PandoraPartyProject

シナリオ詳細

赤い月と吸血鬼

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

▪︎邂逅

「おや?こんなところでどうしたんだ、お嬢さん」
 街に住む青年メグルはある日深い霧の森、通称暗き森の中である美しい女性にあった。
「あら、貴方は優しいのですね……お名前を聞いても?」
「俺はメグルだ。そういう君は?」
「そうですね……トモコ、とでも言っておきましょうか」
「変なやつだな……まあ、いいや。そうだ!あんたも一緒に俺の家に連れて行ってやるよ!こんな場所にいちゃ吸血鬼に襲われて危ないからな」
 メグルの提案、いや発言にトモコは少々迷いを見せたがすぐに受け入れ、トモコはメグルの家にしばらくの間厄介になるのであった。

▪︎陰謀

「何度も言っているでしょう。早くあの吸血鬼共を狩り尽くし、暗き森を手に入れるのです」
「ならこちらも何度も言い返すだけです。例え吸血鬼であっても私たちと同じ人間に変わりはないはず!よってリオン、貴方の提案は受け入れるわけにはいかないです」
 場所は変わりここはメグルの住む街の領主の館。この場所で言い争っているのはこの街の領主フミヅルとその秘書のリオンだ。そして二人が言い争っているわけだが、秘書のリオンはある日から取り憑かれたように深き森への侵攻、そして吸血鬼の殲滅を領主のフミヅルへ懇願していた。しかし、吸血鬼も自分達と同じ人間だと考えるフミヅルは彼女の頼みを断り続けているのである。それが幾度となく続いたある日、ついにリオンは強硬手段に出た。それは赤く光る満月、赤い月と呼ばれる月が出てくる日の前日だった。
「やれやれ、領主もここまで粘るなんて……ですが、それも明日までです。何せ明日は赤い月が出る日。私の真の力を十分に扱える日なのですから……」

▪︎策略

 さて、本日は赤い月が出る日。この日までトモコはメグルの家に厄介になっていたが、そんな安穏な日は突如終わりを告げた。
「おや、客のようだ。誰なんだ、こんな朝早くに……」
「匿っていることは分かっている。吸血鬼を出せ」
 メグルが家の扉を開けると、現れたのは武装した街の兵隊だった。
「吸血鬼?一体どういうことだ、ここに住んでいるのは俺とトモコだけだが……」
「そのトモコとやらが吸血鬼だ!さあ、早く出せ!それとも、領主の命令が聞けないとでもいうのか!」
 兵隊の発言にメグルは困惑する。なにせ、領主は今まで吸血鬼に対して危険視こそすれど、ここまで強硬な手段に出たことは無いからだ。これは何か悪い夢だ。メグルは自分の頬をつねりたい気分だった。
「あら、メグルさん。ところでこの人達は……」
「トモコ!逃げるぞ!」
 メグルはトモコの腕を握り、兵隊を押し出して家を出て行った。そして二人は街を抜け出し、暗き森へ向かうのであった……

▪︎反逆

 と、ここまでがあらすじといったところだね。この状況の背景には『何か』に取り憑かれた領主の秘書によって街の兵隊や領主が催眠状態になってしまったのがあるんだけど、そもそも秘書に取り憑いている『何か』が僕らにもよく分からなくてね……まあ、そんなことはどうでもいいさ。君たちにやってもらうことは、領主と兵隊の催眠を解くために領主の秘書、リオンを撃破すること。そして、この戦いにおける人的被害を最小限に抑えることだ。特に、メグル、トモコ、フミヅルの三人は何があっても殺さない、殺させないことだよ。

NMコメント

こんばんは。桃山シュヴァリエです。今回の戦いでは不殺属性の武器やスキルがグッドエンドには必須なところがあるので注意しましょう。

今回の目的
 今回の目的ですが、やることがかなり多いと思われます。
まず領主の兵隊を暗き森に入れさせないようにすること。なお、暗き森に兵隊が入った場合、メグルとトモコが死にバッドエンドとなります。
 次に領主の兵隊をかいくぐり、領主の秘書を暗殺します。ただし、秘書の近くには領主がおり、領主はかなりの剣の達人です。また、領主を殺害したり、兵隊を多く殺した場合もバッドエンドとなります。そこにも気をつけましょう。

登場NPCについて
 メグル
  街に住む青年。吸血鬼であるトモコを救うため、吸血鬼に助けを求め暗き森へ彼女とともに向かう。
 トモコ
  暗き森に住んでいた吸血鬼。なぜ森の奥の住処から離れたかだが……
 フミヅル
  メグルが住む町の領主。剣の達人で吸血鬼に対しては恐れて入れど一つの人間の形として認めていた。しかし、秘書リオンの手により……
 リオン
  フミヅルの秘書。赤い月の効果で魔術(神秘属性攻撃)を使って攻撃してきます。他の登場人物とは違い容赦なく殺して構わないです。

  • 赤い月と吸血鬼完了
  • NM名桃山シュヴァリエ
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年10月27日 22時15分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

メリー・フローラ・アベル(p3p007440)
虚無堕ち魔法少女
只野・黒子(p3p008597)
群鱗
溝隠 瑠璃(p3p009137)
ラド・バウD級闘士
ロウラン・アトゥイ・イコロ(p3p009153)

リプレイ


 境界図書館からイレギュラーズが転移した場所は街と森の中間にある平原だった。まず彼女たちが行ったことは各自での行動の確認だ。
「では、それぞれのこれからの行動を確認していきましょう。俺は街の中で領主軍を迎え撃つつもりです」
 まずは『群鱗』只野・黒子(p3p008597)が方針を明らかにする。なお、彼は秘書のほうには赴かないつもりのようだ。
「そうね……私はこの平原で敵を迎え撃とうかしら。それと、兵隊を倒しきったら秘書のところへも向かうつもりよ」
 次に方針を言ったのは『躾のなってないワガママ娘』メリー・フローラ・アベル(p3p007440)だ。彼女は秘書暗殺にも力を入れるようである。
「では私は兵隊さんの森への侵入を防いでいきましょう。秘書のほうは他の方々の任せます」
「じゃあ僕は小規模の兵士部隊の撃破だな! あと、秘書については暗殺なら任せてくれ!」
 ロウラン・アトゥイ・イコロ(p3p009153)と『ラド・バウD級闘士』溝隠 瑠璃(p3p009137)の二人は森の近くで兵隊を迎え撃つつもりみたいだ。
「それぞれの行動の確認も終わりましたし……では、行動に移りましょう」
 黒子の号令でイレギュラーズは動き出した。彼らが目指す目標はグッドエンドである。


 その頃、領主の兵隊は町の門に集まりつつあった。十分な数が整い次第暗き森への進軍を開始するようである。そして、その中には領主のフミヅルとその秘書のリオンもいた。
「しかし兵の集まりが遅いな……どこかで道草でも食っているのだろうか」
「そうですわね……まさか、他の吸血鬼がまだこの街に潜んでいるのかもしれないですわね。それか……」
 リオンが考えたのは吸血鬼でも町の人でもない協力者だ。それも、多くの兵隊の集合を遅れさせるほどの能力を持つような人間によるものの……
(とはいえ、私と吸血鬼以外に強い能力がある者がこの世界にいるのかしら……)

 領主の兵隊の集まりが悪い原因、それは黒子による策略の結果であった。秘書から離れてメグルらを探していた兵士たちは、夜というのもあった使用していた照明もあって黒子によって殺されない程度に倒されていったのだ。
「やはり、街中にはそう多くはいませんね……恐らくは領主のところに集まっているのでしょう」
 倒された兵隊は黒子のブレイクフィアーによって回復して催眠も解かれていった。催眠状態が解けた兵士は、突然意識を取り戻せたことによって混乱していたが、それこそ黒子の思惑通りであった。
「皆さん、私は神に遣わされた者です。神は言いました。吸血鬼は殺してはならぬ。その吸血鬼を殺そうとする領主秘書こそが悪なのだと!」
 黒子自身このような演説は慣れてはいないが、先ほど兵士たちを倒す際に使った神気閃光は一般人からしたら神の光ともいえるものであり、それもあって兵士は黒子の言うことを信用したようであった。
 こうして催眠が解けた兵士が協力したこともあって十分な兵が集まっていないまま、領主軍は暗き森に向かうのであった。


 一方、暗き森に入ろうとしているメグルとトモコは森に入る前でロウランに会った。
「あれ? 君はどうしたんだ? ここは危険だ。領主の兵隊が来るぞ」
 メグルはロウランに声をかける。
「ええ、わかっております。ですから、その兵隊さんを止めるためにこの場にいるのです」
 ロウランはそんなメグルの心配はよそに話を進めていく。
「それにしても、月によって強さが変わる魔法……それってむしろ吸血鬼に近いのでは?」
「どういうことだ?」
「もし吸血鬼が人間側も操っているのでしたら、なかなか救えない話ですよね?どうなんですか、トモコさん」
 ロウランは吸血鬼であるトモコに話を振った。
「うふふ、そこに気づいたのはすごいと思いますね。正直な話、あなたの推測は外れてはいないですよ」
 トモコの言葉にメグルとロウランは驚く。なにせ、この争いは本当に吸血鬼同士での戦いだと思ったからだ。しかし、トモコは二人のその考えを否定する。
「ですが、吸血鬼同士、というのはちょっと語弊がありますがね……恐らくですが吸血鬼と私たちを狙っている者はどちらもヒトならざる力を持つものでしょう。そして裏切り者である吸血鬼を始末するために……」
「すみません、兵士が近くまで来ているみたいです。私がここを引き受けますから、二人は森の中へ入ってください」
 トモコの話には気になるところがあったが、今は二人の生存が最優先である。ロウランは二人を森に入らせてから兵隊たちの前に立ちふさがった。
「む、道を開けてくれないか。開けないなら強引にでも通るぞ」
 兵たちたちの隊長がロウランに頼んだ。しかし、ロウランはその頼みを断る。
「ですが、急な指令には準備一日をもらいましょう。準備不足で失敗しましたじゃあ言い訳にもなりませんよね」
「ふむ、道を開ける気はないというか……ならよろしい。皆の者、突撃だぁ!」
「進むのですか。でしたら全員倒れるか朝まで踊ってもらいます」
 こうしてロウランと兵士との戦いが始まった。しかし、一人で大人数を相手するにはロウランには厳しく、結果光翼乱破を使用して多少の死者が出てしまうことになったが、それでも兵士を一人たりとも森に入れさせないことに成功したのであった。


 だが、ロウランが相手していた部隊とは別で森への侵入を試みる部隊もいた。彼らは小規模な部隊となってメグルとトモコを探そうとしていたが……
「くっ、これは毒ガスか……」
「ちくしょう、吸血鬼のやつらはそんな兵器を」
「いや、吸血鬼とは違うゾ!」
 毒が蔓延している空間に現れたのは瑠璃だ。彼女の調合した毒、複合毒「シグルイ」は吸い込んだ者を内側から蝕み、やがて死に至るというものだが彼女は既にこの毒に対する抗体を持っているがゆえに自由に動け、兵士たちの股間を蹴って行動不能にしていった。
「一応殺さないように倒したつもりだけど、この毒強力だから死なないかは運しだいのところがあるんだよんなぁ。今度不殺の広範囲攻撃考えないと」
 そう言いながら瑠璃は倒れた兵士を拘束して毒の届かない場所へ運んでいったのであった。


「はあ……街では兵の集まりが遅かったですし、このまま戦場に出たら他にも邪魔が……本当に何なのかしら。まさか本当に他の世界からの邪魔ものが来ているのかしら」
 リオンは焦りを見せ始めていた。なにせ夜が終わり赤い月が消えれば催眠も強化もすべてが消えてしまうからだ。そうなれば彼女の計画は恐らく失敗に終わるだろう。吸血鬼が街に攻めてきて、自分を殺しに来るだろうから……
 そう考えていた時だった。
「領主様! 吸血鬼を名乗るものが攻めてきています!」
 兵士の一人が本陣に来た。
「なんですって! 仕方がないです、吸血鬼は私が直々に倒しましょう。リオン、ついてきなさい」
「わかりました。領主様」
 こうして、フミヅルとリオンは本陣を出て、吸血鬼を名乗る者のもとへ向かうのであった。

 その吸血鬼を名乗る者、ベールで顔を隠したメリーは慈術を使って兵士を一掃していた。そんなときであった。彼女の目の前に領主と秘書が現れたのは。
「あなたですか。吸血鬼を名乗る者というのは」
「そうね、私のことよ。とはいえ、領主様が来るのは意外だったわね」
「万が一攻めてきたことも考えて剣を持ってきてよかったです。さあ、尋常に勝負……」
 フミヅルが剣を抜こうとした瞬間、メリーは神気閃光を連発して周りの兵士も巻き込んで攻撃していった。不意打ちを食らったフミヅルと巻き添えになった兵士は何度目かの神気閃光で倒れたが、赤い月の力を受け取ったリオンは周りが倒れている中でもまだ立っていた。
「へえ、やるじゃないお嬢さん。いや、魔法使いちゃんって言ったほうがいいかしら?」
「魔法使いちゃん、ね。なんだか別の世界のサンタを思い出すわ」
「ふふ、サンタね。彼女はいい人材だったわよ。けど、別世界の人間に殺されたと聞いた時はかなりショックだったわ。あの子、可愛かったんだけどねぇ」
「あら、知り合いかしら。だったらちょうどいいわ。もう少ししたら再開できるかもしれないわよ。まあ、世界が違うから無理かもしれないけど、ね!」
 メリーが放った不可視の悪意はサンタの最期と同じく心臓を貫き、秘書は倒され戦いは終わった。
「って、もう終わっちゃったんですか!? 僕の出番奪われちゃったゾ!」
 ちなみに瑠璃は秘書の隙を狙っていたがあっけなく終わったため、残念がっていた。そこにどこからか黒子も現れる。
「ですが洗脳は完全に消えたわけじゃなさそうですね……では、後始末と行きましょうか」
 こうして黒子による回復や各々での不殺攻撃で洗脳が解けた兵士達は黒子に協力していた兵士たちの説明もあって状況を理解し、のちに領主とともに吸血鬼に謝罪し、戦いは終結した。しかし、赤の恐怖はとどまることを知らない……
(グッドエンド)

成否

成功

状態異常

なし

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