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シナリオ詳細

<FarbeReise>女盗賊は純白の布に夢を見る

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●所業は盗賊、心は乙女
「願いを叶えるパンツ……いいじゃないか! 絶対に、手に入れるよ!」
 長い銀髪に褐色肌の女盗賊ユメーミル・ヒモーテは、遺跡の調査団がファルグメント――願いを叶えると言われる秘宝――を入手したとの報告を受けると、すぐさま調査団から奪い取ると決めて叫んだ。
 ラサの遺跡群ファルベライズに“願いを叶える”秘宝が眠っているとの噂を聞いたユメーミルは、そのお宝にありつこうと、ある調査団に手下を張り付かせて偵察させていたのである。まさかそれが純白のパンツという事実に困惑しつつも報告に戻った手下は、ユメーミルの反応に再度困惑することになった。「ふざけるんじゃないよ!」と言う罵声くらいは覚悟していたからだ。
「うふふ……そのパンツを穿けば、きっと白馬の王子様がアタシを迎えに……うふふふふふ……」
(まぁた始まったよ……そう言えば姐さんはこんな人だったよなぁ……)
 自分の世界、と言うよりも妄想に浸り、不気味に笑い出すユメーミルの姿に、手下は呆れて内心で嘆息した。
 貧乏な家の出であったユメーミルは、よく言えば夢見がち、悪く言えば妄想癖の強い乙女である。心ならずも盗賊に身を落とし、そこで頭角を示したために頭領となってはいるが、理想は素敵な男性との幸せな結婚だ。
 そして手下達は、何だかんだと言いながらもこの夢見がちな頭領を「姐さん」「姐御」と呼んで慕っていた。

「――さぁ、お前達! 準備をしな!」
「もう準備は整ってますぜ、姐御!」
「馬鹿、何度言ったらわかるんだ! アタシのことは『お嬢様』と呼べと言ったろう!」
 ユメーミルが現実に戻ってきた時には、手下達は調査団を襲撃する準備を全て整えていた。ユメーミルは手下を叱りながら、愛用の“バスター・ビーム・カノン”、練達製の据え置き型のビーム砲を軽々と持ち上げる。
 女性にしては隆々とした身体を使い古した革鎧で包み、巨大な“バスター・ビーム・カノン”を肩に担ぐその姿を『お嬢様』と言うには、どうにも無理がありすぎた。

●例えモノがパンツだろうとも
 時は少し遡り、ギルド・ローレット。
「今回、皆さんにはファルグメントを発見した調査団の護衛をお願いしたいのです」
「おう、いいぜ。ちなみに、モノは何なんだ?」
「それが……パンツです」
「パンツ?」
 依頼を持ちかける『真昼のランタン』羽田羅 勘蔵(p3n000126)に、イレギュラーズの一人が軽く応じる。そして興味本位で今回見つかったファルグメントは何かと尋ねたイレギュラーズの問いに勘蔵がためらいがちに答えると、そのイレギュラーズは困惑に包まれた。
「……まぁ、モノは何であれファルグメントであることには間違いないそうですし、調査団を付け回る怪しい影も見受けられたそうですので、おそらく何者かによる襲撃はあるかと」
 フォローするように勘蔵が告げると、イレギュラーズも「まぁ、仕事だしな」と言った風に自分を納得させて、現地に向かう準備を始めるのだった。

●盗賊団の襲撃
 イレギュラーズ達は遺跡で調査団と合流すると、共にラサの首都ネフェレストに向かう。ラサ傭兵商会連合の決定によって、ファルグメントはネフェレストで管理されることになっているからだ。
 だが、すぐにその前に立ちはだかる影があった。ユメーミルとその手下、十人ほどだ。
「お前達が願いを叶えるパンツを手に入れたことは知っている! アタシの幸せな結婚のために、大人しくそれを置いていきな!
 そうしたら、見逃してやるよ! 無駄な殺しをするつもりはないからね!」
「……幸せな結婚のため?」
 しかし、そう言われて素直にハイと渡すわけにはいかない。頭領の女の語る目的に首を傾げながらも、イレギュラーズ達は得物を手に身構える。
「どうしても、逆らう気かい? だったら行くよ、お前達!」
「へい、姐御!」
「『お嬢様』と呼べ、とさっきも言ったろう!」
 ――どうにも締まらない雰囲気のまま、戦闘は始まった。

GMコメント

 こんにちは、緑城雄山です。PPPと言えばパンツ(?)と言うわけで、今回はこんなシナリオを用意しました。何処か間の抜けた盗賊団の手から、ファルグメントであるパンツを守り抜いて下さい。

●成功条件
 パンツ(ファルグメント)を盗賊団から守り抜く

●失敗条件
 護衛を除く調査団員に死者が出る

●情報精度
 このシナリオの情報精度はCです。
 情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。

●ロケーション
 遺跡付近の砂漠です。辺りは平坦であり、障害物はありません。
 時間は夕方前、天候は晴天。環境により戦闘への影響はありません。
 調査団の先頭とユメーミル達との距離は、50メートルです。

●パンツ
 今回守るべきファルグメントです。純白の、所々レースになっている上品な女性モノのパンツです。
 調査団の団長が所持しています。

●ユメーミル・ヒモーテ ✕1
 盗賊団の女頭領です。ファルグメントの力が単体では微かなものでしかないことを知らず、ファルグメントを奪えば「素敵な男性との幸せな結婚」と言う理想を叶えられると思い、その奪取を試みました。
 思考に残念なところはありますが実力は確かで、その怪力により“バスターランチャー”抜きでも攻撃力は非常に高く、命中、生命力、特殊抵抗も高い水準にあります。一方、回避と防御技術は低めです。

・“バスター・ビーム・カノン” 
 神超貫 【万能】【弱点】【溜】/物至扇(※白兵武器として使用時)
 ユメーミルが過去に手に入れた、練達製の据え置き型ビーム砲です。怪力を持つユメーミルは、これを軽々と持ち上げて携行し、普通に取り回しています。その攻撃が直撃すれば、HPに特化している高レベルイレギュラーズでない限り耐えられないでしょう。
 なお、射程が貫ではありますが、誰かが防御を固めて盾になればその後ろには被害を及ぼすことはありません。これは特殊な「かばう」として扱われ、ビームの射線から守りたい対象との距離は不問とします。
 妙に頑丈であり、射撃のチャージ時間には白兵武器として使用されていますが、そう言うラフな扱いにもかかわらず壊れません。

●盗賊 ✕10?
 ユメーミルの部下達です。一撃の威力は大きくありませんが、命中と回避に長けています。武装は不明ですが、遠近いずれにも対応してくるものと見られています。

●調査団
 ファルグメントを発掘した調査団です。二台の馬車に学者八名、護衛四名が分乗しています。
 縦列で進んでおり、ファルグメントを所持している団長は前方の馬車にいます。
 学者は盗賊に攻撃されれば一撃で死亡します。

・護衛 ✕4
 駆け出しに近い冒険者や傭兵です。実力は低く、護衛の一人は盗賊1人を相手に基本的に2ターン、よくても3ターンしか耐えられません。

 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。

  • <FarbeReise>女盗賊は純白の布に夢を見る完了
  • GM名緑城雄山
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年10月22日 22時01分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (8人)

ラダ・ジグリ(p3p000271)
剣砕きの
桜咲 珠緒(p3p004426)
桜花爛漫
悪鬼・鈴鹿(p3p004538)
ぱんつコレクター
カイロ・コールド(p3p008306)
無益なる浪費こそ最大の贅
マギー・クレスト(p3p008373)
小さな決意
シュヴァイツァー(p3p008543)
宗教風の恋
チェルカ・トーレ(p3p008654)
識りたがり
フラーゴラ・トラモント(p3p008825)
恋の炎に身を焦がし

リプレイ

●女盗賊との対峙
(幸せな結婚……したいよね。あの女盗賊さんに親近感がわくけども……。
 こっちも学者さんが大事だから、遠慮なんてしないよ……)
 女盗賊ユメーミルの言葉に、想い人と幸せに結ばれる光景を夢想して共感した『恋の炎に身を焦がし』フラーゴラ・トラモント(p3p008825)だったが、だからと言って学者を殺されたり、ファルグメントであるパンツを奪われたりするわけにはいかない。
「えっと、女盗賊さん……幸せな結婚のためにって、好きな人はいるの?」
「なっ、急に何なんだ!? い、今はいないが、いつか白馬の王子様が迎えに来てくれるって……」
「えっ? いないの……? ……それは恋愛の土俵にすら立ててない、それ以前の話だよ……」
 フラーゴラはユメーミルに急接近すると、想い人の有無について尋ねる。まがりなりにも戦闘が始まろうという所にそんな問いを投げかけられて困惑するユメーミルだったが、ポッと紅く顔を染めて答えた。だが、そこにフラーゴラは辛辣な――少なくとも夢見る乙女にとっては――を投げつける。
 さらに、ラブレターの束をわざとらしく落としてから拾い上げる。
「あっ……ワタシ好きな人いるのに、困っちゃうな……」
 フラーゴラがこうしてモテる女を装ったのはユメーミルを挑発するためだったが、それは見事に効いた。
「くっ……よくも! ちょっとばかりモテるからって、それをアタシに見せつけやがって……!
 こうなったら、アンタだけは生かしておかないよ! こいつの一撃で、消え去りな!」
 既にユメーミルの頭は、ファルグメントを奪うことよりもフラーゴラを倒すことで一杯になっている。ユメーミルが、“バスター・ビーム・カノン”の砲口をフラーゴラに向けて撃とうとしたその時。
「味方をやらせはしませんよ。こう見えても、耐久力には自信があるんです。
 その巨砲はどれほどのものでしょうか。血が騒ぎますねえ」
 “バスター・ビーム・カノン”の射線に、『果てのなき欲望』カイロ・コールド(p3p008306)が割って入り、身を守る構えを取った。
 放たれた光の奔流が、カイロごとフラーゴラを押し流さんとする。だが、カイロに衝突したところで、光の奔流は四方八方に拡散して消滅した。
「……なるほど、常人ならひとたまりもありませんでしたね」
 カイロの服は破れ、中に縫い込んであるマジック・インゴット――防御術式を付与した金塊――が露出する。“バスター・ビーム・カノン”の一撃は確かにカイロの身体に強かなダメージを与えたのだが、カイロを倒すには至らなかった。
「……そんな馬鹿な! “バスター・ビーム・カノン”の一撃を耐えきる奴がいるなんて!」
 一方、“バスター・ビーム・カノン”であらゆる敵を撃ち倒し、その威力に絶対の自信を持ってきたユメーミルは、“バスター・ビーム・カノン”で倒せない敵がいたという事実に明らかに動揺していた。

(幸せ、とは……ひとのぱんつ奪って手に入るものなのでしょうか。
 珠緒は日々、愛する方に喜びや嬉しさをいただいていますが、ぱんつは奪っていないので……別物……?)
 普段行動を共にしている、『二人でひとつ』とも言える「愛する方」がこの場にいないせいか、『恋する奇跡』桜咲 珠緒(p3p004426)はユメーミルの言葉からそんなことを考えてしまっていた。
 だが、雑念に囚われていてはいけないと、珠緒は目前の戦闘に集中し、前に出る。自身もカイロと共に、“バスター・ビーム・カノン”の攻撃から馬車や仲間を守る盾となるためだ。カイロと交代で盾となれば、チャージの間があるのも含めて長く持ち堪えることが出来るだろう。
(唱えませ。『心は消え、魂は消え去り、全ては此処にあり』。此処にて、為すべきことを)
 “バスター・ビーム・カノン”の前まで来た珠緒は、カイロに治癒魔術を施していく。“バスター・ビーム・カノン”の威力の大きさ故に、全快にはまだまだ遠いものの、それでもカイロの受けたダメージはいくらか癒えており、その動きは治癒魔術を施す前よりも良くなっていた。
「次の砲撃は、私が受けます。回復を交えつつ、交代で受けていきましょう」
「ええ、わかりました」
 珠緒の提案に、カイロが頷く。これで、“バスター・ビーム・カノン”への備えは整った。
(色宝は本当に様々な形をとるようだけど、よもや女性物の下着とは……どうしてそうなったのか、興味がある所だ。
 後ほど調査団の人間とその辺の話をするためにも、まずはこの状況をどうにかしないとな)
 『探求者』と称される『探求者』チェルカ・トーレ(p3p008654)は、研究のためなら飲まず食わずでぶっ倒れるのが日常茶飯事なほどの研究者肌だ。依頼であるのはもちろんのことだが、それ以上に湧き起こった探究心を満たすためにも、ファルグメントも学者達も守り抜くつもりだ。
「君は、充分素敵な女性だと思うよ。まるで砂漠に気高く可憐に咲く銀色の花の様だ。
 そんな君がどうしてこんな事をしているのか、今まで色々あったんだろうね……。
 だが、ここからやり直して生き直す事もきっと出来るさ。
 だからどうか、君たちのこれからの為に、どうか武器を納めてはくれないかい?」
 チェルカはまず人の姿を取り、ユメーミルの説得を試みる。これで応じてくれれば、戦う必要はなくなるのだ。
「ええい、うるさいうるさい! アタシ達のこれからと言うんだったら、お宝のパンツをよこしやがれ!」
 だが、頭に血が上っているユメーミルはチェルカの説得を一蹴する。やむをえないと、チェルカは戦う覚悟を決めた。

●伏兵への対処
(確かに、ファルグメントは様々な形状だとは聞いていた。
 聞いてはいたんだが……どうしてそうなって、こうなった?)
 ファルグメントが純白のパンツであったこと、さらに「幸せな結婚」を理由に盗賊がそのパンツを奪いに来たこの状況に、『剣砕きの』ラダ・ジグリ(p3p000271)は内心で嘆息していた。
 しかし、依頼は依頼である。ラダはすぐさま気を取り直し、事態の対処に当たる。
「学者達は馬車の中に、護衛も半々に分かれて馬車についてくれ。まずい時はすぐ呼べよ。
 そして、色宝を奪われそうになっても命が優先だ。もし奪われても、宝は私達が取り戻すから」
 護衛を含む調査団の面々に手早く指示を出したラダは、『小さな決意』マギー・クレスト(p3p008373)と『宗教風の恋』シュヴァイツァー(p3p008543)に目配せをする。
「調査団の中には、裏切り者はいません」
「しかし、左右から挟まれている。それぞれ、十人ほどだ」
 マギーは、調査団の中に盗賊が紛れ込んでいたり、あるいは盗賊達に通じている者がいないかを、エネミーサーチで探り、シュヴァイツァーは鳥の使い魔を飛ばして、上空から馬車の周囲を俯瞰させ、伏兵がいないかを探った。二人は、それぞれの結果を調査団員には聞かれないように小声でラダに告げる。
「何かあると思ったが、やはりか……シュヴァイツァーは右を頼む。マギーは私と、左に当たってくれ」
 ラダの指示にシュヴァイツァーは頷くと、馬車の右方向にいる盗賊達に向けて駆け出していった。それを見届けたラダは、左方向から迫って来た盗賊達に、鋼の雨を降らせる。
「ぐあっ!」
「ぎゃあっ!」
 五人ばかりが、鋼の雨に深手を負い、砂の上に倒れ伏した。
(噂のファルグメント……まさか、あんな形のものがあったなんて。
 幸せな結婚のためにそれが必要と言われては少し心がひけますが、結婚だけが幸せではない、とボクも自分に言い聞かせてるので、はい!)
 過去に婚約破棄をされたことのあるマギーとしては、幸せな結婚をしたい、そのためにファルグメントを奪おうというユメーミルの心情はわからないではない。もっとも、純白のパンツ単体ではその力は微々たるものであり、ユメーミルに幸せな結婚をさせるほどの力は無い。それに何より、依頼として護衛を引き受けた以上、ファルグメントをユメーミル達に持っていかせるわけにはいかなかった。
 『Eosphorus』と『Hesperus』の二丁の銃で、マギーは鋼の雨の外にいた盗賊の一人に向けて発砲し、その盗賊の足を止める。
「結婚はな、確かにしたいわな。解るよ」
 お嫁さんを夢見るシュヴァイツァーとしても、ユメーミルの願望は理解出来なくはない。しかし、願いが叶う宝に夢を見るのは勝手だけれども、人の命を奪ってまでその宝を得たいものかとシュヴァイツァーは思う。ともあれ、ユメーミルが願望のためにファルグメントを欲しようとも、シュヴァイツァーとしては「はいそうですか」と渡せる道理はなかった。
「俺が特異運命座標、シュヴァイツァーだ。まとめて相手してやるから、かかって来い」
 シュヴァイツァーの名乗りもさることながら、砂漠の中で純白のウェディングドレスを着てガスマスクを被るというその出で立ちは、はっきりと盗賊達の目を引いた。馬車の右から迫る盗賊達は、馬車ではなくシュヴァイツァーに向かって、わっと群がっていく。

●パンツを奪いに来た女盗賊が、パンツを奪われることになるなんて
 数を頼みに三方向からの襲撃を試みた盗賊達だったが、イレギュラーズ達を突破することは出来なかった。一番の突破力を持つユメーミルの砲撃はカイトと珠緒に交互に止められてしまっている。しかも、カイトも珠緒も仮に直撃であってさえ一度は耐えきれるほどのタフネスを持つ。その上に、自ら回復でダメージを癒やし、あまつさえ強かに反撃さえ行ってユメーミルに傷を負わせてくるのだ。
 左から迫っている盗賊達はラダの鋼の雨とマギーの射撃の前に全て倒れ、右から迫る一団はシュヴァイツァーに足止めされる一方で、シュヴァイツァーからの攻撃やチェルカがカイロや珠緒への回復の合間に降らせてくる雹によって、その数を六人にまで減らしていた。
 フラーゴラはユメーミルを狙って猛攻を仕掛け、ユメーミルを庇って代わりに攻撃を受けた盗賊を三人まで倒している。

(幸せな結婚の為かなんか知らないけど、貴重なぱんつを狙うなんて言語道断なの!
 あのぱんつはぱんつコレクターたる鈴鹿が狙ってた物なの!
 それを守る為に今は死力を尽くす時! なの)
 『ぱんつコレクター』悪鬼・鈴鹿(p3p004538)は、馬車の後方から戦場を大きく迂回しながら、ユメーミルの後方に回り込んでいた。ところで、ファルグメントたるパンツはネフェレストで管理されることになっているため、鈴鹿のものにしてしまってはハイ・ルールに背いてしまうのだが、それはさておき。
 ユメーミルも盗賊達も目前の敵との戦闘中であり、気配を殺して戦場を迂回する鈴鹿には注意を払っていなかった。つまり、鈴鹿のギフト『真・パンツ脱がすの術』の発動条件は整っている。
「パンツカモン!」
 そう叫んだ鈴鹿の手には、両サイドを紐で結ぶ対応の白いパンツがあった。
「姐御のぱんつ、盗ったど―!」
「……キャアアアアア! イヤアアアアア!」
 高らかに叫ぶ鈴鹿の声に振り返り、その手にあるものを目にしたユメーミルは、股間に在るべきものがないことを感じ取ると、絹を裂くような悲鳴を上げる。
「……ひっ、ひどい……。ひっく……えっぐ……。もう、お嫁に行けない……」
 女性にしては隆々とした体格であり、盗賊に身を落として頭領をやっているものの、ユメーミルは幸せな男性と結ばれることを夢見る乙女である。パンツを奪われたという羞恥にぺたりとその場にへたり込むと、両手で顔を覆い泣き出した。
「おのれ、よくも姐御を泣かせやがって!」
「許せねえ! そのパンツを返せ!」
 敬愛する姐御を泣かされた盗賊達は怒りに駆られ、ファルグメントなど何処吹く風とばかりに鈴鹿を追いかけ始めた。ファルグメントを狙ってイレギュラーズ達の前に現れた時よりも、鬼気迫っている盗賊達。
「さらに、お前たちのお目当てのぱんつもこの中のどれかにあるの!
 クックックッ! 欲しくば鈴鹿から力づくで盗ってみるがいいの!」
 鈴鹿はそんな盗賊達を煽るように、乙女のぱんつとレオンのぱんつとシェアキムのぱんつを取り出してひらひらさせつつ、馬車から離れるように走り出した。実際にはファルグメントは調査団の団長が持っており、鈴鹿の言はブラフなのだが、頭に血が上った盗賊達はそんなことには気付きもしない。と言うよりも、ユメーミルのパンツを取り返すのが最優先になっていた。

●降伏、その後
 へたり込んで泣き続けるユメーミルに、逃げる鈴鹿を追う盗賊達。鈴鹿以外のイレギュラーズ達はどうしたものかと困惑したものの、とりあえず盗賊達を全員戦闘不能に追い込んだ。盗賊達の人数はそこそこ残っていたが、盗賊達は鈴鹿を追うことに熱中していたため、簡単に片付いた。
「さて、お嬢様。もう止めにしないか? 戦うどころじゃないだろう。
 恋のチャンスは生きている限り転がっているものだが、死んだらそれっきりだぜ」
「ほら、もう泣かないで。君の部下はもういないし、私は君と戦いたくない。
 今度こそ、武器を収めてくれないかい?」
 残るはユメーミルのみとなったところで、シュヴァイツァーとチェルカはユメーミルの説得を試みる。ユメーミルは二人の説得に、無言でこくりと頷いた。

 ユメーミルを含めて、盗賊達は捕縛された。
「ぱんつ取ってごめんねなの……幸せな結婚出来る様に祈ってるの」
 そう言いつつ鈴鹿がユメーミルに渡したのは、ユメーミルのパンツではなく乙女のぱんつだった。
「あの……アタシのパンツ、返して……」
 真っ赤になり、か細い声で抗議するユメーミルだったが、鈴鹿は風の如く逃げ去った。仕方なしに乙女のぱんつを穿くことにしたユメーミルは、逃げないからパンツを穿く間だけ戒めを解いて欲しいと懇願。
 それを容れたイレギュラーズ達は、一度ユメーミルにかけた縄を解く。そして、鈴鹿を除く女性陣が壁となって、男からユメーミルが見えないように隠した。
「あの秘宝を自分で使う事を考えてるようだが、あれ一つではスリ傷を治すくらいしか効果がないぞ。
 苦労や望みに見合った効果とはとても思わないがね」
 その最中、ユメーミルが知らなかった事実をラダが告げる。
「じゃあ、アタシがパンツを取られたのは……骨折り損だったってことかい……」
「まぁ、そう言うことだ」
 がっくりと項垂れるユメーミルに、ラダは頷いた。
「アナタは、『幸せな結婚』がしたいんだよね?
 どんなにお金持ちでもイケメンでも好きじゃなかったら幸せになれないと思うから……まずは好きな人を探そうね」
「そうです。色宝に頼ったとしても、ボクみたいに婚約破棄されてしまうのがオチです……えぇ。
 つまり何が言いたいかというと、自力で真摯で誠実で裏切らない素敵な男性を探しませんか?」
 続いて、フラーゴラとマギーがパンツを穿き終わって再び縄についたユメーミルに話しかける。
「……アタシに、見つけられるのかねえ。その前に、アタシ達がどうなるかだけど……」
「お前、意外といい女じゃないのよ。色宝なんか無くても、すぐに結婚できるぜ。
 お前も手下も悪いようにはしねえから、今は生きな」
「ああ。更生の機会を得られるように、便宜を図って貰うべく尽力しよう。
 やり直して生き直す事もきっと出来ると言ったのは、嘘じゃない」
 相手を見つけられるかどうか、それ以前に自分の今後がどうなるかを不安がるユメーミルに、シュヴァイツァーとチェルカが応じる。
「今更かも知れませんが、その実力ならば傭兵にでもなった方が良いのでは?
 強い傭兵はラサ民にモテますよ~」
「……そうですね。盗賊ではなく、傭兵団に鞍替えすべきでは?
 豪商や貴族の護衛で出会いがあるかもですよ?」
 ユメーミルが安堵したところで、カイロはユメーミルの今後について提案を行い、珠緒も血を吐きながらもその提案に賛同する。
「なるほどねぇ……アタシ達が許されたら、その道も考えてみるよ。
 それで、白馬の王子様に出会えたら……うふふふふ……」
 しみじみとした口調で、カイロと珠緒の提案にユメーミルは答える。そして、ユメーミルは傭兵となった自分が素敵な男性と巡り会う様を夢想し、自分の世界に入っていった。

 ユメーミル達のその後であるが、イレギュラーズ達の、特にチェルカの尽力の甲斐あって、処刑されたりすることはなかった。しかしながら無罪放免ともいかず、監視を受けながらネフェレストにて数ヶ月の間奉仕活動を行うという罰が下される。元より心ならず盗賊に身をやつしていたユメーミル達は、処刑されずに助かった喜びに加え、奉仕活動の期間中は衣食住が保証されると言うことがあり、嬉々として奉仕活動に従事したと言う。

成否

成功

MVP

悪鬼・鈴鹿(p3p004538)
ぱんつコレクター

状態異常

なし

あとがき

 シナリオへのご参加、どうもありがとうございました。まさかユメーミルがパンツを奪われる側になるとは、全く想像だにしていませんでした。

 MVPは、ユメーミルのパンツを奪った鈴鹿さんにお送りします。

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