シナリオ詳細
冒険イレギュラーズ!
オープニング
●三行でわかる冒険イレギュラーズ
「海だーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
「船がーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
「サバイバルだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
これまでのあらすじ!
イレギュラーズたちお友達六人衆は外洋遠征もめでたく成功したし夏らしく島でバカンスきめようぜってことで無人島へとやってきた。
「プライベートビーチばりに独り占めね! おニューの水着をお披露目するチャンスだわ!」
やっほーといってシャツを脱ぎ捨て波打ち際へと走って行く黄瀬 紅葉 (p3p008322)とリディア・T・レオンハート (p3p008325)たち。
「待ってください、準備運動がまだですよ! もう!」
「はしゃぐのも無理ないわ。今年の夏祭りはあっちこっちで忙しかったもの」
ルチア・アフラニア (p3p006865)もルチアでいそいそとチャイナ風の水着に着替えてさんさんと降り注ぐ太陽のしたへと現れた。
アニメだったら特典映像になりかねない水着サービスシーンの連続に、海パン一丁のミヅハ・ソレイユ (p3p008648)と咲々宮 幻介 (p3p001387)はドシリアスな顔をしていた。
三秒ほど浅瀬で水をかけあって遊ぶ美少女たちを眺めたあと、顔を見合わせてただただゆっくりと頷きあう。
「なにを、している?」
エクスマリア=カリブルヌス (p3p000787)が二人の後ろからすっと顔を覗かせた。
「いやいやなにも! な!?」
「然様然様あー拙者も海で泳ぐとするでござるかなー!」
突然体操をはじめる二人に、エクスマリアはハテナマークを(頭髪をつかって)浮かべて小首をかしげた。
今日の予定は無人島キャンプ。
海といえば海洋王国だろってことでコネのある偉そうなひとにワンチャン話をしてみたら『余ってるリゾート島あるから別にいいよ』と無人島ツアーを手配してくれたのだった。
ピンとこないかもしれないが、貴族や富豪むけのリゾートサービスとしてある程度整備された無人島にキャンプグッズを持ち込んで一通り遊ぶというものがあり、その一角に招待してくれたという格好である。
しかし彼らは忘れていた。
船は行きと帰り、両方を手配する必要があるということ。
そして現地には木で出来た最低限のロッジしかなく、食料はもとより寝袋やテントすら自前で持ち込まねばならないということに!
そして新たにひとつ、気づいたことがある。
「あ……」
のっしりと波打ち際にあがってきたワニザメが、着替えやおやつの入ったリュックサックのほとんどをばくりとかじったまま海へと戻っていったこと。
「「…………」」
全てを思い出し、そして現状を理解した六人。
ここで頭を抱えて転げ回るのは簡単だが……。
「いや、これはチャンスよ! 一度無人島サバイバルってのをやってみたかったの」
「まあ、食料だってとれないわけじゃないし、生きようと思えばそう難しくないわね」
紅葉とルチアがいきなりポジティブをかましはじめた。
つられる形でなるほどと手を打つミヅハと幻介。
「島の内側はほぼ森になっているでござる。ということは」
「野生動物のひとつやふたつ、普通にいるよな。果物はあんま期待できねーけど」
「幸い、漂着物を適当につかえば原始的な網猟くらいならできそうですしね……」
リディアはビーチのはじっこに集められた漂着物の集積場みたいな場所から網やらウキやらをもってきた。
「話は読めた」
エクスマリアは頷き、波の向こうへと振り返る。
「今夜はこの場で一泊して、明日に定期船がある隣の島まで帰るということだな」
そうと決まればレジャー再開。
男女(+幼女)を二組にわけ、先に隣の島へ到着したほうが勝ちのゲームを始めたのだった。
- 冒険イレギュラーズ!完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別リクエスト
- 難易度-
- 冒険終了日時2020年08月31日 22時00分
- 参加人数6/6人
- 相談8日
- 参加費---RC
参加者 : 6 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(6人)
リプレイ
●サバイバルでもバカンスできる。そう、ローレットならね。
突然だが水着姿の『神話殺しの御伽噺』エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)をご覧頂きたい。
裸足で砂浜をふむ小麦色の素肌。
見つけた貝殻にかがみこむと、長い長い金髪が重力にさからってふわりと浮かび上がる。
まるで天使が何枚もの翼をひろげたかのように陽光を照り返すエクスマリアの金髪が、うすい縞模様の影を身体につくった。
バカンスのためにと買ったばかりの水着をきて、縞模様のサマードレスのようなふわふわが彼女の胸元や腰を包んでいる。
それでも若干あまるのか、肩にかかった紐がやんわりとゆるみ腕のほうへとたれさがっていた。
内側に星模様のついた帽子の下。どこかぼんやりとした、夢の中のような表情をして、エクスマリアは貝殻をひろいあげる。
耳元へもっていけば、波の音が聞こえるだろう。
「思わぬサバイバル演習となった、が。
まあ、野営は慣れて、いる。一晩をこの島で明かし、明日隣の島へ行く。
うむ、何事もなく、簡単に済む、だろう」
「むっ、あの旗は一体……」
エクスマリアの後ろにぴこーんて立ち上がった謎の旗をみつけ、『咲々宮一刀流』咲々宮 幻介(p3p001387)がそれを引っこ抜いた。
家で『友人とバカンスにいくで御座る』つって褌を箪笥から出した際、姉からキャメルクラッチをくらったついでに買って貰ったアロハ模様の海パン……のみである。
刀も家に置いてきたくらいの油断っぷりだったので、スマホをなくした現代日本人くらいの不安に襲われていたらしい。
そんなふうになれば。
「おお……この堅さ、この長さ。今はお前が愛刀『鏡花水月』で御座る。宜しく頼むぞ相棒!」
引き抜いたフラグ(?)をぶんぶんふって風切り音にうっとりしていた。
男の子なら道ばたの棒をひろって振り回して歩いた経験、誰しもあるはず。
「エクスマリア殿、今ならアレをかわせる気がするで御座る! もう何も怖くないで御座る」
「そう、か」
振り返りざま、頭髪を巨大なこぶしに変えて幻介を殴りつけてみるエクスマリア。
「唸れ鏡花水月ッ――!」
カッと目線カットインをはさんでかざした刀が拳を斜めに打ち払――いそこねてポキッと言った。
「鏡花水月うううううううううううううううううううううううううううう!!!!」
幻介は膝から崩れ落ちた。
「あ、あの……流木程度ならあるけど……」
『「Concordia」船長』ルチア・アフラニア(p3p006865)が別の棒を差し出すと、幻介は『生きていたのか鏡花水月!』といって立ち上がった。なにかの病気かもしれない。刀禁断症状かもしれない。医者をよばなきゃ……。
といってもここは無人島。
ルチアはおニューの中華風水着の胸元をたたきながら深くため息をついた。
「観光のつもりだったから、ナイフくらいしかないわよ……」
そういってルチアが取り出したのは木のケースに入った刃渡り10センチ程度のちいさなナイフである。どうしても必要ってわけじゃないけど、ローマ人的になんとなく常備しときたかったアイテムらしい。
逆に言えばそれ以外はもってない。明日への希望くらいしかない。
「ま、まあ……これ一本あれば魚もさばけるし。食料と寝床がなんとかなればセーフよね」
折角だし、楽しんだほうが勝ちかしら。
なんて、考えてみる彼女たちだった。
いっぽーそのころ。
黒眼帯つけた狐耳水着少女が、浜辺でシャドウボクシングをしていた。
拳をシュッシュッて猫パンチしながら気合いを溜める『自称・邪眼の乙女』黄瀬 紅葉(p3p008322)。
「そういえばこれってチーム対抗戦だったわよね。まけないわよ!」
健康的というにふさわしいほっそりと未だ幼さの残るボディに、ちょっぴり冒険したオシャレな水着と花のアクセサリーを纏った、100%バカンス気分の紅葉である。
「……で、実際なにをすればいいのかしら。この辺ホテルとかある?」
「いやフツーにないだろ」
『弓使い』ミヅハ・ソレイユ(p3p008648)は海パン一丁で砂浜に座り、適当に拾った木の枝で『SOS』とか書いていた。このちっちゃさは上空に伝える気ゼロなので、おそらく手持ち無沙汰でふらーっと書いたものだろう。
「えっと、俺たちに俺たちにいま足りないものってなんだ?
水に、食料に、寝床に。服……は、いいか別に。誰かが助けに来るとは思えないし、イカダでも作って隣の有人島にうつらなきゃだよな。けど今からイカダに労力全振りしたらできあがり夜とかだしバテちまうよな。じゃあ明日か……」
「あの、ひとついいです?」
アメリカ人かなってくらい赤と白のきっぱりしたストライプビキニを着こなした『勇往邁進』リディア・T・レオンハート(p3p008325)が、両手を腰に当てて仁王立ち(?)していた。
「荷物をもっていったワニを追いかけるのはナシなのです?」
「それができるなら隣の島行けるだろ」
「一理ありますね」
ぽんと手を打つリディア。
「なぜでしょう私、出身地やら育ちやらで天義の風土に合ってるんじゃなかって最初は思っていたんですが、リヴァイアサンをレオンハートストライクした当たりから割と明確に海の女になりつつありますね……?」
「い、いや、なりますねと言われても……」
「なりすぎて私、このところ追い込み漁をマスターしました」
「完全に海の女だな!?」
「その追い込み漁ってなんなの?」
シャドウ猫パンチしていた紅葉が、パンチの姿勢のまま振り返った。
「猟師にノルマをかけて壁ドンとかするやつ?」
「精神的に追い込んでどうするんですか。何人かで網をもって、海流の中でも丘側に向けて流れてる所を狙って左右からかこうように海の浅いところを歩いて行くっていう漁法ですね。沢山はとれないですけど、三人で食べるご飯くらいにはなりますよ」
「へぇー。詳しいのね……」
盛っていた木の棒をいつの間にかしゃりしゃりといで矢にしていたミヅハが、地面に向けてシュッと矢を投擲した。
深く突き刺さる木の棒。
「ま、こんなもんか。リディアが魚とるなら、俺はちょっと森に行ってウサギでも狩ってくるぜ」
「狩れるの? いまの棒で!?」
「結構原始的な狩猟法だけど、知らねえ?」
「たぶん生まれて初めて見たと思うわ……」
紅葉は『そっかー、今夜のご飯は肉と魚かー』と考えてから……はたと空を見上げる。
「アレ? 私の役割って……?」
脳内に住んでるきつねの神様が『テント作りですよ』と告げた。
●生き延びるべきか、楽しむべきか
「海の食材といえば、そう……魚で御座る! トゥ!」
砂浜をダッシュし、海へ飛び込む幻介。
古式泳法ですいすい泳いでいくと、海中でぱちりとめをあけた。
広がる蒼く広大な世界。
差し込む光が帯状にゆらめき、小さな魚があちこちに見えた。
息の止まるような(実際呼吸はできないが)風景に、幻介はしばらしうっとりと見とれていた。
今がサバイバル中でなければもっと楽しんだものを……と思う一方。サバイバル中に楽しんではならぬ法はないなとも思う。
(姉上に魚の捕り方を教わっておいてよかった……どこで使うか、分からぬもので御座る……)
フッと笑い、適当な岩陰へと潜っていった。
身体を大きくひねり、全身のバネのみを使って急速な突きを繰り出していく。
水流を無視したかのごとき豪快な突きに、岩ごと激しくはねていく。
間に隠れていた魚は水圧によって逃げるどころか引き寄せられ、まるで自ら刺さりに行くかのように幻介のもった木の棒へと三匹まとめて突き刺さっていった。
「フ、拙者にかかればこの通り」
ちゃぽんと海面から顔を出し、誇らしげに魚を掲げてみる幻介……のすぐ後ろをなんかヒレ的なやつがスゥーって横切っていった。
「……えっ?」
砂浜を適当に整備したルチアは、ナイフの底の部分をカチカチと石に打ち当てるようにして火の粉をおこし、集めた木くずを燃やし始める。
この辺は手慣れているというか、育ちの良さ(?)がでるところだった。
「こんなところね。さてと。そろそろ魚を戻ってくる頃だと思うけど……」
ふと沖を見る。
と。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?」
海面を陸上選手もかくやってフォームで突っ走る幻介がいた。
海って走れるんだあって思う以上に、その後ろを十匹くらいの鮫が牙をガッチンガッチンいわせながら追いかける風景が地獄だった。
「セェーッッッッフ!」
ヘッドスライディングで砂浜へ至る幻介。
命と魚は、どうやら守ったようである。
一方。エクスマリアは山に入って木をかりかりと削っていた。
どうやら木の皮だけいい感じに剥がしてテントの材料にしようってぇ考えらしい。
いやいやそんな簡単にできたら今頃みんなやってるってと思うやもしれないが……。
「できた、な」
なんか数十分くらいでマント一枚分くらいの皮がまるっと手に入っていた。
どうやったんだろう本当に。
エクスマリアは更に枝をいくらか切り取っていくと、丸めた樹皮にくるんで小脇(?)に抱えた。
ただいましたエクスマリアは早速ルチアや幻介たちと協力してテント作りにとりかかった。
作るのはよくキャンプとかで使うテントではなく両サイドの風を防ぐだけの簡単なテントである。
こう、枝をがしがし並べてからのばした樹皮をわたすことでかなーり簡易的に作られる。定住するにはとてもじゃないが仕えないが、一晩明かすなら難しくないだろう。
たき火には木の枝を刺した魚を焼き、更にエクスマリアがとってきた山の食べ物をそえた。
「見ろ。食べられそうなキノコを、採ってきた」
そういって取り出したのは髑髏の形をした茸だった。
「……食べれるの?」
「鑑定をしたことがないからわからないが……」
エクスマリアはしばらく考えた後、ふと顔を上げた。
「ハイ・ヒールは、使える」
「それ意味なさそうな気がする……!」
尚、このあとルチアはいかにも安全そうな椎茸似の茸を食べてけいれんした。
『そっちだとは思わなかった!』とのことである。
翌朝のこと。
三人は早速いかだ作りを開始した。
材料となる丸太は幻介とルチアが気合いでばっこんばっこん採取してくるとして、それらをくくるための紐は樹皮をこう良い具合にして紐にするヤツを試すことにした。
いやいや樹枝縄とか一本つくるのにどんだけ時間がかかると思ってるのさ日が暮れちゃうよとおもうかもしれないが。
「できた、な」
なんかできてた。
どうやったの? ほんとうに?
その後『丸太にまたがってそのまま進んではだめでござるか?』って言い出した幻介に鮫のトラウマを思い出させたりしながら、三人は筏を感性。意気揚々と海へ出たのであった。
●廃材利用はサバイバルの基本
「も、もう無理……こんな重労働やってられないわ……」
海辺に紅葉がうちあげられていた。
じゃなくて。
漂流したブルーシートに絡まるようにして紅葉がぶっ倒れていた。
「暑いし重いし微妙にざらついいてるし……」
「紅葉さん、もうひと頑張りですよ! あとは1mくらいの流木を二つ三つ抱えて持っていってくださいね!」
「重労働!!!!」
リディアがグッて力こぶ(?)を作ってみせる一方で、紅葉はブルーシートに絡まったまま叫んだ。
「え、なんで? 逆になんでそんなに元気でいられるの。私帰ってゲームしたいんだけど」
「早くも現実逃避してますね……では、これならどうでしょう」
リディアは漂流物からつくった荒い網をぐいぐいと引っ張りはじめた。
最初にも言った簡単な漁法でしかけた網である。
紅葉がへばったのもこれをするために海の中を何回もうろうろ歩行させられたからなのだが……。
「せいっ!」
最後に力強く引っ張った網に、何匹もの魚がごっそり入っていた。
思わず飛び起きる紅葉。
「わっ! なにこれ!? 魔法!?」
「だから漁法ですって」
ついでに浜蟹もゲットですよといって手に取ってみせ……たところで小指を挟まれた。
「痛ったい指が!」
女性陣が海へいく一方、ミヅハは山に入って黙々と弓を作っていた。
それこそサバイバルの極みみたいな弓だが、獲物をちょこっと手に入れる程度なら充分な制度だ。なにも宇宙人を殺そうってんじゃない。
「茸だの木の実だのはよくわかんねえんだよな。やっぱ、俺にはコイツが合ってる」
弓の弦をぴんとはじいてみるミヅハ。
そして五感を研ぎ澄まし、土や草のゆれる音を聞き分けた。
風に混じって聞こえる、不自然な音。鳥たちの声に混じる小さな足音。
それこそ深く集中してやっと聞き取れる程度のものだが、それで充分だった。
ゆっくりと動き、ゆっくりと構える。
狩猟の基本は『必ず殺してあげること』だ。
半端な怪我を負わせればただ動物を苦しめ、逃げ惑わせるだけになる。矢だって無限に作れるわけじゃない。
動物が動物を狩るその姿勢とかわらず。
(――今だ!)
既に構えていた弓の狙いを一瞬でつけ、そして発射。
野をあるくウサギの首へ的確に木の矢が刺さり、ウサギはその場にこてんと倒れた。
「ごめんな。おまえの命、ありがたくいただくぜ」
ミヅハは別途作っておいた木のナイフを握り、ウサギへと近づいていった。
ブルーシートと流木で作った簡易テント。
そのそばにはたき火の準備。
「闇の儀式を始めるわっ!」
眼帯をしたほうの目を手でかくし、手首を十字に交差させる紅葉。
ハァッ! といいながら指先をたき火セットに突っ込むと、なんかカチッて音とともにちょっとだけ火が出た。
「…………」
「…………」
「待ってもうちょっとだから。あつ、あっつ!」
そのまま三十秒くらいじーっとしてたら、やっとこさ火が燃え広がりしっかりとしたたき火ができあがった。
その後はお楽しみのお料理タイムである。
彼女たちの集めてきた石や木の板を使って食器とすると、リディアが肩紐をぱちんとやって今日一番のドヤった顔をした。かわいい。
「この私、喫茶店ギルドのオーナーなどやっておりまして……全力で腕を振るいますよ!」
かくしてできあがったのは『めっちゃ焼いた肉と魚』である。
ロケーション、もとい風情というのは大事なもので、これがなんだかジーンとくるほど美味しかったのである。
かくして翌朝。
三人はそれぞれの役割を分担して筏作りを始めた。
「全国のファンの皆様おまたせしました――レオンハートストライク!」
本日のレオンハートストライクタイムである。
リディアは落ちてた板とかチョットした針金とかを紅葉のファイヤーとかで良い具合に組み合わせ、攻撃力1くらいの両手剣を作り出していた。
ここで重要なのは武器の威力というより自分の筋力。
元々もっていたパワーをフル活用し、その辺の木をばっこんばっこん切り倒していった。
そうして獲得した木材を、ミヅハはこうなんかあみあみにして強度をあげたツタで固定していく。
「いやー、なんか楽しいなこれ。実はちょっと憧れてたんだぜ。こういうサバイバル」
「最初はしんどかったけど、案外悪くなかったかもね」
紅葉はブルーシートでつくった帆を筏の中心にセットすると、それを操作するためのハンドルをくいくいと動かしてみた。
思い出すのは昨晩のこと。
たき火のそばに三人寝転がって、星の光をぼんやり眺めていたものだ。
波の音と火がもえる音しかしない。どこまでも穏やかな時間が、あそこにはあった。
「なんか、召喚されてから戦争だモンスター退治だエロ本だって忙しかったけど……この世界も、やっぱり『世界』なのよね……」
「あん? なんだそりゃ?」
「みなさーん! オールに丁度良さそうな板がありましたよ!」
みてくださーいと言いながら走ってくるリディア。
元々出会うことのなかった異世界の三人が、ひょんなことからたき火を囲んだり星を眺めたりしまいには筏を作って海に出ようとしている。
不思議なことに、それがなんだかワクワクした。
「そんじゃいくぞ! せーの……!」
意気揚々と、船を出す。
●後日談?
六人はそれぞれの筏をつかって隣の島へたどり着き、どっちが先だったのかよくわかんないまま島民の助けをえることができた。
でもって、島民がいうには……。
「この前ね、巨大ワニを倒したんだけど。なんか沢山リュックサックを飲み込んでたのよね。もしかしてあなたの?」
めでたしめでたし、である。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
おかえりなさいませ!
GMコメント
ご用命ありがとうございます
今回は3人チームで無人島脱出までを含めたサバイバルあそびを始めます。
別にどっちが勝ったからって賞品とかつけないので、今回は『楽しむ!』を最大目標似してください。
競争要素はスケジュールをあんまり延ばしすぎないためのギミック程度に考えてもらって構いません。
●スケジュール?
もうすぐ日が暮れるので、なにかしらの手段で食料を調達。寝床を確保。
そして火をおこし、ある程度暖かさを保ちつつ睡眠を取ります。
この『食事』『寝床』の部分をどれだけ楽しめるかが、翌日パートで重要になってきます。
翌日パートでは船を作ります。
作成方法は自由とします。今回に限っては判定基準をだいぶゆるくするので、ちょっとくらい無茶なプレイングでもよしとします。(なので判定例としてよそに持ってかないでね?)
三人で乗れて、そこそこ頑丈な船を作ってください。
●ロケーション
2つのチームは島の両端に分かれて活動を開始します。別に分かれる意味はないんですが、強いて言うならお互いの状況を知らずにやったほうが楽しそうだからです(なので偵察もナシとします)。
海岸にはいくらか漂着物のようなものがあり、多少のゴミ的なものが落ちています。
流木とか漁業用のウキとかです。ペットボトルや瓶やポテチの袋といった現代的(?)なゴミはたぶん落ちてないと思います。
一応整備らしい整備はされているので、島両端に丸太をがしがしして作った最低限のロッジ的な小屋があります。
窓も扉もねーくらいの簡素さですので、雨風をしのげる程度に考えてください。一応の救済措置です。使わなくてもOK。
また、この島にくそやべーモンスターやタイマンで勝てないレベルの狂暴生物はいません。一応観光地なんでね。
同じような理由で、森をいきなり焼いたり環境の大幅な破壊行為はご遠慮してあげてください。このレジャーを気前よくプレゼントしてくれた偉い人にわるいので。
●チーム分け
以下の三人ずつのチームとします。
メンバー交代をしたい場合は掲示板で相談しあってください。
・Aチーム
黄瀬 紅葉 (p3p008322)
リディア・T・レオンハート (p3p008325)
ミヅハ・ソレイユ (p3p008648)
・Bチーム
エクスマリア=カリブルヌス (p3p000787)
ルチア・アフラニア (p3p006865)
咲々宮 幻介 (p3p001387)
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