長じゃ罰ゲームを避けられない！！）
（こうなったら……何でもやってやるゾ！）
（『この手』使わなければ、自分はそれすらできない完全な部外者になる……使う以上、泣き言は許されない！）
　おっと、スタート位置についた茄子子選手、瑠璃選手、そして虚選手の表情が変わりました。これは覚悟を背負っている目です！　果たしてどんな展開になるのか、まず【青】が駆け出した！　続いて【わさび色】フラン選手が飛び出す！
「持久力には自信があるし、揺れる邪魔なものもないし！　何をされても私は走るｙ痛っ！　痛（いった）い！」
「ふふ……もう何でもやって勝ってやるんだゾ！」
　おっと瑠璃選手いけません、いけませんよ瑠璃選手これは――妨害行為か？　だが見えていません！　審判団は首を振った！　フラン選手は気にせず駆ける！　追う瑠璃選手！
「でもこのままじゃ絶対【青】とか【わさび色】に追いつけない！　というか会長じゃ罰ゲームを避けられない！！　助けて！　羽衣教会のみんな助けゲホッ！？」
「この策の為にできることはやっ――ン゛フッ！？」
　おっと、遅れて始動した【純白】【漆黒】双方に異常発生か？！　【瑠璃】の妨害行為が疑われあーっと審判団は首を振った！　これは色仕掛けのせいなのか特待生特有の不思議な力が介在したのか！　希望ヶ浜的には全く分かりません！
　そして【わさび色】【瑠璃】に妨害集団が迫る！　【漆黒】、後先を考えない全力疾走で【純白】を抜くが速力で持久力を犠牲にした走りでスタミナ切れが速い！　しかし既に控えが居る――？！
「アハハ！　これで後は僕の体力に任せていけば僕の勝ち……ってあの変態は何だゾ！？」
「捕まりたくない！　捕まりたくないから……っそぉい！」
　瑠璃選手捕まった！　これは「ゴムパッチン」！　「ゴムパッチン」です！　フラン選手は「生姜とにんにく」！　これは女性にあるまじき罰ゲームだ！　投げても駄目です！
「会長わさび駄目なんだって！　なんだよ、純白のハチマキ配っただろ皆！　会長を助けろよ！」
　茄子子選手は「わさび」！　【漆黒】は次走者が罰ゲームエリアに入ります！　どうなる順位！

成否

成功

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第2章 第3節

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「よぉーし、準備運動すんだーっ！　私ちゃんぶっちぎるぜぇ！」
　ここで【漆黒】は『誓いの緋刃』茶屋ヶ坂 戦神 秋奈（p3p006862）選手にバトンタッチだ！　ペース配分という存在を忘れているかのような走り、これが【漆黒】による策なのか！　人的消費を度外視しなければまず成立しない戦略だが勝算はあるのか？！
「さぁて、人手がいりそうならてを゛かそ゛うか。わさび色、実に俺好みだ」
　後方から爆走する秋奈選手を引き離すように【わさび色】の第2走者は『井の中の蛙』黛・帯刀（p3p009150）選手！　無表情――むしろちょっとワル目の人相はぴくりとも動かさず、罰ゲームを悠然とこなしながら走り続ける！　周囲の悶絶地獄絵図には目もくれない！
「要は、ちらちらしてるあの黒いの゛から逃げりゃあいいのだろう？」
「え？　逃げ切る気なの？　マジで走るかんね？　うおー！！！　え？　この競技でOTOMEな走りする人いるの？　……マジ？」
　秋奈選手、帯刀選手をぐんぐんと追い上げる！　おっとここで秋奈選手も罰ゲーム担当の毒牙にかかるか！
「あ！！！！！！　年末の番組の！！！！！　マジでヤバぺじゃん！！！！」
　ア゛ーーーーっと！　秋奈選手まさかの！　まさかの「鼻からし」です！　そこから張り紙が……？　めくれて……？　おっと「マジビンタ」！　「マジビンタ」追加です！
「あだだだ、タンマタンマ！　グヘェ！！　ぴえん！！！」
　ですが秋奈選手襷を繋いだ！　何人用意してんだ！

成否

成功

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第2章 第4節

●
「さーて、いまのところ、ＴＯＰとはちょっと離されちゃってるのかな……？　これから逆転できると、気持ちよさそうだよね」
　【漆黒】は層の厚さで攻める作戦の模様、第3走者は『ひだまりうさぎ』コゼット（p3p002755）選手！　脚力は第2走者に及ばぬまでも、変幻自在の走りで一気にぐんぐん距離を詰めていく！
　あーっと「そでん」の張り紙を貼った罰ゲーム要員が足蹴にされた！　「ケツバット」、幻覚に突っ込み電柱とお見合いだ！　これは速い！　実際の速力を超える走りで【わさび色】に追いすがる！
「――――」
　しかし、ここで前半戦失格処分となったナハトラーベ選手、まさかの【純白】第2走者にエントリーだ！　第1走者が免罪符をファンサのごとく振り回しているぞ！
　罰ゲーム要員、余りに速い動きで突っ込んでくるナハトラーベ選手にぶつか……らない！　直前で驚くべき機動で避けた！　あれは本当に走っているのか？！
　コゼット選手に肉薄し、一瞬停止からの、これはグースステップか！？　まさかのチェンジ・オブ・ペースの抜き去り劇にわたくしも周囲も鳥肌が収まりません！
「嘘でしょ……！？」
「――――」
　コゼット選手、若干ペースが落ちた！　これは選手交代のタイミングか？　しかしナハトラーベ選手は止まらない、止まる様子がまるで見えない！
　アッ罰ゲーム要員が吹っ飛ばされた！　ナハトラーベ選手は同じく吹っ飛ばされつつも前へと……3回転半ひねりの上で着地だ！　恐ろしい運の良さだ！　まだまだ状況は流動的です！　なんか凄いことになっているぞ！

成否

成功

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第2章 第5節

●最終結果
　ここまでデッドヒートを繰り広げた各チームですが、いよいよもってゴールへと驀進していきます！
　さあ、映えある優勝を手にしたのは――！

１．【純白】
２．【漆黒】
３．【わさび色】
４．【瑠璃】
（以下、後半戦未登場チームが前半戦準拠の並びでゴール）

　この結果についてどう思われますかSさん？
『いやあ面白い結果ですね。罰ゲームのバリエーションが多く、各々引っかかってくれたことで盛り上がりが高まっていた様子が窺えます。また機会があるといいですねえ』
　ありがとうございました。
　それでは今回はこのへんで失礼いたします、御機嫌よう！