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シナリオ詳細

幻想の破滅預言者:襲撃
幻想の破滅預言者:襲撃

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●幻想の破滅預言者
 おお、見よ! 世の荒廃を!
 地には狂気があふれ、人は死と恐怖に塗れている。
 これこそ破滅の時なり。
 運命は決したり。破滅の時来たり。
 世界より神は去り、今や神の従僕を名乗る虚妄の徒が偽りの神の言葉を騙り、人心を惑わすものなり。
 偽りの徒を打ち倒し、神の名のもとに破滅を受け入れよ。さすれば破滅の果てに、人は天国の門をくぐるなり。
 時は来たれり! 時は来たれり! 時は来たれり!

●大司教からの緊急依頼
「夜分遅くに申し訳ございません。お集まりいただき感謝いたします」
 中央大教会よりの緊急依頼――その話を受け、中央大教会へと向かったイレギュラーズを迎えたのは、『幻想大司教』イレーヌ・アルエ、その人である。
「最近、幻想付近で活動している破滅預言の集団をご存知でしょうか? このところの陰惨な事件を背景に、少々勢力を拡大しているのですが……」
 破滅預言者の類は、幻想でも決して珍しくはない。信仰篤き幻想においても、一定数、そういう人間はいるにはいるのだ。
 だが、前述したように、幻想は『神』への信仰は強い。事実、この世界において神は存在するのだから当然であるのだが、それ故に、異端やこういった破滅預言者と言うものは、多くは支持を得られず、少人数でくすぶっていることが多い。
 とは言え、危険分子は危険分子である。中央大教会にとっては監視対象だ。
 さて、イレーヌの話によれば、今回、この監視対象となったとある破滅預言者の団体が、事件を起こそうとしているようである。件の団体は、ここ最近の狂気じみた事件を背景に人心を惑わし多くの支持を獲得、急速に勢力を拡大している。そのため要監視対象として内偵を行っていたのだが、その密偵から、信者の集団が、ある教会を襲撃するという情報がもたらされたのだ。
「報告によれば、信者の一団は異常な興奮状態に陥っているそうです。薬物や何らかの魔術によるものか……あるいは、近頃報告されている『狂気』に感染したのか。それは分かりません。ですが、彼らが徒党を組み、本拠地近隣の教会に向かっていることは事実です。皆様には、速やかに現場に向かってもらい、この一団を……排除していただきたいのです」
 口ごもる様に、イレーヌは言った。
 もし彼らが近頃報告される『狂気』に感染しているのであれば、恐らくはまともな話し合いは不可能だろう。殺し、殺される。そう言った状況に陥る事は予測できる。
「教会の人間は、既に退避させています。とは言え、このまま放っておいては、この一団がどこへ向かい、暴虐の限りを尽くすのか、予測がつきません。ここで確実に、止めてもらう必要があります。こちらからも、現在動ける僧兵を、数名ですが、派遣します。実力の面では皆様よりは劣りますが、力になってくれるはずです。皆様の指示に従うように言ってありますから、うまく使ってやってください」
 そう言うと、イレーヌは改めて頭を下げた。
「現時点で、こちらも様々な事件を抱えておりまして、動ける人間が非常に少ないのが実情です……申し訳ありませんが、皆様に頼るしか手がないのです。どうか、よろしくお願い致します。そして皆様の無事を、祈っています」
 イレーヌの言葉を受けて、イレギュラーズ達は、現場へと向かうのであった

GMコメント

 お世話になっております。洗井落雲です。
 狂気の徒の暴走を、これ以上許すわけにはいきません。

●成功条件
 暴徒全てを無力化する(生死は問わない)

●情報確度
 A。想定外の事態は起こりません。

●状況
 夜、教会にて敵を待ち受け、撃退します。
 教会の神父やシスターたちは、全て退避しているため、教会は無人です。
 教会付近には明りがあるため、イレギュラーズ達が新たに明りを用意する必要はありません。ただし、教会から離れる場合はこの限りではありません。
 教会の建物自体は破壊されても構いませんが、出来る限り守っていただけると嬉しいです。
 敵集団は、ある方向からまとまって襲ってきます。ただ、何処から襲ってくるかはわからないので、辺りを警戒する必要がありそうです。

●味方NPCに付いて
 僧兵が3名、味方として派遣されます。
 一人一人の戦闘能力はイレギュラーズより弱いです。
 が、敵に一発でやられてしまう、と言うほど弱くはありません。
 上手く使ってやってください。
 攻撃方法は
  物・近・単 メイス攻撃
  神・遠・単 回復術(HP低回復)
 になっています。

●敵について
 暴徒 ×20
 一人一人の戦闘能力はイレギュラーズより低いです。
 が、敵はすべて重篤な狂気状態に陥っています。
 怪我や威嚇などでは止まらず、死ぬまでこちらを殺害すべく動き続けるでしょう。
 元気でやたらと動くゾンビ位の存在だと思ってください。
 攻撃方法は
  物・近・単 武器攻撃
 になっています。

●注意
 このシナリオは、『幻想の破滅預言者:暗殺』と、同じ時間帯に発生した依頼となります。
 そのため、『幻想の破滅預言者:暗殺』との同時参加はできませんので、ご了承願います。

 以上となります。それでは、皆様のご参加お待ちしております。

  • 幻想の破滅預言者:襲撃完了
  • GM名洗井落雲
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年04月30日 21時35分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

クラリーチェ・カヴァッツァ(p3p000236)
祈る者
イリス・アトラクトス(p3p000883)
光鱗の姫
スリー・トライザード(p3p000987)
LV10:ピシャーチャ
九鬼 我那覇(p3p001256)
三面六臂
佐山・勇司(p3p001514)
赤の憧憬
美面・水城(p3p002313)
イージス
イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)
無影拳
リジア(p3p002864)
Esc-key

リプレイ

●襲撃の時
 あたりを、すっかりと暗闇が覆い尽くしていた。
 月すらも、雲に隠れて、その顔を見せない。
 これより地に荒れ狂うであろう狂気の群れを、直視する事を厭うたのか。
 星すらも見えぬほどの暗闇は、果たして破滅の時にふさわしいのかもしれない。
 その、謳われた破滅の時とやらが、事実であれば、であるが。
 さて、教会に到着したイレギュラーズ達は、現地にて待機していた僧兵達3名との合流を果たした。
「お話は伺っています。皆様の指示に従いますので、如何様にもご命令ください」
 いささか寂しい援軍ではあったが、昨今の事件が多発している状況、それへの対処へ多くの人員を割かれている現状を鑑みれば、中央大教会にとっても、イレギュラーズ達への援護として、割けるギリギリの人員であったと考えるべきだろう。
「では、早速なのですが」
 『ねこだまりシスター』クラリーチェ・カヴァッツァが言った。
「周囲の警戒を始めたいと思います。……できれば、仕掛けを設置したい所なのですが……」
 クラリーチェが頭をふった。襲撃までどれほどの時間があるかはわからない。もう少し早めに到着できていればまた違ったのかもしれないが、こればかりは中央大教会も最速でイレギュラーズを現地へ運んだ結果である。誰が悪いというわけではない。
 今からでは、仕掛けを設置している間に暴徒たちと遭遇する可能性も捨てきれず、そうなっては突出した人員が袋叩き似合う可能性もある。それは避けたい。
 となれば、結局目視による早期発見が重要になるわけである。
「時間がとれぬのは仕方あるまいよ。では、予定通りに四方に分かれて警戒にあたろう。僧兵殿たちも、手伝っていただきたい」
 『三面六臂』九鬼 我那覇(p3p001256)が言った。その言葉に、僧兵たちが頷く。
 イレギュラーズ達は、2人ずつに分かれて、それぞれ四方の警戒に当たる。僧兵たちは、北以外の三か所へ、それぞれ1人ずつついていくことになった。北が1人分手薄になるが、その分、北の警戒を担当する『生誕の刻天使』リジア(p3p002864)は飛行しつつ警戒が可能であるから、足りない分のカバーは可能だろう。
 教会の周囲は、草原と街道があるだけだ。障害物などはほとんどないため、視界は開けていたが、月明りもないので、流石にはるか遠くまで見通す、という事は出来ない。
「破滅が来る……って思いこんだのは分かる。それをどうにかしよう、って思うのもわかるし、いっそ破滅に身を任せて滅んじまおう、って思うのも――俺はごめんだけど――まぁ、わかる。でも、何で、それで自分達と考えが違う奴らを襲おう、って話になっちまうんだ……」
 『GEED』佐山・勇司(p3p001514)は、教会南側、草地を踏みしめながら、そう言った。
 勇司には、暴徒たちの凶行は理解できず、また許しがたいものだった。手前勝手な理屈で他者を害するなど、あってはならない。
「それも、狂気の影響なのかもしれへんなぁ」
 『海洋の魔道騎士』美面・水城が答えた。ここ最近の世間の状況から、人々が酷い不安を抱いている事は分かる。不安は深まれば深まるほど、視野狭窄と狂気に陥る。それが爆発してしまえばどうなるか――。
「この事件に絶対的に悪い奴がいるとして――それはやっぱり、狂気をまいている奴やと思う」
 水城が言う。狂気をまく者。様々の事件の遠因と目される何か。事件を真に解決に導くためには、いずれ対決しなければならないだろう。だが、今は――。
 一方、北では、リジア、そして『無影拳』イグナート・エゴロヴィチ・レスキンが警戒に当たっている。
「今回のシゴトは分かりやすいね。テキを教会へ近づけない。ヒトリでも多く殴り倒す」
 と、イグナート。リジアは頷き、
「だが……可能なら、生かしておきたい、と言う声も聞いた。善処はするが」
 とはいうものの、実際には相当難しいだろう、とリジアは思う。狂気に染まった暴徒が20名。このすべてを殺さず無力化する……。
「……悪いけれど、テカゲンも難しいからね。敵をゼンインぶっ飛ばしてから細かいことは考えよう」
 イグナートは言った。とにもかくにも、今はさらなる被害が出ないためにも、暴徒の集団を何とかして止めることが先決だ。
「ああ……分かっている」
 リジアが小さく頷いた。その瞳は遠くを見ていた。
 『LV7:グール』スリー・トライザード(p3p000987)は、西側の警戒を担当している。
「……『狂気』、ですか。いい加減に、元凶を、突き止めたいですね」
 呟く。その声色には、義憤などの感情は見受けられない。強いて言うなら、蒐集欲、だろうか。狂気と、その伝播を行う術。方法、対処、原理、転用方法……まつわる全ての知識を収集したいという欲。
「これだけ『幻想』を引っ掻き回してくれたのだ。相応の報いを与える時は来るだろう」
 我那覇が答える。いずれ、元凶と相対する時は来るだろう。その時に向けて、刃は研ぎ澄ましておかねばならない。
 と。
「こちら側に暴徒の姿が見えました!」
 声が響いた。
「これは……カヴァッツァさん、でしょうか」
 スリーが言うのへ、
「うむ……となると、東側へ現れたか」
 我那覇が答える。間を置かず、『光鱗の姫』イリス・アトラクトス(p3p000883)の声も響く。この2人が担当していたのは、東側の警戒である。
「……行きましょう」
 スリーが言うのへ、我那覇が頷いた。丁度、建物を挟んで真裏になる。少々出遅れることになるが、仕方がない。速やかに向かい、合流しよう。2人、そして一緒にいた僧兵は、一目散に走りだした。

●群れ
(狂気の徒、ですか……。昔を思い出させますね)
 クラリーチェが胸中で呟いた。その視線の先には、かがり火を掲げ、農具などの武器を手にし、こちらに向かってくる人々の群れである。
(いつか見た光景。狂乱の中にある人々。意味をなさない言葉。振るわれる暴力……)
 クラリーチェの脳裏に、何かがフラッシュバックする。過去の記憶。かつての自分。誰の者とも知れぬ血……。
「クラリーチェさん、大丈夫?」
 イリスが声をかけた。クラリーチェははっとした表情を見せ、頭を振るう。
「はい……大丈夫、なのです」
 答えた。過去の記憶を、今はおしやった。イリスは頷いて、
「じゃあ、下がっていて……僧兵さんも、後ろと援護をお願い。すぐにみんな来ると思うけど、それまで持ちこたえなきゃね」
 言って、シールドを構える。暴徒の一団が近づいてくる。漠然としたシルエットしか見えなかったそれが、今や一人一人の姿や持ち物が認識できる程度には近づいてくる。
「破滅が来るぞ! 破滅が来るぞ!」
「殺せ! 奴らを殺せ!」
「異端を殺せ!」
 暴徒の集団が近づいてくるにつれて、彼らが口にしている言葉の内容が分かるようになった。とはいっても、会話や意思疎通を行っているわけではなく、破滅が来るだの殺せだのと言った物騒な言葉を叫んでいるだけである。
 イリスが息をのんだ。暴徒の集団と目があったような気がしたからだ。暴徒の集団が、一瞬、足を止めた。
「来るっ!」
 何かを感じ取ったイリスが叫んだ。同時に、暴徒の集団は一斉に走り出した。
「ああああああああ!!!」
 叫び、武器とたいまつを構え、暴徒たちが走り寄ってくる! その姿は、さながら獣か。少なくとも、人にはとても思えなかった。
「……一人残らず、神様の御許へ送って差し上げます」
 そんな暴徒の群れを見ながら、クラリーチェが言った。恐らく、それだけが、狂気の徒と化した人々にとっての救いになるのだろうと、信じて。
 クラリーチェが魔力を放出し、暴徒の一人へ激しく打ちつけた。もんどりうって倒れた暴徒は、しかし立ち上がって、こちらへと迫りくる。転んだ拍子に腕を折ったのか、あり得ぬ方向へと曲がっているが、それを全く意に介していないようだ。
「まるでゾンビ……ううん」
 イリスが呟いた。
「ゾンビの方がずっとマシ……かもね!」
 手にしたシールドで手近に居た暴徒を叩く。押し飛ばされても、暴徒はダメージなどないかのように再び襲い掛かる。いや、ダメージはあるのだろう。それを感じないほどに壊れてしまっているのだ。
 暴徒たちに接近したイリスは見た。その、理性など見受けられない瞳。およそ人間がする目とは思えぬそれは、強烈な違和感となってイリスを襲った。敵がゾンビであったら、これは人間ではないのだ、と言う割り切りが効く。だが、相手は人間であったから、人間でありながら人間ではないという強烈な違和感が、脳裏に叩きつけられるのだ。その違和感は、得も言われぬ恐怖と言う感情に変わる。背筋が泡立つ。暴力を振るってくるから怖いといった物とは違う、理解できず、納得できないが故の恐怖を、イリスは自覚していた。
「大丈夫かい!?」
 北方を警戒していたイグナートが合流し、前線へと駆け寄った。暴徒の一人を殴り飛ばした。倒れた暴徒は動かなくなる。だが、すぐに次の暴徒が襲い掛かってくる。
「ハッ……ラクショー」
 あえて笑みを浮かべて、イグナートが呟いた。気圧されてはそのまま潰されかねない。それだけの物量と圧力を、暴徒たちは有している。
 クラリーチェが魔力を放出し、また一人の暴徒が倒れる。
「くそっ、なんてこった……!」
 駆け付けた勇司が言う。襲い来る狂気の波、暴徒たちの群れは、まさに破滅の時を思わせた。勇司は走り出した。近くの目標に向かって思いっきり飛び蹴りをかます。爆発のような衝撃が暴徒を襲う。だが、のろのろと立ち上がり、再び動き始めた。
「くっ……!」
 勇司は呻いた。暴徒は確かに正気ではない。幾ら攻撃しても戦意を喪失するわけでもないし、こちらへの殺意を失ったわけでもない。それでも、勇司は救わなければ、と思った。どんな理由があっても、失っていい命などない……たとえ、その心が狂気に飲まれていても。難しくても、やり遂げなければ。
「……これが、お前達の言う破滅の時か?」
 リジアが呟きながら、魔力を放出して暴徒を狙い撃った。
「確かに、破滅的だな。……実に、不愉快だ」
 リジアが言う。その言葉は、誰に向けての物か。この暴走を指示した者か、或いはその遠因となった黒幕へ向けてか。
 イリスは殺到する暴徒の攻撃を防ぎつつ、シールドで殴りつけていく。
「こんな……こんな事して、なんになるって言うんや……!」
 歯噛みしつつ、水城が言った。暴徒をシールドで押し返しても、すぐに立ち上がり、再び攻撃を仕掛けてくる。怒号と罵声が浴びせられるのを、水城は耐えた。
 この暴走に、もはや意味などなかった。いや、多分最初から、意味のない暴走だったのだろう。だが、走り出してしまった以上、後は関わった者が何かを失っていくだけだ。
 水城の身体も、少しづつ傷ついていった。僧兵たちが懸命に回復術式を使用し、援護してくれるが、暴徒たちの攻撃は激しい。
 イレギュラーズ達の攻防は続き、
「すみません、遅く、なりました……」
 スリーと我那覇、西方面を警戒していたメンバーが合流。
 スリーが己の塵を武器にまとわせ、暴徒を斬りつけた。塵により内部から侵食された暴徒の一人が、力を失い倒れ伏す。
「汝等の破滅は預言どおりであるな」
 我那覇は自らの肉体を強化しつつ、言った。
 嵐のような時間は過ぎて行った。イレギュラーズ達はその身をもって、暴風を受け止めた。
 傷つき、傷つけられ、それでも止まぬ暴力の雨。狂気の洗礼。下手をすればそれに飲み込まれそうになるのを、イレギュラーズ達はしかし踏みとどまっていた。
 暴徒たちが1人、また1人と無力化されていく。イレギュラーズ達に、1つ、また1つと傷が増えていく。
 永遠に続くかと思われた暴風は、それでも少しずつ勢いを落とし、やがて……。
 我那覇の短杖が、暴徒の一人を殴り倒した時に、暴風はついに止んだ。
 イレギュラーズの誰もが、肩で息をしていた。特に前線に立ち続けていたメンバーの疲労は激しかった。
 あたりは、不気味なほどに静かになっていた。
 ひゅう、と風が吹いた。夜の冷たい風が、ほてった身体に心地よかった。

●嵐の後
「終わった……のか」
 呟くように、イグナートが言った。
「どうやら、そのようであるな」
 我那覇が答えた。
 イレギュラーズ達の間に、安堵の空気が漂った。嵐は去った。おぞましい嵐は。
 すぐさま、僧兵たちがイレギュラーズ達に駆け寄り、簡単に傷の手当と回復を行う。
「ご無事で……!」
 僧兵の言葉に、
「皆さんの、おかげです……僧兵の皆さんも、大丈夫、ですか?」
 スリーが言う。その言葉に、僧兵は頷き、
「こちらこそ、イレギュラーズの皆さんに守ってもらったおかげです……!」
 と、頭を下げた。
 疲労困憊のイレギュラーズ達ではあったが、まだやるべきことは残っていた。
 倒れ伏した暴徒たちを確認していく。情報通り、20名。これで全員で間違いない。倒れた暴徒たちの、半数以上は死亡していた。仕方がない事だ。殺さなければ、止められなかっただろう。
 だが、それでも何名かは、命を取り留めていた。これは、救える命は救おうとしたイレギュラーズ達の、偉大なる成果と言えるだろう。
 狂気に陥った者たちが、元に戻るのかはわからない。だが、何らかの可能性はあるかもしれない。生きていれば……可能性は潰えないのだ。
「……何人かは、救えたんだな……」
 勇司が、ほっとした様子で、言った。
「そうだね。良かった、って思うよ」
 イリスが答えた。
 一方で、イレギュラーズ達は遺体を一か所に、丁寧に集めていた。
 その身元はあらためられ、家族の元へと帰るのだろう。狂気に踊らされてしまったとはいえ、元は善良な一市民ではあったのだ。死してなお、傷つけるつもりは、イレギュラーズ達には毛頭なかった。
「その身体は土に。魂は天に。その旅路に幸あらんことを」
 クラリーチェが祈りの言葉を告げる。
「何が破滅や……そんな事にならん為にうちらがおるんやから……」
 悲し気に、水城が呟いた。
「……本当に……世界の壊し方を知っているようなやり方だ」
 リジアが言った。

 夜の闇はまだ深い。事件を解決してなお、イレギュラーズ達は闇の中にいる。
 だが、この事件が終った時、雲間から月が顔を出した。
 それが、一連の事件にさす一筋の光であるように。
 そんなふうに、祈らずにはいられないのだ。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ご参加ありがとうございました。
 皆様のおかげで、暴徒の一団は食い止められ、被害は抑えられました。
 生き残った暴徒は治療施設へ送られたようです。
 また、今回の件の首謀者である破滅預言者ですが、イレーヌによれば、適切な処分がなされるそうです。

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